レンタ「ああ、失敗した」
レンタロウ机に突っ伏す。
レンタ「よく考えたら、コッチに帰ってきてもネットも専門書も無いからなぁ。これじゃレポートも進まないわな。」
レンタ「図書館のパソコンってネットできるのかなぁ……」
バシュウ。レンタロウの頭上で閃光。
ガイン。レンタロウの頭にロボ助が降る。
レンタ「―ってぇ……」
レンタロウ振り返る
レンタ「……何だぁ?」
レンタロウ下を向く。
床には転がるロボ助。
レンタ「……ボー、ル?」
カシャン。ロボ助起動。
レンタ「おっ?」
ロボ助、手とちょんまげを出す。
レンタロウ、少し後ろに退く。
レンタ「うおぉぅ!?」
ロボ助EYEがレンタロウを捜査、認識する
ロボ助「おお、おぬしがレンタロウでゴザルな。」
レンタロウ、放心。
ロボ助「拙者はロボ助。未来からやってきたお助けロボでゴザル!」
レンタ「……夢じゃ、ないよな」
レンタロウ頬をつまむ。
レンタ「いてて」
ロボ助「バッチリ現実でゴザルよ。」
呆気にとられるレンタロウ
レンタロウの家の居間
チリンとなる風鈴
手前には金魚
椅子に座るレンタ。
ベッドに鎮座するロボ助。
レンタ「……で、お前は一体何なんだよ?」
ロボ助「レンタロウの『お助けロボ』でゴザル」
レンタ「『お助け』、ねぇ」
扉開き、マコトが入ってくる。
マコト「アニキィ、カワイイ妹様から麦茶の差し入れだ、ぞ……」
麦茶を机の上に置きながら、ロボ助を見るマコト。
ロボ助、手を前に出しカシャカシャと動かすロボ助。
レンタ「マ、マコト。コレはな・・・」
ロボ助、レンタロウのほうを向く
ロボ助「『コレ』とはひどいでゴザル」
マコト「おおおぉ!!」
レンタロウ、ビクッとなる
ロボ助、マコトの方を向く
マコト「ついに」
レンタ「は?」
マコト「ついにアニキも未来を飼い始めたな!」
レンタ「……何じゃそりゃ」
こけるレンタロウ。
ロボ助少し跳ね、ホバリング。上昇。
ロボ助「拙者、ロボ助。よろしくでゴザル」
ロボ助、右手を差し出す。
マコト「ロボ助ちゃんって言うんだ。こちらこそよろしく!」
マコト、右人差し指で握手
レンタ「マコト、こいつを見て驚かないのか?」
マコト「何で?アニメとか映画とかじゃ良くあるじゃん。だ、か、ら。ロボ助ちゃんみたいなのが現実にないほうがおかしいって!」
レンタ「……SFマニアここに極まる、か」
家の前を通り過ぎるさお竹や
「たけや~さおだけ~」の声
空中に浮かぶロボ助
マコト「ロボ助ちゃんて何しに今の時代に来たの?」
レンタ「そうそう、それだ。それを聞きたかったんだ」
ロボ助「それがでゴザルな、今思いだすでゴザル」
ロボ助計算始める
レンタ「思い出すって、ポンコツだなぁ」
ロボ助、煙を出し始める
マコト「ロボ助ちゃん!?アニキ、これやばくない?」
レンタ「お、おい!大丈夫かよ!」
マコト「アニキ!たたけば直るかな!?」
レンタ「まて!古いテレビじゃないんだぞ!」
マコト「そーーー」
マコト、チョップの姿勢
マコト「れ!」
ロボ助、部屋中を飛び回る
ロボ助、床にゴロンと転がる
マコト「あれ、駄目なの?」
レンタ「ロボットってのは精密機械なんだよ」
マコト「嘘、ロボ助ちゃん起きなかったらどうしよう……」
ロボ助、リブート
ロボ助「お?」
キョロキョロするロボ助
レンタ「お、大丈夫みたい、だぞ」
マコト「よ、良かったぁ~」
家の壁
シャワシャワ鳴く蝉
飛ぶ蝉
飛び上がるロボ助
ロボ助「レンタロウ!大変な事を思い出し多でゴザル!」
レンタ「な、何だよ」
ロボ助「とにかくこれを見るでゴザル」
ディスクドライブからディスクが出てくる
マコト「CD?」
ロボ助「この時代のパソコンでも見れるでゴザル」
レンタロウ、ディスクをパソコンに挿入
読込表示。
落語の口演の映像が流れる。
マコト「……ぷっ。あはは!ロボ助ちゃん、これが大事なこと?」
ロボ助「あれ?間違ったでゴザルか?」
レンタ「お前、やっぱりとんでもないポンコツロボットだな」
ロボ助「ポンコツポンコツって何度も言うなでゴザル。拙者にもプライドってものがあるでゴザルよ!」
レンタ「おや、ポンコツでもいっちょ前に怒るもんだ」
マコト「ちょっとアニキ、やめなよ」
ロボ助、血管(ないけど)キレる
ロボ助戦闘モード
ロボ助「天・誅!」
レンタ「ばっか、危ないだろ!狭いんだから、よっ!」
ハンマーを振り下ろすロボ助
レンタロウ、ひらりと避ける
そのまま部屋を出て階段を下りる
ロボ助「待ぁ~つぅ~でぇゴザルゥ~!!」
追いかけるロボ助
マコト「ちょっと、壁壊しちゃ駄目だからね!」
部屋のドアから階段のほうを眺めるマコト
レンタ「まず俺の身を案じろ~~!」
エンディング
夕暮れのレンタロウの部屋
PCの電源が付き、動画ファイルが再生される
未来レンタ「よぅ、レンタロウ。僕が送ったロボ助はしっかり動作しているか?」
未来レンタ「……実はあまり、時間が無いんだ。手短に言うぞ。」
未来レンタ「未来に希望はない。だから君の手で未来を守って欲しい。」
未来レンタ「いいか、まず……」
ブツンとPCの電源が切れる。
窓の外に奇妙な影。光る目。
最終更新:2008年08月20日 21:50