昼寝

神無月の巫女 エロ総合投下もの

昼寝

 

    爆弾投下予告

    注意
    1.しつこくまた前世です、短いです
    2.新シリーズ頑張れ千歌音ちゃん
    3.エロはなし
    4.せっかくくれたシチュと余り関係ない…orz


    それではどんぞ

    とある晴れた日の昼下がりの来栖川邸

    姫子は自室に篭り机に頬杖をつきながら書物を読んでいた
    真剣な表情で文を辿り一枚一枚ゆっくりと頁を捲るも目が段々と閉じていっている
    決して詰まらぬものではないのだが障子越しに伝わる暖かな日差しが眠気を誘い、うつらうつらとしてしまっていた

    「あ…いけない、いけない」
    眠りかけていた自分に気づき、姫子は顔を左右に振った
    今日は屋敷にいる下女の大半が乙羽と一緒に町へと買出しに行っているので、いつも賑やかな屋敷も静かなのが返って余計に眠気を誘うようだ

    「ん~っ!駄目ね、このままでは眠ってしまうわっ」
    たまには留守番でもと思い読書に耽っていた姫子は目をぎゅっと瞑り大きく伸びをした

    「誰かいる?」
    伸びをした体勢のまま真後ろにある襖に向かって大きな声で屋敷内に残っている下女らに声を掛けた
    するとしばらくして襖の奥のほうから足音が聞こえ「はい、お呼びでしょうか」と、近くにいたらしい下女が襖を開けた

    「あ、千歌音ね。悪いのだけど眠気覚ましに茶を持ってきてもらえる?」
    体ごと向き直り、襖の外の廊下にちょこんと正座している同じく留守番係りの千歌音に笑顔で頼んだ
    姫子の笑顔に千歌音も笑顔で返す

    「はい、かしこまりました。茶菓子はいかがなさいますか?」
    「今はいいわ、ありがとう」
    首を振り答えると千歌音は「それでは直ぐにお持ちします」と頭を下げ、襖を閉めようとした
    真面目に仕事をする千歌音の姿に「ねえ、千歌音」と姫子は声を掛けた

    「はい?」
    呼び止められた千歌音は首を傾げ、にこにこしている姫子の方を向いた

    「一緒にここでお昼間する?」
    ちょいちょいと誘うように自分の隣の座布団を指でつついた
    姫子の誘いに驚いた千歌音は顔を真っ赤にし「えっ!?あ、あの今は仕事中なので…!」と声が上擦り、手を振りながらあたふたした
    予想通りの千歌音の反応に姫子はにんまりと口元が緩む

    「冗談よ。じゃ茶をお願いね?」
    「は、はい…っ!」
    一礼しながらピシャ!と襖を閉め、ドギマギしながら逃げるように台所へと向かっていった

    「本当、可愛いわね」

    遠ざかる足音に満足そうにゆっくりと呟き、姫子は再び書物に目を落とした


    数分後…

    「姫様、お茶をお持ち致しました」
    姫子の部屋の前で湯飲みをのせたお盆を持った千歌音が声を掛けた
    しかし部屋にいる姫子からの応答が無い

    「あのぅ…姫様?」
    ひょっとして部屋にいないのかと思った千歌音はほんの少し襖を開いて中を覗いてみると、姫子の背が見えた
    安心した千歌音はそのまま盆を持ち部屋へと入っていき、姫子に近づき「あっ…」と声が漏れた

    「くぅ…」
    書物を読みながら待っていた姫子は机に突っ伏し、暖かな陽を浴びながらすやすやと眠っていた
    気持ち良さそうなその寝顔、滅多に見れぬその顔に思わず千歌音の頬が染まる
    誰か来てしまうかも…でも…
    辺りをキョロキョロと見渡しても今日は人が少ないせいか誰もいる気配がしない
    少しドキドキしながらも傍にいたい千歌音は盆を置き、そっと姫子の隣に座り良く見ようと覗き込んだ

    「すぅ…すぅ…」
    微かに開いている口から漏れている寝息が姫子の時折見せる無邪気さを引き立てている
    少し肌蹴た着物からみえている肩に恐る恐る手を置くと、とても柔らかな姫子の肌から温もりが伝わってくる
    艶がありハリもある気持ちの良い姫子の肌、千歌音は姫子にくっつきそっと肩に頭を乗せた
    気持ち良さそうに寝ている姫子は起きる気配も無い
    本当にこのまま一緒に昼寝をしたい…

    そう思う千歌音は姫子の太陽のような温もりを感じながら目を閉じた


    静かな部屋で2人寄り添い、暖かな日差しを浴びているととても心が落ち着いた



    「ん……ちか、ね…」

    しばらくそのままでいると微かに聞こえた小さな寝言、目を開き姫子を見たが目は閉じられていた
    しかしその寝顔はとても優しくて、口元が微笑んでいる
    起きていても寝ていても自分の事を想っていてくれる姫子に嬉しくて千歌音は少し照れくさそうに笑う

    「姫子…」
    小さく名を呼び、千歌音は眠る姫子の頬に顔を近づけた


    「来栖川のお嬢様、今戻りましたよ」
    「っ!!!?」

    突然廊下から出掛けていたはずの乙羽の声が聞こえた
    心臓が止まるほど驚いた千歌音は咄嗟に姫子から離れひっくり返りそうになり姫子は「ん…?」と目を覚まし体を起こした

    「お土産に祖母が作った…ってあら?姫宮さんもいたんですか?」
    「…?あ、千歌音どうしたの?胸を押さえて、顔が真っ赤よ?」

    部屋に入ってきた乙羽と起きた姫子の視線に、吹き飛ばされたような体勢で胸に手をあて耳まで真っ赤な千歌音は2人を交互に何度も見た

    「えっと、あの、その…お茶がはいりました…///」

    そう言って正座し直し、恥ずかしそうに下を向いたままお盆ごとずいっと姫子に差し出した

    「?」
    「?」
    「・・・///」



    がんばれ千歌音ちゃん、くじけるな千歌音ちゃん




    どの時代でも皆は君の味方だよ




    END

最終更新:2008年11月19日 12:08
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