マコヒメ 二人だけの撮影会

神無月の巫女 エロ総合投下もの

マコヒメ 二人だけの撮影会

 

「ねえ、ほんとにこんなカッコでいいの?」
「うん。飾らない、そのままのマコちゃんを撮りたいの」

 11月も半ばの日曜日。
 小春日和の朝、真琴は寮の部屋でいつもの部屋着のまま姫子の写真のモデルをしていた。


 それは一昨日の夜、真琴が部屋で柔軟体操をしている時に姫子が遠慮がちに言い出したことに始まる。
「マコちゃん。あのね、お願いがあるんだけど」
「ん? なに?」
「あのね、写真部の課題でポートレートを撮ることになったんだけど、モデルになってもらえないかなって。……だめかな」
「なんだ、そんなことか。そんなのお安いご用よ」
「ほんと? ありがとう、マコちゃん!」
「その代わりきれいに撮ってよ」
「うん。頑張る」
 そう言ってうれしそうに微笑む姫子を見て、部活に入ることを勧めた真琴もうれしかった。

 最近の姫子は真琴の前では明るく振る舞っているが、ふとした拍子にどこか寂しげで虚ろな目になることが多くなっていた。そしてその理由を真琴は知っている。
 放課後になるといつも、誰とも知れない探し人を求めて姫子はあてもなく町を彷徨い歩く。そして日も暮れ、歩き疲れては寮に帰ってくる。
 そんな繰り返しを痛々しくて見ていられなくなり、真琴は気分転換のために部活に入ることを勧めた。
 甲斐のない日々に疲れていたのだろうか。姫子は意外なほどすんなりその提案を受け入れ、写真部に入ることにしたのだった。
 共通の趣味を持つ同好の士を得て、それからの姫子は徐々に以前の明るさを取り戻してきていた。


「それにしても何か本格的ね」
「部屋の中だと光量が足りないからね」
 昨日のうちに写真部から借りてきた撮影用の照明器具をセットしながら姫子は言
った。
「なんかちょっと緊張してきちゃったよ」
「やだ、マコちゃんたら。私と二人っきりなんだからいつも通りでいいんだよ」
「アハハ、そうだね。じゃあそろそろ始める?」
「うん。その前にちょっとだけお化粧をするからこっちに来て」

 ベッドの端に腰掛けた真琴に、コンビニコスメだけどね、と笑いながら姫子はア
イラインといつもより少しだけ赤味の強いリップをブラシでそっとはき、眉毛を少
し切りそろえて仕上げにペンシルタイプの眉毛書きで輪郭を整えてくれた。
「うん、とってもきれいに出来た。どうかな?」
 そう言って姫子が手渡した手鏡を覗いてみれば。

「こ、これが私? ……って全然変わってないじゃん」
「マコちゃん元がきれいだから、素材を生かさないとね」
「でも部活焼けで肌とか荒れてるからアップは禁止だからね」
「とってもスベスベ、ツルツルで全然荒れてないよ。それにほんのり小麦色でステ
キ」
 姫子は右手で真琴の髪を軽くかき上げて、左頬をそっと撫でる。その手が少し冷
たく感じるのは真琴の頬が火照っている証だった。
 姫子の方からこうして触れてくることは余りなかったので、真琴の心拍数は少し
上がったようだ。姫子にそれを気づかれなかっただろうか。

「じゃあ始めるね」
 こうして二人だけの撮影会が始まった。


 撮影は姫子がポーズを指示して進められていった。
 最初は自由に振る舞ってと言われた真琴だが、いざ撮影が始まると普通ってどう
すればいいんだろうなんて考え出してどうにもぎごちなくなってしまい、おまけに
表情まで強張ってきてしまった。だから姫子に指示してもらうようにした訳だが、
かえってその方が自然に振る舞えるのは不思議なものだった。

「マコちゃん、疲れてない?」
「ううん、全然」
 撮影が始まってかれこれ一時間近くずっと立ちっぱなしだったが気分が高揚して
いるせいだろうか、少しも疲れを感じなかった。
「知らなかった。写真撮られるのって結構気持ちいいのね」
「あー、マコちゃんてば実はナルシストだったんだ?」
「そんなこと言って止めちゃってもいいのかな」
「ごめんごめん、止めないで」
 それよりね。ちょうど枚数を撮りきったフィルムを入れ替えながら、姫子は上目
遣いにおずおずと言う。
「もう一つお願いがあるんだけど」
「はいはい、なんだって訊きますよ。大先生」
「あのね、実はね、……私、一度ヌードって撮ってみたかったの」
「ええっ!?」


 頬を赤らめて言う姫子の想定外の言葉につられて、同じように赤くなった真琴は
思わず訊き返した。

「ご、ごめん。やっぱりダメだよね」
「うーん。お風呂や部屋でお互い見てるんだから今さらだけど、写真に撮られるっ
ていうとやっぱりちょっと恥ずかしいし。でもなんで?」
「……前からマコちゃんきれいだなって思ってて、それで……」
「ちょっ、何言い出すのよ! 恥ずかしい子ね!」
 姫子が私の裸を見たがっている? それってもしかして私のことを……。でも姫
子にはどこかに大切な人がいる訳で、だから私のことを、なんてあり得ない訳で
……。
 そんなことが頭の中でグルグル回って、なんだかよく分からなくなって来ていた
時に姫子が言った。
「ごめん。やっぱり今の忘れて!」
 姫子の真意は分からない。でも私の写真を撮りたいって言ったことは紛れもない
真実だ。だったら後は私がどうしたいかだけじゃないか。
 そう決心した真琴は真っ直ぐに姫子を見つめて言った。
「……誰にも見せないって約束するんなら」
「えっ! いいの!?」
「絶対約束だからね!」
「うん! ありがとうマコちゃん!」
 もしかしてはめられた?
 やけにうれしそうな姫子を見てそんな感慨が脳裏をよぎったが、姫子に求められ
るのは悪い気はしないし、まあいいか。そう思う真琴だった。

 それからの撮影は恥ずかしさのあまり頭の中に霞がかかったようで、よく覚えて
いなかった。
 なんだかとてもうれしそうな姫子の指示で、着ていたTシャツ、ブラ、ショート
パンツを順に剥かれていって、気が付けば白いショーツ一枚で窓辺に立っている自
分がいる。
 お風呂場などで見られるのと違いレンズ越しに凝視されていることに、真琴は今
までに経験したことのない感覚を味わっていた。
 それは例えるなら夜のベッドの中での一人遊びに似ている。体は正直だ。ショー
ツの中が濡れてきているのが分かる。
 真琴は今、姫子に視姦されて感じているのをはっきりと自覚していた。

「じゃあ目線こっちでショーツ下ろして」
「……うん」
 姫子の声に、真琴はレンズの向こうの姫子の目を見つめたままショーツを下ろす。
 床に脱ぎ捨てられたショーツが濡れていることを姫子もきっと気づくだろう。動
悸が高まる。
「窓を開けて窓枠に両手をついて、体をちょっとだけ出してみて」
「……」
 言われるままに窓を開け体を乗り出すと、風もない小春日和とはいえ空気はもう
肌寒い11月の空気に包まれて肌が粟立った。
 しかしそれは寒さのせいだけではなく、このポーズだと真琴の後ろに回った姫子
から濡れた秘所が全部見えてしまっているのを知っているからだ。
 無意識に真琴は腰を小さく左右に振っていた。それを見て姫子はどう思うんだろ
う。そんな想像が真琴をさらに高ぶらせる。


「マコちゃん、寒くない? 疲れたでしょ?」
「まだ平気」
 姫子の言葉に真琴は両手を後ろに廻し、わざと全身を晒すようにして振り向くと、
潤んだ瞳で姫子を正面から熱く見つめた。あふれる愛液が太股を伝って光っている。
「じゃあ今度はベッドに横になってみて」
 そんな真琴の気持ちを知らぬ気に姫子は次のシチュエーションを要求する。
 なんだか気持ちをかわされたような微かな失望を隠して、二段ベッドの下段、姫
子のベッドにうつぶせに倒れ込むと真琴は枕に顔を埋めて、すぅっと息を吸い込ん
でみた。

(……姫子の匂い)
 姫子のベッドに横たわり、裸で姫子の匂いに包まれている。
 目を閉じて隣に裸の姫子が横たわっていることを夢想すると、右手は自然に濡れ
そぼった股間に伸びていった。
 カシャーッ。
 カシャーッ。
 あ……ん、んん。う……ん。 
 断続的に聞こえるシャッター音の中、右手の人差し指はいつしか薄桃色の秘肉を
弄び、左手は乳房をそっともみしだいていた。

「マコちゃん、とっても素敵。そのまま仰向けになって」
 言われるままに寝返りをうち、真琴はレンズ越しに姫子の見つめる前で前でオナ
ニーを続ける。
 カシャーッ。
「もっとよく見えるように足を開いて」
 くちゅっ、くちゅっ。
 秘口に人差し指と中指を入れて中をかき混ぜ、同時に掌をピンク色の真珠に擦り
付ける。右手は今やすっかり溢れ出た蜜にまみれていた。
 カシャーッ。
 カシャーッ。
 く……ぅ、いぃ……。
 やがて大きな波が訪れ、腰を突き出し体を仰け反らせると、真琴は達した。


「お疲れさま。可愛かったよ。でもちょっとびっくりしちゃった。マコちゃんって
……意外とエッチなんだね」
 最後のフィルムを撮りきって、姫子は真琴がぐったりと横たわるベッドの脇に跪
くと微笑みかけてきた。
「……うん」
 余韻を楽しむように秘部に当てた右手を小さくゆっくりと動かしたまま、真琴は
焦点の合わない目で姫子を見た。
「もうお昼になっちゃったね。お腹空いてない?」
「……平気」
「そう。じゃあ私、写真部の機材を返してくるから休んでてね」
 そう言うと姫子はシーツと毛布で真琴の体をそっと包んでくれた。

 ……お日さまの匂い。姫子の匂い。このままずっとこうしていたいな。
 ぼんやりとそんなことを思いながら、やがて真琴は毛布の中で丸まってうとうと
と眠りに落ちていった。


 どのくらい眠っていただろう。物音に気づいてゆっくり目を開けると、椅子に座
り机で何かしている姫子の背中がそこにあった。
 真琴がベッドの上で上半身を起こす衣擦れの音に気づいた姫子は、振り返って言
う。

「よく寝てたね」
「何してるの?」
「えへへ、早く見たかったから頑張っちゃった」
 ベッドに歩み寄る姫子が見せたのは、部室でプリントしたばかりの写真を納めた
紙製のアルバムだった。
「急いだわりには結構上手に焼けたと思うの。どうかな?」
「うん、きれいに撮れてる。姫子上手くなったね」
「ウフフ、モデルがいいからだよ」

 ベッドに並んで座り撮影していた時のことを笑いながらページを順に繰っていく
と、やがて裸体が現れた。
 二人はいつしか無口になり、ただゆっくりとページをめくる音と小さな吐息だけ
が聞こえる。
 思った通り、カメラにお尻を向けたショットには薄い草むらに護られた、発情し
た秘部が滴る愛液とともにはっきり写っている。そればかりかいつの間に撮られた
のだろう、裂け目に指を入れたアップまである。

 隣で写真に見入っている姫子の顔をそっと覗き込んでみる。するとその横顔は耳
まで赤く染まっていた。
 誰にも見せたことのない恥ずかしい自分を姫子にだけさらけ出し、そしてそれを
見た姫子が高ぶっている。
 その様子を見て再び体が火照って来ることを覚えた真琴は、キュッと閉じていた
両足の間にそっと右手を滑り込ませ、人差し指と中指で裂け目の中をなぞり始めた。


「な、何してるの、マコちゃん」
 そのままベッドに倒れ込んでオナニーを始めた真琴にびっくりした姫子は言った。
「何って、……ん、姫子がさっき、しろって言ったじゃ、ん……」
「で、でももう終わったからしなくていいんだよ」
 撮影中はあんなにも冷静だったのに、今は真っ赤になって目を泳がせている。そ
んな姫子の様子が愛おしくて、真琴は姫子の腕を引張ると、倒れ込んできた体をギ
ュッと抱きしめた。
「姫子!」
「マ、マコちゃん」

 抱き留めた姫子の右手を取ると、真琴はそれを自らの左の胸に導く。そして胸の
膨らみを包み込んだ姫子の手の上に自分の手を重ねて言った。
「触ってみて。……どう?」
「……ドキドキしてる」
「うん、それだけ?」
「温かくて柔らかくって気持ちいい」
「私も姫子に触られて気持ちいい。ね、もっと強くして」
「こ、こう?」
「そう、それと先っぽを指で、こう。あん、そう……、いい」

 初めは真琴に言われるままに手を動かしていた姫子だが、真琴のポイントが分か
ってきたのか、いつしか両手を使い主体的に探るように色々な動きを試してくるよ
うになっていた。


「マコちゃん、かわいい」
 そう呟いて姫子は真琴の尖った乳首に優しく唇を付ける。初めは遠慮がちに浅く
唇に挟んでそっと擦ったり舌の先で乳首の先を撫でたりしていたが、真琴の反応を
見ながらやがて甘噛みしたり、強く吸ったりして来るようになった。

「気持ちいい?」
「ん、い、いい、ひめ……こ……。こっちも、して」
 真琴は姫子の右手を掴んで自らの潤んだ股間に誘導する。
「指、好きなように動かしていいから」
「どうすればいいの?」
「ん、ここ、指で擦って」
 姫子の人差し指の腹をツルツルした小さな突起に導き、自分から腰を動かして指
にこすりつけた。

「こう?」
「う……ん、そう。もっと強くして」
 真琴の様子を伺いながら、姫子の指使いも少しずつ強く、多彩になってくる。指
先で円を描いたり軽く押し込んだりしながら、姫子は訊いてきた。
「気持ちいい?」
「ん、ふ、……いい。ね、こっち、指、入れてみて」
 真琴は突起を弄んでいた姫子の人差し指を膣口にあてがい、ゆっくりと自身の中
へと埋め込んでいく。
「平気? 痛くない?」
「う、ん、平気だから、もっとして」
 ピチャ……。クチュ、クチュ。
 初めに一本だった指はいつしか二本になり、淫靡な水音を立てながら真琴の中を
かき混ぜる。
「くぅ……、う、う……んん。姫子、姫子!」
 最後には体を硬直させ、姫子の指でイかされてしまった真琴だった。


「上手いじゃん」
 ぐったりとして余韻を味わいながら真琴は言った。
「えへへ、どうしたら気持ちよくなってもらえるかなって一生懸命考えたの」
「うん、すごくよかった。……ねえ、姫子にもしたい」
「……うん」

 体を起こし、恥じらうように小さく頷いた姫子のブラウスのボタンをゆっくりは
ずして脱がせる。そしてブラのホックをはずすと真琴の眼前には、頂上に薄いピン
クの小さな突起を頂いた二つの白い乳房が晒された。
 きれい……。初めて見るわけでもないのに、こんなにもドキドキするなんて。

 すぐにでも白い膨らみを掌に納めたい衝動を抑えて、姫子の体をそっとベッドに
預けると自らもその脇に体を横たえ、真琴は右手の人差し指の爪で乳首の先を軽く
さっと擦った。
「ひゃんっ!」
「フフ、可愛い声」
「もう、いじわる」
 ちょっと拗ねたような姫子の表情を見ながら乳首をそっと口に含んで、舌先で転
がしてみる。

「ん、……ん、マコちゃん……」
 快感に耐えるようにシーツを掴む姫子に、真琴はさらなる刺激を与える。
 乳首を中心に念入りに愛撫した後、大きくはないが形の良い乳房全体に舌を這わ
せてうっすらとかいた汗を味わい、もう片方の乳房は右手全体を使って時に優しく、
時に強く揉みしだいた。


 やがて右手はゆっくりと乳房を離れて、脇をそっと撫でながら腰の辺りのスカー
トのホックを探り当てた。
 プツン。親指と人差し指で摘んで器用にはずし、ジッパーを下ろそうとしたとこ
ろで姫子が言った。

「待って」
「嫌?」
 不安気に問う真琴に、手の甲で顔を隠した姫子は首を小さく左右に振ってつぶや
いた。
「……ドア、鍵かかってないから」
「うん」
 真琴は名残惜しそうに姫子の体から手を離して体を起こすと、少しふらつきなが
ら部屋のドアへ歩み寄りカチリ、と小さく音を立てて鍵を落とした。

 はやる気持ちを抑えてベッドに戻ると横たわる姫子の顔にかかった髪をそっとか
き上げる。
「もう大丈夫だから」
 それには応えず、代わりに姫子は顔を隠したまま小さく頷いた。
 真琴はもう一度スカートのジッパーに指をかけて今度は最後まで下ろすと、片手
を姫子の細い腰とベッドの間に滑り込ませて腰を持ち上げてスカートを脱がせる。
 ついに現れた姫子の白いショーツ。そこに隠される少し盛り上がった丘に手のひ
らをあてがうと姫子の体はピクッと小さく震えた。

(……濡れてる)
 衣越しにうっすらと伝わる湿り気を感じながら、ショーツの下の形を探るように
指でゆっくりとなぞる。
 ショーツ越しに露わになった谷間に沿って指を滑らせると、姫子は小さくあえぎ
声を漏らして腰を引いた。

「あ、ん、……いや」
「力を抜いて楽にして」
 真琴はショーツのサイドに両手をかけるとゆっくりとショーツを脱がしていく。
姫子もそれに合わせて腰を浮かせて協力した。
 真琴の前に現れた姫子の淡い草むらは、ショーツに押さえつけられて体にピッタ
リ貼り付いていた。真琴は既に十分潤っている裂け目に人差し指をそっと滑り込ま
せ、軟らかい肉の感触を確かめる。

「こんなに濡れてるよ。いつからこうなってたの?」
「……撮影してる時から」
 濡れた指を姫子に見せちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべて訊く真琴に、恥ずかし
そうに姫子は応える。
「もしかして暗室で一人でしてたでしょ?」
「……うん」
「フフ、姫子はエッチだね」
「マコちゃんが悪いんだよ。マコちゃんがあんなエッチなところ見せるから」
「そーですか、私のせいですか。じゃあもっとエッチにしてあげる」
 そう言うと真琴は姫子の両足を開かせてその間に体を入れ、姫子の内腿、膝の辺
りに口づけをした。


 そのキスは姫子の体温、脈動、弾力、舌触り、そして薄い汗の味を楽しむように
ゆっくり、丹念に少しずつ這い上ってゆく。
「くぅ……ん、怖いよ。マコちゃんに食べられちゃうよぅ」
「姫子の大事なところ、食べてあげる」
 うわずったすすり泣きとともにつぶやく姫子の声に応え、真琴の唇はとうとう両
足の付け根に到達した。

 まず割れ目の両側を護る、ぽってりとした肉の盛り上がりに丁寧に舌を這わせる。
次にその丘を指で拡げて中に現れたまだ余り発達していない唇に優しくキス。鼻の
頭で半ば皮に覆われた小さなピンクの真珠を弄びながら、舌で唇をかき分けていく
と、溢れる愛液で輝くきれいな薄桃色の肉が現れた。
 ピチャ、ピチャ、チュッ、チュウ。

「あ、あぁ……、マコ、ちゃ、ん」
 姫子の喘ぎ声を確かめながら淫らな音を立てて吸い取るが、にじみ出る蜜は留ま
ることを知らない。
 そのあふれ出る元に舌の先を差し込むと真琴は内部をたっぷりと味わい、その間
にも右手の親指で包皮をめくって露わになったクリトリスに刺激を与え続けた。


「姫子、どう?」
「ん、あ……、いい、気持ちいいの」
 真琴の問いに息を切らしながら姫子は応える。
 その時不意に真琴は愛撫を止めて顔を上げ、愛液に濡れた口の周りを手の甲で拭
って姫子を見た。
 そんな真琴に濡れた瞳で姫子は懇願するように言う。

「あ……、もう少しだったのに」
「やっぱり姫子はエッチだね」
「うん、エッチなの。だからお願い。最後までして」
「うん。いっしょにね」
 姫子の目尻にキスをして涙をそっと吸い取ると、真琴は上から姫子に覆い被さる
ように全身をピッタリ合わせ、互いの太股に互いの敏感な部分を擦り付けられるよ
うに足を絡ませた。

「姫子、姫子!」
「あぁん、マコちゃん! いく、いっちゃうぅ!」
 固く抱きしめあって汗ばむ全身を擦り付け、絡み合い、律動し、荒い息遣いでや
がて二人は同時に達したのだった。


 姫子に覆い被さって余韻を味わっていた真琴は、姫子の息が落ち着いてくるのを
待ってゆっくり、静かに言った。
「姫子」
「ん、なに?」
「目を閉じて」
「……」
 真剣に見つめて言う真琴の言葉に、おそらく姫子も何かを感じ取ったのだろう。
何も聞き返さず、そっと瞼を閉じた。

(……姫子)
 真琴は目を閉じた姫子の唇に静かに唇を近づけて、先をほんの少しだけ触れさせ
た。
 姫子は目を閉じたまま一瞬微かに体を強張らせたが、すぐに力を抜いて真琴の次
の動きを待っているようだ。
 その様子に今度は唇全体を姫子のそれに柔らかく押しあて、それでも姫子が拒絶
しないのを確かめると次第に深く口づけていった。
 舌で姫子の唇をそっと押し分け、中に舌を差し込む。舌で口中を愛撫するように
なめ回すとやがて姫子の舌が応えてきた。そしていつしか二人の舌は互いに貪るよ
うに絡み合っていた。

 どのくらいそうしていただろう。長い長いキスを終え、透明な糸を引きながら唇
を離すと姫子は真剣な顔で真琴の目を見て言った。
「……キスはダメって言ってたのに」
「イヤだった?」
 狼狽気味に訊き返す真琴に、姫子は答える代わりに真琴の顔を両手で挟んで自分
の顔に寄せ、今度は姫子の方から深い口づけを返し、いつまでも飽きることなく続
けた。


「好きよ、姫子」
 毛布にくるまり裸で抱き合ったまま、真琴は冗談めかしてではなく、ずっと言い
たかった真実の言葉をやっと口にすることが出来た。

「私もマコちゃんのこと好きだよ。……でも」
 悲し気な顔で姫子が言いかけた言葉を唇に人差し指を当てて遮ると、真琴はいつ
ものように明るく笑って言った。
「分かってるよ。だから言わなくてもいい」
「ごめんね」
「バカね。姫子が謝ることなんてないのよ。姫子は今まで通りでいい。それでも私
の気持ちは変わらないから」
 そう言って真琴はもう一度姫子にキスをする。姫子もそれを拒まない。


 見てなさいよ。どこの誰とも知れない、姫子の大切な人とやら。
 今はまだ負けてるかも知れないけど、いつかきっと私を選ばせてやるんだから。
 姫子を固く抱きしめ、心に誓う真琴だった。


 窓の外は今はもうすっかり夜の帳が降り、空には悽愴なほどに蒼い月が輝いてい
た。

End

最終更新:2007年04月22日 21:01
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