ザ・ビーンズvol6(2006.2月号)の 由羅さんとの対談から抜粋。
Q中華風ということで、それぞれ苦労なさっている部分があると思うのですが・・・・・
雪:苦労している部分はもちろんあるのですが、私の場合は「書かなくてもなんとかなる」と思った部分は避けて通れるので・・・・(笑)
由:えっ!?(すごく驚く由羅先生)
雪:由羅先生のイラストを見て、イメージを膨らませている部分もありますし、私ではなく由羅先生のほうが百倍苦労されていると思います
由:絵的なことに関しては、確かにキャラクターの描写が少ないとか、背景の描写もあまりないな、と思ったこともあります(笑)
雪:ギクッ!(笑)
由:でも、キャラクターを決めるときは、第一印象でラフを数パターン描いてお送りしたら、わりとあっさりOKの返事を頂けました。
Q:キャラクター・デザインをなさるときに気をつけた点や、イメージしやすかったキャラクターは?
由:主人公の視点で読んでしまうので、主人公はイメージが固まって出てきましたが、どうだったんでしょう?
雪:ピッタリでした。静蘭はびっくりしました。もっと穏やかそうな顔をイメージしていたのですが、由羅先生の描かれたキリリとした静蘭を見て「これだよ!」と思って・・・・・。例えば、ソロバンを使ったことのない人が、ソロバンを使っている人の頭の中が想像できないように、私の場合は画力がさっぱりないので、私の中の絵的なイメージはもやもやっとしたものなんです。それが由羅先生のイラストによって、ぱきぱきっと決まってくる、という感じなんです。
由:責任重大ですね。でも、ラフを出してご相談をするので、担当さんの好みも入ってきたりして(笑)。中華物ですから「髪は結わなくていいんですか?」と聞くと、「ファンタジーですから!ゾロっとした方向で!」と(笑)。正統派の人は中華っぽく結って、そうでない人は崩して、とメリハリをつけたり。あとはやはり少女小説なので、ファンの方に好んでいただけるような雰囲気を大事にしました。
(中略)
Q:雪乃先生は、由羅先生のイラストから影響を受けるというお話がありましたが、具体的にはどんなところが?
雪:しっかり顔ができたので、頭の中で動かしやすくなりました。あとは、小物をちょっと拝借させていただくようになりました。イラストをよく見ていると、いろいろなものがちりばめられているので、それをネタにさせていただいたり。
由:さりげなく描写が増えていて、それに絵のほうが縛られているような気がしていたのですが・・・・。
雪:龍蓮の服装や髪型とか(笑)。あれは初回の羽つきターバン姿に刺激されました。この格好で登場できるキャラなら、どんな格好も大丈夫だろう、と。
(中略)
Q:コミックになった作品をご覧になっていかがですか?
雪:楽しいです!私があえて目を背けていたところ・・・・町の人々の姿とか、大通りや商店街の様子をばっちり描き込んでくださっているので、これですべてが補完されました。一瞬一瞬の表情も印象的で、文字で読むと、一瞬の表情は脳裏に浮かんでもすぐに消えてしまいますが、そこをとらえてくださるのはまんがの特権だなぁ、と思います。
由:ちゃんと表現できていればいいのですが・・・・。私も小説を読んでいるときは違うんですよ。まんがにすると「もっとおもしろい」「もっとかっこいい」と思ってしまい、自分の絵だと自分では楽しくないですね(笑)。