ここはポップスター。呆れ返るほど平和な星である。
これはそんな星に突如やって来たある『脅威』の物語。
「大王様ぁ~大変なのぉ~」
ここはデデデ城、城内。
朝っぱらから間延びした声が響く。
「どうした?何事だ?ポピー」
ポピーと呼ばれた少年は器用にもリンゴに乗りながら言った。
「あっ、大王様ぁ~大変なのぉ~」
ちっとも大変そうには思えない話し方だが、気にしないでもらいたい。
そもそもポピーにかかれば、どんな些細な事でも『大変』なことになるのである。
大王もその辺をしっかりと理解していたので慌てずに聞き返した。
「何が大変なんだ?」
するとポピーは言った。
「お兄ちゃんから伝言なのぉ~。『夢の泉で不審な陰を発見した』との事なのぉ~」
「夢の泉に…?」
「そうなのぉ~」
ポピーの言葉を聞くか聞かないかのうちに大王は城を飛び出していた。
夢の泉は全ての生き物達に安らぎを与える神聖な場所。
万が一そこに異変が起きれば全ての生き物達は安らぎを得る事ができなくなってしまう。
ポップスターの住人は何よりの『食事』と『睡眠』を大切にしている。
眠る事によって見た夢を語り合うのも彼らの習慣だ。
大王が夢の泉に着いたとき其処にはある『もの』がいた。
『ナイトメア パワーオーブ』
邪悪な悪夢の塊であった。
『それ』は夢の泉の流れに乗って全ての生き物を悪夢によって苦しませようとしていた。
生き物達の苦しみは『それ』の糧となり『それ』は一層強くなるからだ。
大王は『それ』を止めるべく夢の泉の力の源である『スターロッド』を抜き、バラバラにした。
そして、自分は夢の泉に残り、『それ』を食い止めることにした。
『其処を退け!デデデ大王!』
『それ』の台詞に大王は答えた。
「奴が来るまで、この場所は俺が死守する!この星を…守る…!!!」
大王の言っていた『奴』が異変に気付き旅に出たのは翌朝の事だった。
「あれれ?今日は夢を見なかったなぁ…。」
彼が『伝説の勇者』となるのはもう少し先のお話…。
最終更新:2010年02月19日 15:17