教会の造りは木造・煉瓦造り・石造り等があり、現在では鉄筋コンクリート造りへと変わってきています。
煉瓦の積み方は
フランス積み(同じ層に長手面と小口面を交互に並べて積む。見た目が華麗になる。)
アメリカ積み(長手面5~6層ごとに1層の小口面を積み上げる)
イギリス積み(小口面と長手面の層を交互に積み上げる。丈夫な構造。)
等の10種類ほどがありますが、上五島の教会では標準的なイギリス積みが多く、青砂ヶ浦・福見・大曽・
旧鯛ノ浦教会があります。
煉瓦造りの教会は全国に17箇所あり、そのうち16箇所が長崎県に存在しております。
天井については大体二通りに分けられます。
リブ・ヴォールト天井・・・別名コウモリ天井とも言われ、コウモリが羽を広げたような形をしています。
(青砂ヶ浦・大曽・旧鯛ノ浦教会等)
折上げ天井・・・・・・・・天井の中央部を一段高くして空間に広がりをもたせたもので、別名舟底天井
とも言われます。(中ノ浦・福見教会)
その他、頭ヶ島教会だけに見られる構造で、列柱を使用せず、二重に折上げられた天井(ハンマービーム天井)
もあります。
その他内部構造としては
○宗教的な儀式を行うときに聖体を安置したり、供え物を捧げたりするための祭壇
○ご聖体(キリストの体と血を意味するパンとぶどう酒)を安置する櫃(聖櫃)
○色硝子を組み合わせていろいろな模様・画像などを硝子板に描き出したステンドグラス
○列柱の頭部部分で意匠(装飾上の工夫)の彫刻が施された柱頭
などがあります。
ステンドグラスの色にはそれぞれ意味があり、黄色が大地、赤が太陽、青が天、緑が草木を表して
おります。
また、教会の両側壁面には、キリストの受難を14場面に分けた絵が必ず両側側面に掲げられており、
十字架の道行と呼ばれています。
※天主堂・・・天主堂とは、神・デウスの訳語「天主」に由来するもので、長崎の教会では正面上部に
「天主堂」の銘文を掲げるものが多く、ラテン語の神の漢訳で、最初は中国で用いられて
いたそうです。
天主堂には神の御堂・聖堂の意味がありますが、現在ではデウスの訳語が「神」に統一
されたため、「教会堂」と呼ぶのが一般的です。