媚豚トレーナー

イッシュ地方ではかなりの頻度でよく地方自治体が行なう大会が開かれる
通常の大会ルール(登録ポケモン6匹のうち3匹選出して行うバトル)とは違い変則的なルールで戦うことの方が多い
この前参加した全ポケモン輝石持ち大会とかがそのうちのひとつだ
そして今度参加するカゴメタウンの大会は‥‥レッドカード・だっしゅつボタン限定バトルか
選出は見せあい6匹からによる3匹、至ってシンプルなルールだ
これもなかなか面白そうなルールではあるな
俺は受付で参加用紙をもらい近くのテーブルでポケモンの名前を書く
そして参加者である俺の名前を書いて準備オッケーだ
用紙を持っていこうとすると「ミッミッ」と耳障りな鳴き声が聞こえてきた
後ろを振り向くとタブンネが6匹いた、大方参加するポケモンなんだろうが
クッチャクッチャとオボンをきたなく咀嚼してる個体や道端であるにも関わらず排泄してる個体など様々だ
ほんとこいつらは迷惑しかかけないな、トレーナーは何やってるんだ、ああいうのとはできれば関わりたくないな
俺はそう思いつつ用紙を提出しにいった

さて、やっと始まった一回戦、どうせタブンネ6匹なんて一回戦敗退確実だろうし楽しむぞ!
そう意気込んだ相手の手持ちは‥‥‥タブンネ6匹だった‥‥‥
それを見た瞬間がっくりと肩を落とす、ああいう手合いのやつとかかわるとロクなことがないんだよなぁ、いやほんと
まぁ、さっさと終わらせよう
俺はステージに上がり相手を見た、どうにも間違った方にタブンネを溺愛してるようででっぷりと肥え、オレンを貪っているタブンネを相当に可愛がっていた
正直愛らしさのかけらもないと思うんだがなぁ

「それでは第一回戦第一試合!スタートです!」

審判がそう言うと俺はモンスターボールからアイアントを繰り出す
アイアントは出た瞬間口をカシャカシャとならし張り切っている
一方で相手は案の定タブンネを出してきた、愛想を振りまくその姿が非常に鬱陶しい
どうせ相手は鋼タイプなんて炎で瞬コロ☆なんて思ってるんだろうな

「アイアント、つばめがえしだ!」

アイアントは素早く動きタブンネを切りつける、その瞬間相手が鬼気迫る表情でこちらを睨んできた、ああいう手合いはほんと苦手
どうやらだっしゅつボタンだったようでタブンネはモンスターボールに戻り別の個体のタブンネがでてきた
タブンネはドヤ顔で辺りに手を振ってる、これはもしかして挑発‥‥?
いや、それは無さそうだな、アイアントは平然としてるし
2ターン目、さてどうしたものか
同じポケモンが多い分同じ型はないと思うが‥‥いやしかしこれは迷うな
同一種族のポケモンが多いっていうのも困りものだ
俺は炎技読みでとりあえず一旦アイアントを戻した
そしてモンスターボールから今度はヘルガーを繰り出す
タブンネは案の定だいもんじをしてきた、ヘルガーはそれを吸収し強くなる

他に効果的な技‥‥は無さそうだな
特殊よりの技が豊富なうえに物理が今一つなのもあってタブンネは物理で使われることは高確率でないだろう

「ヘルガー、オーバーヒートだ!さっき受けた炎技を返してやれ!」

ヘルガーは高温の熱をまとい、口から炎を噴射した
勢いよく吐き出されるオーバーヒートをくらいタブンネの体は燃え盛る
そして地面にがくりと倒れた
その瞬間トレーナーがタブンネを抱えてこちらに癇癪を起しながらやってきた

「てめぇ俺のタブンネちゃんになんてことしやがる!
 タブンネちゃんがかわいそうだろうが!!」

トレーナーは審判の制止も聞かずに叫び続ける
めんどくさいことになった‥‥と思ってたその時だった

「こんなクソみたいなポケモン使いやがって、オラッ」

そう言ってトレーナーはオーバーヒートを撃ち弱ってるヘルガーの横腹を蹴り上げたのだ
ヘルガーはその場でよろける
これにはさすがの俺も黙ってるわけにはいかない、まずヘルガーに駆けよりトレーナーにモノ申す

「お前試合だぞ、それに人のポケモンに手をあげるって何事だ!
 そんなにその媚豚が好きなら家にはく製にでもして飾ってろキチガイ野郎!」

俺はヘルガーにかいふくの傷薬を使ってやる
所詮人間につけられた傷だから深くはないし大丈夫だろう
ヘルガーはすぐに元気を取り戻した

「うるせー!タブンネちゃんはこの世で最も究極のポケモンなんだよ!
 そんなかっこ悪くて可愛くもないポケモンを使ってる方が悪いんだよ!」

さすがの俺も堪忍袋の緒が切れそうだ、そうやって我慢してると相手はさらにつけあがって残りのタブンネ5匹をモンスターボールから繰り出した
相手は俺に向かって一斉に技を繰り出してきた
さすがに糞豚とはいえこっちはヘルガー一匹しか場に出ていない
5対1‥‥さらに3匹だけしかエントリーしてないし‥‥分が悪すぎる‥‥
そう思った瞬間モンスターボールからアイアントとキングラーが現れた
キングラーはタブンネのすべての技を防御する
そしてその隙にアイアントは爪をとぐ
キングラーにアイアント、そして回復したヘルガーに俺はタブンネをせん滅するように命令した
そこからはもう一方的だった、アイアントがシザークロスやアイアンヘッドで権勢し、相手に恐怖を植え付ける
戦い慣れしてなくて逃げ惑う媚豚にキングラーが静かに近寄り、そしてハサミギロチンを行なう
媚豚の首が吹き飛ぶ姿はいつ見ても爽快感MAXだ
ヘルガーはヘルガーでだいもんじを連発しバッタバッタと相手をなぎ倒していく
そしてタブンネは残すところあと一匹になった
他は首がふっ飛んだ死体や頭蓋骨が陥没した死体、黒こげになったものなど様々だ
今まで潰してきたタブンネは全員10万ボルトとれいとうビームとだいもんじを覚えていた
トレーナーは後で喚いているが聞く耳持たずだ、するとタブンネはあろうことか俺のポケモンに対しいやしのはどうを撃ってきたのだ
まがいなりにも対戦用なのにこいつは‥‥どこまで人を馬鹿にすれば気が済むんだ
俺は言い様のない怒りを感じ、3匹に跡形もなく潰すように命令した
アイアントのシザークロスで腹に穴をあけてその中にヘルガーはだいもんじを放つ
内臓が焼け焦げる感覚にたまらず「ミィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」とタブンネは叫んだ
口から煙を吐き焦点が会ってない目で虚空を見上げるタブンネ、そのタブンネの腹にキングラーはクラブハンマーをぶちこんだ
血と汚物が混ざったものを吐き出すタブンネ、もう長くはないだろう
大会をめちゃくちゃにしてしまったという後悔の念を抱きつつステージを降りようとすると観客席から拍手喝采が起こった
どうやらあの媚豚トレーナーはこの付近に住んでていつも迷惑をかけていたらしい
まさか近隣住民からここまで称賛されるとは思ってなかった

その後俺は一回戦勝利ということで2回戦まで進んだが2回戦で相手に3タテされて呆気なく敗退した
まぁでもいいんだ、俺は大会で優勝することもそうだけど大会を楽しむことが目的なんだから
3匹にそれぞれお気に入りのポロックをあげて俺はカゴメタウンを後にした

  • 相手ざまぁww -- (名無しさん) 2012-09-17 01:20:33
  • 媚豚の飼い主はロクなヤツがいないな -- (名無しさん) 2013-08-08 09:21:44
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最終更新:2011年05月21日 15:07
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