「バレンタイン・・・?」
「う、うん・・・」
本日は2月14日・・・バレンタインデーだ
学校も終わり姫宮邸に帰宅した姫子と千歌音
部屋で寛いでいた千歌音、その部屋に姫子が訪ねてくる
「そうね、そういえば昨晩、調理場が騒がしかったようだけど、あれは姫子ね?」
「うん、乙羽さんに貸してほらったの」
「そう・・・それで今日、大神さんには渡せたの?」
学園内での姫子にそんな様子はなかった様子だが、手作りチョコを渡す相手は1人しかいまい
「うん・・・でも大神君人気あるし・・・それに私は心から渡したい相手がいるの」
「相手・・・?」
姫子の言葉に千歌音は戸惑った、その相手ってまさか・・・でもバレンタインは
千歌音の瞳をまじまじを見つめる姫子、そして頬を赤く染めて・・・
「うん、千歌音ちゃんなの・・・千歌音ちゃんのために、私ね、心を込めてチョコを作ったの・・・」
姫子の言葉に戸惑う千歌音
「姫子・・・バレンタインデーというのは・・・!!」
「うん、わかってるよ!!で、でも!!好きな人に渡したいんだからいいよね?性別なんて関係ない・・・」
姫子に告白され・・・姫子に見せないように頬を赤く染める千歌音
「前から想ってた気持ちをはっきり言うね、好きだよ千歌音ちゃん!!愛してるよ・・・だから・・・私の手作りチョコ受け取ってね」
「・・・姫子・・・」
鞄の中からチョコを取り出す姫子、そしてそれを・・・千歌音に渡す
「性別なんて関係ないよ・・・バレンタインなんだもの・・・こういうのもいいよね千歌音ちゃん・・・」
「え・・・ええ・・・そうね、ありがとう・・・とても嬉しいわ」
「ううん、私がしたかっただけだから・・・え、あ、あの千歌音ちゃん!?」
頬を赤く染めたまま目から感激の涙を流す千歌音
「ありがとう・・・とても嬉しいわ・・・ふふ、ごめんなさいね姫子」
そして千歌音の胸に飛び込む姫子
「ううん、愛してるよ・・・千歌音ちゃん」
「姫子・・・私もよ・・・ふふ・・・」
見つめ合った2人、そのままキスを交わす
「ん・・・!!」
ん・・・ちゅっちゅばっ・・・ちゅちゅ・・・
キスしたまま姫子の赤いリボンを左手で外す千歌音、姫子の唇からは甘い蜜の味がする・・・
千歌音の長い黒髪から感じる甘い香り・・・その香りに酔いしれながらキスする姫子
抱き締め合ったまま2人はベッドに飛び込んだ
手作りチョコを握り締めながら、千歌音の前で涙を流す乙羽さん・・・
そしてその頃大神神社では・・・
乙橘学園の女生徒から大量のチョコをもらったジン様ことソウマ君
姫千歌が姫宮邸で互いの愛を確かめ合っていた間、神社の石段で1人空しく呟いていた・・・
「なあ、俺達って一応理想のカップルだって言われてるんだよな、だから姫宮・・・せめて義理チョコの1つくらいくれ・・・」
END