清純第一

俺は一匹のタブンネと仲よく暮らしていた。
ところが、タブンネはいつの間にかどこかのポケモンとデキていた。
ある朝、餌をやりにタブンネの寝床に行くと「ミィミィ」とか細い声がする。
見ると、タブンネは生まれたての子タブンネをペロペロと舐めていた。
清純なタブンネを愛した俺はひどいショックを受けた。
タブンネは俺に気がつくと、いつものように微笑んだ。
こいつめ、無邪気に見せかけてももう騙されないぞ。
「バカ!」俺はタブンネの横っ面を思い切りひっぱたいた。
「ミッ!?」初めての仕打ちにタブンネは驚愕の表情になり、子タブンネを取り落とした。
ミィミィうるさく鳴く子タブンネの小さな尻尾をつかんで持ち上げると、
「乱暴に扱わないで」と言うように母タブンネが俺にすがりつく。
「寄るな!」俺は子タブンネを旋回させ母タブンネを打ちすえた。
子タブンネの「ミッ!」と母タブンネの「ミッ!」のデュエット。
子タブンネは「ミィミィミィミィ…」と鳴きやまなくなった。案外丈夫だ。
子タブンネを胸に抱きしめた母タブンネに俺は言った。
「おまえは性欲に取り憑かれて無計画に子を産んだ愚かで汚いタブンネだ。
俺はもうおまえを可愛がれないから殺すことにした」
母タブンネは見る見るうちに涙を浮かべ「この子はどうなるの?」と言うように
胸元の子タブンネと俺を交互に見る。
「おまえが子タブンネを俺がいいと言うまで殴れば、子タブンネの命だけは助けてやる。
だが、おまえが子タブンネを殴らなければ、おまえも子タブンネも殺す」
「ミィィィィィッ!!」母タブンネは絶望の悲鳴を上げた。
号泣しながら子どもを殴り始めた母タブンネ。
俺は子タブンネが死ぬまで殴らせた。
母タブンネ? 子タブンネを自ら殺した罪悪感からか、俺が殺すまでもなく
心臓マヒを起こして死んだよ。

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最終更新:2011年05月09日 01:22
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