287 :風と木の名無しさん:2007/07/31(火) 02:16:56 ID:z5rNmie90
    ドケチ→借金生活→ギャンブル

    片道45分の自転車出勤で浮かせた交通費500円を貯金箱に落とす頃、
    切羽詰った様子でやって来た借金生活がドケチのアパートに転がり込んだ。

    借金「ドケチ!悪い、かくまって!」
    ドケチ「なに、また取立て?」
    借金「ああ、張り込まれてたから帰れなくて」
    ドケチ「でも、この間全部返済したって言ってなかったか?」
    借金「それは前の話。今までのところはもうどこも貸してくれないから、
     新しいところで借りてみたんだけど、やばそうなんだよ」
    ドケチ「なんでそんなところから借りるかな。そんなに金に困ってるのか?」
    借金「別に、そういうわけでもないけど…」
    ドケチ「けど、なんだよ」
    借金「ギャンブルが金貸してくれっていうから、つい」
    ドケチ「わざわざ金融で借りてきて、それをギャンブルに貸したわけか」
    借金「うん、まあ」
    ドケチ「(ばかだ・・・)」


288 :風と木の名無しさん:2007/07/31(火) 02:18:06 ID:z5rNmie90
    ドケチ「そんな回りくどいことするなら、ギャンブルに金融行かせろよ」
    借金「なに言ってんだよ、金融はやめた方がいい。危ないし」
    ドケチ「お前が言うなよ」
    借金「俺はいいんだよ、慣れてるから」
    ドケチ「そういう問題じゃない」
    借金「いいんだよ。だって、ギャンブルは俺に貸してくれって言ってんのに、
     金融行けなんて言ったら嫌われるかもしれないだろ?」
    ドケチ「ばかかお前は。ギャンブルギャンブルって、もういい加減にしろ。
     そんなんじゃいつか内臓売ることになるかもしれないんだぞ?」
    借金「別に腎臓のひとつくらい、なくたって生きてけるだろ」
    ドケチ「だからそういう問題じゃないんだよ。折角人が心配してんのに…」
    借金「知ってるよ。ドケチが俺のこと心配してくれてることくらい。
     だって、俺のこと心配してくれんのなんか、お前くらいだもん」
    ドケチ「・・・」
    借金「ついでに、俺が内臓売ってもギャンブルがなんとも思わないことも、
     ちゃんと解ってるよ。俺、ただの遊び友達だしさ、あいつにとったら」
    ドケチ「じゃあ、なんでそんなことすんの。借金してさ」
    借金「好きだし。ギャンブルかっこいいじゃん。しょうがないよ」


289 :風と木の名無しさん:2007/07/31(火) 02:20:14 ID:z5rNmie90
    ドケチ「(そうなんだよな。好きだからしょうがないのは解るんだよ。
     借金のこと好きだから、俺らしくもなく貢ぎまがいのことしてんだよ)」
    借金「でも今回は真剣にやばいかも。家帰れなかったらどうしよう…」
    ドケチ「ほとぼり醒めるまでここに居ろ。どうせろくに飯食ってないんだろ?
     残り物でよかったら、食わしてやるからさ」
    借金「マジで!もう腹減ってしょうがなかったんだ、ありがとなドケチ!」

    ケチなくせに優しいドケチと、ついそれに甘えてしまう駄目な借金生活。
    ギャンブルは借金生活の気持ちに気付かない天然遊び人だといい。
    長々とすまんかった。
最終更新:2011年11月17日 00:03