軼
総画:12画
字義:①車が列からぬけ出る。転じて、それだけがぬけおちる。
〈同義語〉佚イツ、逸。〈類義語〉失。
「軼文イツブン(=逸文)」「亡軼ボウイツ」「遺聞軼事イツジ(ぬけおちた昔話)」
②列からぬけ出て前に出る。ぬきんでる。列からぬけ出てすぐれたさま。
〈同義語〉逸イツ。「軼材イツザイ(=逸材)」
③陣列からぬけ出て、先がけの突撃をこころみる。「侵軼シンイツ(突っこんでおかす)」
④列からぬけて入れかわる。〈同義語〉迭。
⑤わだち。▽轍テツに当てた用法。「車軼(=車轍)」
音読:(イツ)
訓読:(う・せる)(す・ぎる)(すぐ・れる)(も・れる)
熟語:
軻
総画:12画
字義:①むりに押しこんで車の軸をはめる。車がきしるさま。
②「轗軻カンカ」とは、(イ)車の行きなやむさま。(ロ)事の思うように運ばないさま。
(ハ)人の志を得ないさま。
③「軻峨カガ」とは、ごつごつして高いさま。
④孟子モウシの名。「孟軻モウカ」
音読:(カ)
訓読:
熟語:【轗軻】カンカ 車がでこぼこにつかえて、うまく進まないさま。
また、思い通りに物事が運ばないさま。
【轗軻不遇】かんかふぐう
軫
総画:12画
字義:①よこぎ。車の後部の下にあるよこぎ。また、車台を組みたてるきめ細かい材木。
②琴の弦を巻いて調節する軸木。
③車がぐるぐるまわる。
④いたむ。うれえる。ようすをきめ細かくみて心配する。〈類義語〉診。「軫恤シンジュツ」
⑤二十八宿の一つ。規準星は今のからす座に含まれる。みつうち。
音読:(シン)
訓読:(いた・む)(うれ・える)
熟語:【軫念】シンネン
①心に深く心配する。=軫懐シンカイ
②〔国〕天子がきめ細かく心配されること。
輓
総画:14画
字義:①ひく。そろそろと車や舟をひっぱる。また、やっとのことでひき進める。
〈同義語〉挽バン。〈対語〉推。「推輓スイバン(=推挽。人をひきたてる)」
②葬式のひつぎ車。転じて死者をいたむことば。▽去声に読む。
〈同義語〉挽。「輓歌バンカ」「輓聯バンレン(弔詞をのべた対ツイの歌)」
音読:(バン)
訓読:(いた・む)(おそ・い)(ちか・い)(ひ・く)
熟語:【軫念】シンネン
①心に深く心配する。=軫懐シンカイ
②〔国〕天子がきめ細かく心配されること。
轅
総画:17画
字義:①ながえ。ゆるい曲線をした、馬車のかじぼう。主として、大きな車についていう。
車の箱の下から差し出した二本の棒。その先端に横木をつけ、くびきで、牛や馬につなぐ。
②馬や牛がひく車。「軒轅ケンエン」
音読:(エン)
訓読:(ながえ)
轂
総画:17画
字義:①こしき。車輪の中心にあるまるい部分。
▽ここに輻やがあつまり、その中を車軸がつらぬき、車体と車輪とが接合している。
②「轂轂コクコク」とは、かたくまるいものがこちこちとふれあうさま。
③「推轂スイコク」とは、車のこしきを押すように、人の仕事を助けること。
また、才能のある人を推薦すること。
音読:(コク)
訓読:(あつ・める)(お・す)(くるま)(こしき)(しめくく・る)
輾
総画:17画
字義:①ひく。にじる。車のわだちが物を平らにひきつぶす。「輾転テンテン(ごろごろとひく)」
②ひく。にじる。ひきうすで物を平らにひきのばす。〈同義語〉碾。
③ひきうす。〈同義語〉碾。
音読:(テン)(デン)(ネン)
訓読:(ころ・がる)(ひきうす)(めぐ・る)
轗
総画:20画
字義:車がくぼみにつかえて行きなやむ。また、そのさま。「轗軻カンカ」
音読:(カン)
訓読:
熟語:【轗軻】カンカ 車がでこぼこにつかえて、うまく進まないさま。
また、思い通りに物事が運ばないさま。
【轗軻不遇】かんかふぐう
轢
総画:22画
字義:①ひく。車でごろごろとふみくだく。また、そのさま。〈類義語〉轣レキ。
②ふむ。ふみにじる。人をないがしろにする。「轢蹙レキシュク」
③すれあってまさつがおこる。対人関係でまさつがおこる。「軋轢アツレキ」
音読:(レキ)
訓読:(きし・る)(ひ・く)(ふみにじ・る)
熟語:【軋轢】アツレキ
①車輪がすれあってきしる。
②きしみあい。つぶしあい。不和になる。
反目する。人と人との間の仲たがい。
【轢死】レキシ 車にひかれて死ぬ。
最終更新:2009年01月29日 15:41