―――昔々の記憶。
転びそうになった私に手を差し伸べてくれた人。
その人の手に触れた瞬間、身体が熱くなり胸の奥底を掴まれたような感覚に陥った。
それがきっと、私の運命の人。
「ありがとう。」って笑顔で伝えたい。
だけど誰だかわからない。名前も、顔さえも知らない。思い出せない。
唯一の記憶の欠片には暖かく、細く、繊細で綺麗な手だけだった。
夜、学生寮の一人部屋の一室から妖しげな吐息が響く。
「っ・・・ぁあ」
そこには自らを慰めるイズミの姿があった。
ほんの少し透けている乱れたピンクのネグリジェが月明かりに照らされて、より一層淫らにしたてあげている。
柔らかな胸をいじっていたイズミの手が段々と下へのびていく。
下着を身に付けてないその部分は既に女性特有の愛液が大量に溢れ出ていた。
「・・っ」
ぎこちない手つきで内部へ中指を挿れる。
指を動かすたびにクチュッという音が耳に付く。
高まる感情を押さえきれないイズミは指をもう一本、人差し指をも侵入させた。
秘部もそれに反応し、さらに大きな水音が響く。
「(もっと、もっともっとほしい・・・)」
もうその指は、勢いを増すことしか知らなかった。
二本でも精一杯の膣内に、三本目の薬指を力ずくで押し込んだ。
「つっ!やぁっ・・ぁぁふぁぁぁっっ」
絶頂を向え、勢い良く粘度の高い愛液が溢れだす。
イズミはその様を濡れた瞳で茫然と眺めていた。
「・・はぁ・・・はあ・・っ。こんなの、馬鹿みたい・・・・・」
自らの挿入していた指を抜こうと、腕ごと軽く上げたその時
「ひゃっ!?」
爪が頭をのぞかせた愛芽を引っ掻いた。
「やだ・・・っ。ココ、すご・・きもち・・ぃ・・・っっあぁぁああっ!!」
――夜は未だ、始まったばかりだった。