その人はいつも姫宮邸お庭の大木を見上げているの
その姿がよくて、様になっていて
私、その乙羽さんを2階の自室からよく覗いているの
そういえば最近千歌音ちゃんがあの木に登るようになってきたんだよ
乙羽さんもそれが嬉しいのかな、私もいつか千歌音ちゃんと2人で登りたいな
うーん、でも私って千歌音ちゃんと違って運動とか苦手だから登れるか不安だけど・・・
あと、いまの千歌音ちゃん、なんだか心から楽しそうにしてる、なんでだろうね
以前(転生前だよ)の千歌音ちゃん、笑っていてもなんだか楽しそうに見えなかったけど
いまの千歌音ちゃん、心の芯から楽しそうなの、いつも輝いていて、これが恋人ってものなのかな・・・?
あの交差点で、千歌音ちゃんと再会後、すぐ姫宮邸に戻り乙羽さんに挨拶した
『ただいま』って、そしたら乙羽さんは温かく私達を迎えてくれたよ
「乙羽さん・・・」
千歌音ちゃんには程じゃないけどとっても美人で
たまに食事に椎茸いれられたりたまに意地悪されるけど
でも最近は優しいんだよ、昨日だってね
いつも寝る前はいつも千歌音ちゃんが側にいてくれるんだけど
昨日だけは千歌音ちゃんが忙しいからって、乙羽さんが私を寝かしつけてくれたんだよ
ずっと側にいてくれて、私それが凄く嬉しかったの
「え・・・?来栖川様、いまなんと申しました?」
「は、はい・・・その、一緒に寝てくれませんか?私、寂しくてその・・・」
ベッドの上で寝支度の用意をしてくれている乙羽に勇気を出して切り出す姫子。
「え、で、ですが来栖川様」
「駄目ですか?私、乙羽さんと一緒に寝たくてその・・・」
「いえ、駄目ではないのですが、私の一存だけでは決めかねます」
「千歌音ちゃんはいいって言ってくれてます、一緒に寝なさいって」
「お、お嬢様がそのようなことをおっしゃったのですか?」
「は、はい」
もちろん嘘だよ、千歌音ちゃんの口からそんな言葉が出るわけないよ
でもこう言えば一緒に寝てくれる、そんな気がしたの
こんなことに利用したりしてごめんね千歌音ちゃん。
乙羽さんの温もりを肌で感じてみたい、そう思ったから
「・・・かしこまりました、では少しお待ちください・・・」
小さく息をつきそう言葉を吐く乙羽、その言葉に喜ぶ姫子。
千歌音の名前を使ったのはやりすぎだと思ったが当初も目的は達成した
乙羽は姫子に小さく頭を下げると、一度部屋を出る。
千歌音に確認しに行くのか?一瞬顔を強張らせる姫子だが数分後、胸を撫で下ろした
メイド服から着替え、ネグりジェに身を包んだ如月乙羽がそこに居たからだ
乙羽さんの胸に抱かちゃった、両腕を絡められ体が熱くなる。
温かい・・・とても温かいや、うん、すべすべなの・・・
「どうでしょうか?」
「は、はい、とても気持ちよくて温かいです」
「ありがとうございます、では・・・もっと気持ちいいことしてあげますわ」
「え・・・?」
姫子の言葉と同時に・・・体全体に電気のようなものが走った。
乙羽が姫子の首筋に唇を軽く押し付けていた
姫子自身なにをされているのか気付くのにしばしの時間がかかった。
そう、キスしている、姫子の首筋に・・・。
「あ、あの・・・」
「うふふ・・・」
なんとなく怖くなり乙羽の腕から逃げようと体を揺さぶる
がそれとなく強く抱き寄せられており逃げられなかった。
やがてそれは場所を変えなんども繰り返されるようになる
乙羽の行為に姫子は心臓の鼓動が高鳴るのを感じる。
「あ、あの・・・や、やめっ・・・」
姫子の言葉通り乙羽は唇を離す。
姫子は乙羽に振り向く・・・と同時だった。
唇を塞がれたのは・・・。
「ん・・・」
「!?」
引き離しにかかるが乙羽の体、唇両方びくとも動くことはない。
姫子の脳裏が混乱する、乙羽からのキスに驚くと同時。
塞がれた唇からは薔薇のような香りが立ち込めていた
それは姫子にとってはファーストキスに近い物だった
千歌音転生前ではキスは何度もされた
ソウマにも千歌音にもマコトにもされた
千歌音から無理矢理されたのもあった
が、千歌音転生後
つまり一時期この世界から姫宮千歌音の記憶が消えていた時もキスはされてない
再会後、千歌音とキスしたことはない
もちろんそれに近いことは何度もしてるし千歌音のことは愛しているが
だからこの世界においてはこれがファーストキスのような感じだった。
乙羽に唇を塞がれ声を発することが出来ず姫子は天井を見上げていた。
胸のどきどきが収まらないのだ
「!?」
乙羽の長い舌がヌルッと口内へ侵入を開始してきた
拒否のできない一方的なディープキスは姫子の鼓動をさらに高めさせる
あむっ・・・んんっ・・・ちゅっ・・・
口の中を這いずり回る乙羽の舌の感触にうっとりしたが次の瞬間舌の感触が消えた
気付くとキスからも解放されていた。
「あ、あの・・・どうしてこんな・・・」
「誘ってきたのは来栖川様では?」
「え?わ、私は一緒に寝てほしいって頼んだだけで・・・」
「うふ、申し訳ありません、ですが・・・ここまで来ると引き下がれませんわ」
と姫子のパジャマに手を触れた。
「やっ!!」
「何度も申し上げますが誘ってきたのは来栖川様にございます」
と同時にパジャマを脱がされまいと隠す姫子の手を右手で掴むと押さえつける
そして無防備になったパジャマのボタン1つ1つを外していく。
一度前の世界で千歌音に犯された経験があるが、あの時は恐怖であまり覚えていない
それにあれも千歌音のお芝居だと聞かされたときはもう忘れることにした
そう考えているうちにボタンを全部外されパジャマを取り外されていることに気付く
それと同時に姫子の体に覆いかぶさる乙羽
「優しくしてさしあげますわ、来栖川様」
左手で左胸を、右手で右胸を、そして唇は首筋を舐め始める
「あっ・・・」
首筋に跡がつくくらいまで嘗め回される
さらに両胸を揉まれるが姫子はされるがままになっていた
「うふふふ・・・来栖川様、いい体・・・」
姫子の下着を取り除き、優しく乳首を掴むと唇を押し当て嘗め回す
「はあ・・・はあ・・・」
そして下半身に移動した乙羽の左手は姫子の最後の一枚を優しく脱がす
「うう・・・」
「もう濡れているご様子ですね」
姫子のアソコから漏れている液をゆっくりと舐めると感想を言う
「恥ずかしがらないでくださいね、充分に美味しいですわ、ただ少し足りませんね」
姫子は恥じを感じたのか下半身から目を背けている
「来栖川様は処女とお見受けしますのであまり激しいことはしたくはないのですが、サービスにございます」
と同時にアソコの穴に指をねじ繰り回し入り口をかきまわす
すると姫子の液が滝のように流れ出すのを見た
それをデザートのように飲み干すと満足気に顔を上げた。
「来栖川様・・・よかったですわ、とっても・・・」
下着をつけパジャマを着ると再び抱き寄せらちゃった。
うーん、やっぱり温かいな・・・。
「来栖川様、お嬢様には後内密に願いますね」
「はい・・・」
自然と犯されたという印象はないの。
なんていうか、普通に初体験をしたって感じかなぁ・・・。
「来栖川様、このようなことはこれっきりに・・・」
「はい、すみません、無理に頼んだりして」
ごめんね千歌音ちゃん、でも私・・・胸がいまどきどきしてる
ううん、もちろんこの世で一番は千歌音ちゃんには変わりはないよ
でも乙羽さんのことも好きなの、うん・・・。
そんな時だった・・・心臓が停止しそうになる
「来栖川さん、来栖川さん、入るわよ」
とんとんとドアを叩く音が響いた
千歌音だ・・・姫子の様子を見に来たのだろう
震え上がった姫子を静止させると乙羽がドア越しの相手に冷静に告げた
「お嬢様、来栖川様はいまお休みになったばかりにございます、私が見ておりますからお休みください」
乙羽は姫子に軽くウインクしながら告げた。
流石はメイド、人に対する対応は心得ている。
千歌音も信じた様子だった。
「わかったわ、来栖川さんをお願いするわね、おやすみなさい」
声の主が去ったのを確認し姫子に目で合図を送る。
乙羽に姫子は微笑んだ、屋敷主人を追い出したのだ
その数時間後、こっそり部屋に戻る乙羽
次の日から乙羽の様子は変わらないものだった
椎茸を入れられたり、もちろん一緒に寝ることなどもうない
でも今夜は姫子にとって忘れられない夜となった。
「(愛してるよ千歌音ちゃん・・・でも乙羽さんも好き・・・ふふ)」
END