注意書き
・今回は作者個人の妄想が過ぎます。原作から離れてしまった感…
・「もし~だったら~」とゆうお話です
・エロなし
・文才皆無、不自然な文章が沢山。
・ちょっと続きが長くなるかも
(ここは………?)
ふと姫子が気付くと目の前には地球があった。
姫子はどうやら月にいるらしい。つまり前世で千歌音に殺され元の世界で千歌音を殺した場所。
姫子は見渡す、だが誰もいない。
ただあるとすれば永遠に広がると思える花畑だけ。
良い思い出のないこの場所にさらに またどうして自分がここにいるのかわからない姫子は不安でしかたがなかった。
どうすればいいかわからずとりあえず叫んでみる。
「千歌音ちゃーーん!」
その時、目の前の花畑の中から千歌音が現れた。
「姫子!」
千歌音が姫子に駆け寄った
「千歌音ちゃん…これは一体?」
「わからないわ…気付いたらここにいたの。姫子の声がしたと思ったら姫子が現れて…」
二人とも不安になる
ここにいるのはもしかしたらまた二人が引き裂かれてしまうのかもしれないと、思ってはいけないことばかり頭に浮かんだ
「いやだよ…千歌音ちゃん…もしかしたら私たちまた……」
姫子が瞳を潤ませる
「私も絶対嫌よ。でもまた姫子にいつか会えるなら……」
二人はわき出てくる不安を消すかのように強く抱きしめあった
二人は本当に幸せだった。お互いにまた出会えて、愛し合えて、一緒にいれて、もう欲しい物はなかった。
幸せすぎる故にこの幸せがいつか壊れてしまうことを時々考えることもあったが、
まさかこんなに早く壊れてしまうかもしれないなんて考えていなかった。
何度も引き裂かれて何度も恋に落ちる。
それをただ繰り返す中で、、二人で永遠に一緒に、、、いやそれどころか一つになりたいとさえ思うこともあった。
「……千歌音ちゃん、私、千歌音ちゃんになりたい」
「私も、姫子になれたらいいのに」
お互い、その思いを口にした。
”巫女よ”
どこからか声が聞こえてくる。
何度も聞いたことのある声。剣神アメノムラクモだ。
「ムラクモ…私たちはまた引き裂かれてしまうのですか!?」
千歌音はずっと気にしていたことを口にした。
ムラクモの応えが怖かった。
”違う。次の転生にはまだ早い。”
姫子はほっとするが千歌音は気を緩めない
「では何故!?」
”受け取りなさい”
ムラクモはただそれだけ言い、世界は光に包まれた
光に消えゆく瞬間も二人はお互い離さなかった
(姫子…!)
(千歌音ちゃん…!)
「ん…」
窓からの暖かな陽射しで姫子は目覚めた。
枕元にある時計を見るといつもより全然早い。
(なんだ…夢かぁ…)
懐かしくてどこか悲しくなる夢だった。
早く目覚めたのはおそらく今見ていた夢のせいだろう。
千歌音との日々が幸せすぎて変な夢を見たのだろうと姫子は深くは考えなかった。
「ふわぁ~」
起き上がり、身体のけだるさをなくすためにのびをする。
何だか自分の声がいつもと違う気がする。
千歌音も先日から風邪をひいているので自分も風邪でもひいたのかと思い、やはりまた深くは考えなかった。
姫子は真っ先に顔を洗うために自分の部屋を出て洗面台に行った。
ばしゃばしゃと顔を洗う、清々しい。
そして濡れたままの顔を上げる。
そこにはいつものように姫子の自分の顔があるはずだった。
が、目の前の鏡に映されているのは姫子の鏡ではなく千歌音の顔だった。
「千歌音ちゃん?」
鏡の中の千歌音に話しかけるが千歌音は何もこたえない。
姫子は違和感を感じた。
何故自分の姿が映っていないのか。
後ろを振り返ってみても千歌音はいない。
「……?」
なんなんだろうと不思議に思いながら頭をぼりぼりと掻いてみる。
すると目の前の千歌音が自分と同じ動きをした。
(こ、これって…)
鈍い姫子もようやく気付いたようだ。
「千歌音ちゃんになっちゃったぁ~~!?」
自分が千歌音になってしまっていることに。
姫子(他人から見れば千歌音)の叫び声が姫宮邸に響き渡った。
ただしばらく唖然としていた。全く意味がわからない。
状況を整理しようと混乱していると姫宮家に仕えるメイド長こと如月乙葉がすごい剣幕でやってきた。
「ど、どうなされました!?お嬢様!?」
「な、なんでもないよ」
姫子の言葉使いに乙葉が顔をしかめる。
(…お嬢様?)
流石姫宮家の長年の使用人である。姫子のただ一言で違和感を即座に感じ取ったようだ。
(あ、そうなんだ…今、私は千歌音ちゃんなんだ…)
乙葉にこのことを言うべきか言わないべきか姫子はわからなかった。
こういう時は千歌音に判断させるのがよいと思った。
自分がこうなっているということはきっと千歌音にも何かが起きているだろうと考えた姫子は乙葉に千歌音の口調で尋ねた。
「おほん。来栖川さんはもう起きていますか?」
自分のことを来栖川さんと呼ぶのはなんだかおかしかった。
「いいえ、まだ今朝は見ておりません」
「そうですか」
姫子は千歌音の部屋へ向かった。部屋に入ると案の定、自分がベットの上で寝ていた。
(私、いつもこんな顔して寝てるんだね…)
そんなことを考えている場合じゃないと思いつつ、千歌音(他人から見れば姫子)を起こす。
「ね、ねぇ、起きて千歌音ちゃん!!」
千歌音がもぞもぞする。
「う~ん?姫子…?」
千歌音が目覚めると目の前には自分の顔があった。
何秒間の沈黙の後、千歌音は叫んだ。
「わぁ!?」
「千歌音ちゃん…」
驚愕のあまりに固まる千歌音だったが、すぐに立ち上がり、鏡の前まで歩いていって、自分の姿を確かめた。
そして姫子の方を向いて言った。
「……。姫子、私の姿をしているけど貴女は姫子なのよね?」
「うん。」
「つまるところ、私達は入れ代わってしまったということ?」
この状況把握の速さ、姫子の姿をしている少女は紛れまなく千歌音だ。
「…みたいだね」
そして二人は同時に言った。
「どうしよう」と。
二人は何故このような事態になったのか考えることにした。
千歌音の方には思い当たる節はなかったが姫子にはあった。
「今朝、変な夢を見たの」
姫子は先程の妙な夢のことを思い出そうとした。
「変な夢?」
「うん、私達は月にいてムラクモがなんか言ってた夢」
「なんかって?」
「ごめん、わかんない」
しかしもはや夢の記憶は曖昧になっていて断片的にしか思い出せなかった。
「姫子のその夢と今回のことが関係あるかどうかははっきりとはわからないけれど…」
千歌音は姫子から夢の話を聞いて自分の考えを述べた。千歌音いわく
神であるムラクモならこれくらいの事なら出来るのではないのか、と。
「とゆうかこんなことが出来るのは人間以外の存在しかないと思うの」
続けて千歌音は言う
「とにかくわからないことは置いていてこれからどうするか決めましょう?」
(千歌音ちゃん…)
姫子はどうしようもできなかった自分に比べてこんなにも冷静に対処できる千歌音をすごいと思った。