夢の泉後編

『…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!!!!!』
『悪夢』が最期の断末魔を上げた。
スターロッドを手に戦ったカービィはその場にへたりこんだ。
「…やっ…やったぁ…」
…どん…!
爆音がした。
「な…何!?」
『悪夢』が消えたときの衝撃で月が爆発を起こしたのだ。
「うっ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?はっ早く逃げないと…!?」
ワープスターに乗り彼は慌てて月から脱出した。


やがて轟音がして、月が爆発した。


「…アイツ…とうとうやりやがったな…」
地上からその光景を見ていたデデデ大王が言った。
「大王様、いくら、カービィさんでも月は食べないと思うっス」
ワドルディの言葉に大王は苦笑しながら答えた。
「違う…。奴が、この国…いや、この星を救いやがったんだ」
「カービィさんが?」
「そうだ。…悔しいけどな」
彼はそう言って上を見上げ歩き出した。
「大王様?どちらへ?」
「空だ」
大王はそう言い残し空へ飛び立った。
「デデデ~!!!僕やったよぉ~!!!」
カービィがいた。
無事だったか…と、半ば安堵した大王は胸を撫で下ろした。
「君のおかげだよ、デデデ」
どんなけお人よしなんだよ、おめーは…と思いつつも大王は嬉しかった。
「えぇぇ~い!!!」
カービィが放り投げると、軽い音をたててスターロッドは本来あるべき場所へと返った。

「…終わったね…」
止めどなく流れる夢の泉を見ながらカービィは言った。
「そうだな」
デデデ大王も答えた。
「デデデはこれからどうするの?」
「どうするって…どうもしない、いつもと同じだ」
「ふ~ん…」
「お前はどうするんだ?」
「とりあえず…」
「飯でも食うのか?」
「ううん。みんながもっといい夢を見れるように一曲…」
ゴッとカービィがいい終わらないうちに大王の鉄拳が炸裂した。
「ひっどーい!いきなり殴るなんてぇ~!」
カービィをずるずる引きずりながらデデデ大王は言った。
「帰ったら歌も愚痴も聞いてやる。ついでに飯も食わしてやるから今は黙ってろ」
「えっ?本当?やった~!約束だよ!デデデ!」

彼は人知れぬうちにもう一つの脅威を食い止めていた。

その晩全ての生き物は枕を高くして眠りについた。
ちなみに約一名、ほぼ徹夜だったものがいたが、気にかけるものは誰もいなかった…。

<終わり>

『夢の泉』がとりあえず大好きです。
だって旦那がかっこいいんだもん!
最終更新:2010年02月19日 15:20
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