タブンネ短篇集「四谷タブンネ」
タブンネは疲れていた。つい半年前までは家族四匹を養うためバリバリ仕事をしていたが、ある日会社内で花火をして火事を起こしクビになってしまった。
さらに悪評が広まり再就職しようにも門前払いをくらってしまう始末。家族には言えず、毎日出勤と偽っては公園で時間を潰し、給料日だった日には消費者金融から借りた金を給料だミィといって渡していた。
「もう嫌だミィ・・・なにもかもどうでもいいミィ・・・」タブンネは朝、家から出るとそう呟きながらいつもの公園を通り過ぎ、通勤客で混雑する四ツ谷駅へと足を運んだ。
足の踏み場もない程混んでいる朝の四ツ谷構内、彼らは今日も職場で汗を流すのだ。しかしこのタブンネは違う、
彼には行く場所がない、半年前と現在の落差にタブンネの精神はもう限界だった。すると右側から何かが光ってやってきた。○ノ内線が来たのだ。タブンネはそれに気づくと前へ歩き、
電車が目の前に来るタイミングで線路内へダイブ!!バギャッというなんとも言えない音を残し、タブンネの体は四方八方へ飛び散った。タブンネは耐えられなかったのだ。
今の生活も、今後来るであろう暗黒の日々も。まさに絶望に支配されタブンネは散っていった。
エピローグ
その後、残されたタブンネの家族はタブンネが残した借金と、ラッシュ時の電車を止めた損害賠償として莫大な金額を請求され、
尻の毛まで抜かれたあと夫を追うように心中した。死してもなお他に害を及ぼすタブンネ、恐ろしや恐ろしや。
おわり
- タブンネ酷いな -- (名無しさん) 2017-10-25 07:18:39
最終更新:2011年05月08日 09:20