8、貴族/Noble
英雄は社会のあらゆる階級から生まれるものである。
農民から物語を始める者もいれば、開拓地の無骨な入植者もいる。他にも町人もいるかも知れない。
しかし特権の中に生を受けた英雄もいるのだ。
貴族出身の英雄は、多くの平民がただ想像するしかないような機会と快適さを楽しむ。
しかし彼らが高い地位に生まれついた幸運によって富と影響力に祝福されているのだとすれば、
同時にまた彼らは自身が授かった贈り物(ギフト)によって
多くを成さねばならぬという義務があるのである。
貴族の定義については土地や種族によってさまざまに異なる。
大半の土地では、上流階級は三つの段階に分類される。
下級貴族、上級貴族、そして王族である。
下級貴族は土地持ちの騎士、大地主(スクワイア)、準男爵(バロネット)、地主(レアード)、
小貴族(ヒダルゴ)、領主(セニョール)、それにその他の低級の称号や地所の所有者である。
一般的に下級貴族の領地は、馬で一日かかるほどの広さやそこそこの大きさの町1つが入るほどのものになることは滅多にない。
下級貴族の多くは近隣の上級貴族に忠誠を誓っている。
それら上級貴族は男爵(バロン)、伯爵(カウント)、公爵(デューク)、侯爵(マーカス)、
伯爵(アール)、方伯(ランドグラーフ)、諸侯(プリンス)などの称号を所有している。
上級貴族は大きな勢力であることが多く、
彼らは自身の軍隊を持つほどに裕福であり、
いくつもの、おそらく幾百もの下級貴族たちの土地のほぼ絶対的な支配者である。
代わりに上級貴族は彼らの国の君主に対して忠誠を誓う。
王族の称号にはさまざまなものがあり、王、女王、大公、高王子、
皇帝(ツァー)、ハーン、シャー、あるいはもっとエキゾチックなものかも知れない。
もちろん、貴族の階級には同時に爵位のある地主の一族の全員が含まれる。
貴族の家の出の冒険者が一族の現行の爵位保持者や統治者であることは滅多にない。
封土の統治と防衛は重要な責務であり、王国の雑務は忙しく、
ダンジョン潜りや冒険探しの時間などはまずないのである。
したがって貴族の英雄たちの大半は、爵位保持者と血縁の近い無爵位の貴族である。
ある英雄は一族の頭としての地位を受け継ぐ、生まれながらに継承権を有する立場におり、
貴族の席まであと心臓の一鼓動の位置に立っているかも知れない。
あるいは彼(または彼女)は爵位相続の順位から外され、
男爵や侯爵、王などになる心配をすることもなく、冒険の味を堪能する自由を得ているかも知れない。
彼らがいま爵位を保持しているか、いずれ受け継ぐことになっているかに関わらず、
貴族はその高い地位がもたらすいくつもの恩恵を好んであずかるものである。
一般的な役人や政治家が貴族を逮捕したり行動を妨げたりすることが出来るのは、
ごく限られた状況においてだけである。
近隣の土地の要人は貴族と接する際には敬意を持って、
あるいは、時に力ある一族との間に事を構えることを恐れて服従の意を示すことさえある。
また、貴族は一般の人々と比べて裕福である。
故郷の近くにいる時は、たいてい彼らは上等な食事や、最高の寝床、
そして満足のいく値引きと快適に過ごすための手当てにありつくことができる。
○貴族を作成する
貴族の英雄はどのキャラクタークラスの中にもいる。
当然ながら、ナイトは高貴な一族の生まれであることが多い。
ウィザードも貴族の背景の出身足りえる。
貴族の一家ならば、魔法に対して興味を示す子供に魔法の技の家庭教師を手配するといった手立てと機会があるためである。
年上の兄弟が家を相続することになる場合、その貴族は教会に入ることも多いため、
彼らはクレリックとパラディンになるかも知れない。
ローグですらも貴族の出自である可能性がある。
街の通りに精通したシーフは甘やかされる生活に飽き飽きしたトラブルメーカーかも知れないし、
あるいは自身の高い地位がもたらす責務から逃げ出した逃亡者かも知れない。
○開始時の特徴
貴族は生まれつき人を導く存在である。
平民は自然に君の決断、そしてあらゆる重要な事柄の指揮を期待し、
そしてその中には君の支持者、家臣、戦いの中の兵士たちも含まれる。
(当然のことだが、君の友や仲間は君の指示に従う必要はない。彼らは君の家来ではないのだから。)
もし君が戦士としての訓練を積んで育ったのならば、
君はどのように剣を以って人を動かすか知っている。
もし君の家族が代わりに他の分野において君を育てたとしても、
君の貴族としてのふるまいと自身はなお敬意を集めるだろう。
ノーブル・プレゼンス/Noble Presence (高貴な佇まい)
~君は味方を励まし、有利な位置取りをし、敵に対して堅く備えさせる。
遭遇毎、[武勇]
移動アクション、近接爆発・範囲3
目標:範囲内の味方1~2体
効果:目標はそれぞれフリーアクションとして2マスまでのシフトを行える。
次の君のターン終了まで、目標それぞれは全防御値に+2のボーナスを得る。
○追加の特徴
いまやそれなりの名声を備えた英雄となり、君の高貴な血統に連なる一員としての自身の価値を証明した君に、一族に代々伝わる魔法の品が贈られる。(もし君がこのマイルストーンに達した時に故郷から遠く離れている場合、配達人が近くの大きな町にそれを届けにやって来る。)
この家伝の財宝は、君がそれを必要とする限り自由に使って良いものだが、使い終えた時には、家へと持ち帰るべきである。売ったり、他人にあげたりすることはできない。
利益:君は6レベル以下の魔法の鎧、武器、もしくは首スロットのアイテム(コモン)ひとつを手に入れる。
望もうと望むまいと、君は自分の領地における身分の高い者たちの事情や、次々と移り変わる王宮の事情と関わらざるを得ない。土地の偉大な貴族たちはお互いに開けっ広げに接することはめったになく、代わりに内々に騙し合って勢力を争うのだ。誰もが上品さと王宮の作法の仮面を被っている中で己の敵と味方を見抜くのは一種の技巧であり、君は経験によってそれらを十分に身につけた。
利益:君は交渉と看破の判定に+2のパワー・ボーナスを得る。
○追加の汎用パワー
貴族の冒険者は周囲にいる者たちを励ますことに優れており、
自然、危険な状況の先頭に立つことになる。
貴族の中には政治的生き物であり、他者を危険へと向かわせる者もいる。しかし君は違う。
君の肩書きは、君の仲間と君に従う者たちがすでに君に関して知っていることを裏付けるものでしかない。
すなわち、君が先頭に立って皆を率いる勇敢な戦士だということである。
君は仲間に対して、自分自身がやらないようなことを頼むことはない。
そして彼らは戦いにおける君の勇敢さと冷静さに追いつくべく、努力するのである。
その土地の法によって、貴族は平民に罰金を科し、税を取り、逮捕し、あるいは言葉だけで打ちのめすことができる。そのような状況では、権力をかさに来た貴族を無視できるような平民はいない。
他の貴族仲間でさえ、相手に異論を挟むかどうかは慎重になるだろう。うかつな侮辱は激しい対立や、致命的な復讐劇の幕開けとなり得るからだ。
君は自身の身分を明かし、自分に協力することの賢明さを説くことによって、
欲しいものを手に入れることができる。
ノーブル・インフルエンス/Noble Influence (貴族の影響力)
~論理的な議論や真摯な態度が君の相手の心を動かさないとしても、たぶん君の高貴な地位ならば。
遭遇毎、[武勇]
フリーアクション、自分自身
効果:この遭遇の終了までに行う次の1回の威圧判定に+5のパワーボーナスを得る。
この遭遇の終了まで、君ははったりもしくは交渉判定の代わりに威圧を使うことができる。
敵の攻撃の効果に敢然と立ち向かうことは、周囲の仲間に、彼らもまた君と同じように出来るのだと示してやることでもある。
行動阻害の魔法や毒、恐怖、それに変わった形の攻撃による効果から君が立ち直る時、君の成功と励ましの言葉は、君という前例の後を追う味方の助けとなる。
インスパイアリング・リカバリー/活力を与える復旧
~君が敵の攻撃による後を引く効果から立ち直る時、君は味方に、同様にするための勇気を与える。
遭遇毎、[武勇]
フリー・アクション、近接範囲・爆発5
トリガー:君が1回のセービングスローに成功する
目標:範囲内の味方1人
効果:目標は+2のパワーボーナスを得て1回のセービング・スローを行うことが出来る
君は自分より劣った者たちからの素早い従順に慣れており、そして君はあらゆる危険な状況において統制を取る術を心得ている。
味方が驚き慌てふためいている時、君は一喝したり、その肩に手を置いてやったりすることによって、友が再び落ち着いて動くことを可能にしてやる。
アージ・トゥ・アクション/行動の衝動
~たった一声かけることで、君は行動を躊躇している仲間に拍車をかける。
遭遇毎、[武勇]
フリー・アクション、近接範囲・爆発5
トリガー:味方1人がイニシアチブ判定を行い、その結果が君のイニシアチブ判定結果よりも低い
目標:トリガーとなった味方
効果:目標のイニシアチブ判定結果は君の結果と同値になる
最終更新:2012年10月25日 22:18