月の社にて

神無月の巫女 エロ総合投下もの

月の社にて

 

月には 誰も知らない社があるの 誰も そう もう 「誰」がいないから

千歌音の放った弓によって紅く染められた地球
姫子の激情は千歌音を確かに貫いた そして
真実を告げる千歌音
想いを告げる姫子
心を通わせた二人は大蛇を討ち
これで、巫女の悲しき儀式は終わりを告げる 

はずだった

「陽の巫女には、世界を選択するだけの力が無い」
アマノムラクモがそう告げた 絶望していた
「純潔を失った彼女では、巫女としての力が足りない 
大蛇の封印は出来たが、これは、無理だ」
「もう、どうしようもない 私は存在意義を失った 眠りに就く 
貴方達は 好きになさい」
二人は 絶望と 喜びを 壊れた心で抱きしめた

月には 誰も知らない社があるの 誰も そう もう 「誰」がいないから

ただ、社だけが 全てになったから

 

二人の心は、砕けた

あれからどれだけの時がたったのだろう
やってしまったことの重さから 砕けた心を護るため、
何もかも魂から掻き出して 
ただ 互いへの愛しさだけ 残した 残った

狭い社に甘い声が響く
姫子は、ただ、愛しさを込めて、千歌音のおくに舌を這わせる
「姫子、姫子、ひめこっ!ん・・あっ・あっあっああああああ!」
千歌音の肢体が跳ね、嬌声が上がった
「ちかねちゃん・・・可愛いwうわあ・・・もういっちゃった?
そんなにきもちよかったの?ねえ、おしえてよぉ・・」
猫なで声で姫子はいつも私をせめるとき、意地悪なことばかり言う
けれど、
それは私にとって 幸せなことなのだ
「・・・はずかしい、ところよ」
そう告げるのが精一杯
「それじゃあわかんないよ・・・もっとちゃんと言ってよv
 ねえって  !?んむっん~んっ、んんん!」
このまま素直になるのも愉しそうだってけれど、
とろんとした顔で迫ってくる姫子に我慢できず、口を塞ぐ
そのまま体勢を入れ替え、姫子を容赦なく愛した
「やっ!だめだよ・・んあっ・・千歌、音ちゃん!今日は私がする
ばんだよ・・・ひあっ!あっああああ!」
もう遅い、主導権は私が握っている それに、ここに今日なんて概念
が在るかどうかさえ、わからない
・・・?そもそも、今日ってなんのことだったかしら
よくわからないことが脳裏をかすめることが度々あったから、
気にしないことにした
そんなことよりも、目の前の熱さが 全てだった

いつからか、私たちはここにいて、ひたすらお互いがいとしくて
なにもわからないけれど、ただ愛し合った 
それが全て 


情事が終わり、ひとときの休息に就いた 
千歌音ちゃんは目の前で幸せそうに眠っている ほんとうに 幸せそうに

わたしは、そっと隣から抜け出し、地球を見た 紅い 地球を

━━━━よかった、さいきんは、もう、うなされることはない
━━━━あなたがいらないものをすてられて、ほんとうに
━━━━はじめのころは、いつもかなしそうで
━━━━じぶんの罪だと、すべて私のせいだと、咽び泣いていた


そんなはずがない 千歌音ちゃんは、
いつだってわたしのために ずたずたに傷ついて
いつだって鈍感なわたしが ずたずたに傷つけて
もっとあなたの気持ちを、想いを、考えなければならなかった

千歌音ちゃんはわたしのこころがきれいだと、何より好きだと言ってくれた
誰も責めたりはしない、優しいこころだと 

・・・・そんなの、千歌音ちゃんの事に、決まってるのに
 
すべては、わたしの鈍感さが、力不足が招いてしまったこと
━━━━こんなわたしがいとしいと言ってくれるなら
━━━━こんなわたしがほしいとおもってくれるなら
━━━━━━━━なら、わたしは━━━━━━━━

全ての罪を抱きしめて 全ての悲劇を抱きしめて 
貴方だけを照らす ほかのなにも照らさない
狂った太陽になりましょう

 


もうすぐ、千歌音ちゃんが目を覚ます頃だ わたしはそっと隣に潜り込んだ
今日もまた、お話をして、じゃれあって、絡み合おう 愛し合おう
あなたと どこまでも 堕ちてゆく つらいことをなにもかも おもいださせないように

ただ あなただけの ひかりになる

最終更新:2007年04月23日 22:45
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