暗室使用マニュアル

使いこなすための暗室入門

バットは壁に貼ってある表を参考に、現像液用、停止液用、定着液用のバットを区別して使う。バットにDEVと書いてあれば現像液用、ACIDと書いてあれば停止液用、FIXと書いてあれば定着液用である。

竹ピンも、壁に貼ってある表を参考に現像液用、停止液用、定着液用の竹ピンを区別して使おう。

現像液は、強アルカリ性の薬品。触るとぬるぬるする。指紋が消えることもある。手についたらすぐ洗おう。暗室ノートで色が褐色になっていないのをさがしてつかう。使い終わったら、色を見て、濃いオレンジ色になっていたら、現像液用のポリタンクに廃棄する。まだ使えそうだったら、薬品ボトルに戻して、色を暗室ノートに書いておく。

停止液は毎回新しく作って使い捨てである。バットに水を適量入れ、キャップ3~4杯の酢酸をいれる。人体に害はないが触るとにおいがひどいので触らないほうがいい。停止液は、強アルカリの現像液を中和するための薬品である。停止液が少し黄色くなってきたり、たくさん使ったりしたら途中で捨てて作り直したほうが定着液が長持ちしていい。なお、停止液は使い終わったらそのまま流して捨ててしまって問題ない。

定着液は、暗室ノートを見て、ハイポ計の値が9未満のものを使おう。できれば使う前にハイポ計を使って数値を確かめたい。定着液がだめになっていると、定着不足になって、1週間くらいすぎてから黄ばんできたりする。定着液は強酸性で、服につくと茶色いしみとなりなかなか取れない。また、金属につくとさびるため、イーゼルなどにはつけないようにしたい。使い終わったら、ハイポ計で計って、暗室ノートに記入すること。廃棄する場合は、定着液用のポリタンクに廃棄して、決して流してはいけない。鶴見川の魚がかわいそう。

いよいよ、作業にかかる。

薬品につける時間は印画紙の袋に書いてある場合があるので参考にされたい。

現像液につける時間は一般に90秒から120秒くらいといわれている。温度は20度がベスト。印画紙を斜めにすっと入れて、泡が入ったりしないように竹ピンでこまめに動かしてあげよう。この動かす動作には印画紙表面の現像液を入れ替えるという役目もある。光を当てた面を上にして見えるようにしてもいいし、セーフライトに反応しそうでこわいと思ったら、光を当てた面を下にしてもいい。

時間がきたら、竹ピンで持ち上げて、停止液に移そう。その際、できるだけ現像液が一緒に停止液に入らないようにしよう。
停止液は中和させるだけなので時間にそんな神経質になる必要はない。30秒くらい停止液の中で動かして定着液に移せばいい。

定着液にはバライタかRCかにもよるが、大体5~10分くらいやれば大丈夫だと思う。定着液の入っていたボトルや袋に時間が
書いてあるので、確かめるとよい。現在よく使っている、スーパーフジフィックスの濃縮液タイプのものは、比較的すぐだめに
なってしまうので、大量にプリントするときは、途中でハイポ計で確認したい。定着不足だと、数週間くらいで黄色いしみになったりすることがある。枚数が多いときは途中で停止液を作りなおすのがおすすめかと。

定着が終わったら、流水で薬品を洗い流す。これもRCかバライタか、また紙のサイズによって違うので、印画紙の袋を見て確認したい。水洗しすぎて困ることはないので、だいたい2時間くらい水洗すればどんな紙でも大丈夫だと思う。水洗しすぎても困ることはない、と言ったが長すぎるのは良くない。せいぜい数日である。以前、2週間水洗した人がいたが、印画紙から剥離した写真が水面をただよっていて、もはや写真ではなかったので気をつけたい。また、10度以下の水温で何時間水洗してもまったく意味がないので冬場は特に気をつけたい。紙をいためないためにもできれば20度前後がいいだろう。

その後、乾燥してできあがりである。
水貼りの方法は、百聞は一見に如かずなので、誰かがやるのを見て覚えてほしい。

片付けは、次に使う人のことを考えてしっかりやろう。
引き延ばしレンズ、フィルムホルダー、ピントルーペは使い終わったら引き出しにもどすこと。
床に薬品がこぼれたらモップで拭くこと。
カメクラの人は省エネ志向が強いのか、換気扇をオフにする人が多いがつけっぱなしでいい。というか、つけっぱなしのほうが好ましい。

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最終更新:2013年05月19日 13:23
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