5、浮浪者/Guttersnipe
英雄は不運な環境の中から生まれることもある。
中でも厳しい非情な都市の一文無しの路上生活の浮浪児としての人生の始まりよりも
不運なものというのは、滅多にないと言えるだろう。
親を亡くしたか、捨てられたか、あるいは虐待を受けたか、
浮浪児は結果として冷厳で皮肉屋の大人に育つことが多い。
下層階級のふるまいと貧民街特有の話し方が染み付いた浮浪児の英雄は
自身が社会の底辺の存在であると見られないよう苦心する。
浮浪児は常に世界中の彼らよりも幸運に恵まれた者たちからの
疑惑の視線を受けながら生きている。
たいていは銀貨数枚のために人を殺すような強欲な者、嘘つきのスリ、
追いはぎ、ごろつきなどのように見られている。
一般人は彼らに対する不信感を隠しもせず、
景観や衛兵たちは当たり前のように彼らに嫌がらせをしたり、尋問を行ったりするし、
貴族階級の者たちは油断のない護衛や参事官に囲まれて、
きまって下層民、中でも特に危険な下層民を遠ざけておく。
この不信のとばりの下で、浮浪児の中には、この他者からの期待に応えて
"恵まれた者たち"に対する辛辣な憎しみを育む者も少なくない。
あるいは慎重に練習した見せかけの上品ぶった作法によって路上の作法と教育の欠如を隠し、
ひたすら自分の仮面の下を見透かす者が出てくる日が来ることを恐れながら、
必死にその貧しい出自から逃げようとする者たちもいる。
楽天的な者たちは、他人の悪評による判断の決め付けを拒絶し、
疑いの視線や侮蔑を気にすることを止めることにしている。
最後に、彼らの中に可能性を見出した後援者が
幸運な少数の浮浪児を道端から引き抜き、彼らに自己実現の機会を与えるのである。
強力な魔法使いは道端の浮浪児の中に大いなる閃きを感知して
その少年や少女にいくつかのわざを教えるかも知れないし、
慈悲深い僧侶は貧しい子供に教会で侍者となる道を示す。
いくつもの伝説で物語られている通り、
浮浪児はしばしば王族や上級貴族によって路上から拾われ、
何か大きな働きを成し遂げた後、あるいは大いなる勇気を証明した後に
養子となることもある。
皮肉めいた理性を持って人生を過ごすか、あるいは利己的な策謀家として生きるか、
いずれにせよ、浮浪児たちは機会を見つけて捉えることに長けた、卓越した生存者だ。
幸運に恵まれて、あるいは厳しい仕事を乗り越えて路上を離れて
魔法使いや神官や、貴族の保護下に入った浮浪児は
かつてのような物乞いの子供には見えなくなるが、
その内には今でもなお、
彼らが最初に目に留まるきっかけとなった素早い知性と向こう見ずな勇敢さを持ち合わせている。
○浮浪児を作成する
当然のことながら、ローグの大半は浮浪児である。
路上で生まれ育つのは、ローグのわざを身に着けるには最適なのだ。
ファイター、特にスレイヤーもこのテーマにうまく適合するだろう。
特別な才能を持った浮浪児は、時に魔法に転向し、
力によって尊敬を集めようと、ウォーロックのわざを身につける。
それ以外にも、どのクラスのキャラクターであっても、
路上から拾われたり、自身の周囲の状況を変える努力に成功したことは有り得るだろう。
浮浪児はヒューマン、ドワーフ、ハーフリング、ドラウ、もしくはティーフリングであることが多い。
これらの種族の下層階級の生まれのものは
浮浪児の出自となる貧しく絶望的なスラムのような場所にたむろすることが多いためだ。
○開始時の特徴
都市の最もひどい一角では、
野生動物に近いとすら言える浮浪児の群れは
うかつな通りすがりにとって脅威である。
路地裏から飛び出し、人ごみをの山を走りぬけ、
彼らはまるで急降下する鷹のように襲いかかり、
財布をスリ取ったり荷物をひったくると、影の中へと姿を消してしまう。
自分たちの荷物を守ろうと武器を抜くのが遅かった犠牲者たちにとって、
ふくらはぎや足の腱への素早い一太刀はあらゆる行動を鈍らせる。
君はこの技に精通しており、安全な距離に逃げるまでの間に
このすばやい攻撃を一発お見舞いする技を用いる。
- 君は「ランニング・スラッシュ」のパワーを修得する。
ランニング・スラッシュ/Running Slash (走りながらの斬撃)
~君は敵の傍を走りすぎ、通り過ぎなら攻撃する。
遭遇毎、[武勇][武器]
標準アクション、近接1
効果:君は移動速度までの移動を行い、その移動の途中の任意の地点で次の攻撃を行う。
この移動は目標からの機会攻撃を誘発しない。
目標:クリーチャー1体
攻撃:最も高い能力値修正 vs 反応
ヒット:1[W]+最も高い能力値修正のダメージ、目標は君の次のターンまで減速状態。
○追加の特徴
出所の不確かな貴重品を売り買いするのは、君の天賦の才だ。
たとえどの地へ行こうとも、君は最も意欲的な買い手や売り手とつなぎをつけることができる。
ダンジョンで発見した小像を売るのであれ、呪文書に記載する儀式を購入するのであれ、
君は他の誰よりも良い値段でやり取りすることができる。
利益: アイテムを購入する時、君は表記された金額の90%でそれを購入することができる。
アイテムを売却する時、君は通常そのアイテムを売却することによって得られる金額に追加で10%を得ることができる。
君は個人的な経験から、町でどれくらいの浮浪児や物乞い、スリ、
それにちっぽけな犯罪が起きているかを知っている。
それだけではなく、君の貧しい出自の英雄という評判のおかげで、
貧しい人々は君を探し出して常に君に情報を提供してくれる。
君にはどこへ行こうとも、出来合いのスパイ網があるのだ。
利益:君は事情通判定に+5のパワー・ボーナスを得る。君は町や都市にいる限り、1日に一度、1回のフリー・アクションとして事情通判定を行うことができる。
○追加の汎用パワー
路上で生まれ育ったことにより、
君は厄介事からすばやく逃れ、当局の手から離れる方法を身に付けた。
君を追い詰めることはほぼ不可能であり、
敵が君を取り囲んだ時には、逆に君は彼らをまるで道化のようにしてしまう技を持っている。
いまや君は成長し、昔のように子供の姿によって危険を回避することはできない。
しかし君はいまでも辛辣な言葉と自身の素早い反応速度によって
敵をおびき寄せて誤らせることができる。
どの都市の衛兵に聞いたとしても、浮浪児というものは
挑発と侮辱によって自分たちより優れた者を激怒させる能力に長けていると答えるだろう。
君は突き刺すような侮辱や無礼な身振り、そして相手を馬鹿にする笑い方に精通している。
敵が君に対する攻撃を外した時、君は全員にそのことをしっかりと知らせてやる。
君が自分をまるで無防備のように見せかければ、
知能を持たない敵ですらも釣られてその攻撃は粗く不正確なものとなるだろう。
インフューリエイティング・トーント/Infuriating Taunt (激怒させる挑発)
~君は敵の失敗をあざ笑うことによって、その怒りに火を注ぐ。
遭遇毎、[武勇]
即応・対応、近接範囲・爆発5
トリガー:君から5マス以内の1体の敵が君に対する攻撃をミスする
効果:遭遇の終了まで、目標は君に対して攻撃を命中させるまでの間ずっと、全ての攻撃ロールに-2のペナルティ
(このペナルティは君に対する攻撃にも適用される)。
君が学んだことがひとつあるとすれば、それは自分よりも大きく、手ごわい敵を
──中でも特に敵が数において君に勝るときに、笑いものにする方法である。
奴らが君の足取りを追うことは難しく、
そして君は振り下ろされる剣の下から矢の様に逃れたり、
あるいは敵の味方の背後に身を隠してそれを防ぐことができる。
フールズ・ダンス/Fools' Dance (愚か者の踊り)
~敵の多勢に圧倒された時、君はその数を逆手に取る。敵に近ければ近いほど、君は危険から遠ざかる。
遭遇毎、[武勇]
マイナー・アクション、自分自身
効果:君の次のターン終了まで、君が攻撃されるたびに、君はその攻撃に対する全防御値にパワー・ボーナスを得る。ボーナスは攻撃が行われた時に君に隣接している敵の数に等しい。
加えて、君の次のターン終了まで、君への攻撃がミスするたびに、君は1回のフリー・アクションとして1マスのシフトを行うことができる。
君が捕まってしまったかのように見える時、君はどうやってか、抜け出してしまう。
脱力し、腕を袖から抜き、外套や上着を裂き、急に上体を跳ね上げ、けりだしてあらゆる拘束から君は脱出する。
まばたきする間に、君は10~15フィートほど離れた場所で、自分の足でしっかりと立っている。
いつでも逃げ出せる状態で───あるいは、戦いを再開できる状態で。
アンライクリィ・エスケープ/Unlikely Escape (予期せぬ脱出)
~体を軽く捻り、君は自分の動きを邪魔している状況から抜け出して自由になる。
遭遇毎、[武勇]
移動アクション、自分自身
必要条件:君は拘束状態、減速状態、動けない状態、もしくは敵から挟撃されている
効果:君は自分にかかっている動けない状態、拘束状態、もしくは減速状態の効果をひとつ終了させ、3マスまでのシフトを行う。
最終更新:2012年10月27日 23:14