神社にて、姫子と出会う、どこかおかしい様子の姫子
朝と様子が違うようだけれど・・・どうしたのかしらね・・・
剣神アメノムラクモを復活させるのが私達の使命、姫子の腕を取り祭壇に進もうとする
「い・・・いや・・・」姫子が進みたがらない、何かに怖がっているというより怯えているようだ
「姫子・・・?」姫子が社に怯えている、なぜ?強引に連れていくわけにもいかない、事情を聞いた
「駄目・・・また千歌音ちゃん傷つけちゃう・・・私駄目、私何をやっても・・・」
今日は駄目ね・・・私は小さくため息をつくと姫子に声をかけた
「姫子、今日はもう帰りましょう」
「え・・・千歌音ちゃん・・・ごめんなさい!」
私は泣き出した姫子に駆け寄ると肩を優しく抱いて優しく微笑んだ
「泣かないで・・・私は姫子が元気でいてくれたらそれでいいの・・・」
千歌音は姫宮邸に帰り食事を取ると姫子にお風呂に一緒に入るように誘った
お風呂に中に沈み込んだ状態の姫子がいた
私はシャワーを浴びながらお風呂に入ってじっとしていた姫子に何度も謝られていた
全裸の姫子をまざまざと見つめていた私はある行動を口に出して言った
「姫子、今日は私が体を流してあげるわ」
「え・・・そんな、いいよ千歌音ちゃん、私自分で洗うから」
「いいから、来なさい・・・」
「う・・・うん」
私は石鹸の粒を手につけ姫子の体にあちこちに優しく揺り始めた
しばらく暴れていた姫子だが気持ちよくなってきたのか大人しくされるがままになっていた・・・
「姫子の体って柔らかいのね」
「そんな・・・そんなことないよ、私なんか・・・千歌音ちゃん凄く綺麗だしいつも憧れちゃうよ」
そうだ・・・早乙女真琴ともこうして体を流していたのだろうか・・・?
私は恐る恐る聞いた「早乙女さんとは・・・早乙女さんとはこうしてお風呂一緒に入ったりしていたの?」
「マコちゃん・・・?ううん、ないけど・・・マコちゃんとは一緒に寝ただけだよ」
「そうなの」私は内心ほっとした、姫子が私以外の人に全裸を見せる姿を想像してくなかった
マコトに対して嫉妬していたことだろう
そういう意味では私の方が姫子のことを知ってる、あの子は巫女服の姫子のことも知らないだろう
姫子がどんな運命を背負ってるかも知らない・・・
千歌音は姫子の体を洗いながら勝利の余韻に浸っていた
そして自然と姫子の胸に手をやると姫子の胸をまざまざと見つながら撫でまじめた
「や・・・千歌音ちゃん!」
我を忘れた私は姫子の体を洗うことも忘れ・・・背後から強く抱き締めると首筋に唇をあてようとした
「いや・・・ちょっと・・・や、やめてよ千歌音ちゃん!」
姫子が驚いたように暴れて姫子は千歌音を見た、あ・・・姫子のはっとした私は慌てて姫子にお湯をかけた
「ご、ごめんなさい、少し寝ぼけてしまって・・・悪いことしたわね」
そう言うとは私はため息をつきお湯に遣った
私はまたシャワーを浴びた、こうしていたらずっとお風呂場に姫子と2人でいられるような気がしたから、
体を洗い終わった姫子が今度はお風呂に浸かる、こういう状態で色んな話題で話をした、そして・・・大神ソウマの話を持ち出そうとした
私自身はっきりいってこの話は嫌い、姫子が彼に好意を持ってるのは以前から知ってたことだ
いつも彼の話をするときの姫子の楽しそうな顔見るの私辛いの・・・姫子は私の気持ちなんて知りもしないのだろうけど・・・でも言わないといけないわね
「あ・・・そうそう姫子、今日の放課後・・・学園内で大神さんに会ったわ」
「大神君?ふーん・・・そうなんだ」
え・・・?彼の話を持ち出したら急に態度を変え楽しい笑顔になっていたのに・・・
私もその笑顔が嫌だったのに・・・素っ気ない素振りの姫子に戸惑いを見せつつも放課後彼との会話を伝えた
そういえば・・・ソウマ君ってこの前言ってたような・・・
「もういいの・・・ソ・・・ううん、大神君は私の手の届かないような人だもん、彼ああいうふうに皆から人気あるし・・・私もうやめたの・・・諦めた」
「そうなの・・・よかったわね」
「うん・・・て・・・え?」
自然と口から出た言葉に私は慌てて言い直した
「え、ううん・・・でも姫子、ほんとにそれでいいの?」
「うん、千歌音ちゃんもう何も言わないで、私もう決めたの」
「そう・・・分かったわ」
「ごめんね、千歌音ちゃん・・・私と大神君のこと応援してくれていたのに・・・」
応援・・・?私がいつ?あんなの嘘に決まってるじゃない、あんなこと・・・私がどれだけ辛かったか、姫子・・・貴女には分からないわよね
「いいの、姫子がそう決めたのなら私は何も言わないわ、貴女の好きなようになさい」
そう言いながらも私は心底ほっとしていた、良かった・・・これで姫子は彼から離れる・・・
これで私の気持ちに応えてくれたら・・・ありえない希望を胸に持ちながらも私はその気持ちを大事にした
姫子が大神ソウマを諦めた、それが嘘か誠かどうかは分からないけど嬉しかった・・・
「姫子・・・」
「や・・・ちょっと千歌音ちゃん突然なに?」
私はシャワー室から出ると姫子の傍まで駆け寄り思い切り抱き締めた
想いは叶わずともいまは幸せな気分ね・・・
その数分後あまりに入浴が長いため心配して声をかけてきた乙羽の「お嬢様どうなさりました?」
という声が聞こえるまで姫子を抱き締め続けた、この想い叶わずとも・・・私は諦めない
「お・・・お嬢様!?」
「あら、おはよう乙羽さん」
朝早く起きた私は厨房に立っていた、それに気付いた乙羽に優しく微笑んだ
「お嬢様!そのようなことは私共にお任せください!」
「いいの、たまには私にやらせて」
私は朝からご機嫌だった、姫子とこれからも一緒にいられる、それと姫子が大神ソウマを何とも思ってないことに内心ほっとしたのもある
「はあ・・・いえ!駄目です、お嬢様はお休みください、部下のメイドが動揺してしまいます」
「そう・・・分かったわ、なら乙羽さん、朝食の準備おねがいするわね」
乙羽は驚いた、こんなに楽しそうなお嬢様、お久しぶりに見るわ・・・どうなさったのかしら
「姫子、一緒に登校しましょ」
朝食を取った私は姫子に一緒に登校するように誘った
「え・・・けどいいのかな、千歌音ちゃんに迷惑かけるよ」
千歌音こと宮様は学園のアイドル、宮様と一緒に登校すると女生徒からの嫉妬はさけられないだろう
「私は構わないわ、姫子、私と一緒じゃ嫌?」
「ううん、そんなことないけど・・・」
「ならいいでしょ、行きましょ」
「う・・・うん」大丈夫かな、姫子は不安を胸に懐きながらも頷いた
宮様と一緒に登校とあってか周りの女生徒からの心無い嫉妬の声が飛ぶのに覚悟していた姫子だが・・・
千歌音が近くにいたこともあってか数人の女生徒からじろじろと嫌な目で見られることはあったもののそれくたいで何もなかった
千歌音こと宮様は相変わらずの人気「宮様ごきげんよう」「宮様おはようございます」周りの女生徒から声が飛ぶ、
「ええ、ごきげんよう」「おはよう」私は優しく微笑むと一人一人の声に応えた
「千歌音ちゃんなんだか今日は楽しそう」
登校途中に姫子が聞いてきた、楽しい・・・
こうして姫子と一緒に登校しながらお話・・・この幸せは逃せないわね
「あら、そう思うかしら?」貴女がいるからよ、貴女とこれからずっと一緒にいられるのが嬉しいの
「うん、なんだかここ最近の千歌音ちゃんにはなかった気がする」
「姫子にそう言ってもらえて私も嬉しいわ」
もう姫子と大神ソウマが仲良くするとこ見なくていい・・・それだけのことが私は嬉しかった
「千歌音ちゃんほんとなにかあったの?」
姫子がずっと気にしてくれてる・・・
それだけのことなのにいつものようにクールを装いつつも私は嬉しかった
「ええ・・・ちょっとね」
「こんな楽しそうな千歌音ちゃん久しぶり・・・」
「そう・・・」
「なんだか私も嬉しいかなって・・・」
「そう・・・良かったわね」
私決めたわ、明日からも姫子とずっと一緒に登校することに・・・私、決めた。。。。
姫子と2人だけの永遠の楽しいひと時ずっと続いてくれれば・・・ただ次の声に楽しい時間を壊される
「おはよう!姫子!!!」
「あ・・・マコちゃん!おはよう」
鋭い駆け足で背後から早乙女真琴が制服のスカートを小さくめくりながら走ってきた
その声に笑顔になる姫子、その表情に私は僅かな苛立ちを覚えた、さっきまでは私だけに見せていたのに・・・
「おはよう、姫子いつもより早いね~」いつもこの辺りで待ち合わせしてるのだろうか
「・・・・・・」私は振り返ることなく小さく目を閉じるとゆっくりと歩き出す
私の存在に気付いたマコトが慌てたように挨拶してきた
「あ・・・宮様、おはようございます」いままで私の存在に気付かなかったことに恥じたのか顔色が赤く染まる
「ええ・・・早乙女さんおはよう」作り笑顔で微笑むと挨拶した、でないと変に思われるだろう
姫子が私の空気を読んだのか慌てたように笑顔になると慌てて声をかける
「せっかくなんだし三人で登校しようよ、ね・・・マコちゃんも喜ぶし・・・千歌音ちゃん、駄目?」
「あの・・・私、宮様とお話したいことがたくさん」
マコトが慌てたように言う、私は何もない・・・貴女と話すことなんて・・・なにもないわ
「・・・・・・」内心面白くなかった、私と姫子の楽しかったひと時を邪魔された気分
大神ソウマのときと同じ、なぜこうも姫子と2人の時間を邪魔する者が現れるのかしらね・・・
といって早乙女真琴に対して「貴女どっか行きなさい」とは言えない、姫子にも嫌われるだろうし・・・
大神ソウマのときのように私は逃げるしかなかった、この場所にいるのは嫌だったから
私は自然と早足になった、その行動に姫子が戸惑った
「ち・・・千歌音ちゃん・・・?」
私は小さくため息をつくと姫子に呟くように静かに言った
「私・・・生徒会の用事があるから私急ぐわ、来栖川さんは早乙女さんとご一緒に登校なさい・・・」
「え・・・千歌音ちゃん」私は逃げるように走った
「千歌音ちゃん!」姫子の背後からの声に聞くことなく走り続けた・・・
唇をかみながら走った
「宮様、そんなお急ぎでどうなさいましたの?」「宮様本日もご機嫌麗しく」「宮様、今日も大変お綺麗ですわ」
周りの声を一切無視すると学園を急いだ、姫子とマコトに振り返ることはなかった
今日は2人で一緒に登校して昼食もいつも通り2人で食べる、下校も一緒に帰って、お風呂も2人で入って・・・
ずっと姫子と楽しい2人だけの時間を過ごす、それなのに・・・その1つの目的は朝から脆くも崩れ去った・・・
学園についた私は姫子とマコトのいない背後をゆっくりと振り向くと拳を小さく握り締めた
私は何度も早乙女真琴に嫉妬しながら苛立ちを覚えた。。。。
昼休み、いつものように秘密の花園に向かっていた私はその途中姫子を見かけたので後をつけた
姫子はもはや大神ソウマのいるテニスコートには見向きすらしない
私はその行動にほっとしながらも寂しくもあった「姫子ちゃん・・・?」
背後の私に気付いた姫子が声をかけてきた「あら、偶然ね・・・」
「う・・・うん、あ・・・マコちゃん姫子ここだよ!」
背後から早乙女真琴がかけよってきた、私は信じられない気持ちになる
「姫子!ごめん!ちょっと手間取っちゃってさ~」
どうして・・・早乙女真琴がここにいるのかしら?
「来栖川さん、早乙女さんと待ち合わせしてたの?」
「うん、今日登校途中でマコちゃんと約束したの、たまには一緒に食べないか~って」
「そう・・・良かったわね」表情を変えずに応えるながら私は僅かに早乙女真琴に苛立ちを感じた、私と姫子の昼食に干渉してくるなんて・・・
「あ、せっかくだし千歌音ちゃんも一緒に三人で食べよ?マコちゃんも千歌音ちゃんが一緒だと喜ぶと思うから」
「あの、宮様もご一緒にどうですか?」
「・・・・・・」姫子・・・貴女と2人以外の昼食なんて私は考えられないわ・・・
分かる?私は姫子と2人だけで食べたいのよ・・・第3者に割って入られるなんて・・・
私は秘密の花園にゆっくりと歩き出した
「え・・・千歌音ちゃん?」
「来栖川さん・・・早乙女さんとお2人で食べなさい」
「千歌音ちゃん・・・?どうして?」
「・・・私はすることがあるから、失礼するわ」
「待って千歌音ちゃん・・・」
「・・・・・・」
姫子の言葉に応えることなく、悲しみにふけながら早足でその場を立ち去ると姫子と真琴が消えたのを確認して秘密の花園に向かった
「姫子、私・・・宮様によく思われてないのかな・・・」
「マコちゃん・・・そんなことないと思うけど」
マコトの言葉に姫子は顔を鎮ながら応えた、が・・・姫子は気付いていない
千歌音は早乙女真琴が嫌いなのではなく自分に親しくしているから嫉妬しているのだと言うことに・・・
「・・・・・・」
秘密の花園で1人弁当を食べながら考えていた、
想像以上にマコトのことが気になった、早乙女真琴に嫉妬を覚える、でも実際あの子の前で言う勇気はない
それに何度も言うが早乙女真琴は女友達として姫子に普通に接しているだけだろう・・・
あれは友達として普通の行動なのかもしれない
「・・・・・・」
昼休み、いつものように秘密の花園に向かっていた私はその途中姫子を見かけたので後をつけた
姫子はもはや大神ソウマのいるテニスコートには見向きすらしない
私はその行動にほっとしながらも寂しくもあった「姫子ちゃん・・・?」
背後の私に気付いた姫子が声をかけてきた「あら、偶然ね・・・」
「う・・・うん、あ・・・マコちゃん姫子ここだよ!」
背後から早乙女真琴がかけよってきた、私は信じられない気持ちになる
「姫子!ごめん!ちょっと手間取っちゃってさ~」
どうして・・・早乙女真琴がここにいるのかしら?
「来栖川さん、早乙女さんと待ち合わせしてたの?」
「うん、今日登校途中でマコちゃんと約束したの、たまには一緒に食べないか~って」
「そう・・・良かったわね」表情を変えずに応えるながら私は僅かに早乙女真琴に苛立ちを感じた、私と姫子の昼食に干渉してくるなんて・・・
「あ、せっかくだし千歌音ちゃんも一緒に三人で食べよ?マコちゃんも千歌音ちゃんが一緒だと喜ぶと思うから」
「あの、宮様もご一緒にどうですか?」
「・・・・・・」姫子・・・貴女と2人以外の昼食なんて私は考えられないわ・・・
分かる?私は姫子と2人だけで食べたいのよ・・・第3者に割って入られるなんて・・・
私は秘密の花園にゆっくりと歩き出した
「え・・・千歌音ちゃん?」
「来栖川さん・・・早乙女さんとお2人で食べなさい」
「千歌音ちゃん・・・?どうして?」
「・・・私はすることがあるから、失礼するわ」
「待って千歌音ちゃん・・・」
「・・・・・・」
姫子の言葉に応えることなく、悲しみにふけながら早足でその場を立ち去ると姫子と真琴が消えたのを確認して秘密の花園に向かった
「姫子、私・・・宮様によく思われてないのかな・・・」
「マコちゃん・・・そんなことないと思うけど」
マコトの言葉に姫子は顔を鎮ながら応えた、が・・・姫子は気付いていない
千歌音は早乙女真琴が嫌いなのではなく自分に親しくしているから嫉妬しているのだと言うことに・・・
「・・・・・・」
秘密の花園で1人弁当を食べながら考えていた、
想像以上にマコトのことが気になった、早乙女真琴に嫉妬を覚える、でも実際あの子の前で言う勇気はない
それに何度も言うが早乙女真琴は女友達として姫子に普通に接しているだけだろう・・・
あれは友達として普通の行動なのかもしれない
「・・・・・・」
「やっぱり千歌音ちゃんとこうしてお風呂入るのって緊張しちゃうな」
「そう・・・」
「千歌音ちゃんの体見るたびに私自身なくしていくもん」
千歌音のスラリとのびた長い足、大きい胸、そして全体的にモデルのような体つきがセクシーだ
その上顔も超美人、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群なのに加え生徒会長でもある、姫子にとって羨ましい存在であり憧れる存在でもある
「そんなことないわ」そう・・・そんなことない、私は・・・姫子が。。。。
「私と千歌音ちゃんじゃつり合わないよね・・・」
目を落とすしたように姫子が呟く、私は皆にとってはどうでもいい存在、それに比べて千歌音ちゃんは違う
宮様と呼ばれるほどの人気で皆にとってはいなくてはならない憧れの女性だろう・・・
「そんなことないわ、姫子・・・そんなこと言わないで」
だって・・・私には貴女しか親しい人がいないもの、と千歌音は思った、そう・・・私を名前で呼んでくれるのは姫子しかいない
それは友達とかじゃない、貴女が全然違うのだろうけど私は貴女が好き
「そろそろ時間ね、姫子上がるわ」シャワーを浴び終わると私はそう告げた
週末の日曜・・・今日は姫子が早乙女真琴と約束してる日・・・実をいうと昨日オロチが久しぶりに攻めてきた・・・四の首と五の首だ、なんとか大神ソウマがロボで勝手に防いでくれたけど・・・
姫子は大神ソウマに軽くお礼を言っただけで私の下に駆け寄ってきときは私自身も驚いた、姫宮邸から戦況を見守っていた私だけど姫子がいないことに気付くと慌てて馬に乗って姫子を探した
そのとき大神ソウマの近くに姫子がいたから少しショックを受けたのだけれど・・・姫子がああいう行動を取ってくれて「千歌音ちゃん帰ろう?」と言ってくれたので私は胸が熱くなって自然と頬が赤くなるのに気付く
これは恋なのかしらね・・・あの時と同じ、姫子と初めて会ったときと同じ、姫子に対する想いが以前より強くなっていくことに私は実感した
そんな考えを持っていた頃姫子が乙羽と出かけの準備をしていたのだった、私は姫子の部屋に向かった
「はあ・・・・あ、お嬢様!」
「お邪魔するわね」姫子の服を乙羽が不満そうな顔をしながら選んでるところに千歌音が入ってきた
千歌音の前で適当の服を選ぶわけにはいかない、先程までとは別人のように顔色を変えると慌てて色んな服をコーディネートする
「あの・・・乙羽さんがさっき選んでくれた服だけど・・・どうかな?」
姫子が恥ずかしげに聞いてくる、私は口に手を当てながら考えると顔を左右に振った
「駄目ね、それじゃ派手すぎるわ、こちらの洋服がいいんじゃないかしら」
と涼しげな服をピンク色のスカートをセットに取り出す「あとは・・・そうね・・・でもデートじゃないから口紅は必要ないわよね・・・」
「私これでいい、千歌音ちゃんありがとう・・・」
「そう・・・着替えたら呼んでね」私は乙羽に声を掛けると姫子の部屋を出た
「ど・・・どうかな千歌音ちゃん」
「あら・・・来栖川さんとっても似合ってるわ」
着替えてきた姫子に声をかけた、ほんと・・・とっても可愛い私の姫子、凄く可愛いわよ姫子・・・
「ありがとう・・・あ、そろそろバスの時間だから私そろそろ行くね」
時計を見た姫子が慌てたように準備する「姫子・・・」つい小さな声で名前を呼ぶ
「そう・・・気をつけて行ってらっしゃい」
「うん、千歌音ちゃん・・・行ってくるね」
「来栖川様お気をつけて行ってらっしゃいませ!」頭を下げた数人のメイドの声が姫宮邸に響くと同時に階段を降りた姫子が出て行く
「姫子・・・」
姫子の背後を見たとたん寂しい心が私の中でいっぱいになりつい姫子と名前で呟いた、それに気付いた乙羽が声を出す「・・・お嬢様?」
自然と私の足は動いていた「お嬢様!?」乙羽の声には振り向くこともなく走り出した
姫子の足より私のほうが速い、「姫子!」姫子をの名前を叫びながら追いついた
「千歌音ちゃん!?」
驚いたように姫子が声をかけてきた「はあ・・・はあ・・・姫子」
「ど、どうしたの・・・?何か忘れ物?」
「あのね・・・姫子、あの・・・」行かないで姫子、行かないで・・・駄目、行っちゃ駄目・・・ずっと私と一緒にいて・・・
頭の中では分かっていてもいざ本人の前になると言えない、ここで姫子に行くなと言えば何を言われるか考えるのも嫌になる
普通に早乙女真琴と遊びに行くだけ、それだけのことに対しても嫉妬してしまう私、この気持ちどうすればいいの・・・
「千歌音ちゃん、用事があるなら早くして、バスが来ちゃうよ」
そわそわしだす姫子、あいまいな行動の千歌音に苛立ちも感じ出た様子・・・
「うう・・・もう帰ってからでいい?じゃあね千歌音ちゃん!!!」
私は追う気力を無くすとその場に倒れこむようにしゃがんだ
「姫子・・・・・・」
自然に呟いた・・・冷なぜ姫子を門まで追ったのだろうか・・・
大神ソウマとのデートならともかく同姓の早乙女真琴と遊びに行くだけなのに・・・
「・・・・・・」姫宮邸に戻った千歌音は気を紛らすようにピアノを乱暴に弾きまくった
「はあ・・はあ・・・」今頃姫子は・・・考えるのをやめピアノを途中で叩くように止めるとベッドに座りゆっくりと瞳を閉じた
千歌音の異常さを察したように乙羽がノックすると入ってくる
「失礼します・・・お嬢様!今日は音が随分といつもより響いてますが・・・どうかなさいました?」
はっと我に返った私は汗を拭った「あ・・・乙羽さん、なんでもないわ」
「で・・・ですが」
「本当よ、なんでもないの・・・ありがとう、少し1人にしてくれないかしら」
乙羽が深々と頭を下げると部屋を去って行く「・・・・・・」私は立ち上がると窓の外を見る
今更追いかけたところで間に合わないだろう。。。。
「乙羽さん、来栖川さんはまだお帰りにならないの?」
「あ、はい・・・朝お出かけになったばかりですのでまだお帰りではないもようです、夕方ぐらいにお戻りになられるのではないかとお見受けしますが」
「そうよね・・・私ったら何言ってるのかしらね」
千歌音が小さなため息をつく・・・昼食時のことだった、姫子のことばかり気にする千歌音に乙羽は少し疑問に思った
おかしい・・・以前はそのようなことを気にするような方ではなかったのに・・・あのお方と出会ってからお嬢様は変わってしまわれた・・・
「乙羽さん、来栖川さんは?」千歌音が乙羽を部屋を呼ぶと聞いた
「はい、まだお戻りになっておりません」深々と頭を下げながら乙羽は考えていた、おかしい・・・幼少時代からお世話をしていた乙羽には分かる
冷静を装っているように見るが千歌音が慌てていることに
私自身なんでこんなに慌ててるのだろう・・・ただ我慢できない、姫子が傍にいないと何も手につかない、動揺してしまう・・・
「ただいま・・・」
「来栖川様お帰りなさいませ!」
そんな時・・・表の方から姫子の声とメイド数人の声が同時に姫宮邸に響いた
姫子が満足したような表情で待っていた、その表情を見ると私は辛くなった
私はゆっくりと階段を駆け下りると姫子に声をかけた
「来栖川さん、お帰りなさい・・・」
「あ・・・千歌音ちゃんただいま」
「どう・・・?楽しかった?」
「うん!すっごく楽しかった!早く千歌音ちゃんに話聞かせてやりたいな」
「そう・・・良かったわね」
そんな話聞きたくないわ・・・貴女とあの子とのことなんて・・・全然聞きたいない
貴女のその笑顔を見るたび嬉しさと同時に悲しさが今までどれだけ私が感じていたか姫子、貴女に分かるかしら・・・?無邪気な貴女には分からないでしょうね
数時間後のお風呂場で千歌音は姫子から屈辱な言葉を聞くことになった、そして同時に千歌音はある決心をする
「マコちゃんが来週の土曜日に泊まりに来ないか~って・・・」
「早乙女さんがそう言ったの・・・?」
「う・・・うん」
お風呂場にて私は絶句した、姫子が泊まりに行く・・・ということは1日姫子と会えなくなる・・・
そして姫子は私の知らないところで早乙女真琴と一緒にお風呂に入ったり寝たりするのだろうか・・・?
そんなことあってはならない・・・そうだ、姫子の気持ちはどうなのだろうか?
「それで・・・どうするの?」
「せっかくだから私甘えようかなって思う、マコちゃんとは寮のときから一緒だったし・・・ごめんね千歌音ちゃん、土曜日は私のこと心配いらないから」
「そう・・・良かったわね、行ってらっしゃい・・・姫子はずっとここで私と一緒に暮らしていくでしょうからたまにはいいと思うわ」
その時姫子が下を向き申し訳なさそうに小さな声で答える
「そのことだけどね千歌音ちゃん・・・私将来ここを出て行こうと思うの・・・いつまでも千歌音ちゃんに迷惑かけるわけにもいかないし」
な・・・思わずシャワーを止めると入浴中の姫子に駆け寄る「姫子、それ本気で言ってるの・・・?」
「う・・・うん」
姫子が姫宮邸を出て行く・・・姫子が私の下からいなくなる・・・そんなこと想像したくもない、駄目、そんなことさせない
私は姫子を優しく微笑むと軽く胸の中に抱き締めた、千歌音が全裸のため姫子の頬が真っ赤に染まった
「姫子・・・馬鹿なこと言わないで・・・貴女はずっとここに居るのよ、出て行こうだなんて私が許さないわ」
「千歌音ちゃん・・・」
「迷惑だなんて・・・そんなこと考えないで、姫子に出て行かれたら悲しむのは私、お願いだからそんなこと言わないで」
「千歌音ちゃん、ありがとう・・・変なこと言ってごめんね」そんなことあってはならない、私達が離れるなんてあってはならないのよ・・・
そして私はある決心をした、もうこのままずるずる行くのは嫌、もう我慢できないわ・・・今夜こそ姫子を私自身も物に・・・
「え・・・見回りですか?」
「ええ・・・今夜は必要ないわ」
「はあ・・・お嬢様がそうおっしゃるのでしたら・・・」私は部屋に乙羽を呼び今夜の邸の見回りをとかせるように命じた
少し首を傾げながらも大人しく頭を下げ出て行く、それを見届ける・・・
「・・・・・・」数時間後・・・静かになった姫宮邸の深夜、私はネグリジェ姿のまま音を立てないようにそっと部屋を出ると姫子の部屋に向かった
眠っている姫子に気付かれないようにそっと部屋に入ると姫子のベッドに近づく
姫子の寝息に耳を傾ける、貴女の寝顔素敵よ、可愛いわ姫子・・・ほんと見とれるわね、姫子はパジャマ姿、その中は下着だ・・・
「・・・・・・」静かに姫子が着ていたシーツを外すとベッドの中に入る「姫子・・・今夜は忘れられない永遠の夜を・・・お届けするわ」
ベッドの中に入ると姫子のパジャマを丁寧に脱がした、下着がはだける、それに少し見とれていたが・・・
ごめんなさいね姫子・・・でもこうでもしないと貴女が遠くに行っちゃう気がするの・・・貴女自身を私の物にするにはこうしないと・・・
私は姫の胸に頭を埋めた、それに気がついたように姫子が目を覚ます・・・「ん・・・」
寝ぼけていた姫子は自分のいまの状態を見ると同時に、今自分が何をされているのか気付き目を大きく明けると
慌てたように飛び起きた「ち・・・千歌音ちゃん!?」衝撃の事態に驚きを隠せないでいる、まだ動揺しているのか事態が収拾出来ていない
「姫子・・・貴女が好き・・・姫子・・・好きよ」私は表情を変えずに小さな口調で囁くと姫子の唇を乱暴に塞いだ「ん・・・・・」
突然のキスに驚き目を大きく明けて両手で必死に抵抗してきたが私はかまわず唇を奪い続けた「んん・・・・・」姫子が必死に声を出そうとするが声にならない
唇を解放すると怯えている姫子に微笑んで呟いた「姫子・・・貴女の唇・・・柔らかくて甘い味がするわね」ほんとに甘い・・・
千歌音をなんとか必死に引き離しベッドの中から逃げるように出ると、下着がはだけていることに気付き慌ててパジャマのボタンを結び下着を隠した
私はベッドから降り、姫子を追いかけるように近づくと腕を手に取った
「千歌音ちゃん・・・どうしたの・・・?どうして突然こんなこと、千歌音ちゃんこんなことする子じゃ・・・」
「どうして・・・?姫子・・・貴女が好きだからに決まってるでしょ?」
「だからって・・・こんなこと、私達女同士だしこんなの・・・千歌音ちゃんおかしいよ!」
姫子の言葉を遮ると姫子の胸に顔を埋め、首筋に移動するとキスする、すると嫌がるように姫子が暴れた
「い・・・いや・・・やめて!」
「姫子、お願いだから静かにして・・・ね?」
「いやだよ!こんなの千歌音ちゃんじゃない!」
姫子が出口に逃げようとしたが簡単に手を取られると押し倒される
「ふふ・・・姫子・・・捕まえたわよ・・・」
優しく微笑む、もう私自身じゃなくなってきたような気分になった、でも・・・
「いやぁ!乙羽さん助けて!千歌音ちゃんが!」
「無駄よ姫子、貴女の声じゃ下の階には届かないわ・・・」
「!・・・うう・・・」姫子が絶望した顔をして目に涙が浮かぶ・・・
そう言いながらも乙羽に助けを求めた姫子に私の心は複雑だった・・・でも・・・これは仕方ない、運命なんだもの。。。。
姫子に改めて覆いかぶさるとパジャマを乱暴に引き裂き、あらわになった胸に顔を埋めた
「い・・・いやぁ!千歌音ちゃんお願いだからやめて!・・・やめてください・・・」
「好き・・・好きよ姫子・・・私の姫子・・・貴女は私の物・・・」その言葉に抵抗する気力すら失い無表情で天を仰いだ姫子に私は呟き続けた
そして自然と自分のネグリジェを脱ぎ始めた頃にはもう意識がなくなっていた
「・・・・・・」
「姫子・・・昨晩はごめんなさい、私どうかしてたわ、貴女を誰かに取られるのが怖かったの・・・」
「いえ・・・」
今朝起きたら姫子は別人のようになっていた、今までの笑顔が全て消えた・・・まるで姫子と会う以前の私のように、いえ・・・いまの姫子は完全に目が死んでいた
まるで人形のよう・・・もうこうなれば姫子の心は私の物になっている・・・
でも昨日の行為はまだ早かったのかもしれない・・・私は自分を責めた、あの後どうなったかは私自身も覚えていない、今朝気がついたら私は自分の部屋にいた
そして慌てて姫子の部屋に行く下着だけをつけた状態で天井を見上げたまま呆然としていた姫子を見つけた、乙羽に服を着させ(私が着させようと手を触れると姫子が私を完全拒絶した)
「千歌音ちゃん・・・私行ってくる」姫子の目が輝いてない、完全な無表情だ・・・
「そう・・・私も後から行くわ、行ってらっしゃい」昨夜私は強引に姫子を抱いた、力尽くで無理矢理・・・でもそれは・・・
姫子の豹変には乙羽を含めメイドも驚いている、皆昨晩なにがあったか気にしている様子
このままの状態で姫子を学園に行かせるわけにはいかない「お嬢様行ってらっしゃいませ」の声を聞きながら後を追った
あ・・・姫子がいない?姫宮邸を出た千歌音は先が真っ白になった、まるで異次元のよう・・・ここは・・・?
気がつくと礼拝堂にいた、ここは・・・?すると・・・「千歌音ちゃん!大好きだよ!」祭壇にいたのは姫子だった、笑顔を振りまく姫子・・・
「姫子・・・姫子!」私の姫子・・・やっぱり私達は結ばれる運命・・・姫子に慌てて駆け寄る、その寸前だった
「なんて夢の妄想ね・・・月の巫女、あんなことしといて・・・陽の巫女が貴女の物になるとでも?」姫子の表情が悪魔のような妖しい笑顔に変わる
「な・・・!姫子じゃない・・・貴女は誰・・・?」
「私はオロチ衆・・・二の首・ミヤコ」修道服にに身を包んだ女はそう告げた
「オロチ・・・!?」
弓矢に手をのばす「まあ・・・私の話を聞いて、私を殺すのはそれからでも遅くないわ」
「何が言いたいの?」
「陽の巫女は早乙女真琴と一緒にいるわ、貴女には熱が冷めたみたいね」
「な・・・!」
「それよ・・・貴女は陽の巫女が誰かと居るだけですぐ嫉妬する・・・それが貴女の失敗ね・・・月の巫女、女相手に嫉妬するなんて・・・でも無理なことよ、貴女と陽の巫女は結ばれない、貴女は女だから」
「悪いかしら?姫子を想う気持ちに女なんて関係ないわ、今までもこれからも・・・姫子に近づく者は女だろうが男だろうがオロチだろうが私が・・・許さないわ」
「なら真実が聞きたいと思わない・・・?全ての真実が・・・オロチのこと、陽の巫女のこと、貴方達使命、運命、全ての真実が」
ミヤコの言葉を聞いて少し考えながらも私は表情を崩さず前を向いた、そんな誘いには乗らない
「知りたくないわね・・・」
「な・・・!?月の巫女・・・貴女は」
私は女に弓を向けた「姫子の姿で私を誘ったつもりだけど、貴女は間違った・・・その姿で私を惑わそうとした貴女を許せない」
私はこれからも姫子を守り続ける、早く昨日までの姫子に戻ってほしい、そう願いながら・・・
もう姫子は私に甘えないかもしれない・・・私の行いは間違っていたのかもしれない、でも・・・貴女を想う気持ちに間違いはないの、姫子・・・貴女と出会えて私幸せだったわ
そう想いながら私は弓を引いた、私はもうすぐ一生の終わりを告げる、それは分かってるの・・・でももう一度正面から貴女に告白したかった、私間違ってたのかしら・・・姫子・・・好きよ・・・
その後千歌音は乙羽を祖父の下に行かせ気力がない姫子と・・・全ての結末は千歌音にしか分からない・・・