After

After 匣の中身。

「うぅっ…僕のケーキぃ…」
「お前な。いい加減諦めろよ」
ここはデデデ城の一角。
再び匣を封じ終え、一息ついていたデデデ大王の元に現れたカービィはもう小一時間もケーキについて愚痴をこぼしていた。
「だってさぁ…あのケーキは特別だったんだよ?ふんわり甘ぁーい苺の乗った美味しい美味しいショートケーキなんだよ!?諦めたくても諦めきれないよぉ…」
と、その時だ。
ヒュッと乾いた風が吹き、トスッと大王の額に一枚のカードが刺さった。
さらに床の上には綺麗にラッピングされた匣があった。
「………。なんだこりゃ?」
額から血を流しつつ、大王はカードをもぎ取った。
「…なになに?『カービィ殿へ。先日は迷惑をかけ、申し訳なかった。不肖ドロッチェ、この名に懸けて貴殿に借りは作りたくない。そこでこの品を送ることとした。気に入って頂ければ幸いである。ドロッチェ』…ってこないだの盗賊からじゃねぇか」
「なんだろ?」
カービィは恐る恐る匣を開けた。
「うわぁっ!」
そして歓喜の声を上げた。
そこにはふんわりとした生クリームに、良く熟れた大粒の苺が乗ったショートケーキが1つ入っていた。

<FIN>

『参上!ドロッチェ団』の私的アンソロ。
最終更新:2010年02月19日 15:32
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