暗い部屋に、小さな明かりがつく。
時間は午後11時57分……あと3分ほどで今日が終わる。
いつも通り会社で働き、いつも通り残業し、いつも通り家に帰り、いつも通り飯を食う。
このサイクルを毎日毎日、人間という物は繰り返すのだろう。
少なくとも、書き手でもある自分もそうだ。
予約をしていない時は小説や漫画などを読みながら過ごし。
予約をしているときは執筆に勤しむ。
自由な時間を何に割くかと言う違いだ。
何ともつまらない毎日である。
「予約してねーからなぁ……何しようか」
そう言いながらメールフォルダを開く。
ここ数か月会社関連のメールしか来てなかった特に面白くもないメールフォルダである。
だが、今日は違ったようだ。
件名には何も書かれていないが、添付ファイルがある。
「――――いや、どう考えてもウイルス系な感じの罠だろwwww」
どうせこういうのは面倒なだけだ。
だが、もし普通のメールだったら失礼だよな。
うん……いや別に気になるわけじゃあないぞ?
とりあえずウイルスチェックを通してみる。
結果は……ウイルス反応は無し。
なら開けても大丈夫なはずだ。
ダブルクリックし、メールが開かれる……。
「――――あれ?」
内容文は一切書かれていなかった。
添付ファイルを開きますか? というシステム文だけが俺の目に入った。
ますます怪しくなってきたが、ウイルスはないと言っていた。
ならば問題ないはずだ、もし入っていたらこのメールソフト作った会社に文句を言ってやればいい。
躊躇いを振り切って、俺は添付ファイルを……。
「――――え?」
開いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
◆ ◆ ◆
なぁ、日常ってなんなんだろうな。
社会人の場合平凡に会社に行くことか?
学生の場合は学校に行くことか?
家に帰ってゆっくりとすることか?
ま……全部が全部『日常』なんだろうな。
俺もいい加減飽き飽きしてたんだよ。
何も起きない『平穏』な『日常』がさ。
ちょっとくらい刺激があっていいとは思わねぇか?
つーことで俺も考えたわけよ。
お前らも見たことあるだろ? いや、見たことなくても聞いたことは絶対あるはずだ。
『書き手バトルロワイアル』――――1st、2nd、3rdとあるわけだ。
あれは今までネット上で架空にやってたけどさ……うん、まぁそれじゃあつまらねーなって。
そう考えてたところに、ちょっと変な奴らと知り合ってさ。
書き手ロワ4thをリアル、現実で開けれるように出来るって――――そりゃあ最初は俺も驚いたもんさ。
そんなリアルでバトルロワイアルなんて無理に決まっている。
映画撮影とかいうわけにもいかないしな。
つーことでまぁ、今までの書き手ロワのノリを『リアル』でできるようにしてもらえたわけだ。
ハッキリと言えば、今までの書き手ロワのように、その書き手にそぐわったような恰好に変身してるって奴だ。
それが、現実でもできるようになっていやがる。
すっげーよな、科学の進歩ってさ。
俺らの知らない所でこんな風に出来るようになってやがる。
科学の進歩の実験台として使われるっていうのは納得いかないけどさ。
面白いから万事オッケーって奴?
お前らを呼ぶために使ったメールもそうだよ。
フォルダを開いたら意識がなくなっただろ?
それも、科学技術って奴さ。
もはや言い訳と言うか科学技術って言えば何でも許されると思ってるだろって言われそうだけどな。
まぁ、ともあれ――――始めようか。
見せしめはいらないよな?
君たちならば、このバトルロワイアルの本質を知っている君たちならば。
参加者をここでわざわざ減らすのももったいないしね。
ルールとか支給品とか、そこらへんはまぁ……基本的には君たちに配られるバックでも見ておいてくれ。
それじゃあ開始だ。
本当の絶望を、『書き手バトルロワイアル4th』を。
【主催者:不明】
※バックに異常な科学技術を持つ巨大な団体がついているようです。
最終更新:2013年04月07日 18:33