はじめに
MAYAのフィールド上に手描きアニメを表示し、2Dアニメに合わせて3Dを動かす手法を紹介する。
普通は逆の方法(3Dから2D)を使うだろうが、こういうパターンもあり得ると考え、
『しりとり’09』にて、3D背景制作時にこの手法を試した。
使えるかどうかはわからないが、使えるようであれば、応用して使ってみてもらいたい。
なお、ここでの説明は、フォトショップ、アニスタ、レタスなどの
基本操作がわかっている事を前提に話を進めている。
1.2D画像の用意
2Dの連番データを用意する。
形式はBMP、JPG、TIFFなど、一般的な画像形式なら何でも良い。
手描きアニメの場合は、「アニスタで番号を打ち込み、連番PSD形式で書き出し」や、
「レタスで番号を打ち込み、連番TIFFで書き出し」など。
2.MAYA用に連番データを変換
MAYAで使用する際には、特殊な形式に変換する必要がある。
(「Sample_.001」のように、拡張子に連番数字が入っていないといけない)
そのために、フリーの「ファイル名一括変換ソフト」を使う。
この項では、フリーソフトの「
ファイル名変更君」を使って話を進める。
(重要! 必ず実行前にバックアップを取っておく事!)
1.連続画像取り込み
ファイル名変更君にて、まず「フォルダ選択」で連番データが入っているフォルダを選択。
「取り込み」ボタンを押し、右側に画像のリストを表示させる。
2.連番データ作成
(既に連番データで、下数桁が連続番号になっているならば、この作業は必要ない)
以下の設定にて「実行」
リネーム方式 --- 連番
変更方法 --- 連番からファイル名を作成
連続文字 --- 数字
変更名 --- Sample_* (この「Sample_」は好きな単語に変えてよい。「*」は変えないこと)
番号設定:
開始番号 --- 1
増減値 --- 1
桁数 --- 3
3.拡張子消去
以下の設定にて「実行」
リネーム方式 --- 削除/抽出
方式選択 --- 削除
削除文字設定:
削除する文字数 --- 4文字
拡張子を無視 --- チェックをはずす
位置設定 --- 末尾から削除
4.ドット(.)打ち込み
以下の設定にて「実行」
リネーム方式 --- 追加
追加文字 --- .
追加位置 --- 指定の位置/末尾から/3文字目(連番の前)の次に追加
これらの作業で、「Sample_.001」「Sample_.002」「Sample_.003」…
のようなデータが出来上がっていればOKである。
これにより、ファイル名が全部同じになっても問題は無い。
あとは、連番データを一つのフォルダにまとめる事。
このフォルダに別のデータは入れないように。
3.MAYAにて連番データを読み込む
(この項では、MAYAの項目が全て日本語表記になっている事を前提に話を進める)
(英語表記版と位置関係はほとんど変わらない。訳して探す事。)
まずはMAYAを起動し、カメラを作る。
「作成」→「カメラ」→「カメラ」
画面をカメラ表示に切り替え、レゾリューション ゲートも表示させる。
画面を一つ選択し、
「パネル」→「パース ビュー」→「camera1」
「ビュー」→「カメラ設定」→「レゾリューション ゲート」
カメラにイメージプレーンをセットする。
先ほどカメラ表示に切り替えた画面を選択し、
「ビュー」→「カメラ アトリビュート エディター」
camera Shape1 タブを押し、
環境 : イメージ プレーン の 「作成」 を押す。
これで、イメージ プレーン の アトリビュート エディター が表示されたら
配置 : 「レゾリューションゲートに合わせる」 を押す。
その後、イメージ プレーン アトリビュート の イメージの名前 にて、
連番データの頭の画像を読み込む。
(通常では表示されないので、ファイルの種類を全種表示させておく)
そして、イメージシーケンスの使用にチェックを入れれば、OKである。
あとは再生させれば、カメラの背景2Dアニメを表示させる事ができる。
4.フレームレートを変えたい場合
MAYA全体のフレームレートを変える場合は、
一番右下のボタン(赤矢印参照)を押し、「設定」の「時間」を、
好きなフレーム数に変えればよい。
そうしたら、「設定」の「タイム スライダ」の「再生スピード」を、
「リアル タイム」にする事も忘れずに。
連番画像のフレームレートを変えたい場合は、
「イメージ番号」を右クリックし、「エクスプレッションの削除」を行う。
(ここでアトリビュート画面が固まる事がある。その時は、
一度別のものを表示させて、再度アトリビュートを開く事。)
その後、タイムスライダを一番最初まで持って行き、
「イメージ番号」に1を入力したあと、右クリックして「キーの設定」を押す。
そして、タイムスライダを一番最後まで持って行き、
「イメージ番号」に連番の最後を入力したあと、右クリックして「キーの設定」を押す。
これで、フレームにきっちり収まるようにアニメーションが流れるはずだ。
微調整は、「イメージ番号」の右側のボタンを押して、キー設定の画面にて行う。
実際に動かす時は、イメージプレーンのアルファ値(透明度)を調整しておくと良い。
最終更新:2009年11月03日 00:42