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逢瀬

神無月の巫女 エロ総合投下もの

逢瀬

 

    爆弾投下予告

    注意
    1.やっとの思いで書き上げました、前世です。やや切なめ
    (時代は大正っぽくないです。明治初期っぽい、けどそうでもない)
    2.出てくるのは姫子と千歌音ちゃんONLY、名前だけ何人か出てきます
    3.話が随分と無理やり
    4.エロカット、ほんのちょっぴしだけ
    5.キャラ崩壊はしょうがない  

    さらに注意書き

   ・他の人の前世と被らないように書いたので、イメージを損なう可能性が特大です


    それではどんぞ

    夜も更けた秋の夜

    皆が寝静まり鈴虫の声が響く静かな秋の夜長、広い屋敷の自分にだけ用意されている離れ
    蝋燭の灯を落とさずに下女のひとりである千歌音は部屋の中央に敷いた布団の上に座っていた


    「千歌音、起きてる?」
    突如襖の向こうから聞こえた柔らかな声が聞こえた

    「起きてます、姫様」
    千歌音が振り返り答えると、その声と同時に襖が開き屋敷の主、村長の娘である姫子が両手に包みを抱え入ってきた
    琥珀色の長い髪に、血色の良さそうな肌に整った顔立ち、その人の笑顔はまるで太陽のような暖かさを持つ…
    村中の誰もが憧れる美しいその姿に待ち焦がれていた千歌音の頬が染まる

    「寝てたの?千歌音」
    布団の上に座っていた千歌音に首を傾げながら聞くと、千歌音はふるふると首を振り
    「いいえ、姫様が今宵も来て下さると仰ってくれたので」笑顔で答えた
    千歌音の嬉しそうな笑顔に姫子も笑顔になり「ありがとう」と答えた

    「でもね、千歌音」
    「はい?」
    姫子は千歌音の傍まで行き、目の前ににこにこと笑顔で座り込んだ

    「今は2人きりなのだから名前で呼んでいいのよ?」
    笑顔で言われ、千歌音は顔を真っ赤にし「あ…」と口元を手で押さえた
    主と下女の2人だが、2人きりの時は名前で呼び合っている
    しかし仕事に真面目な千歌音はたまに姫子を今のようにうっかりして姫様と呼んでしまっていた
    たまに見せる可愛らしい千歌音の反応に姫子はクスッと笑みを零し、包みを脇に置いた


    「じゃあ、脱いでもらっても良い?」


    そう言って、千歌音の寝衣に手をかけた


    「これでいいのかしら?」
    千歌音が姫子に問う

    千歌音は姫子に背を向けるように座り、寝衣を肌蹴させ背中と腰のくびれまでを露にし、髪を一つに結わいていた紙紐を解き、
    黒く長い艶やかな髪を背中が見えるように左肩にかけ、右に少し寄りかかる様な姿勢になっている
    姫子の脇に広げられた包みには大きな和紙と筆、そして小さな墨壷が用意してあった

    姫子は筆絵が趣味だった。幼少の頃より風景や動物を書くのが好きで、その腕はなかなかのものだった
    噂を聞きつけた町の商人が買い付けにくるほどだったが、私利私欲もなく商いに興味のない姫子は決して売りはしなかった
    そして巫女の仕事が増え筆をとる時間が減ってしまった数年前から今日のように夜に訪れては千歌音の絵ばかり描くようになった
    当時「どうして私ばかり書くの?」と千歌音が訊ねたとき、「貴女が一番美しいからよ」と恥ずかしがることなく言うので始め千歌音は恥ずかしかったのだが、決して嫌ではなかった
    最近は服を着た絵は書き飽きたから脱ぐように頼まれ千歌音もそれに応じていた


    晒された千歌音の背中
    透き通るような雪のように白い肌、月の光を浴びて淡く輝いてみえとても神秘的である
    そしてその背にあるは月の巫女の証である三日月の痣…
    姫子は物思いにふけるように千歌音の痣を目を細めじっと見ていた


    「姫子?」
    返事の無い姫子に千歌音が振り返り声を掛けると、千歌音の背に見入ってた姫子は
    「ごめんなさい、千歌音の背が余りにも綺麗だったから」
    と笑って答えて誤魔化すと「もう、またそうやって私のこと茶化すのだから」と千歌音も笑って返してきた

    いつも大人しい千歌音が自分の前では笑ってくれるのが嬉しい
    そしてその心から笑う笑顔も、滑らかな曲線を描く身体も本当に美しい
    笑顔で筆を墨壷につけながら思う


    「寒くない?」
    「大丈夫よ」


    だから、もっと千歌音には笑顔でいてほしい
    その姿をいつまでも残しておきたくて姫子は筆を握りたくなる


    「じゃあ、前を向いてくれる?」


    「うん、上手く描けたわ。すまないわね、寒かったでしょう?」

    描き終え筆を置いて千歌音の背に寝衣を掛けてやると、「ありがとう」と千歌音が自分の肩に手を置いた
    その時、千歌音の手首にほんのりと痣が出来ているのが見え姫子は千歌音の手を掴んだ

    「千歌音、どうしたの?この痣」
    「え?あ…これは」
    見つめる姫子から逃げるように視線を逸らした
    気まずそうな千歌音の横顔に姫子は困ったようにため息をついた

    「またイズミ達の仕業ね…」
    姫子の屋敷に仕える下女は千歌音の他にも数人いる
    その中には体が弱く余り仕事をすることが出来ない千歌音を良く思わない人間もいた

    「ごめんなさいね…私の目から逃れてしてるものだから何もしてあげられなくて」
    その千歌音が皆が敬愛し、非の打ち所のない姫子自身から直接目にかけてもらっているのを疎ましく思う人間もいておかしくは無い

    「ええ、でも大丈夫。姫子は悪くないわ」
    しかし千歌音は姫子に心配かけまいと小さく笑ってこたえた
    姫子は掴んだ手を離し、千歌音は乱れた寝衣を着直した

    「いいの?本当に皆に千歌音が月の巫女だと伝えなくて」
    千歌音の背にそっと声を掛けた
    何度繰り返したか分からない問い。千歌音から返ってくる返事が分かってても聞いてしまう

    「いいの、これ以上姫子に特別な扱いしてもらっては悪いもの」
    隣村に生まれた千歌音は幼い頃に両親を病気で亡くしていた
    孤児になってしまった千歌音を引き取ってくれる親戚もおらず、幼くして天外孤独の身となってしまった
    しかし同じ村人らも両親と同じく病弱な千歌音を「足手まとい」と言って誰も引き取ろうとはしなかった
    それでも病弱な千歌音が一人で生きている訳もなく、村の者たちが困っていた時に現れたのが偶然遊びに来ていた隣村の村長の娘の姫子だった

    それから事情を知った姫子が自分の屋敷に招き、その日から同じ屋敷の敷地内にある今もいる離れに住まわせてもらえるようになった
    そして千歌音はその恩返しとして下女として働くようになったのだった

    その千歌音がまさか村に古くから伝わる伝承の自分と同じくこの世の運命を左右する陽の巫女と対になる月の巫女だとは思いもよらなかったが…
    しかし千歌音はこの事を村人に公にするのを拒んだ


    「そんな事気にしなくて良いのに。千歌音だって私と同じ選ばれた大切な巫女なのだから」
    筆についた墨を紙で拭き取りながら遠慮する千歌音に優しく言う
    本心だった、いや月の巫女でなんかでなくたって千歌音が働かなくても良いと姫子は思っている

    それだけ姫子は千歌音にだけ特別な想いを寄せていた


    「あのね…姫子」
    少し間を置いた後、千歌音は姫子に背を向けたまますっと立ち上がった

    「なあに?」
    「私、時々思うの。本当に私なんかが月の巫女で良かったのかって…」

    少し思い詰めてるような声の千歌音の言葉に姫子の筆を拭く手がピタリと止まる
    そのまま千歌音は俯き姫子に背を向けたまま言葉を続けた

    「私は体が弱いばかりで何の取柄もない、かけるのは迷惑ばかり…」
    「千歌音…」
    筆を拭くのを止め、姫子も立ち上がった

    「この間の祝詞の時もそう。いつも私が失敗してしまうから…。いつも私が姫子の足を引っ張ってしまう…」

    先日大神神社にある封印された地下の祠でアメノムラクモの復活の儀が行われた
    練習の効果もあり、あともう少しで成功というところで襲い掛かる電撃に千歌音の体が耐え切れず失敗に終わってしまった

    「私に本当に世界を救える力なんてあるのかしら…」

    千歌音は自信を失くしていた
    その声から自分自身に対しての蔑みと、姫子に対しての申し訳ない気持ちがハッキリと伝わってくる
    姫子は眉を潜め瞼を落とした

    「私なんて…」
    「千歌音、もういい。もういいわ」
    言葉を続けようとする千歌音を姫子は首を振りながら千歌音を後ろから包み込むように優しく抱き締めた

    「自分を責めては駄目。復活の儀にしてもそう、私が貴女をしっかり支えきれていないからね…ごめんなさい」
    「違う…姫子は悪くなんかない。私がもっと強い体に生まれてきていれば…」

    姫子に抱き締められながら千歌音は首を振った
    それでも姫子は表情を変えず優しく返す

    「落ち着いて。私は千歌音の体が弱い事ことを一つも気にした事なんてないわ
     祝詞だってもう少し練習すれば大丈夫だって大神先生が言ってたでしょ?」
    「でも、私は自分自身が許せないの…」

    それでも自分に納得が出来ない千歌音は包み込んでくれている姫子の手に自分の片手を重ねた

    「千歌音は自分の事が嫌いなの?」
    「…嫌い…かもしれないわ…」

    姫子の問いに千歌音は少し迷いながら答え、姫子に重ねていた手を弱く握り締めた


    「私は好きよ、千歌音が」

    その千歌音の返事に姫子は口元に笑みを浮かべ、華奢な体を労わる様にきゅっと千歌音を抱き締めた

    「姫子…」

    ハッキリと聞こえるように言う姫子の声に千歌音が顔をあげた

    「全部1人で背負い込むことなんてないわ、辛いことも悲しいことも私に別けて。
     千歌音と一緒なら頑張れるわ。だから一緒に頑張りましょう?ね?」

    優しく包み込むような暖かな太陽のような、姫子そのものを象徴するかのような言葉
    凍りかけていた千歌音の心までも溶かし、暖かめていく

    「優しいのね、姫子は」

    千歌音は口元に笑みを浮かべ瞳を閉じ、姫子の頭にそっと顔を傾けた

    「私はね、千歌音。私は貴女と少しでも一緒に居たいから毎晩のようにここに来るの
     誰にも邪魔されない、千歌音と過ごすこの時間が何よりも大切なの」

    耳元で言葉を紡ぎ続ける姫子に千歌音は嬉しそうに微笑み頬を染めた


    「好きよ、千歌音。この世に生きる誰よりも貴女が好き」


    思いを込めて、千歌音の温もりを確かめるように体を密着させる
    来ては何度も繰り返してくれる姫子の愛の告白
    何度聞いても胸の奥が暖かくなっていく

    「…私もよ、姫子」

    振り返り自分を見る幸せそうな千歌音の瞳、高潮した頬、綺麗な唇…
    美しいその横顔に抱き締めていた姫子の息が上がる

    「千歌音、好きよ。我慢できないくらいに…」
    寝衣の隙間から手をすっと滑りこませ、暖かく柔らかな胸に触れると千歌音から「ぁ…」と小さく可愛らしい声が漏れた

    「だから…良いかしら?」

    目を細め問う姫子に千歌音は恥ずかしそうに目を閉じ小さく頷いた

    「千歌音…」
    「ん…」

    引き寄せられるように唇を重ねると、しゅるるっと帯の解ける音と寝衣が床に落ちる音がした
    そのまま布団の上にそっと千歌音を寝かせ、負担が掛からぬよう覆いかぶさった

    「千歌音…愛してるわ…」
    「ん……ぁっ……ひめ、こ…」


    誰にも知られず密かに繰り返し行われている陽と月の営み


    ゆらゆらと燃ゆる蝋燭の火が消えても、2人の行為は止まることなく続いた


    「もう部屋に戻ってしまうの?」

    蝋燭の消えた暗い部屋、情事を終え寂しそうな声で千歌音が言う

    「あまり夜更かししてると起きれなくて明日の朝また真琴に叱られてしまうわ」

    ―本当は共に暖めあいながらそのまま朝を迎えたいのだけれど…
    後ろ髪引かれる思いで姫子は寝衣を羽織り帯を締めた

    「また明日も来るわ、千歌音の体調が良ければね?」
    布団に横たわっている千歌音に意地悪く笑いかけた
    その笑顔に千歌音も笑みを浮かべた。しかし直ぐふっと表情を曇らせた

    「次の祝詞の練習…上手くいくかしら…」
    また姫子に迷惑をかけてしまうのではないかと不安げに言う

    ―神とは酷い方ね、こんな優しい子に辛い任務を背負わせるなんて…
    千歌音の気持ちが手に取るように分かる姫子はしゃがみ込み、千歌音の髪を撫でた

    「大丈夫、次の満月までにアメノムラクモは必ず復活するわ。私には分かる」
    「姫子…」

    巫女の力による直感なのか、姫子にはそうなる気がしてならなかった

    「そして2人でヤマタノオロチを封じてこの世界を救うの」
    「出来るのかしら…本当に」

    姫子の満面の笑みに怯えていた千歌音は本当にそうなりそうな気がしてきた

    「えぇ、千歌音と一緒ならきっと出来るわ」

    すこし笑顔になった千歌音に姫子は頷きながら答えた、千歌音が自信を取り戻せるように


    ―でも、まだ千歌音は知らない…


    「世界が救えればまた姫子は私の絵を描いてくれる?」


    ―アメノムラクモを復活させヤマタノオロチを封じたあと、月にあるという社で私たち巫女に課せられている最後の儀式があることを

    姫子は目を輝かせ嬉しそうに聞いてくる千歌音の手を両手で包んだ


    「えぇ、描いてあげる」


    ―それは巫女の命を巫女の手によって捧げ、その巫女の存在を供物として世界を蘇らせること


    「嬉しい…」


    ―私達は共に生きてゆけない運命にある


    息が詰まる思いをグッと堪える様に姫子は嬉しそうに微笑む千歌音の手を一度だけ強く握った


    「さ、今夜は少し冷えるわ」

    握った手を布団の中へと入れ、布団が肩まで掛かるように掛け直してやった
    じっと真っ直ぐ自分を見る千歌音の汚れなき澄んだ眼


    ―私には出来ない、この子を手に掛けるなんて…


    姫子はにっこりと微笑み、髪をもう一度撫でた


    「だから今日はもうゆっくりとお休みなさい」
    「…お休みなさい、姫子」


    優しく言うと千歌音は気持ち良さそうに瞳を閉じた



    ―千歌音には、もっと生きて欲しい…



    体が弱い為に世を知らぬ千歌音の幸せそうな寝顔を姫子は名残惜しげに見つめていた




    千歌音が眠る離れを出て屋敷の縁側を自室へ戻ろう歩いていると、夜空に浮かぶ朧月がやけに眩しく見えた


    ―まるで千歌音のようね…


    姫子は包みを置き、導かれるように裸足のまま屋敷の中庭を歩いた


    そして立ち止まり、千歌音の様なその儚い月を見上げ両手を差し伸べた



    「好きよ、千歌音…」



    ―千歌音と過ごすあとわずかな時間




    ―私はあと何度あの子をこの手で抱き締めてあげることが出来るのだろう





    END

最終更新:2008年11月19日 11:49
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