マップ最南端G-1。
 その更に南側に、ふと支給品類が入った鞄が放置されている。
 はて、これはどういうことか。
 殺し合いにおいて最も重要である支給品を捨てる。
 これは己の能力に、よっぽどの自信があるからなのであろうか。
 否、この鞄を捨てた書き手は全てをぶちのめす力などもっていない。
 もしかするとこの現状に絶望して自ら命を絶ったのか。
 それも違う。
 では一体何故?
 それはこの鞄を支給された書き手の話からしよう。

 この鞄を支給された書き手、その人物の名は◆51/314RH96。
 俺ロワトキワ荘で突如表れた、史上初の現実の同一人物単一ロワの>>1である。

 御存知の通り、彼が旗揚げした俺ロワは『川崎宗則バトル・ロワイアル』。
 なんJをも震撼させたそのロワの首領である◆51/314RH96も、
 自身のロワの発展、そしてイチローさんや川崎宗則の知名度イメージアップのために殺し合いに奔走していたであろう。

 今が、11月から3月までの間でなら話しであるなら。

 そう、今は2013年4月、NPBもMLBもシーズンが始まったばかり。
 彼はロワを愛すると同時に、もちろん野球をも愛している。

 確かに書き手ロワは書き手の夢の一つかもしれない。
 だが、彼にとってはイチローや川崎宗則、贔屓球団、そして野球、
 全ての応援をしなければならないこの季節に、殺し合いなどやってい暇などない。

 だから彼は 脱 出 したのだ、どうやって?
 それは愛だ。
 イチローさんを愛する川崎宗則が渡米したのと同じように、
 ジャイアンツ魂、猛虎魂、星の煌きと同じように。
 彼も野球を愛した。
 殺し合いよりも、野球を、愛して、愛して、愛し続けたのだ。

 陳腐な出来事とは言わせない。
 イチローさんと同じ球団を夢見た川崎宗則が夢を叶えたのも、イチローさんへの愛が深いからだ。
 彼もまた川崎宗則が好きだから、イチローが好きだから、野球が、野球選手が好きだから、
 ◆51/314RH96は川崎宗則ロワを旗揚げしたのだ。
 他のパロロワ書き手がパロロワ愛して行動するように、彼も野球というものを愛して行動したのだ、
 そしてその夢が実った。

 ただそれだけである。

 だからもうこの世界に『川崎宗則ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.川崎宗則)』と呼ばれる参加者は存在しない。

 脱出と本人は思っているが、もしかしたら主催者側が危惧して消滅させただけかもしれない。

 だから静かに、誰も気にもとめない場所に、ポツンと鞄が残っている。
 パロロワに対する愛がなかったわけではなかろう、だが、それ以上に……

 彼は野球を、愛していたのだから……

【川崎宗則ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.川崎宗則)@川崎宗則ロワ 書き手ロワ4thから消失】

 ☆ ☆ ☆

 ここで唐突だが川崎宗則ロワの他のロワと特に違った面を話したいと思う。

 一つ目は、川崎宗則ロワは御存知の通り、NPBの名選手であり、数々のエピソード、
 もっともイチローさんとのエピソードが一番多いのだが、とにかくその川崎宗則が
 あらゆる時間帯、それこそTVの前でイチローを見ていた頃から、メジャーに渡った時まで
 幅広い間から参戦しているロワである。

 それらに加えてプラス10人、書き手枠と呼ばれるものから多種多様の川崎宗則が参戦している。
 阪神タイガースに入団した川崎宗則や、書き手になった川崎宗則、サイボーグになった川崎宗則などなど。
 とても信じられないようなIFの世界から参戦している者が大半である。
 これは他のロワでは到底ありえないことであり、このロワの最たる特徴であろう。

 そして2つ目、川崎宗則ロワは支給品に出してはいけないものは

  • イチロー(鈴木一郎、イチロー選手指すもの全て)
 このロワが終わってしまうため。
  • イチロー夫人 (イチローの嫁、弓子夫人 福島弓子氏を指す全て)
 鬼女板もドン引きするようなエグいことになりかねないため。
  • 一弓 (イチローが飼っているペットの犬を指す全て)
 生き物苦手板もドン引きするようなえげつない事態になりかねないため。

 この三点だけであり、それ以外ならなんでも、人間だろうがインキュベーターだろうが
 物凄く爆発する物体だろうが、血のエンゲージリングだろうがなんでも出していいのである。
 現にソフトバンクホークス監督の秋山監督や、松岡修造、つば九郎などが猛威を振るっている。
 これもまた、川崎宗則ロワでしか体験できない独自文化であろう。

 さて問題。
 これらの独自文化を築いてしまった◆51/314RH96。
 それは全部とは言わないが、ある程度はこの書き手ロワ内にも影響を与えてしまっている。
 では、今この時既に影響を受けてしまったものは何か─────

 ガサゴソと独りでに鞄が揺れる。

 ドンドンと飛び跳ね、鞄は倒れる。鞄の口が横向きになる。

 ファスナーがギューと音を立てて開かれた。

 中からはにゅっと…… 人か……? 静かにはみ出るように出てくる。

 だが、目を閉じたまま動く感じはしない。

 死体か……?

 なるほど、確かに書き手ロワで支給人はまずい─────


                         , - 、        /⌒ー、
                  入_,、_ノ(  ヽ_,, --ーー-"-、 , - ー'
                  フ    (`ー--r'':::::::::::::G::::::::::::::ヽ
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       ヽ …ピッ …ピッ / ) ん `(  i r ー、 ` " r ー 、 i       ┃
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   | .        |ヽ     !    ( ヽ ,,,,-‐ ,--、ーl ol-/ ̄''''''‐-彡ミミ
   |.目  .死   そ |ゞヽ、    ,r'--‐‐''{ |''!. r').  ~'''''-''      彡ミミ
   | を  .ん   の | >//ゝ‐、 /彡    |  、_ノ   ii ヾ、    彡ミミ
   |.覚   だ   と |///ーー彡彡    }       | O|  ヾ、   彡ミミ
   | ま  .は   き |ゞ、     彡,,    `      .  !  . 〉    彡ミミ
   | し   ず.  : .| --、_ .   ii                     彡ミ
   | た  の   : .|=ニ/ ヽ、                       ミミ
   | !  村     |     ヽ                  __ 三 ミ彡彡
   |     田    .|      \   ヽ         __ ≡ 三 三三ミミミ
   |     が    .|        \   ヽ_  ( ヽ ,--、ヽ≡≡三.三三三ミミ
   |________|、        ゝ     ヽ、 ''- ノ )三三三三ミミミミミ
   -,,,,   ヽ、  ヽ、       \  _ミミヽ--ー'''三三三三ミミミミミ

 ☆ ☆ ☆ 

 村田修一。
 東福岡高→日本大→横浜ベイスターズ→読売巨人軍
 日本の名だたるスラッガーの一人である。

 と、同時に不名誉な知名度の広がり方をしている。

『内川コピペ』

 これは当時同じく横浜ベイスターズに所属ていた内川聖一と呼ばれる野手が、
 暗黒まっただ中であって現状に思わず嘆き夢をみる、そんなコピペである。
 そのコピペの最後には、あらゆる改変を受けようが最後の一文は
『吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った』
 の一文で終わってしまう。
 もちろん、パロロワ内部でも幾つかこのコピペ改変が使われた。
 その度に彼は病院で静かに息を引き取り死んでいった。

 この村田修一、そんな自分を蔑ろにした書き手に復讐をするため支給品となっていた。
 言わばジョーカーであったのだ。
 だが、支給品として出される前に支給された人間が消え、
 更にどっかで誰かが既に内川コピペを使ったSSを書いてしまったため、
 鞄内の異空間の病院で静かに息を引き取ってしまったのだ。

 しかしここに村田修一の姿をした人間を目を覚ました。
 死んで蘇ったのか? 違う。

 川崎宗則ロワのもう一つの特性、『IFの世界の川崎宗則』の話を思い出して欲しい。
 その中には『パロロワ書き手川崎宗則』がいた、では蘇ったのこの村田修一は
『パロロワ書き手村田修一』なのか? 

 それも違う。
 なぜならそれでも村田修一だからだ。
 世界が変わろうが何だろうが村田修一には変わりない。
 だから内川コピペで死んでしまう。

 では何なのか?
『IFの世界』を別の観点で見て欲しい。
 多種多様の川崎宗則がいるなら、多種多様のイチローさんもいる。
 ならば、多種多様の◆51/314RH96がいてもおかしくはなかろう。
 そしてその中には『村田修一ロワを建てた◆51/314RH96』がいても何ら不思議ではない。
 もちろん、そんなロワもそんな書き手も本来はいない。
 だが書き手ロワ内でならどうであろうか?
 実際、今書き手ロワに存在する書き手自体、本来とは違う姿の書き手なのだ。
 そう考えれば書き手ロワ全ての参加者が、IFの世界の人間と言っても過言ではないだろう。

 そして数あるそのIFの世界のたくさんの意志が、この書き手ロワに散在している。
 生きている人間からはもちろん、死んでしまった者、参加できなかった者からも出ているであろう。
 その数多ある意志、執念、怨念の一つである『村田修一ロワを建てた◆51/314RH96』が、
 死後間もない村田修一の憑依し、体を乗っ取ったのだ。

 村田修一ロワを建てた◆51/314RH96の意志はそれはもう半端なものではなかった。
 村田修一が怪我をしようが、巨人に行こうが絶不調であろうが愛し続けた彼は、
 内川コピペで無残に死んでゆくことが許せなかった。
 だから村田修一ロワを建て、村田修一の名誉奪還に励んだのだ。
 だが、どうだ? またこの書き手ロワで村田修一は無残にも殺されてしまった。

 許せない。 どうして僕の好きな村田さんをこんな酷いことするんですか……?
 イチローを愛する川崎宗則の如く、村田修一を愛する村田修一ロワを建てた◆51/314RH96は、
 そんな書き手達のことを許せる筈もなかった。
 チャンスがあれば何時でも縊り殺してやろうと思っていた。

「村田さん…… 村田さんをコケにする奴らは僕が皆殺しにしてあげます……」

 愛撫するように己の体を触る、村田修一の姿をした『村田修一ロワを立てた◆51/314RH96(Mr.村田修一)』は
 村田修一に問いかけるように言い放つ。

 彼の意志にもうパロロワに関することは存在しない。
 村田修一を蔑んだ連中を殺す。
 ただそれだけ。

 その顔面は誰よりも狂気に満ちていた。

【村田修一@現実(支給品・ジョーカー)                 死亡】
【村田修一ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.村田修一)@川崎宗則ロワ書き手 推参】

【一日目・深夜/G-1/最南端】

【村田修一ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.村田修一)@川崎宗則ロワ書き手】
【状態】健康 マジキチフェイス
【装備】なし
【持物】基本支給品、不明支給品1~2
【思考】
基本:村田修一をコケにした書き手共を皆殺し
 1:殺す。

 ※読売巨人軍の村田修一選手の姿をしています。
 ※村田修一本人ではないので内川コピペで死ぬことはありません。

【備考】
 ※『川崎宗則ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.川崎宗則)』は脱出したのか、
  主催者側の手によって消されたかの判別はつきません。
 ※結果的に『川崎宗則ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.川崎宗則)』の支給品が全てが
 『村田修一ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.村田修一)』に引き継ぐ形になっております。
 ※IFの世界から無理やりきた『村田修一ロワを建てた◆51/314RH96(Mr.村田修一)』は
  主催者側の手が入っておりません。
  よってパロロワメモリを操作されることも今のところはありませんが、
  対策は取るかもしれません。

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最終更新:2013年04月23日 00:33