「早乙女マコトの想い」

神無月の巫女 ハアハアスレ投下もの

「早乙女マコトの想い」

私は姫子が好きだ、でも伝える勇気がない
このまま親友のままでいい、そう思うしかなかった
この関係を壊すのが怖いんだ
「宮様から誘われた!?今度の日曜日に?てか明日じゃん!!」
「う・・・うん」
寮の部屋にて、宮様から遊園地に誘われる姫子、頬を赤く染める姫子に私の心中は複雑だった
友達として喜ぶべきだろうか、頼りにされてるんだ、励ましてあげるべきだろうな
「そうか、よかったね、私はあんたが宮様と親しかったなんて知らなかったけど、親友として鼻が高いぞ」
「そ、そんな大袈裟だよマコちゃん、私と千歌音ちゃんは・・・・・・あっ!!・・・っ・・・」
つい宮様と呼ぶのを忘れる姫子、それについ表情が曇るマコちゃん
「ち・・・千歌音ちゃん・・・?そ、そうか・・・そこまでの仲なんだね、でも皆の前でその名前はやめたほうがいいぞ、大騒ぎになるから」
「か、隠しててごめんね、でもマコちゃんの前でならそう呼べるの」
「そうか?それは光栄だね(姫子・・・)」


そして次の日の休日
寮を訪ねてきた千歌音に戸惑うマコちゃん
宮様が学園寮に来るなど前代未聞だ
「こ、これは・・・宮様ご、ごきげんよう・・・」
「ええ、ごきげんよう、早乙女さん・・・ええと来栖川さんはご在宅かしら?」
「あ、はい、ほら姫子・・・」
恐る恐る部屋から出てくる姫子

「う、うん・・・ごきげんよう」
「あら、来栖川さごきげんよう・・・迎えにきたわ」
「宮様・・・ううん、千歌音ちゃん、来てくれたんだね、今日はよろしくね」
「ええ、あ、そうだわ来栖川さん、乗馬と車、どちらになさる?車で行きたいのなら用意させるわ」
「んーとね・・・お馬さんがいいな、千歌音ちゃんと一緒に居られるから・・・」
「そう、わかったわ、でも・・・少し危険よ、いいのかしら」
「うん、大丈夫だよ、千歌音ちゃんと一緒ならなにがあったって平気・・・頑張れるから」

2人のやりとりを聞きながら唇を静かに噛むマコちゃん


今日は休日だ、生徒も出かけていて学園にはいない
学園門前で千歌音の愛馬に乗る姫子
「それじゃ、行くわよ来栖川さん」
「う、うん・・・じゃあマコちゃん行ってくるね」
「うん、行っておいで、宮様に無礼のないように接するんだよ」
「うん・・・」
「そのようなこと気にする必要はないわ、それじゃ早乙女さん、ごきげんよう・・・」

姫子と千歌音が寮を後にした数分後・・・マコちゃんはベッドで小さく息をついていた
「・・・(姫子・・・)」
知らなかった、2人が親友同士だったなんて
私は姫子のことが好き、でも・・・
「勝てるわけがないよ・・・」
相手は宮様、美人で頭が良くて強くて優しくてなんでもできるクールで清楚正しきお嬢様
平凡な私とは全然違う魅力的なお方


こんなに姫子のことが好きなのに純粋な気持ちに気付いてもらえない
ただの仲良い親友だと思われてるだけだろう
2人のことが気になり筋トレもジョギングも勉強もする気分になれない
明るく振舞っていたものの・・・宮様の前に向ける姫子の笑顔を見るのは正直辛い・・・
「好きだよ、姫子・・・」
独りベッドで呟くマコちゃん、しかしその発した声は小さい
姫子が寮に帰宅するまでベッドに腰を下ろしていた

「楽しかった?」
「うん!!千歌音ちゃんね、私のこと好きだって、愛してるって言ってくれたの!!」
「そうなんだ・・・良かったね(あの宮様がね・・・)」
ベッド上、帰宅した姫子にデート(?)の話を聞かされるマコちゃん
「千歌音ちゃん言ってくれたの『姫子のことを心より守り続けるわ、好きよ・・・姫子』って・・・私それがすっごく嬉しくて」
「そうか、良かったね(姫子・・・)」
「うん・・・」


「それで、姫子は宮様のことどう思ってるの?」
こんなことほんとは聞きたくない、答えはわかってるから・・・
「うん、好き・・・大好きなの、愛してるの・・・千歌音ちゃんのこと・・・心から」
「!!・・・そうなんだ、良かったね、宮様も喜ぶと思うよ(・・・・・・)」
「それで帰り際にね、お馬さんの上でキスしたの・・・千歌音ちゃんと、私のファーストキス・・・心から嬉しかったの」
キスという言葉にはっとするマコちゃん、姫子の唇が奪われたのだ・・・言葉が震える
「そ、そうなんだ、良かったね姫子・・・」
「うん、女の子同士なのに変かな・・・って思ったんだけど好きだから千歌音ちゃんのこと、でね好きだって言ったら、千歌音ちゃん泣いてた、よっぽど嬉しかったのかな」
「ううん、変なんかじゃないよ姫子、ふうん・・・(あの表情を崩さない宮様が涙を流すだなんて)」
無邪気に語る姫子の言葉の一つ一つに心が傷つけられるマコちゃん
姫子に悪気はないんだろうが・・・


「それでね、来週の土曜日に誘われたの、千歌音ちゃんのお屋敷にね、泊まりに行くことになって」
姫子の言葉に表情が凍りつくマコちゃん
「せっかく誘ってくれてるんだもん、私ね・・・お世話になろうと思うの、いいよねマコちゃん」
「私はいいけど寮長さんに許可を取らないと・・・」
「うん、千歌音ちゃんが伝えとくからいいって」
流石に手が早い、千歌音がいえば1発だろう
姫子を抱き締めるマコちゃん
姫子が姫宮邸に泊まる、それがなにを意味するかは女のマコちゃんにもわかる
「ま・・・マコちゃん!?」
「行っておいで、姫子・・・宮様や使用人の人達に粗相のないようにするんだよ」
「うん、ありがとうマコちゃん、相談する人マコちゃんしかいないの、応援してねマコちゃん」
「え・・・?」
「私と千歌音ちゃんのこと、応援してね」
「あ・・・うん、頑張るんだよ(姫子・・・)」
姫子に見えないように目から涙を流すマコちゃん
どうしてなんだろう、どうして涙が・・・どうしてこんなに悲しいのかな
叶わない想いをこれからも続けるんだろうか、姫子は宮様のものなのに・・・悲しいよ姫子

 

「では、来栖川様、お荷物を、さ、こちらへ・・・」
「は、はい」
乙橘学園門前、千歌音専属の運転手と千歌音の侍女、乙羽さんに招かれる姫子
千歌音と共に姫宮専属の車に乗り込む姫子、そしてそれを遠くから苦しそうに見つめるマコちゃん
今日は姫子が姫宮邸に一泊する日だ
このまま行けば姫子が戻ってこないような、そんな気がした
今夜、千歌音の胸に抱かれながらの眠る姫子を想像し唇を噛む
姫子が離れてく、そう感じ自然と体が動く
「姫子・・・・・・姫子!!(行かないで・・・行っちゃだめだ姫子!!)」
車の下へ走り出すマコちゃん、流石に陸上部だけあり足は速い

「マコちゃん・・・!?あ、あの千歌音ちゃん」
「・・・・・」
背後から駆け寄る早乙女マコトを一瞬睨みつけると運転手に静かに告げる千歌音
「構わないわ・・・出して頂戴」

車が無残に走り去り・・・残されたマコちゃんは・・・
「はあ・・・はあ・・・姫子」
涙を流すと寮にゆっくりと帰り始める、その姿はとても辛くて苦しくて切なくて・・・
マコちゃんを悲しい風が包み込んでいた

 

最終更新:2007年05月24日 19:28
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