110 :スターリン ◆Z/sQtK.huo:2014/05/27(火) 21:11:36 ID:jVXT24YQ
一応トリップつけました 管理人の人にはどのレスが同じ人か見えるんですよね?
基本書き捨てなんで つけないことにしてるんですが
長門が戦艦棲姫の服を着る話の続きです。
島風です。黒いです。ちょっと凌辱ものかもしれません
吹雪篇
1.
「吹雪、“指輪”は君に受け取ってほしい。俺の礼節をすべて君に捧げる」
吹雪は感極まっていた。何度もこの光景を夢見ていた。立ち上がった彼は、不安そうに縮こまった吹雪の手を取った。
「君だけが特別だ」
抱き寄せる彼に、吹雪はおずおずと身を預ける。提督の手が肩を抱き、もう片方の手が、吹雪の頭を胸元に寄せる。
そうすると、小柄な吹雪はすっかり彼に抱きしめられてしまった。ずっと夢見た場所にいる。吹雪の頬は自然と緩んだ。
彼の胸元に顔を埋め、吹雪は囁いた。
「大好きです、司令官」
提督の指が彼女の頬を撫で、唇をなぞった。吹雪は唇をОの字に開いた。吹雪は舌を指へ絡め、口へ侵入してきた指を嘗めた。
ごつごつした関節を舌でなぞると、かすかな汗の塩味を味蕾の上に感じる。
たちまち、吹雪の体の奥には火がともった。スカートの下で、太腿をこすり合わせる。瞳を蕩けさせた自分が、
淫らな表情を浮かべているとわかった。胸の頂が肌着を押し上げ、淡い草叢の奥が熱を持っていた。指が引き抜かれると、
唾液が名残惜しげに銀の糸を引いた。
吹雪の全身が、彼に蹂躙されることを求めている。引き裂かれ、焼き印を押すように所有物の証を刻まれるのを望んでいた。
そんな内心を見越したように、耳元で提督が囁いた。
「本当に?」
「はい。ずっと前から」
彼を見上げ、吹雪は尊敬と信頼のすべてを差し出した。提督は薄く笑った。古代エジプトの石像に見られる笑顔だ。
彼は片腕を上げ、明後日の方角を指さした。
「あれでも?」
促され、吹雪は陶然と彼を見上げていた目を、彼の示す方へ向けた。とたん、吹雪はかすれた声を咽喉から漏らした。
指先が指し示していたのは、神域だった。そこに集められた死体たちが蠢いている。深海棲艦も、人間の骸骨も、動いて、
叫んでいた。焼け焦げた空母ヲ級が泣き喚いていた。引き裂かれた戦艦ル級が、かつて美しかった自分を呪って噎び泣いている。
憲兵の腕章をした骨が手を伸ばして、助けを求めていた。
吹雪は腰が抜けて、死臭がしみついた砂へ尻もちをついた。震える彼女に、提督は無感情に訊ねた。
「これでも愛しているのか?」
吹雪は、自分の頬がいつの間にか濡れているのがわかった。恐怖に囚われ、彼女は泣いていた。咽喉が焼きついて言葉が出ない。
自分を見下ろす提督の前で、彼女は泣きじゃくった。震える手を伸ばすと、砂に掌をついて、吹雪は力なく平伏した。あてもなく
砂を見つめる目から、涙が何粒も落ちる。
答えなど決まっている。これさえ伝えられたなら、元の、心などない船に戻されても構わない。これさえ伝えられるなら。
「愛しています! それでも!」
それは自身に咎を認める叫びだった。
吹雪は顔を覆って泣き崩れた。月に照らされた死体たちが彼女の背信を責め立てていた。
2.
ラバウル基地内には、艦娘たちの居住地区が設けられている。その一つ、吹雪に振り当てられた部屋のドアは閉じていた。
扉にかかっている名札をつまらなそうに眺め、ビスマルクは言った。
「あの
駆逐艦はどうしたの? 具合でも悪いの?」
「ここんとこサブ島海域で忙しかったから、疲れが出たんだ」
扉の前に立った摩耶は、ぶっきらぼうに答えた。先日まで南方海域に出撃する艦隊の旗艦を務めていた吹雪は、
部屋にこもって姿を見せていない。摩耶は、吹雪を見舞いに来る仲間たちを宥め賺し、追い返す作業にあたっていた。
それを聞いて、ビスマルクと伊8は楽しげに視線を合わせた。
「やはり、提督が自らお作りになった私たちとは出来が違うわね」
「造物主様の役に立てないなんて、使えない」
摩耶は“妹”たちが見せる傲岸不遜で特権的な態度に我慢がならなかった。こんな連中が姉妹なのか?
自分もかつてこの様だったとしたら、なんて腹立たしいことだろう。摩耶は簡明直截に不快感を伝えた。
「失せろ」
ビスマルクは微笑した。
「ねえ、古い姉妹」
白い手が獲物を狙った蛇のように伸びた。細い指が万力のように摩耶の首を締め上げ、彼女をやすやすと持ち上げる。
摩耶は、うっ、と声を漏らした。息がつまり、摩耶の顔が赤くなる。摩耶を玩具のように引き寄せ、碧眼がぞっとするような
光を放って彼女を見つめた。
「私たちのエサにならないことを提督に感謝するのね。あなたなんか一撃よ」
ビスマルクは摩耶を床の上へ放り捨てた。したたかにタイルに打ちつけられ、つまっていた息が悲鳴になってこぼれる。
伊8が眼鏡の奥から害意に満ちた目を向けた。
「レイテ沖みたいにならないといいね」
伊8は摩耶の前世だった重巡洋艦が、
潜水艦の一撃で沈められたことを嘲っていた。要するに、厭味だ。
咳き込む摩耶を見下ろし、ビスマルクは伊8に顎をしゃくった。
「行きましょう。楽しい深海棲艦狩りに!」
二人の艦娘は金髪を靡かせ回廊を歩き出した。軍靴の音を夢の中の音のように廊下に反響させ、二人は遠ざかっていった。
「提督に褒めてもらえるといいなあ」
「役立たずの妹は、私たちの餌食となる定め。気をつけるのよ」
壁に手をつき、摩耶は息を吸い込んだ。これも艦娘になった弊害の一つだ。船でいた時は呼吸なんかする必要もなかった。
わざわざ相手の出方を伺う必要もなかった。だが、やれやれ、最悪の事態は過ぎたぞ。まだ靄のかかった頭でそう思った。
連中、吹雪に興味を失くしやがった、少なくとも当分の間は――
立ち上がりながら、摩耶はドアを叩いた。
「悪い、吹雪。ちょっと入るぞ」
はたして部屋の主は、ベッドの上で体を起こしていた。先程まで魘されていた彼女は、顔を覆って泣いていた。
摩耶は顔をしかめ、吹雪の傍らに腰を下ろす。
「大丈夫か?」
「嫌な夢。ひどい」
「無理もないか……」
摩耶はベッドのそばに座り、吹雪の小さな手を握った。
「海軍省に手紙を書いた。近く乗り込んできて、憲兵がいなくなったことについて始末をつける筈だ」
「もう出してしまったの?」
「当たり前だろ」
吹雪の声に咎める響きを聴き取り、摩耶は驚いたように言った。
涙に濡れた目で摩耶を見上げ、相変わらず吹雪は摩耶を驚かせるようなことを訊ねてきた。
「摩耶。司令官が好き?」
摩耶は唇を引き結んだ。
しばしの沈黙ののち、彼女は気まずそうに答えた。
「……好きだよ」
「私、司令官のためなら何でもできる」
吹雪は苦しそうに目を閉じた。
3.
トラブルが持ち上がったのは、すぐ後だった。
南方海域に出撃したのは、長門を旗艦に、ビスマルク、伊8、加賀、木曾、それに建艦した島風だった。出撃メンバーの名を
書類に書き入れた提督は、執務室の扉を叩くノックに、事務的な声で入室許可を出した。ドアを開けて出てきた艦娘の顔を見ると、
彼はペンを止め、呆れた声を出した。
「島風。まだ行ってなかったのか?」
「提督……」
ドアを閉めた島風は、普段の明るい様子はどこへやら、居心地悪げに身を縮こまらせていた。ドアの前に立ったまま俯いているので、
ウサギの耳は触角のように前を向いて震えている。そんな彼女に提督が疑問を抱く前に、島風は顔をあげた。
いつもの笑顔を浮かべている。
「……造物主様。キスして」
「皆を待たせてるのか? 仕方のない奴だ」
提督は嘆息して立ち上がった。
背伸びした彼女に、軽く唇を合わせる。島風は提督の胸元をつかんでいた。提督が顔を離した後も、彼女はその手を離さない。
「続きは帰ってからしてやる」
「ダメ! 我慢できない」
島風は提督に縋りつくと、若木のような太腿や胸を彼に押しつける。それは幼かったが、男心をそそる仕草だった。
「仕方のない奴だ」
島風に後ろを向かせると、提督は彼女を思い切りドアに押しつけた。島風が悲鳴を漏らすのを聞くと、嗜虐心がズボンの中で
鎌首を擡げる。スカートをつかみ、提督は下着ごと彼女の服を力任せに引きおろした。下半身を晒されると、島風は、
いつになく体を強張らせている。彼女の耳元に口を寄せ、提督は囁いた。
「どうした? ずいぶん今日は固まってるな」
充血した自分を取り出すと、提督は島風の尻に押し当てる。すぐに目的の場所を探り当てる。島風は、ひっ、と呼気をこぼした。
提督はそんな彼女を一気に貫いた。島風は押し殺した叫びをあげた。彼女の奥深くまで自分を埋め、提督は眉をひそめた。
島風は、壁に顔を押しつけて泣いていた。振り向いた彼女の顔は涙に濡れている。
「嬉しい」
囁くと、島風の整った顔はさらに溢れた涙で濡れた。
「嬉しい、提督……大好き……」
泣きじゃくる彼女に、提督は眉をひそめた。
だが、他の艦娘たちを待たせていることを考えると、提督は事務的に対応した。島風の細い腰を押さえつけ、思い切り中を抉る。
いつも彼の作った島風が悦ぶように、熱くなった自分で好き放題に彼女の中を掻き回した。島風は黙って提督の動きを受け入れていた。
小柄な島風を犯すのは、年下の少女を弄んでいるようで冒涜的だった。唸り声一つ、提督は彼女の中に劣情をぶち撒けた。
島風はずるずるとドアの前に崩れ落ちる。
服を乱したまま蹲った彼女は、まるで凌辱された後の様だ。
提督は格好を整えると、彼女が脱ぎ捨てた装備を集め始めた。そして、彼女が自分の言いつけを守っていないことに気付いた。
「島風。ソナーを積んでないぞ。対潜水艦装備をしとけと言ったろう」
島風は無言のまま服を整えている。
提督は眉をひそめた。そして、建艦された島風がつけていないはずの装備ばかりつけていることに気付くと、提督は腕を伸ばし、
彼女の手首を捕まえる。島風は逃げ惑うように彼から顔を背けた。
「……お前は……」
提督は震える声を絞り出した。
「……君は、最初の島風か」
南西海域で彼と出会った島風は、彼から目を背けた。彼女の内腿を、紛いようのない破瓜の血が流れ落ちていった。
艦隊帰投を告げる明るい声が響き渡ったのはその時だった。
「お父様。艦隊が帰投した」
「提督! 帰ったよ!」
長門の愛情に満ちた声に、建艦された島風の自信に満ちた声が重なった。
執務室に一番乗りで入って来ると、建艦された島風は提督に駆け寄ろうと視線を巡らせ、彼の姿を発見する。
「造物主様! 何して……?」
建艦組の島風の声は、小さくなって消えた。
彼女の瞳は、提督に手を取られ、力なく俯くもう一人の自分にくぎ付けになっていた。
提督が何か言うより早く、建艦された島風は状況を察した。顔を強張らせ、もう一人の自分につかつかと近寄ると、
止める暇もあらばこそ、島風の頬を思い切り張り倒す。自分と瓜二つの少女が床の上に倒れると、建艦された島風は、
姉妹たちに振り向き、怒りに満ちた声を張り上げた。
「みんな! このドロップ組、私のふりして造物主様と!」
「やめろ!」
115 :スターリン ◆Z/sQtK.huo:2014/05/27(火) 21:16:20 ID:jVXT24YQ
鋭い声が雷霆のように轟くと、建艦組たちは一斉に彼へ跪いた。彼女たちにとって提督の言葉は神託だった。
そんな彼女たちに目もくれず、提督はドロップした島風に向き直る。彼の顔からは血の気が引いていた。
屈辱にまみれ、島風は蹲ったまま泣いている。彼女の前に膝をつき、提督は震える手を伸ばした。
「島風」
「提督……あなたは、ひどい」
手が触れる前に、島風は提督を見上げた。その声に咎める色はない。
「誰のことも大切に思ってない。私たちはあなたに愛してもらえない……あなたの作った艦娘も、
誰か一人が選ばれたわけじゃない……あなたは、誰も大切に思ってない」
彼女は淡々と続けた。
「提督はひどい……みんな、口に出さないけど、そう思ってる……」
もう部屋には、騒ぎを聞きつけた艦娘たちが集まってきていた。島風をしばらく見つめ、提督は立ち上がった。
無言のまま、彼は二人を見ていた艦娘たちに視線を巡らせた。金剛は目をそらした。彼女は普段の天真爛漫さを置き忘れてきたらしい。
提督は他の艦娘に目を向けた。皐月は、利根の陰に隠れてしまった。他にも何人かが提督の目から隠れた。
彼は言った。
「吹雪」
途中からドアの陰に隠れていた吹雪は、電気に打たれたように硬直した。そして、ふらふらと
指令室に足を踏み入れる。ぎごちなく、提督の前へ歩み出る。逃げ出したかった。だが司令官が自分を呼んだのだ。
当然ではないか? 提督は訊ねた。
「今、島風が言ったことは本当か?」
吹雪は答えようとした。だが、息がつまって声が出ない。唇が震える。冷静な声が出せない。叫び出しそうだ。
吹雪は声を出そうと努力した。だが、声がどうしても出てこない。目をいっぱいに開いて、吹雪は提督を見つめた。
彼女は口を開きかけ、そして吹雪と同じ感情を抱いている艦娘たちがそうしたように、結局、足元に目を落とした。
吹雪の視界には、提督の靴だけが映った。
「そうか」
静かな声に、吹雪は罪人のように目を閉じた。
そっけないとすら思える声が落ちた。
「許せ」
4.
「お父様がドロップ組ごときに『許せ』などと!」
「標的艦! 鈍間のあんたが旗艦だったから帰投が遅れたのよ!」
「出来損ないのドイツ艦が! 貴様が何度も外して戦闘が長引いたからだ!」
「私たち高速艦だけなら、さっさと帰投して妙な真似をさせなかったのに!」
建艦組たちは、部屋の外で耳に堪えない罵り合いを続けている。長門も、ビスマルクも、姉妹に向かって悪罵の限りを尽くしていた。
提督が部屋から出てきて、彼女たちに責任はないと保証するまで続けるだろう。椅子に座った提督は目を押さえた。
疲れ切って、彼は息をついた。
「さぞ軽蔑してるだろうな」
部屋の中、彼の傍らにいるのは吹雪だけだった。吹雪が何も言えずに佇んでいると、若い軍人は目を閉じた。
「少し眠る。寝つくまででいい。近くにいてくれ。後は放っておいて構わない」
「司令官……」
吹雪の声には、彼女自身も驚くほどの気遣う色があったが、提督は目を閉じたままだった。
吹雪は自分が泣きそうになっているのに気づいた。咽喉が焼きつきそうだ。このまま帰ったら、二度とチャンスはない。
彼女は決断した。用心深く距離を詰める。吹雪は規律正しく直立した。
「司令官。いつだったか、私にすべての礼節を捧げてくださるとおっしゃいました」
「言ったね」
言質を得た。
「では、こうすれば、私に尽くしてくださいますね」
小さな体が、軽やかに、風のように提督の上に乗った。彼が目を見開いた時には、吹雪の唇が重なっていた。
鼓動を確かめるように、小さな手が彼の胸に添えられる。その手は静かに、弱い力で彼の服を握りしめ、手放そうとしなかった。
吹雪は目を閉じたまま、押しつけるだけのキスを味わった。小説や恋の歌が謳うような、接吻の味は全くなかった。
否。
罪の味がした。
名残惜しげに唇を離すと、提督は茫然と吹雪を見つめていた。吹雪は悲しくなった。瞳に映った自分はひどいものだった。
切羽詰まって、何か言いたそうで、何も言えずに彼を見ている、ただの小娘。提督は苦しげに顔を歪めた。
「君は卑怯だ」
目をそむけ、彼は非難するように言った。
「俺が逆らえないと知ってたな」
「はい。知っていました」
吹雪は微笑した。泣きながら。
「私、司令官のことが大好きですから」
das Ende/koniec/конец/おわり
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後書き |
118 :スターリン ◆Z/sQtK.huo:2014/05/27(火) 21:22:40 ID:jVXT24YQ
母港が一杯なのにレア艦がダブると微妙な気持ちになります
あ、次でこのヤンデレ艦娘シリーズ終わりです
まとめていただいた方、ありがとうございます
以下、どうでもいい話です
例の人によると俺は色々なことをしてるそうで
全然身に覚えがなくて段々笑えてきました
他のスレでこの名前を見たことある人はご存知と思いますが
ダメだったら素直に帰れと言われるか完全スルーのどっちかで
まあ、それが本来の形だと思います
以上、どうでもいい話でした
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これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
最終更新:2016年07月30日 03:26