簡易接客術

著者:06期生 辻井 剛 ――――

はじめに

 基本的に、接客にマニュアルなどは存在しない。
その場その場の臨機応変な対応が、接客の基本である。
マニュアル通りの行動は、客にとってもあまり好ましくなく、
本来、このようなものは書きたくはないが、
「接客がうまくいかなかった」という話をよく部会にて耳にしていた為、
今回こうして、ここに書き込む事を決めた。
どうしても接客の仕方がわからず、指針が見えないという人は、
この項を参考に、自分なりに考えて行動していただきたい。
 厳しい事を言うようだが、この程度の接客は、
「社会の常識」だと思っておいた方が良い。
今ならまだ、「学生による行事の学生のささやかな失敗」程度で済まされる。
今の内に、接客の仕方を学んでおいて損はない。
私達が相手をしているのは、一般人である事を忘れないでほしい


1.とにかく挨拶

 これはあまりにも基本的過ぎて、書くのも馬鹿馬鹿しいが、
これすら出来ていない人がたまにいる。
別に、客がいない時に駄弁るのは勝手だが、
客が来た時に無視はありえない
公私を混同してはいけない。私達が相手をしているのは、
一般人である事を忘れないで頂きたい
 とにかく、いらっしゃったお客様には挨拶。

 「こんにちは!」「アニメーション研究部です!」

これだけでも大分印象が変わる。
この時、相手の目を見て話しかけた方がなお良い。
人は目の合った相手の言葉の方が印象に残る傾向にある。
人が多い時は、一番手前の人に目を向ければOK。


2.声をかける

 折角来ていただいたお客様を無視するのも良くない。
ただ、これはどうやっていいのかわからないという人も多いだろう。
そこで、私がイベント時によく心掛けていた事を、簡単に説明していきたいと思う。

 まず、話しかける相手だが、

  何も全員に話しかける必要は無い。

アニ研等、展示物をを見に来る客の多くは、
冷やかしであるパターンが多い。
そうした冷やかし客に声をかけても、逃げられるのがオチである。
よっぽど会話に自信の無い限りは、むやみに話しかけない方が良い。
そこで、少なからずアニ研に興味のある人に、声をかけるようにする。
目安としては、

  • 5分以上ずっとそこにいる客
  • アニメ1本ずっと見続けて、まだ続きを見ようとする客
  • イラスト等展示物を何度もリピートして眺める客

ならば、少なからず興味があるものと見てよい。
 加えて、1人で見ている客の方が、話を聞いてくれやすい。
他の客がいると、自分の言葉を聴かれるのが不安だと感じてしまう客もいる。
より確実に話しかけるならば、1人、または1グループで見ている客を
狙うと良いだろう。
 あとは、自分の感覚や直感を信じる事。
「あ! この人アニ研に興味ある!」と感じたら、迷わず突っ込んで良い。


3.話題をふる

 基本的に何を話してもOKだが、何も思いつかない場合は、
  • 感想を聞く
  • 質問を求める
が、一番話題を作りやすい。

『感想を聞く』
タイミングとしては、アニメ一本見終わった後
または、イラストを見ている最中
話しかけ方としては、

 「いかがですか? お客様。
  もし、よろしければ、ご感想などをいただけると嬉しいのですが…。
  部員の士気にも繋がりますので。」

 「いかがでしょうか? お客様。
  この中に、お客様の気に入ったイラスト等はございますでしょうか?
  もしよろしければ、教えていただきたいのですが…。」

などが例である。
この時、間違っても押し付ける様な真似だけはしてはいけない
何を焦っているのか、たまに
「感想下さい」「感想を(投票用紙に)書いて下さい」
などと、押し付けてしまう人がいる。
これでは、客が逃げてしまう。
あくまで、行動は客の自由であり、
客にも選択の余地を与える事を忘れてはいけない
 加えて、(これは私なりの考えだが)
締めに「部員の士気に繋がる」等の発言をして、
「あなたの意見一つで、今後のアニ研の成長に繋がるのです!」(誇張表現)
の様な空気を作ったほうが、客の意見がもらえやすい。
少なくとも、私は実際に接客をしていてそう感じた。

『質問を求める』
上記の流れで、少し空気が出来たら、

 「…もし、アニ研の事で何かわからない事があればお答えしますが、
  何か質問はございますか?」

などで、質問を求めると良い。一番簡単な話題づくりである。
これは意外と答えてくれる客が多いので、試してみると良い。
ただ、いきなり質問に入るのはお勧めしない。まずは先に会話の流れを作る事。

上記の内容の諸注意だが、
  • イントネーションの付け方には注意する事。
  • 強調したい部分をしっかり相手に聞かせる事。
  • 焦らず、ゆっくり話す事。
接客する気持ちさえあれば、これは自然と身に付くはずである。

 これらの質問をして、何か答えをいただけた場合には、
その話題について可能な限り話を繋げる事。
(好きなイラストを教えていただけたら、
 そのイラストの作者(部員)について、またはそのイラストそのものについて語る、など)
 「特に無いです」と答えられた場合には、
軽く「そうですか(笑)、それは失礼致しました。」と、笑って終わらせる。
間違っても「そうですか…。ショボーン」みたいな空気を作ってはいけない。

 話を切る時は、
 「それでは、引き続きアニ研をお楽しみ下さい。」
等で、話をぶった切って良い。


あとは経験を積む事。自然に慣れる事。
一人の従業員にでもなったつもりでやった方がやりやすい。
なんなら、マンガやアニメのそういうキャラを参考にしてみるのも良い。
自分の意思を忘れずに。

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最終更新:2009年11月03日 00:52
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