夏癸殷辛 かきいんしん


    意味:夏王朝の桀王と、殷王朝の紂王。ともに古代の暴君。
       (「癸」は桀王の名。「辛」は紂王の名)

    出典:張衡の「東京賦」


蝸牛角上 かぎゅうかくじょう


    ⇒蝸角之争 かかくのあらそい


諤諤之臣 がくがくのしん


    意味:遠慮することなく、ありのままに正論を述べる人のこと。
        (「諤諤」は恐れはばかることなく直言すること)

    出典:『史記』<商君伝>

    対義語:侃侃諤諤 かんかんがくがく


鶴立企佇 かくりつきちょ


    意味:心から待ち望むこと。
       (「企」は爪先立つこと、「佇」は待ち望む意。鶴が立っている姿のように、
         つま先立って、人や物事を待ち望むこと)

    出典:『三国志』<魏書・陳思王植伝>

    類義語:延頸鶴望 えんけいかくぼう
         延頸挙踵 えんけいきょしょう


家鶏野雉 かけいやち


    意味:ありふれた古いものを遠ざけて、珍しく新しいものを大切にすること。
       (「雉」はきじ。家で飼っている鶏を嫌って、野生の雉を好むこと)

    訓読:家鶏(を厭い)、野雉(を愛す) の略

    故事:晋の庾翼が自分の書を家鶏に、王義之の書を野雉にたとえ、当時の人が
        家鶏をいやしみ野雉を愛しているのを嘆いたという故事から

    出典:『太平御覧』<九一八引『晋書』>

    類義語:家鶏野鶩 やけいやぼく   


歌功頌徳 かこうしょうとく


    意味:人の手柄や徳をほめたたえて歌うこと。
        (「歌功」は功績をたたえて歌うこと、「頌徳」は人徳の高さをほめたたえること)

    訓読:功を歌い徳を頌(たた)う

    出典:揚雄の「趙充国頌」


和氏之璧 かしのへき


    意味:この世にめったにない宝物。
       (「和氏」は人名、「璧」は玉のこと)

    故事:中国春秋時代、楚のべん和(べんか)が山中で宝玉を手に入れて、
        厲王に献じたところ、つまらない石と見られて罰に左足を切られ、
        後に武王に献上したが、これもただの石と見られて右足を切られた。
        そののち、文王の時になってようやく宝玉と認められたという故事から

    出典:『韓非子』<和氏>

    類義語:連城之璧 れんじょうのへき


華胥之夢 かしょのゆめ


    意味:よい夢。また、昼寝のこと。
        (「華胥」とは理想郷といわれる架空の国のこと)

    故事:中国伝説上の聖天子黄帝は、国がうまく治まらないことを心配していた。
        ある時、昼寝をして、その夢の中で華胥という国に言ったところ、
        そこは命令する者も欲に目がくらむ者もいない、ごく自然な治世が
        行われている理想郷であった。目が覚めた黄帝は、無為自然が政治の
        基本であることを悟ったという故事から。

    出典:『列子』<黄帝>

    類義語:華胥之国 かしょのくに


画脂鏤氷 がしろうひょう


    意味:苦労して効果のないこと。また、力を無用なところに用いるたとえ。
       (「画脂」は油に絵をかくこと、「鏤氷」は氷に彫刻する意)

    訓読:脂(あぶら)に画(えが)き氷に鏤(ちりば)む

    出典:『塩鉄論』<殊路>

    類義語:凋氷画脂 ちょうひょうがし
         鏤氷雕朽 ろうひょうちょうきゅう


軻親断機 かしんだんき


    意味:中途半端で志を捨ててはいけないと言う教え。
        (「軻」は孟軻(孟子)のこと、「軻親」は孟軻の母親の意
          「断機」は織布を途中で断ち切ること)

    故事:孟子が学問をしても進歩がないと言うのを聞いた孟子の母は、
        機織の糸を切り、学問を途中でやめることは、この未完成の織物と
        同じだと戒めたという故事から

    出典:『列女伝』<鄒孟軻母>

    類義語:孟母断機 もうぼだんき
         断機之戒 だんきのいましめ


花鳥諷詠 かちょうふうえい


    意味:自然とそれにまつわる人事を、そのまま客観的に詠ずること。
       (「花鳥」は自然のたとえ「諷詠」は詩歌を作ること)


隔靴掻痒 かっかそうよう


    意味:思いどおりにいかず、はがゆく、もどかしいこと。
       (靴を隔てて痒いところを掻く意で、痒いところに手が届かないはがゆさをいう)

    訓読:靴を隔てて痒きを掻く

    出典:『景徳伝灯録』<二二>

    類義語:掉棒打星 とうぼうだせい
         隔靴爬痒 かっかはよう

    対義語:麻姑掻痒 まこそうよう


一瀉千里 いっしゃせんり


    意味:流れの非常に速いこと。
       転じて、文章や弁舌がよどみなく、すらすらできることのたとえ。
       また、物事が速やかに片付くこと。
       (「瀉」は傾斜地を水が勢いよく流れ出すこと)

    類義語:一瀉百里 いっしゃひゃくり


一觴一詠 いっしょういちえい


    意味:一杯の酒を飲んで、一つの詩を作る。酒を楽しみながら詩を作ること。
       (「觴」はさかずき)

    故事:東晋の王羲之が紹興近郊の蘭亭で上巳の日に同好の士と曲水の宴を催し、
       酒を飲み詩を作って楽しんだ故事から(→「曲水流觴」)

    出典:王羲之の『蘭亭集序』


一笑一嚬 いっしょういっぴん


    ⇒一嚬一笑 いっぴんいっしょう


一倡三歎 いっしょうさんたん


    意味:すぐれた詩文を賞賛する語。一度読み上げれば何度も感嘆する意。
      (『三』はたびたび、何度もの意。)

    出典:『礼記』<楽記>  

    類義語:一読三嘆 いちどくさんたん


一世風靡 いっせいふうび


    意味:ある時代に非常に流行すること。
       (「靡」はなびく意で、風が吹きたくさんの草木がそれになびくことから)


一箭双雕 いっせんそうちょう


    意味:弓を射るのが上手いこと。
       また、ただ一つの行為で二つの利益をえるたとえ。
       (「雕」は鷲で、一本の矢で二羽の鷲を射ることから)

    出典:『北史』<長孫晟伝>

    類義語:一発双貫 いっぱつそうかん
        一挙両得 いっきょりょうとく
        一石二鳥 いっせきにちょう
        一挙双擒 いっきょそうきん


一朝之忿 いっちょうのいかり


    意味:一時的な怒りのこと。
       (「一朝」はわずかな間、一時的の意で、「忿」は怒り、憤怒のこと)

    出典:『論語』<顔淵>


一擲千金 いってきせんきん


    意味:豪快な振る舞い、思い切りの良いことのたとえ。
       (「擲」は投げる意味で、惜しげもなくひと時に大金を投げ出すことから)

    出典:呉象之の「少年行」

    類義語:一擲百万 いってきひゃくまん




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四字熟語
最終更新:2009年01月03日 00:35