姫子は知らない、イズミ達に妬まれ千歌音が苛められていることを。
皆の人気者で憧れの存在である姫子、その姫子に溺愛されている千歌音。
幼少の頃から病弱で体の弱い千歌音は姫子のお屋敷に居候している。
そんな千歌音を面白くないと思ってる子達も当然居るわけで…。
特に、姫子信仰者で取り巻きでもあるイズミ達の千歌音への仕打ちは酷いものがある。
だがその事実を千歌音は言えない。
言えば姫子は怒るだろう、イズミ達はただではすまない…。
そんな姫子を千歌音は見たくはないのだ。
「お嬢様…」
「もう、結構よ、下がって構わないわ」
「かしこまりました」
専属メイドで侍女でもある乙羽に下がるように命じた姫子は。
ベッドの上で横たわって居る千歌音の手を握った。
「もういいの?」
「はい…姫子さまが看病してくださいましたから」
「そう…良かったわ」
優しく微笑む姫子、千歌音が元気で居ることが姫子にとっての一番の幸せである。
「そう…元気なのね、なら…ね、いいでしょ千歌音」
千歌音の顔を覗き込むと…顔を寄せる姫子。
「ひめこさまっ……」
「キス…してもいいかしら?」
「ですが姫子さまに風邪をうつしでもしたら私…」
「いいのよ千歌音にうつされるのなら本望だわ…ね、おねがい」
「姫子さま………はいっ」
ベッドへ少し体を乗せた姫子の顔が、唇が千歌音の唇を目指して近づいてくる。
拒む理由などない、身分が違いすぎるとはいえ、心から愛している姫子とのキス…。
千歌音は戸惑いながらも顔を真っ赤に染めて…キスを受け入れた。
「んっ……ふぁ…ちゅ…」
優しいキス、強く押し付けるわけでもなく、もちろん舌などいれてこない。
ゆっくりと触れてるだけのキスだ。
姫子の蜜のような…とても甘いお日様の唇に…千歌音は酔った。
そして数秒たつと…触れるだけだったキスが…姫子の唇にゆっくりと押し付けられ始める。
そして姫子の両腕が千歌音の背中に回され抱きしめられるような格好になり始めた。
「ちゅ……んふっ」
「んふ……ちゅ…はぁ…はぁ…ふふ、私、千歌音の唇好きよ、薔薇のような香りがして…とても柔らかいの」
優しい声で囁きながら姫子はゆっくりと…舌を入れ始めた。
姫子の舌は千歌音の口内を縦横無尽に這いずり回る、そう…千歌音の唾液の一粒も残さないように。
「ああっ……千歌音、好きよ」
姫子の声は優しい…千歌音を安心させる効果がある。
姫子の手が千歌音のパジャマにかかる…。
「…っ…ひ、ひめこ…さまっ?あのっそれは…」
「千歌音、いいでしょ…?いけないかしら?」
「あ、あの…っ」
「私は千歌音が好きよ、心から愛してるわ…だから千歌音の体が欲しいの、いいでしょ?」
「っ…姫子さま……そ、そのようなありがたいお言葉っ……」
「それは脱がしていいと受け取って構わないのね」
「あっ……は、はい…姫子さま」
頬を染めると小さく瞳を閉じ…受け入れ態勢に入る千歌音――。
それを確認した姫子は――くすりと笑みを浮かべ頷くと千歌音のパジャマをゆっくりと脱がし始める。
ボタン一つ一つを脱がしているたびに千歌音の下着が目に入るため…姫子の鼓動は高鳴ってく――。
カサッと音がし…全てを脱がし終えると…千歌音のパジャマをゆっくりと置き。
露になったキャミソールをゆっくりと時間をかけて丹念に揉みほぐしていく。
「んくっ……ふぁ、ひ、ひめ…こさま」
「大丈夫よ千歌音…怖がる必要はないわ…全て、私に任せて…頂戴」
「ひぁ、んふ……ああっ姫子さま……っ」
キスをされながら二つの乳房をキャミソールの上からとはいえ揉まれた。
千歌音はもうなにも考えられない…姫子に抱かれながら…頭の中が真っ白になった。
「んふふ……いいわよ、千歌音…とても柔らないわ…」
姫子を見上げる千歌音の頬が赤く染まってていて可愛い…。
「好き、好きよ千歌音…私の可愛い千歌音」
「ああっ……姫子さまっ」
こうしてたまに千歌音の体が欲しくなった姫子が求めてくるだび。
千歌音は幸福の絶頂に達していた、この世で一番愛する人に抱かれているという事実。
その事実が嬉しいのだ、イズミ達に苛められることなど嫌な思い出を一瞬だけ消し去れる瞬間でもある。
私はこの人に愛されているのだ、それだけでもいい…とても幸せだ。
姫子とは身分、立場が違いすぎる…だけでも同じ使命を持った巫女なのだから。
本来は千歌音の処女を…全てを奪いたいであろう姫子。
だがそれは…巫女だからだけではなく。
姫子は千歌音が怯えるようなことはしないのだ。
「くはぁっ……」
キャミソールをたくし上げられ二つの乳房が姫子の目の前で露になる。
「千歌音…全て私に任して頂戴…全て」
「ふふ、ほんとに千歌音の胸は大きいわね、でも千歌音になら負けても本望だわ」
自分の乳房と見比べながらそう告げる姫子。
「いえ、姫子さまのだって…」
「謙遜しなくていいのよ、私…千歌音のものなら全て好きだもの、全てが好きなの」
両手で揉まれ直接しゃぶられ…千歌音の瞳から涙が溢れる。
だがこれは悲しみの涙ではなく喜びの涙…。
「ねえ、姫子…いいかしら?」
姫子の手は千歌音の下半身に伸びる。
そして一枚の下着に…手が触れようとしたとき…。「いやぁっ!」
千歌音の悲鳴によって邪魔された。
一瞬の驚きの顔の後…表情を曇らせる姫子。
「千歌音……そう、嫌なのね」
「い、いえ…ただ、今日のところは…まだ風邪も治ってませんし」
「そう、わかったわ…ごめんなさいね、そうよね、千歌音も病み上がりだったわね、ごめんなさい」
「いえ、私こそ申し訳ありませんでした」
服を脱ぎかけていた姫子はゆっくりとネグリジェを着直すと侍女を呼んだ。
「乙羽さん、姫宮さんがお休みになられるわ、就寝の準備をお願いできるかしら?それから――