私は廃人である、名前はまだない
ポケモンに関わることを生計の足しにしているこのご時世
私の主な収入源は、代理父を使った理想個体の孵化である
今回の依頼はタブンネの孵化
『性格一致、最低HCS、BDが25以上』というのが依頼人の出した条件だった
依頼人から預けられたタブンネの♀
個体値はV無しであり、まったく躾もなっていないクズである
こいつはバースデープレゼントで配布された個体だ
愛玩用のため、戦闘には向いていない。性格すら厳選されていない
ロクに動かず、餌のオボンをクチャクチャと貪り、常に弛んだ贅肉を揺らしていた
こんな親で、依頼を一ヶ月で済ませろというのだ。まったく無茶を言う
虐待趣味の依頼人が、面白半分でバースデータブンネを預けるのはよくあることだ
報酬の追加条件として、厳選の記録を映像に残して欲しい、とのことだ
金を払ってくれるなら、拒否するわけにはいかない
『ミッ!ミッ!』
もっとオボンをよこせ!と言わんばかりにタブンネは私を見る
生意気なツラだ。私のことを使用人だとでも思い込んでいるのだろうか
その弛んだ腹に強めの蹴りを叩き込む
『ミギッ・・・・!』
腹を押さえて蹲るタブンネの顔を踏みつけ、その無駄に長い耳を引っ張った
「よく聞けよ、豚。お前はタダ同然で配られた余り物の一匹に過ぎない」
『ミ・・・?』
「ここは合法な育て屋とは違うから、使えない親ポケモンを私がどう扱おうが自由だ
お前の飼い主も了承している。結果を残せないのなら食肉にされると思え」
『ミィィィィィ!?』
バースデーの証であるリボンを引き千切り、タブンネの顔に死なない程度の蹴りを連続で入れる
『ミ!ミッ・・・ミギッ! ミィィィィ・・・』
蹴りをやめると、タブンネは部屋の狭い隅に這うようにして逃げる
私が部屋を出るまで、ボロ切れとなったリボンを抱いてガタガタと震えていた
一日目、終
翌朝、タブンネは昨日と同じ部屋の隅に丸まって眠っていた
入り口の鉄の扉を叩いたのか、でっぷりした手には血が滲んでいる
「起きろ」
私はバケツいっぱいの熱湯をタブンネの顔面にぶっかけた
『・・・・・・ウビャアアアアア!!!!!!』
目が覚めたのか、顔を押さえてゴロゴロとのた打ち回っている
こちらに向けて手をかざし、やめて、来ないでと言わんばかりに怯えていた
虐待愛好会の人間なら喜んで追い討ちをかけるのだろうが、生憎私はそこまで暇ではない
私の場合は仕事である。無駄な時間はできるだけ省いておきたい
タブンネの耳の触覚を掴み、金属片を突き刺す
『・・・・・・! ・・・・・・・!!』
神経が集中しているため、相当な激痛なのだろうか
タブンネは白目を剥き、口から泡を吹き出している
そのまま『産む機械』と書かれた金属タグを通し、輪の形で金属片を溶接する
「お前は今日からタマゴを産むだけの機械だ。わかったな?」
タブンネは気を失っている
私はもう一度、バケツいっぱいの熱湯をぶっかけた
「わかったな?」
『ミィィィィィ!!』
タブンネは涙をボロボロ零しつつ、ひたすらコクコクと首を縦に振る
「じゃあ、これは必要無いな」
タブンネが抱いていたバースデーリボンのボロ切れを取り上げ、ライターの火で炙る
『ミィィ・・・』
リボンが跡形も無く燃えカスとなっていく光景を、タブンネは呆然と見ていた
ここで第一段階は完了だ
思い上がったタブンネを躾けるには、痛みや苦しみを与え続け、尊厳を奪い取ることが一番だ
こちらが支配者であることを思い知らせなければ、良い共生関係は生まれないのである
二日目、終
慣らしとしてこんなもので良いだろう
翌日は昼過ぎにタブンネの部屋を訪れる
『・・・・・・ミッ!』
私がドアを開けた途端、タブンネは直立不動のまま固まった
躾けの成果だろう
だらけていれば即、制裁を加えられるという、反射を身体に植えつけたのである
私は自宅用のボックスから、代理父となるポケモンを選定した
トゲキッスの♂である
性格は控え目、個体値は31-6-30-31-27-31、と申し分の無い能力の持ち主だ
私がかつてトレーナーとして旅をしていた頃、シンオウ地方で知人の女性から頂いたタマゴから孵ったポケモンだった
現在は私が引退しているため、家業の手伝いとして働いてもらっている
タブンネと共通の妖精グループであり
てんしのキッス、アンコールといった強力な補助技の遺伝経路となることから、今回の助手として抜擢したのである
「遠慮はしなくていいぞ。多少、手荒に扱ったところで死にはしないだろう」
私がそう言うと、トゲキッスはバタバタと羽を震わせて喜んだ
『ミッ!? ミィィィ!!』
タブンネはというと、トゲキッスの勢いに怯えたのか、部屋の出口に走り出した
当然、頑丈な鉄の扉に阻まれて、逃げることなどできない
『ミィー!!!!』
見苦しく部屋の中を必死に逃げ回る
トゲキッスはそれを楽しむかのように、小型の波動弾を、当たるか当たらないかの位置へと連射する
・・・・・・遊ぶのもいいが、これでは仕事にならない
「トゲキッス、もういい。腱を切れ」
痺れを切らせた私の指示を聞くと、トゲキッスはエアスラッシュでタブンネの足の腱を器用に切った
『ミッ!?』
タブンネは無様に転び、地面に突っ伏す
そこへ、トゲキッスが覆い被さる
控え目な性格と大らかな顔に似合わない程、巨大でグロテスクな性器がそそり立つ
トゲキッスは、爆発せんばかりに雄雄しく怒張したそれを、タブンネに突き挿れた
『ミギィィィィ・・・・・・!』
痛みに顔を歪ませるタブンネをよそに、トゲキッスは激しいピストン運動を行う
『ミッ・・・ミッ・・・ミッ・・・・・・ミヒィィィィィィィィ!!!!!!!』
やがて、小刻みに震えていたトゲキッスの身体が大きく跳ね、静かに治まった
『ミイィィィ・・・・・・ミィ!?』
激しい性交が終わり、未だビクビクと震えるタブンネの眼前に、再び怒張したトゲキッスの性器が突き出された
・・・・・・翌日の朝には、十数個程のタマゴが見繕えることだろう
私は重い鉄の扉を開け、部屋を後にした
余談ではあるが
このトゲキッス、特殊寄りの能力値の持ち主ではあるが
幸か不幸か、特性は『はりきり』である
三日目、終
翌朝、飼育部屋には十八個ばかりのタマゴが並んでいた
『・・・・・・ミィ』
タブンネはグッタリと壁にもたれかかっている
一目見て分かる程に衰弱していて、毛並みもボサボサだ
「よくやった、トゲキッス」
気だるそうに片羽を上げ挨拶をしたトゲキッスの頭を撫でる
後で朝食ついでに、ご褒美の特製
ポロックをくれてやろう
衰弱しているタブンネを他所に、タマゴをまとめて人工孵化機へと放り込む
大量生産の安物ではあるが、一度に大量のタマゴを孵化できる利点がある
数分の後、全てのタマゴからタブンネが産まれた
『チィ!チィチィ!』
部屋中に姦しい鳴き声が響く
私は普通のブリーダーでもなければ、虐待愛好者でもないので
この光景について、特に思うことは何も無い
『ミッ! ミッミッ~♪・・・・・・ミギャッ!!』
産まれたばかりの個体に擦り寄ろうとするタブンネの脇腹を蹴り上げる
無理矢理な性交によって産まされた個体と言えど、愛らしいとでも言うのだろうか
何にせよ、こいつが、産まれた個体と関わりを持つ必要は無い
どうして? という表情をするタブンネを頑丈なケージに閉じ込めた
本能でわかるのだろうか
産まれたばかりの十八匹の個体は、親であるタブンネを不安げに見ていた
さて、早いうちに個体の選別を済ませてしまおう
私は十八匹の一匹一匹に、乾燥フーズを配り「待て」と声をかけた
ポケモンとは不思議なもので、産まれた直後からある程度の知性を持ち合わせているものだ
個体差はあるものの「待て」を一度でも聞けないものは、その時点で厳選漏れだと断定していいだろう
幸い、この中にはいないようだ
代理父の血を受け継いでいるだけのことはある
だが、選別はここからだ
「待て」と号令をかけてから十五分が経つ
『チィ・・・』
個体共は、ソワソワと落ち着かない素振りを見せている
私は、一匹一匹の挙動を注意深く観察する
『・・・・・・チィチィ♪』
やがて、我慢ができなくなったのか、一匹の個体がフーズに齧り付く
それを見た全ての個体が、同じように続いた
「不合格」
私は、最初にフーズに手を出した個体の触角を乱暴に掴み、コンクリートの壁に叩き付けた
『ガッ・・・チギッ!』
打ち所が悪かったのか、壁にはべっとりと血が滴る
構わず、何度も、何度も、壁へと叩き付けた
短く息を吐いて、個体はピクリとも動かなくなった
第二段階として私が行ったのは、性格の厳選である
産まれた直後のポケモンについては、その挙動で性格を判別できる
いくら知性があったとしても、本能には逆らえない部分が僅かながらにも、ある
右から順に『せっかち』『いじっぱり』『なまいき』『やんちゃ』etc...
「全て性格不一致。先が思いやられるな」
何があったか分からないと言わんばかりに唖然としている個体共を数匹、無造作に掴む
『チィ!?』
「朝食だ。食っていいぞ」
私の声を聞いたトゲキッスが、あーん、と大きく口を開ける
掴んだ数匹をその口に放ると、綺麗に丸呑みした
『ミヒィィィィィィ!!!!!!!!』
ばきん、ごきん、と骨を砕く小気味の良い音が響くと、親タブンネが悲鳴を上げた
ようやく事態が飲み込めたのだろうか、涙と鼻水で顔をグシャグシャにしている
個体の一匹が、親タブンネのケージに縋り付く
ガタガタ震える小さい身体を丸めて、私の姿を見ないようにしていた
『ビャアアアアアアアア!!!!!!!!!!』
親タブンネはというと、トゲキッスに対して何かを喚いている
子供を丸呑みにされた怒りか、或いは助けてほしいという懇願なのかは分からない
トゲキッスはニッコリと笑うと、野球ボール大の波動弾を形成し、そのまま怯えている個体に叩き付けた
ぱーん、と綺麗な音が響き、個体が吹き飛ぶ
『カハッ・・・・・・』
壁に跳ね返り、地面にぶつけられた個体は激しく痙攣していた
そこへ、トゲキッスがゆっくりと降り立つ
あえて親タブンネに見せ付けるように、頭の端から、個体をむしゃむしゃと咀嚼していく
『ビギッ! ウビィィィィィィ・・・・・・』
個体は赤黒い肉を晒しつつ、小さく呻いていたが、やがてそれも聞こえなくなった
私はトゲキッスに、デザートの特製ポロックを放ると
親タブンネをケージから蹴り出しながら、僅かに残った不採用個体の首を素手でヘシ折り、絶命させた
親タブンネに、その死骸を投げつける
「お前の分の食事だ。済ませたらまた、明日までにタマゴを産んでおけよ」
『ア・・・アアア・・・・・・』
先程にも言ったが、タブンネを虐待して愉しむ趣味など、私にはない
ただ効率の良い手段で仕事をこなすしか能が無いのである
しかし、タブンネという種族は性格に難があり過ぎる
こんなものは仕事であっても、愛玩動物として飼いたいものではないな
四日目、終
その日、生産されたタマゴは十二個
昨日に比べて、効率が悪いようだ
『ヒィ・・・ヒャイイイイイ・・・・・・』
タブンネの顔面はボコボコに腫れ、ここへ転送されてきた当初の、媚びた笑みなど見る影も無い
顎の骨が砕けているのか、呼吸をすることすら侭ならないようだ
タブンネは全身にエアスラッシュを受けた切り傷を負っている
おそらく、昨日の廃棄作業を目の当たりにしたため、トゲキッスに対して精一杯の抵抗をしたのだろう
腹がぽっこりと膨れているが、卵を孕んでいる様子ではない
口元に付いている血の量を見るに、餌として放っておいた厳選漏れの廃棄物を口にしたようだ
厳選漏れの廃棄物とはいえ、自分で産んだタマゴから生まれたものだ
どんなに空腹であろうと、口にしなかっただろう
もちろん、私はそれを許さない
最低限の生命維持のため、タブンネに食事をさせるよう、トゲキッスに言い付けてある
トゲキッスが無理矢理にも丸呑みさせたのだろう
砕けた顎がそれを物語っている
まあ、大した問題ではない
二時間もあれば、再生力による自然治癒が働く
私がタマゴに手をかけると、タブンネはハッとして、肥えた身体を飛び込ませる
そのまま数個のタマゴを掠め取ると、庇う様にして抱きかかえた
『ヒャヒ!フヒィィィィィィ!!!』
子供を奪わないで、とでも言いたいのだろうか
タブンネは、打撲で膨れ上がった顔を歪ませて、砕けた顎で怒りの声を上げる
私は、タブンネの脳天に踵を入れ、地面に叩き伏せる
作業用の鉄板入りブーツの靴底で、そのままタブンネの顔を踏み付けた
『ヒギャッ!』
耳の触角に付けた『産む機械』のタグを見せ付けるように、タブンネの眼前へと引っ張る
「タマゴを産むだけの機械が、母親を気取ろうなどと、思い上がりも、甚だしい・・・・・・!」
私は、一語一語を言い聞かせるように、脚にかける体重を強くし、踏み付けた
『ヒィヤァァァァァ!!!!!』
タブンネは、ボロボロと涙を零しながら、痛みに抗うようにして頭をよじる
私は、タブンネをそのまま部屋の隅へと蹴飛ばした
余計な時間を食ってしまったが、厳選を始めよう
今回の個体の内、性格が一致したものは七匹
不採用の個体は昨日と同じように、壁に叩き付け、首を捻じ切り、廃棄した
『ウゲェェェェェェェ!!!!!』
タブンネは、部屋の隅で、苦悶の表情でもがきながら、吐瀉物と糞を垂れ流している
私は、その汚物の中へ、今し方処分した廃棄物を投げ込みつつ、次の作業へと取り掛かった
用意したのは、ランニングマシーンのような機材
敷居がされていて、幼児の個体を数匹、併走させることが出来る
これは、走力や持久力によって個体値を判別する機材だ
とある一族のように、微弱な脳波や心音などでポケモンの個体値を判別することは、そう簡単ではない
投薬や基礎体力測定などで判別する方法が一般的だ
ランニングマシーンの個々の中心に、七匹の個体を設置する
『チィィィ・・・』
皆、先程行われた廃棄作業に怯えていた
私は構わず、電源を入れる
ランニングマシーンが緩やかに動き出すと、個体共が慌てて走り出す
『チ! チィ! チィ!』
全ての個体が動く床に戸惑いつつも、安定した走りを見せている
「一番から七番、全てS15以上を確認」
記録しつつ、リモコンを操作する
その途端、ランニングマシーンの速度が急激に増した
『チィィィィ!?』
速度に耐え切れず、一匹の個体がバランスを崩した
それを待ち受けていたかのように、背面の壁から太い針が飛び出す
『・・・カハッ! キヒッ・・・・・・』
個体の背中に深々と突き刺さった針は身体を突き破り、胸を貫いてその先端を晒している
個体の身体がびくん、と跳ね、そのまま動かなくなった
「四番、S17。不採用」
『ピャァァァァァァァァァ!!!!!!!!』
その光景を見た他の個体は、必死で前へ、前へと走る
喉が枯れんばかりの絶叫を上げ、汗や涙、様々な体液を散らせて尚、前へと進む
数分が過ぎた
残った個体は未だ泣き喚いているが、ペースを落とさない
「残存個体の全てにH31を確認」
私は、更に速度を上げる
すると、残った個体が全てバランスを崩す
再び針が飛び出した
電気の照明を消すかのように、一匹、また一匹と、針に心臓を貫かれ、一瞬の内に絶命する
『チギャッ・・・・・・ビャアアアアガガガガガガ!!!!!!』
針の刺さった位置がずれたのか、残った一匹の個体が、割れんばかりの絶叫を上げる
『・・・イギィィィィィ!!!!』
呻きながら、個体は離れた場所に視線を遣した
そこには、自分を産んだ親であるタブンネが、汚物に塗れて転がっている
個体の顔に、落胆や絶望、悲しみなどの様々な感情が混ざった表情が浮かぶ
そのまま瞳の輝きが消えていき、ぱたり、と糸が切れた人形のように倒れた
『ウビャァァァァァァァ!!!!!』
「S20~26。残存個体、全て不採用」
砕けた顎が更に裂け、血をボタボタと垂らしながら絶叫するタブンネを他所に、記録を終えた
期限いっぱいの日数を使ったところで間に合うだろうか、と考えると憂鬱になる
基礎体力測定は、一般のブリーダーやトレーナーも利用している
だが、このように、不採用個体の処理という裏側の仕事を請け負う者はそうそういない
私のように、安価かつ事後処理も兼ねた依頼も、多くの需要がある
当然、タブンネのような、問題だらけのポケモンに限った事ではあるが
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最終更新:2011年05月10日 07:27