1. KeTCindy=KeTpic+Cinderella
私たちは,2006 年から,TeXに図を入れるためのツールKeTpicを開発してきました.KeTpicは,数学ソフトウェアのパッケージで,TeX文書に正確な図を簡単に入れることができます.しかし,GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が不十分だったため,初めての方には使いやすいとは言えませんでした.詳しくは,以下のwebページをご覧ください.
http://ketpic.com
一方,Cinderellaは動的幾何ソフトの1つです.画面を見ながら,また点を動かしながら,思った通りの図を作成できるという大きな利点をもっています.
2014年にCinderellaの開発者U.Kortenkamp氏が来日したことをきっかけに,KeTpicとCinderellaのコラボが始まり,KeTpicにGUIを付加することで,より使いやすくなったKeTCindyが生まれました.
2. 作図の流れ
(1) KeTCindyのサンプルファイルtemplate1basic.cdyをダブルクリックしてCinderellaを立ち上げます.
(2) Cinderellaのメイン画面(
幾何図形)とCindyScript(コマンドの入力)を利用して図を作ります.CindyScript画面の右上にあるギアマークを実行すると,メイン画面に図形が表示されます.
(3) Figureボタンを押すと,Rソースファイル,Texの確認用メインファイル...main.texができます.同時に以下の一連の処理をするkc.sh(.bat)が作られ,一気にPDFが表示されます.
- Rがソースファイルを実行してTeX用の図ファイルを作成
- TeXの確認用メインファイルをコンパイルして,図入りのPDFファイルを作成
- PDFビューアがPDFファイルを表示
3. 必要なソフトウェア
以下のソフトウェアは必須です.これらは,まとめてパッケージ化して配布しています。
Cinderella(動的幾何ソフト)
R(統計ソフト)
TeX(組版ソフト)
PDFビューア(Macはプレビューまたはskim,WindowsはSumatrapdf)
以下のソフトウェアはオプションです.
Scilab(数値計算ソフト)
Maxima(数式処理ソフト)
Risa/Asir(数式処理ソフト,グレブナー基底に強い)
Fricas(数式処理ソフト,不定積分に強い)
最終更新:2018年10月10日 21:49