今日は大晦日
屋敷の大掃除を終えた夕刻過ぎ、年越しの準備の為巫女である姫子と千歌音の2人は大神神社へと馬に跨り向かっていた
吐く息が白い冷えた道中。体の弱い千歌音を前に座らせて馬を歩かせる姫子はぎゅっと千歌音を胸に抱き寄せた
「千歌音、寒くない?」
優しく気遣い自分に向けられる言葉を耳元で受け、暖かな姫子の胸元に体を預けた体勢の千歌音は満足げに目を閉じた
「ええ、大丈夫よ姫子」
成すがままに身を委ね微かに口元を緩めている千歌音を胸に抱き、彼女の持つ蝋燭の灯りがこの暗い夜道で千歌音の横顔をいつも以上に美しく魅せる
美しい横顔を見詰め彼女の返事に姫子も満足げに目を細めた
「色々と忙しかったけど良い1年だった?」
「うん、とっても…だって……」
続けざまに問われても千歌音は目を閉じたまま姫子にしか聞こえぬ声で頷き答え、ゆっくりと顔を優しく見詰めていてくれる姫子に向けた
「姫子が…ずっと傍にいてくれたから」
少し恥ずかしそうに言った千歌音の思いがけない告白に姫子は目を見開いた
いつもなら自分が言う台詞をまさか千歌音の口からこんな年の瀬に聞くとは…
少し困惑する姫子だが自分を見る偽りの無い千歌音の純粋な眼差しとその潤んだ瞳で言う彼女のあまりの美しさに姫子は胸が高鳴りはぁ…と小さく暖かな息を漏らした
「千歌音…」
「ん…」
そのまま引き寄せられるように千歌音の唇に己のを重ね合わせた
それでは物足りないとばかりに姫子はぐっとより千歌音の腰を抱き寄せ深く口付けた
それに合わせるように千歌音も灯りを手にしていないほうの手で姫子に抱きついた
いつしか姫子は馬を止め立ち止まり、どちらともなく舌を絡めさせ始めた
合間に互いの名を呼び合い2人の唇が重なる音と小さな水音が辺りの静寂を破っていく
しばらくその甘い口付けを交わし、千歌音の反応を確認した姫子が耐えられぬように口を離すと互いの口の端から2人を結ぶ銀の光の糸が出来た
「はぁっ…千歌音、いいの?」
熱く高鳴る胸の鼓動を抑え少し頬に朱のかかった千歌音の頬に姫子は手を添え、許しを請うように尋ねた
見詰め合う2人
千歌音とて、その姫子の問いが何を指し、自分に何を求めているのか分からぬはずはない
まだ大神神社に行くには少し時間がある…
迷わずこくりと笑って頷くと姫子が嬉しそうに優しい口付けをくれ、再び見詰め合い「ありがとう…」と小さな声で返した
そして2人は馬を降り、木に手綱をくくりつけ手を繋ぎ森の奥へと消えていった…
「ここでいいかしらね?」
馬を降り人目のつかぬ森の奥へと歩き進んだ2人。月の光の差し込む、ほどよく開けた場所に辿り着いた
千歌音もそれで良いようで口元に手をあてたままこくんと頷くと姫子は辺りを見渡し、一番大きな杉の木に目をつけ千歌音を導いた
蝋燭の灯りを消し、千歌音の背中合わせに杉の幹がくるようにし、姫子は雪のように白い千歌音の頬を撫でた
本当に、この娘は月が良く似合う…
「…好きよ、千歌音」
瞳を絡ませゆっくりと愛しそうに言う姫子
千歌音は少し恥ずかしそうに、でもそれ以上に嬉しそうに頷き、添えられた手に自分の手を重ね「私も。姫子が好きよ」と返した
可愛らしい笑顔に姫子は口元が緩み、そのまま空いてる手でそっと千歌音の華奢な腰を抱き寄せ彼女の小さな唇に唇を合わせた
ただ角度を変え唇を重ねるだけを繰り返しているだけなのに溶けてしまいそうな口付け。体の芯が熱くなってきた千歌音は姫子の首に腕を回した
すると姫子の舌が口を割って入ってきた
「ん…、ぁ…はぁ…っ」
口を開き頬を染め一生懸命舌を絡め合わせる千歌音を薄目で見ながら、姫子の片手は着物の上から彼女の豊満な胸に触れた
ピクンと千歌音の体が一瞬強張ったが、優しい手付きの姫子に直ぐ力を抜いた
「ぁん…ん、むぅ…」
「千歌音、ちゅ…ん…っ」
下から掬い上げ弧を描くようにゆっくりと弾力のある胸を揉み解していくと、口付けの合間に漏れる千歌音の甘い喘ぎ声がつい姫子の手を強めてしまいそうになる
それを抑えながら一度胸を揉むのを止め器用に千歌音の着物の帯を解いていく
ぱさりっ…
解けた帯が地面に落ち、口付けを交わしたまま千歌音は上着と着物を着たまま前が肌蹴た状態になった
そして姫子も自分の帯を解き同じく前が肌蹴た状態になり、千歌音が寒くないように一度抱き締めた
肌蹴た肌と肌が触れ合い、互いの体温が心地良く伝わる
「寒くは無い?」
労わるように背中をさすられ耳元で優しく囁かれた
吐く息は白いのに、体の奥が熱く寒いどころか少し熱いくらいだった
薄暗い月夜の下、首元に回した腕に力を込め「…うん、大丈夫」と小さく答えた
「寒くなったら直ぐに言ってね…」
「うん。…ぁ…くふ…っ」
囁きながら姫子の口は頬、首筋、鎖骨と降下していき、手はすっと着物の中に滑らせ今度は直に胸を揉み上げていく
口先が胸に辿り着いたときには桜色の蕾は既に硬くなっていた
舌を使ってその蕾をちろちろと舐めると、自然と姫子の両肩に置かれていた千歌音の手が少しもどかしいその快感にふるふると震え始めた
不意にちゅうっとその蕾を口に含むと「んあぁぁっ…!」と小さく啼声をあげた
まだ胸しか愛撫していないのに肩で息をし始めた千歌音が愛しくて堪らない
姫子の手は下腹部へと伸び、指で茂みを掻き分け案の定たっぷりと潤んでいた秘所で蜜を絡ませ割れ目をなぞった
超絶な快感に千歌音は体が仰け反り、腰が引け背後にある杉の木にもたれるような体勢になった
そのまま指でなぞるのを繰り返すと声も段々と艶が増し、姫子の官能を擽る
姫子は胸を愛撫するのを止め、目線を千歌音と合わせると肩で息をし俯いている彼女は目を閉じていたが目尻にほんの少し涙をためていた
空いているほうの指でぬぐってやると千歌音はうっすらと目を開き、浅く開いた状態のまま姫子を見た
本人は気づいてない何とも濃艶なその表情に姫子は魅了され、感情が昂ぶり背筋がぞくっとした
「…なあに?」
自分を見つめたまま何も言わない姫子にたどたどしい口調で問うと、しばし千歌音に見惚れていた姫子はにっこりと微笑んだ
「本当は年越しのお仕事を終えてから姫始めをしようと思ってたんだけど…」
そう言ってちゅっと軽く口付けを交わし千歌音の髪を撫でた
「年明け前にしちゃったなんて、千歌音の可愛さは罪ねw」
「/////!」
クスクスと楽しそうに笑う姫子とは対照的に千歌音は顔を真っ赤にした
何か言い返そうと口を開こうとした瞬間、ぐっと姫子の手が腰に伸び引き倒され姫子の体の上に倒れた
驚いて姫子を見ると先ほどと打って変わって真剣な表情をしていた
「本当はじっくり愛してあげたいのだけど、もうあまりゆっくりとしてられないわ。この体勢のままするわよ」
「え?…くぅっ!…あ、あ、あ…っ!」
立ったままでは千歌音の負荷が大きい
しかし言葉の意味が分かってない千歌音に姫子は不意打ち気味にさっきまで愛撫していた潤んだ秘裂をなぞった
くちゅくちゅと卑猥な音をたてる熱い秘所は気をつけなければそのまま密壷の中へと滑り込んでしまうほど濡れている
「あっ、ひ、ひめ…こ…っ!…あん、あああ!」
指の動きを早めると上にいる千歌音の腰がピクピクと動き出し口から嬌声が漏れ、そろそろ頃合かと姫子は刺激をぷっくらと大きくなった肉芽一点に集中した
「あん!ひめっ…こ!私もう…!あぁ!」
肉芽を撫でたりくにゅくにゅと押したりを繰り返していくと、千歌音の体が限界に到達しようと突っ張っていく
「…大丈夫よ、達しなさい」
普段と違う体位で美しく乱れる千歌音をうっとりと見詰めながら、より性急に肉芽を攻め続けた
「はぁ、ああぁ!――――っ!!」
ビクンと大きく体を震わせ、姫子の上で千歌音は達した
力無く荒い息のまま自分に覆い被さった千歌音を姫子は愛しそうにぎゅっと強く抱き締めた
「大丈夫、千歌音?」
「少し眠たくなったけど大丈夫よ」
「そう、良かった」
あれからしばらくして千歌音が立てるようになるまで少しだけ休憩した2人は乱れた着物を着直し馬の元へと戻り再び大神神社へと向かっていた
肌を刺すような冷たい北風も暖めあって間もない体には心地良いくらいだった
「あ、ねえ見て姫子」
「ん?」
「空に雲がひとつも無いの。きっと明日は良い初日の出が見えるわ」
目を輝かせながら空を指差す千歌音に釣られ空を見上げると確かに雲の姿は見えず星が散らばっていた
「本当ね。千歌音は今年の初日の出見た?」
「もちろん。私は今年もちゃんと見たわよ、姫子は寝ちゃってたけど」
「あら?そうだったかしら?」
「そうよ、せっかく大神先生が見に行っておいでって言ってくれたのに。揺すっても起きないんだもの」
「う~ん、早寝は得意だけど夜更かしと早起きって苦手なのよねぇ」
千歌音の少し恨めしそうな視線から逃げるように明後日の方向を見ながら頬をかいた
すると何か思いついたのかパッと表情を明るくさせ千歌音を見た
「分かった、じゃあ寝ないようにすればいいのよね?」
「ぇ?きゃあ!?」
不可解な姫子の発言に首を傾げると馬の上でガバっ!姫子に抱きつかれた
「今年は初日の出が上がるまで千歌音と姫始めしようかしら」
「えぇっ!/////」
耳元でそっと囁くとまたも千歌音は驚き顔が赤くなる
胸の鼓動まで早くなっていくのも抱きついていると良く伝わり、姫子はニコニコと楽しそうに頬を緩め千歌音を放した
「冗談よ。さ、もう直ぐ着くわ」
満足げな姫子に何か言い返そうと千歌音は口を開きかけたが、子供のような無邪気な笑顔に脱力し、敵わないとばかりに微笑み体を姫子の胸に体を預け大神神社へと向かった
そしてその後無事年越しの仕事を終え、2人が初日の出を見るまでに何をしていたかは、太陽のみぞ知る
【終】