「あのね、今日マコちゃんちに泊まるから」
週末を姫子と楽しく過ごす妄想をしていた私の打ち破ったその言葉
私は思わず側に居た編集長の頭を掴んでいた…コイツ、ヅラだったのね 泣くんじゃないわよ、ハゲ
そう…そういえば早乙女さんは寮を出て、ひとり暮らしを始めたそうね
それで姫子を連れ込んでイチャイチャするつもりなのね…
「あの…千歌音ちゃん、行ってもいいよね?」
ああ…姫子、小動物のような可愛い表情をしてそんな事言わないで
私はあなたがしたい事を止めたりなんてしないから…決して
しかし迂闊だったわ…ここのところあのクソエロ親父にばかり気を取られていて、早乙女さんの方はすっかりノーマークだった
「あの、千歌音ちゃん…編集長の鬘…窓から放り投げたら可哀想じゃない?」
私は動揺していた…
「まさかとは思うけれど…」会社を出て早乙女さんの部屋へ向かう姫子を見送る
「その、いきなり大家さんになってたり、ピザ屋の配達の人になってたり、新聞の勧誘員の人になってたりしないよね?」
…あら、ニブチンの姫子にしたらいい勘してるわね バレバレじゃないの、私の行動
さすがに私の姫子だわ 成長したのね
さて、困ったわね…どうしようかしら?
(千歌音ちゃんはとりあえず姫子を尾行中です)
姫子は駅前で早乙女さんと待ち合わせをしていた
(私はこの間、公衆電話のボックスと一体化、完璧な成りきりよ)
その後、二人でスーパーでお買い物ね…まるで新婚さんみたいじゃないのっ…悔しいわ
(私はこの間、ワゴンセールのおつとめ品と一体化…さすがにこれは無理があったみたい…あやうく警察を呼ばれそうだったわ)
買い物の後、早乙女さんのアパートへ向かう二人…ここなのね
そう、そこが二人の愛の巣になるのね
「目標捕捉、ターゲットにロックオン!!」
潜んでいた精鋭部隊にロケットランチャーぶち込むのを必死に止められたわ…いけない…私ったら冷静さを失うところだったわね
明りのついた部屋を見上げながら、私はアパート前の空き地に佇む
時折、漏れてくる姫子たちの楽しそうな笑い声…
私は…草むしりを始めていた
「グッスン…いじけてやるぅ」
同情してくれたのか、精鋭部隊の面々も草むしりを始めたわ
あなたたち…ごっつい顔してるけれど優しいのね…暫くしたらすっかり空き地は綺麗になった…
よくわかんないけれど、近所の老人からお礼言われたわ きっといい事をしたのね
さぁ、撤収するわよ…姫子の時間を私が邪魔するなんてことはしてはいけなかったのよ…
そう…姫子の笑顔は私だけに向けられているものではないのだから…
良く働いてくれた精鋭部隊を我が家に招いて慰労会を行ったわ
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \もうヤケだわ
無礼講よーっ どんどん呑みなさい
…もうみんなべろんべろんよ、どんどん倒れていく チッ男のくせにだらしないわね
(*`Д')ゴルァ!!もっと酒もってこーい…なんか虚しい…
姫子がいないとこんなにも寂しいなんて…泣けてくるグッスン…
「千歌音ちゃん…こんなところで寝てると風邪ひくよ」
あれ?姫子なんで戻ってきたの?今日は早乙女さんのうちに泊まるんじゃなかったの?
「やっぱり千歌音ちゃんが心配だったから戻ってきちゃったよ…やっぱり千歌音ちゃんと一緒の方がいい」
ひ、姫子おぉぉぉっっ。゜゜(´□`。)°゜。
しっかりと抱き合う私達…
顔が赤くなったり、蒼くなってフラフラ状態の精鋭部隊から拍手がおこった
あら、ありがとう…これも大円団ってヤツ?
「で…千歌音ちゃん、その黒い人たちって一体何なの??」