11、学者/Scholar
ある者たちにとって、過去とはすでに死して埋もれたものだ。
しかし罠でいっぱいの古の墓所に足を踏み入れ、何世紀にも及ぶ封印からはなたれた恐るべきデーモンと戦う冒険者たちにとっては大昔に起きた出来事というのは現在に生きる者たちにとってもきわめて重要な意味を持つのである。
学者とは古い文献を収集し、忘れ去られた秘密を探り当て、古の時代の伝承を研究する者たちだ。
彼らは過ぎ去った日々の記憶を保存し、過去がもたらした重要な教訓を未来の世代へと受け渡さんと探求する。
ダンジョンを探索する冒険者たちは、すべからく眠れる危険や失われた宝物に強い関心を抱いている。しかし学者は同様に、最もありふれた古の土地や出来事の詳細について興味を抱いているのである。学者にとっては、知識とはそれそのものが報酬なのだ。
文化や社会の全てが古の時代のかび臭い昔話に価値を見出すわけではない。
多くの人々にとっては、歴史の研究…あるいは単純な学問教養でさえも、突飛な言行と映る。
学者とは非常に特殊化した専門職であり、彼らの仕事の需要があることはない。
一般的な開拓地の町や農村には、図書館もまともな学校教育もない。
結果として、学者の姿が見られるのは、書物や記録が収集されている場所に限られる。
大都市にはしばしば学究のための保管室や図書館が備わっており、
それを研究するための大学や学者ギルドもあることがある。
しかし、書物の山の大半は、一般的に知識の神(アイオーンやエラスティスといった)の寺院や文化、あるいは力のある貴族の家の価値ある所有物であることが多い。
そのため、学者の多くは教会や後援者の支援や援助を受けており、旅の最中で出くわしたものを彼らのコレクションに追加することによって、
後援者へ報いようとするのである。
○学者を作成する
秘術の技の研究は、学問に必要とされる知力と注意深い人格が共通するため、
学者の冒険者はウィザードがほとんどである。
秘術の秘密は、歴史や他の分野における学究とよく似て、古の書物や神話や伝説の中に隠されているのだ。
クレリック、中でも特に知識や魔法の神格に仕える者たちもまた学者に適している。
アイオーンやエラスティスのクレリックはそれだけですでにもう学者のようなものだ。
ウォーロックも古の伝承が持つ価値を知っているが、彼らの慣習では知識とは蓄え、隠しておくものである。ウォーロックの大半は意味不明か、あるいはせいぜい不明瞭といったところだ。
ファイター、ローグ、パラディン、それにレンジャーは学者の道を進むことはあまりなく、熟慮よりも行動を好みがちだ。
しかし中には、学者になるよう育てられたものの、後に違った道を歩むことを選んだというだけの者もいるかも知れない。
例えば、まだ日の目を見ぬ忘れ去られた宝庫に魅せられた若い学者は
古の地下聖堂への侵入に特化した非常に博識なローグとなることもあるだろう。
○開始時の特徴
若い学者は一般的に古の言語を1つ2つ習得するところから研究を開始する。
それによって自分が読み解こうと望んでいる書物や古写本を理解するためである。
定命の者の国々の大半では竜語、ドワーフ語、エルフ語が、学習に際しての第一言語であり、
これらの古の言語の中の少なくともひとつにも習熟していない学者は稀だ。
知識の習得を進めていくうちに、君は自分が識別できる生き物の脆弱性を発見した。
そして君には彼らから身を守るのに十分なほどに、その戦術や能力を理解している。
- 君は竜語、ドワーフ語、エルフ語の中から追加の言語を1つ修得する。
- 加えて、君は「ユーズ・ヴァルネラビリティ」のパワーを得る。
ユーズ・ヴァルネラビリティ/Use Vulnerability (脆弱性の利用)
~君は相対するクリーチャーの強さと弱さを知っている。
遭遇毎、[秘術]
フリーアクション、自分自身
トリガー:君が自分で見るもしくは聞くことのできるモンスター1体相手のモンスター知識判定に成功する
効果:もし君の判定結果がそのモンスターのレベルに対して「難易度:難しい」に達するか超えていた場合、
君は自身の次のターン終了まで、そのモンスターからの攻撃に対して全防御値に+4のパワーボーナスを得る。
加えて、君の次のターン終了まで、君はその目標に対するダメージロールに自身の知力修正値に等しいパワーボーナスを得るが、
目標に抵抗された場合はこのダメージは適用されない。
もし判定結果が「難易度:難しい」に達するか超えるかしていなかった場合、
君の次のターン終了まで、君の目標に対する攻撃は半分のダメージしか与えない。
追加の特徴
真の学者は学びを止めることはない。今や冒険者の身であるとはいえ、君はあらゆる機会を捉えて周囲の世界への理解を深めようとし続ける。
利益:新しい技能ひとつと新しい言語ひとつを習得する。
技能は〈魔法学〉〈地下探険〉〈歴史〉〈自然〉〈宗教〉の中から選択する。
もしすでにそれらの技能を全て習得済みである場合は、代わりにそれらの中のどれか1つに+2のボーナスを得る。
言語は竜語、ドワーフ語、エルフ語の中から選択する。
もしそれらを全て習得済みである場合は、ルール・コンペンディウムかプレイヤーズハンドブック掲載の言語リストの中から1つを選択する。
長年にわたる熱心な学習と幾百もの文書との出会いを経て、君は最も難解と言われる言語についての活きた知識すらも手に入れた。君はほぼあらゆる旅先において会話に不自由することはなく、方言やなまりも数日間触れるだけでネイティブ・スピーカーのように流暢に操ることができる。
利益:君はルール・コンペンディウムとプレイヤーズ・ハンドブックに記された言語全てを習得する。(DMの判断において、この特徴によって習得される言語にその他の言語を加えても良い。)
また、君は暗号で書かれていたり、魔法的に偽装された文章の解読の際に魔法学の判定を試みることができる(難易度は自分のレベルにおける「難しい」)。
○追加の汎用パワー
自身が立ち向かう相手とその弱点を知ることはそれだけで有用な武器と言えるが、
君はさらに適切な状況で用いるべき簡単な呪文を知っている。
君の書物とスクロールには力の名前やデーモンすらも食い止めることのできる護りの魔法、
特定のクリーチャーに対して有害なエナジーを作り出す呪文、
それにほとんどあらゆる状況のための鋭い計略や即興のわざが記されている。
それらは全てあちこちに書き留められており、幅広い読み取りと鋭い詳細の記憶によって、
君は大半の状況において助けとなるものを見つけ出せるのだ。
君は物理的、あるいは精神的な仕事の大半に当たって、その理論や技術を理解している。
この簡単な呪文は君の記憶を鋭くし、君の蔵書の中から最も関連性のある内容を脳裏に呼び起こして、君が挑もうとするほとんどあらゆる種類の物事に対して、君をエキスパートへと変える。
ユーズフル・ロア/Useful Lore (役立つ知識)
~君は難関に挑む英雄の輝ける前例を思い起こし、その技能の一部を自分自身に吹き込む。
一日毎、[秘術]
マイナーアクション、自分自身
効果:技能を1つ選ぶ。この遭遇の終了まで、君はその技能を用いた判定に+5のパワーボーナスを得る。
君が研究した秘術の書物には多岐にわたる危険な生き物の脆弱性と弱点について、そしてそれを利用した呪文の実例が載っていた。この呪文は武器と装具へ、特定の種類の魔法のエネルギーを微量に付加する…君が冒険で遭遇するであろう敵の弱点へつけこむには有効な技だ。
イニミカル・ロア/Inimical Lore (害意ある知識)
~君は己が知る、戦う相手が苦手とするエネルギーによって、味方の攻撃を強化する。
遭遇毎、[秘術]
マイナーアクション、近接範囲・爆発1
目標:君と爆発範囲内の味方全て
効果:酸、冷気、炎、電撃、死霊、光輝、雷鳴から1つを選択する。君の次のターン終了まで、目標が与える種別を持たないダメージは、選択した種別のものとなる。
世界中の、そして次元界中のあらゆる生き物は、彼らの種がどのように存在しているかについて、特定の法則ときまりを持っている。君は少なくとも短時間、異なる種類の生き物を追い払うような魔法の結界や名前、あるいは感化力を知っている。
ディフェンシブ・ロア/Defensive Lore (守りの知識)
~君は特定の起源を持つ生き物に対して破壊的な言葉や名前を口にする。それによって彼らの存在は短い間、脅かされることになる。
一日毎、[秘術]、[区域]
マイナーアクション、近接範囲・爆発2
効果:爆発は君の次のターン終了まで持続する区域を作り出す。地底、フェイ、元素、永劫、自然、影から1つ選択する。君の次のターン終了まで、選択した起源を持つクリーチャーは区域内では攻撃ロールと全防御値に-2のペナルティを負い、区域内にいる対象への攻撃によるダメージは半減する。
維持・マイナー:区域は君の次のターン終了まで持続する。
最終更新:2012年10月25日 22:22