バレンタインSS 一生の絆で結ばれた2人

神無月の巫女 エロ総合投下もの

バレンタインSS 一生の絆で結ばれた2人

 

「来栖川さん、どうしたの?開いてるわ」
ドアの外に居る姫子に話しかける千歌音
「う、うん・・・は、入るね」
もぞもぞと後ろに両手を廻しながら部屋に入ってくる姫子

「どうしたの・・・姫子」
「う、うん、千歌音ちゃんに渡したいものがあるの」
「渡したいもの?」
「今日はバレンタインデーだからその・・・」

と口にしながら千歌音にケーキ上の大きな箱を手渡す姫子
その箱からはチョコレートの香りが漂ってくる

「これを私に?」
「うん、そうだよ、昨日ね乙羽さんに調理場と材料を貸してもらったの、千歌音ちゃんのために作りたかったから」
「姫子・・・で、でも私・・・女・・・」
「そんなこと関係ないよ、好きな人に手渡したい気持ちは女の子とか関係ないもん」
「姫子・・・・・・ありがとう、とても嬉しいわ、開けてもいいかしら」
「うん、いいよ」

床に座った2人はゆっくりと箱を開けた


まさしくチョコレートケーキだった
円状の形をしており、真ん中に月という字が生クリームにようなもので書かれている

「綺麗なケーキね、とてもいい香りがするわ」
チョコの香りを感じながら瞳を閉じるとそう呟く千歌音
「うん、私ね、昨日・・・千歌音ちゃんが寝たあと1人で作ったの、千歌音ちゃんのために」
「姫子・・・私のために・・・ありがとう、この月という字は、私?」
「千歌音ちゃんはお月様だから・・・少し工夫してみたの・・・へ、変かな?」
「いいえ、とても素敵・・・嬉しいわ」

少し乱れてはいるもののまさしく月だった
姫子の努力の後がうかがえる

「皿も持ってきてるから、ふふ・・・千歌音ちゃん、一緒に食べよう♪」
満面の笑みで千歌音に微笑みかけてくる姫子
「え、ええ・・・ほんとにありがとう(この子はいつもそう・・・どんなに辛いことでもそれを見せようとしない、そしてこの笑顔にいつも励まされてるわ、どんな辛いことがあっても忘れてしまいそうなくらい可愛い笑顔ね、姫子)」
千歌音は少し頬を赤く染め、そう答えた


「それじゃ・・・頂こうかしら」
「うん、わけるね」
包丁でケーキを切ると皿に置きそれを千歌音に手渡す姫子
そして小さなフォークでそれを音を立てずにゆっくりと口に運ぶ・・・。

「・・・・・・とても美味しいわ、姫子・・・(姫子の気持ちがギュっと詰まってるのね・・・ほんとに甘くて美味しいわ、ほんとに私・・・)」
「・・・千歌音ちゃん・・・!?」

瞳から涙を零した千歌音に不思議そうに見つめる姫子

「ごめんなさいね・・・貴女にこんなに想われているなんて・・・それがとても嬉しくて私・・・!?姫子・・・?」
涙を拭こうとする千歌音を胸に抱き締める姫子
「ひ、姫子・・・」
「あの時言ったよね私、私が千歌音ちゃんのハンカチになるからって、だから泣いていいんだよ、そしてこうも言ったよ、どんなことでも私にわけてって、だからね、いいの・・・泣いてもいいんだよ千歌音ちゃん」
「姫子・・・」

本来姫子より背の大きい千歌音を胸に抱いているため中途半端な体勢となるが気にせず抱き締める姫子
そう、千歌音は本来弱い女の子なのだ、宮様という立場上クールで気丈に振舞っているだけ・・・
なにしろ美人で頭がよく運動神経も抜群なため、そう思われても仕方ないことではあるが、本当の千歌音の理解者は姫子だけなのだ・・・。
千歌音が気が弱く、臆病で嘘つきで怖がりということは姫子が一番よく知っている

千歌音を胸の中から優しく引き離した姫子が口を開いた
「千歌音ちゃん、いつでも私の胸の中で泣いてね・・・ふふ・・・立場が逆転しちゃったね・・・テヘ♪」
「姫子・・・(本当なら私が貴女と守らないといけない立場なのに、逆に私が守られてるのね・・・)」


「うん、我ながらよく出来てるかな、うん・・・美味しいね千歌音ちゃん」
「ええ、そうね姫子」
チョコを食べながらそう話す2人

「でもごめんなさいね姫子、さっきはあんなはしたないこと・・・」
「ううん、いいの・・・だって私と千歌音ちゃんは結ばれてるんだもの、2人の気持ちは繋がってるしね、うふふ」
「姫子・・・最近は貴女にしてもらってばかりだわ、私もなにかしてあげたいのだけれど・・・」
「そんな、千歌音ちゃんは気にしなくていいんだよ、私がしたいんだから、それにね・・・私、以前は千歌音ちゃんになんでもしてもらってばかりだったから」

知らない間に千歌音を独りぼっちにしていた
それに気付いた姫子はどうしようもなく悲しかったのだ
「あ、こんな悲しい話はやめよう、あ、千歌音ちゃん・・・」
そう呟いた姫子はわざとらしくチョコを唇に塗った
「あ、汚れちゃった・・・千歌音ちゃん、あ、あのね・・・取ってほしいの」
「え!?く、口移しで?」
「う、うん・・・」
「・・・!・・・っ・・・」
頬を真っ赤に染めながら千歌音が口を開く
「わかったわ」

そういうと姫子の唇に自分のを軽く触れた


チョコの味と姫子の唇の蜜のような甘さが妙にアクセントを取っており合っていた
姫子の唇についてるチョコを嘗め回す・・・
それにしてもほんとに姫子の作った手作りチョコレートケーキは甘くて美味しかった
それは味だけではない・・・姫子の千歌音に対する気持ちも入っているからだろう
千歌音は瞳を閉じ姫子とじっくりキスを交わす
チョコを舐め終わってもキスから解放したりはせずそのまま・・・舌を姫子の口内に忍び入れる
姫子も受け入れるように千歌音の背中にゆっくりと小さくて細い両腕を廻した

「ん・・・」

・・・あむっ・・・ちゅ・・・んん・・・。

舌と舌がお互いに口内で絡め合う
そう、それはいまの姫子と千歌音の関係を表しているかのようだった

ん・・・ちゅっ・・・んんっ・・・ぷはぁ・・・

舌と舌が口内でダンスを踊る
姫子とのキスを存分に味わった千歌音はゆっくりと姫子をキスから解放した

「・・・ごちそうさま・・・とても美味しかったわ」
「うん、ほんとに・・・千歌音ちゃんと心からキスした感じだったね、私幸せだよ千歌音ちゃん」


「ほんとに私幸せだよ、千歌音ちゃんとこうして楽しい夜を迎えられるんだもの」
「私もよ姫子(そうよね、あの悪夢の夜とは違って・・・)」
悪夢の夜・・・千歌音がオロチだということを姫子に打ち明け力尽くで犯したあの悪夢の夜だ
あの夜、千歌音は姫子の処女を奪ってしまった

「千歌音ちゃん、私を・・・抱いて」
「姫子!?」

姫子は千歌音を真剣な眼差しで見つめた
「だ、駄目よ姫子・・・私に貴女を抱く資格なんてないわ、ほんとは愛される資格もないのよ」
「ううん、過去のこと気にしてちゃ駄目だよ千歌音ちゃん、私達の今後を考えよう?私ね、千歌音ちゃんとしたいの、心から・・・だから抱いて」
そういいながらパジャマを脱ぎ始める姫子
「姫子・・・・・・わかったわ、でも、今夜は少しだけね、私苦手だから・・・それでもいいかしら」
「うん、いいよ」
あの夜は姫子に嫌われるために夢中で犯したのだ、本来千歌音はそういう行為は苦手だ
姫子に頷くとピンク色の透明なネグリジェをゆっくりと脱ぎだす千歌音

「姫子、来て頂戴」
「うん、優しくしてね・・・キスくらいで・・・うふふ」


服を脱ぎ捨てると下着一枚でベッドに入った2人・・・
髪飾りの赤いリボンを取り外すと寝転びこちらを見上げる姫子
そして千歌音に向けてゆっくりと瞳を閉じた
そう、それは千歌音に全てを捧げるという意思表示でもある
姫子を見下ろした千歌音は・・・姫子の胸をまじまじと見つめた

「私は千歌音ちゃんのものなんだから・・・好きにしていいんだよ」

そう囁きかける姫子に千歌音は・・・姫子の胸をゆっくりと揉み始めた
それと同時にキスを交わす
抱き合う2人

「はあ・・・はあ・・・好き、好きよ姫子」
欲望のままに姫子の胸を揉み回す
「はあ・・・!!わ、私もだよ千歌音ちゃん・・・私・・・」
巫女の宿命を背負わされ辛い想いをした時とはもう違う
想い合っているのだから
乳首を存分に嘗め回す千歌音を姫子は微笑むと抱き寄せるようにゆっくりと両手で抱き締めた
こんなに想われているのだ、あの宮様に・・・。


「・・・うん、また・・・抱いてね千歌音ちゃん」
「え?え、ええ・・・ごめんなさいね姫子、私、自分の欲望をそのまま貴女にぶちまけてしまったみたいね、貴女のことになるとついムキになるから、ごめんなさいね姫子」
「ううん、いいの、私、千歌音ちゃんに抱かれて幸せだよ、誰よりもずっと・・・」
「でも、女の子同士なのにこんな」
「性別なんて関係ないよ、こんなに愛し合ってるんだもん」
「姫子・・・」
「うん、あ、私もう寝なきゃ・・・」
「そうね、あ、使用人に見付っちゃだめよ、屋敷の見回りをしてる子が居るから」
「大丈夫だよ、おやすみ千歌音ちゃん、愛してるよ・・・ふふ、いいバレンタインデーが過ごせたね・・・」

ほんとに、心から喜んだ千歌音、姫子が出て行くと再び歓喜の涙を流した
今年のバレンタインは千歌音にとって姫子から最高のプレゼントが送られた

それとは別に、千歌音の部屋の行為をドア越しに伺っていた乙羽さん
嫉妬の憎悪が増し、一ヶ月近く、しいたけ定食が食卓に並んだことは言うまでもない

ちなみにその頃ソウマ君は大神神社でため息をついていた
「せっかくのバレンタインなのに、来栖川からも姫宮からもなに1つ・・・貰えなかった、義理チョコもなしか、俺って一応乙橘学園のアイドルだよな・・・怪しいぜ」


                END

最終更新:2007年04月29日 17:12
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