姫子が千歌音の屋敷に居候し始めてから数日後……。
「千歌音ちゃん……」
姫子はデジカメを手に無我夢中で、風呂の扉の隙間から
シャワーを浴びている千歌音を盗撮していた。
「(あたし、またやっちゃった……)」
姫子は罪悪感に囚われながら、そそくさと自室へ引き返した。
姫子は写真を撮るのが大好きで、最近は千歌音の盗撮をやるようになった。
その度に罪悪感に囚われるものの、このスリルが堪らなくなっていた。
姫子は自室で、今までデジカメに収めた画像を鑑賞していた。
「これは着替え中の……これはお風呂の……あっ、これよく撮れてる」
姫子のコレクションの中には千歌音のパンチラまであった。
姫子はおもむろに下半身に手を伸ばした。
「千歌音ちゃぁん……あ、んんっ」
左手にデジカメを持ちながら、右手で自分の秘部を弄る。
「ん……あぁ、あ、はあはあ……」
盗撮した千歌音の写真でオナニーするのが姫子の日課になっていた。
すると突然ドアがノックされた。
「姫子、入るわよ」
姫子は慌ててデジカメを枕の下に突っ込んだ。
「な、何?千歌音ちゃん」
風呂から出たばかりで、まだ少し湿った長髪の色っぽい千歌音が入ってきた。
「この前姫子が撮った写真を見せてもらおうと思って」
「しゃ、写真?」
姫子はついさっきまで盗撮した千歌音の写真でオナニーしていたので一瞬戸惑った。
「あっ、い、今出すね」
姫子が机にしまってあった写真を取り出している間に、千歌音は姫子のベッドに腰掛けた。
「はい、これ」
姫子は枕の下のデジカメに気づかれないかどうか内心焦りながら、千歌音に写真を手渡した。
デジカメの液晶画面には千歌音の胸チラ画像が表示されたままだ。
「ふふっ、よく撮れているわね」
千歌音は姫子の撮った写真を一枚一枚丁寧に見ながら微笑んだ。
「あなたの撮った写真を見ていると心が和むわ」
「千歌音ちゃん……」
「私と姫子の大切な思い出の記録ですものね」
姫子の良心が疼いた。
千歌音のすぐ後ろにある枕の下には盗撮画像が目一杯詰まったデジカメが隠してあるのだ。
「(うう~、見つかったらどうしよう……)」
「姫子?」
「え、あ、何?」
「また今度一緒に出かけて写真撮りましょうね」
「う、うん」
「おやすみ、姫子」
「おやすみなさい、千歌音ちゃん」
千歌音は姫子の部屋から出ていった。
なんとかデジカメを千歌音に見つからずに済んだ。
ほっとため息をつくと姫子は枕の下からデジカメを取りだし、電源を切った。
「もうこんなことは止めよう。見つかっちゃったら千歌音ちゃんと一緒に居られなくなっちゃうよ」
姫子は部屋の明かりを消し、ベッドに潜った。
真夜中、千歌音の部屋に向かって廊下を歩いている自分が居た。
手にはデジカメが握られている。
「(もう止めようと思ったのに……。あたし病気なのかな)」
姫子は千歌音の部屋の前に着くと、その場に木が生えたように立ち止まった。
「(だ、駄目だよ、こんなことしちゃ。もうしないって決めたのに)」
自室へ引き返そうとするが、足は動かない。
姫子はまだ千歌音の部屋に潜り込んで寝顔を撮るという大胆なことはしたことがなかった。
しばらく姫子は理性と欲望との間で葛藤した。
「(駄目、駄目よ!)」
そう思いながら、しかし、姫子はドアノブに手を伸ばし、回していた。
部屋の中は真っ暗で、耳を澄ますと千歌音の寝息がかすかに聞こえてきた。
姫子は静かに千歌音のベッドに近づいた。
ベッドの横まで来ると、姫子はベッドのすぐ近くのスタンドライトを点けた。
そして、千歌音の無防備な寝顔をのぞき込んだ。
「(うう~千歌音ちゃんの寝顔、見てるだけでドキドキするよう)」
千歌音はすーすーと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
「ごめんね千歌音ちゃん」
姫子はそう言いながら恍惚とした表情でデジカメを構えた。
すると突然千歌音は瞼を開いた。
「姫子?」
「あっ、ち、千歌音ちゃん」
「姫子……」
姫子がだらしなく口を半開きにして、荒い呼吸をしながらデジカメを
構えている姿を千歌音にばっちり見られてしまった。
「(ど、どうしよう、どうしよう。見つかっちゃったよぉ)」
「姫子、あなた……」
「ご、ご、ごめんなさい(もう駄目だ。千歌音ちゃんに嫌われた……)」
「……うすうす気づいていたわ」
「えっ」
「姫子が私に隠れて写真を撮っていること」
「…………」
「ねえ、姫子。どうしてこんなことをしたの?」
「……そ、それは……千歌音ちゃんのことが……」
「私のことが?」
「す、好きだから……」
姫子は涙声で答えた。
すると千歌音はふっと微笑んだ。
「ふふっ、私も姫子のこと、大好きよ」
「ち、千歌音ちゃん?」
「それで……私の写真を撮ってどうしたの?」
「えっ……そ、それは……あの……」
「正直に言って頂戴」
「……ち、千歌音ちゃんの写真で……お、ォナニー……」
姫子は消え入りそうな声で言った。
「そう……」
千歌音はますます笑顔になった。
「千歌音ちゃん、怒ってないの?」
「怒る?いいえ、私は嬉しいのよ」
「え、だって、お、オナニーしてたんだよ。千歌音ちゃんの写真で……。あたし女の子なのに」
すると突然、千歌音は姫子の唇に自分のそれを重ね合わせてきた。
「んっ……」
「姫子、私もね……あなたのことを想ってしてたの」
「えっ」
「でも、これでもうその必要はなくなったわ」
「千歌音ちゃん?」
「姫子……好きよ」
千歌音は姫子の秘部をまさぐり始めた。
「あっんん……」
「姫子、私のもして頂戴」
「う、うん」
姫子と千歌音はお互いの秘部を責め合う。
「ひぁ……千歌音ちゃあぁん、ん……あん」
「姫子ぉ……そこ、そこいいのぉ……」
「あああ……い、イッちゃうぅぅ、イッちゃうよぉ!」
「ひ……姫子ぉ、んあ……一緒に、一緒にイキましょう……ああん!!」
二人は同時に体を震わせ、絶頂に達してしまった。
姫子はデジカメで同じベッドに入っている千歌音と自分を撮影した。
「これでまた思い出が増えたわね、姫子」
「うん、千歌音ちゃん」
<終>