一気呵成 いっきかせい


    意味:ひといきに文章を書き上げること
       ものごとを中断することなくひといきに仕上げてしまうこと
       (「呵」はハッと息を吹きかける擬音語)

    出典:『詩藪』<内編・近体中>


一饋十起 いっきじっき


    意味:賢者を求めるのに熱心なたとえ
       (「饋」は食事のことで、一回の食事で十回も席を立つこと)

    故事:中国古代夏の禹王が善政のため賢者を熱心に求め、一回の食事で十回も席を立ち、
       食事を中断して訪ねてきた賢者に会ったという故事から

    出典:『淮南子』<氾論訓>

    類義語:吐哺握髪 とほあくはつ
        吐哺捉髪 とほそくはつ


一簣之功 いっきのこう


    意味:仕事を完遂する間際の最後の努力。最後のひとふんばり。

    故事:出典に「山を為ること九仞、功一簣に虧く」とあり
       山の完成を目前にしてあと一簣(ひともっこ)の土盛り作業をしなかったため
       山はできなかったことから、最後のわずかな努力をしないために
       それまでの努力が台無しになったという故事から

    出典:『書経』<旅ごう>

    対義語:功虧一簣 こうきいっき
        九仞一簣 きゅうじんいっき
        為山止簣 いざんしき


一丘一壑 いっきゅういちがく


    意味:俗世間を離れ、自然の中に身をおいて、風流を楽しむこと
       (「丘」はおか、「壑」は谷。一つの谷でもその境地に身を置いてそこに長く住めば
        心おのずから楽しく、何ものもその気持ちを妨げることがない意)

    出典:『漢書』<叙伝・上> 


一裘一葛 いっきゅういっかつ


    意味:一枚のかわごろもと、一枚のくずかたびら。他に着替えがない=貧乏のたとえ。
       (「裘」は冬に、「葛」は夏に着る着物のこと)

    出典:韓愈の『送石処士序』    


一丘之狢 いっきゅうのかく


    意味:同じ丘に住む狢(むじな)。似たようなもののたとえ。
       同類のものをけなしていう語で、多く悪者に対して使う。

    出典:『漢書』<楊運伝>


一薫一蕕 いっくんいちゆう


    意味:善は消えやすく、悪は除きがたいことのたとえ。
       (「薫」は良い香りの草、「蕕」は悪いにおいの草で、
         ともに置いておくと良い香りが消え悪いにおいが勝つことから)

    出典:『春秋左氏伝』<僖公四年>


一蹶不振 いっけつふしん


    意味:一度失敗して二度と立ち上がれないことのたとえ。
       (「蹶」はつまづくという意味)

    訓読:一蹶(いっけつ)して振(ふる)わず

    出典:『説苑』<談叢>

    類義語:捲土重来 けんどちょうらい


一闔一闢 いっこういちびゃく


    意味:あるいは閉じ、あるいは開く。陰と陽が消長するさま。
       (「闔」は閉じる、「闢」は開く意)

    出典:『易経』<繋辞・上>


一狐之腋 いっこのえき


    意味:貴重なもののたとえ。(一匹の狐の腋下から少量しか取れない白い毛皮の意)
       また、希少なという意味から、直言の士のたとえ。

    出典:『意林』<二引『慎子』>


一糸一毫 いっしいちごう


    意味:ごくわずかなこと
       (「毫」は細い毛のことで、「一糸」も「一毫」もごくわずかなもののたとえ)

    類義語:一分一厘 いちぶいちりん


一士諤諤 いっしがくがく


    意味:多くの者が追従している中で、一人だけ恐れはばからずに直言すること
       (「諤諤」ははばかることなくありのまま是非善悪をいうこと)

    訓読:(千人の諾諾は)一士の諤諤に如かず

    出典:『史記』<商君伝>


一瀉千里 いっしゃせんり


    意味:流れの非常に速いこと。
       転じて、文章や弁舌がよどみなく、すらすらできることのたとえ。
       また、物事が速やかに片付くこと。
       (「瀉」は傾斜地を水が勢いよく流れ出すこと)

    類義語:一瀉百里 いっしゃひゃくり


一觴一詠 いっしょういちえい


    意味:一杯の酒を飲んで、一つの詩を作る。酒を楽しみながら詩を作ること。
       (「觴」はさかずき)

    故事:東晋の王羲之が紹興近郊の蘭亭で上巳の日に同好の士と曲水の宴を催し、
       酒を飲み詩を作って楽しんだ故事から(→「曲水流觴」)

    出典:王羲之の『蘭亭集序』


一笑一嚬 いっしょういっぴん


    ⇒一嚬一笑 いっぴんいっしょう


一倡三歎 いっしょうさんたん


    意味:すぐれた詩文を賞賛する語。一度読み上げれば何度も感嘆する意。
      (『三』はたびたび、何度もの意。)

    出典:『礼記』<楽記>  

    類義語:一読三嘆 いちどくさんたん


一世風靡 いっせいふうび


    意味:ある時代に非常に流行すること。
       (「靡」はなびく意で、風が吹きたくさんの草木がそれになびくことから)


一箭双雕 いっせんそうちょう


    意味:弓を射るのが上手いこと。
       また、ただ一つの行為で二つの利益をえるたとえ。
       (「雕」は鷲で、一本の矢で二羽の鷲を射ることから)

    出典:『北史』<長孫晟伝>

    類義語:一発双貫 いっぱつそうかん
        一挙両得 いっきょりょうとく
        一石二鳥 いっせきにちょう
        一挙双擒 いっきょそうきん


一朝之忿 いっちょうのいかり


    意味:一時的な怒りのこと。
       (「一朝」はわずかな間、一時的の意で、「忿」は怒り、憤怒のこと)

    出典:『論語』<顔淵>


一擲千金 いってきせんきん


    意味:豪快な振る舞い、思い切りの良いことのたとえ。
       (「擲」は投げる意味で、惜しげもなくひと時に大金を投げ出すことから)

    出典:呉象之の「少年行」

    類義語:一擲百万 いってきひゃくまん




最終更新:2008年11月24日 11:47