―――ここはパロロワワールド。

「バトルロワイヤル・パロディ」と呼ばれる小説に関わる者たちの『分身』が暮らしている不思議な世界である。
書き手の諸君なら『トリップ』はご存知だろう。実はトリップを付けて作品を投下すると、そのトリップには何かしらのイメージが作られる。
それが『分身』。その姿はもちろん、そのトリップによって投下された作品のキャラクターの誰かとなる。
作品を書くことでトリップのイメージはどんどん固まり、それが形を得たものがパロロワワールドの住民となるのだ。

……なんだこれは、と思われる方がほとんどだろうが、今回はこの前提で語らせて頂くのでご了承願いたい。

とりあえず、そのカオス極まりない世界には『書き手』や『描き手』などが入り浸り、様々な作品を紡ぎ出している。
彼らはその作品を見て、時に笑い、時に沈み、時に胸を熱くし、時に感動の涙を溢し、楽しく愉快に過ごしていた。

―――だが、そのファンシーな世界でとある異変が発生したのだった。







気がつけば我々は皆、よくわからない場所に立っていた。
よくわからない空間……体育館のような場所だと言えば大体わかってもらえるだろう。
目線の先にはステージがあり、そこに置かれたどでかい水槽に一匹のマグロが泳いでる。

「これからみなさんには、殺し合いをしてもらう!」

マグロはそう言い放った。

―――マグロかよ!、と誰かが叫ぶだろうが、もちろんこれはただの魚では無い……
『◆100ZZ542nE』のトリップを持つ、新安価ロワの書き手の一人である。

マグロの言葉が体育館に響き渡り、ワンテンポ置いてから誰もが口々に抗議を始めた。

「は?」
「あのさぁ……」
「……たった今『投下します』宣言した直後マンなんだけど、ボク」
「なんだこれなんだこれ」
「みんな逃げろぉ! 死人が出るぞぉ!」
「意味わかんねーよ、殺すぞ」

悪態を付く者、困惑する者、煽る者、叫ぶ者、悪態を付く者、その反応は多種多様である。
それらの声は徐々に大きくなり、やがて生意気なマグロに対して誰もが反発をした。

「おい、そこの黒づくめ! 金なら出すからあのマグロをぶち殺してくれないか」
「ほほう……宜しいのですかな? 私に頼むのとなれば、それなりの額は頂かせてもらいますよ」

いやらしい笑みが特徴のメガネの男は、ドクロの面を付けた黒づくめの男に札束を差し出す。

「さぁ、これで動いてもらおうか」
「……御意……!」

黒づくめの男はジャキンッ、と投げナイフを手に持つと、視認出来ぬ程の速度で水槽へと放つ。
ガガガガガッ! と鈍い音がしてナイフが突き刺さる。
水槽はピシリと軋んだ音を立てると、そのガラスは粉々に砕け散った。
中の水が流れ出て、ステージを水浸しへと変えた。
周囲から歓声があがった。水がなければ流石にアイツは死んだだろう、と。
だって、ほら、マグロじゃん?

ナイフを投げた男の名はアサシン……トリップを『◆0uDu0SETOk』と言い、ニコロワγの書き手だ。
アサシンはキメ顔をして、ニヒルな口調で一言、呟く。

「ふん……他愛なs(ry


                               ヽ`
                              ´
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突然、アサシンの肉体が木っ端微塵に爆散した。
誰もがその光景を呆然と見る。

「ごめん、水槽無くてもなんとかなるんだよね。ただのマグロじゃねーもん」

ステージの上で行ったり来たりと、マグロが宙を泳いでいた。
誰もがその異様な光景に改めて驚いたことだろう。
だって、ほら、マグロじゃん?

「さて、あなたもその首輪を爆破させてあげますよ? カンリュウさん」
「ま、待てっ! やめてくれ! 金ならいくらでも出す! それで勘弁しろ! いくらでも出すぞぉ!」

メガネの男……彼は俺ODIOロワの書き手、タケダ・カンリュウ……トリップは『◆EDO/UWV/RY』。
彼はいくつもの札束をステージにポイポイと投げ込み、命乞いを行なった。
その様子は見苦しいのと、それでいてどこか上から目線な言い方が相まって、誰もが「あ、死ぬなコイツ」と予感した。

マグロは札束をヒレで拾い上げてしばし眺めて、そしてこう言った。

「……うん、今回だけ許すわ」
「ホーーッホーーーーッ!!」

なんか思ったより上手くいったもので、思わずカンリュウは奇声を上げて喜んだ。

「とりあえず、殺し合いだお前らー。例によって最後の一人になるまでだぞ。
 そして例によって荷物全部奪って、その代わり支給品を配る。
 あと例によって優勝したら不思議な力でどんな願いでも叶えてあげる。
 もう、だいたいのルールとかは、いっつも書いてるから問題ないよね?
 ……一応、このバトルロワイヤルに異論のある者はいますかー?」
「つーかお前さ……」「いや言わせてもらえば……」「殺すz」
「ていうか、異論唱えたらその場で爆発させるんで」

……異論を唱えるものは誰もいなかった。

静まり返ったところで、マグロは高らかに宣言する。

「いいか、生き残れば願いが叶うからな! ナンバーワンの座は一人だからな!!
 ……よし、それではこれより、書き手バトルロワイヤルを開始する!!」

その声が呼び出された書き手たちの耳に届くと同時に、その肉体は殺し合いの会場へと移されていく。
彼らが皆いなくなったところで、マグロはふぅ、と一息を着いたのだった。




―――書き手バトルロワイヤル4th GAMESTART―――

《主催:マグロ◆100ZZ542nE@新安価ロワイアル》

【アサシン◆0uDu0SETOk@ニコニコ動画バトルロワイアルγ 死亡】

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最終更新:2013年04月07日 18:36