目が覚めた。ここはどこだろう?
寝返ると安物のバネの音がする。
簡素なベッドに寝かされているようだ。
思考はまだ定まらないが全身に抗いようの無い圧迫感。
まだ着ぐるみのままでいるようだ。
無意識に動かした指先に柔らかな布が触れる。
散々恥ずかしい思いをさせられたあの衣装だ。
周囲を見回すと壁に鏡がある。
「うーーーーん…」
上半身を起こして伸びをすると可愛らしいあくびがでる。
ゆっくり息を吐いて鏡を見た。
「こ、これが…わたし… 私なのよね?」
思わず聖美子がつぶやく。
すでに何度も鏡で見ていたが、やはりその生身の身体では有り得ない容姿に心がときめき、鼓動が高鳴る。
落ち着いて見ることができなかった全身をあらためて見る。
小柄な身体、白いタイツを穿いた形のいい細い足、バランスよく広がった腰には派手なフリルの付いた薄いピンクのミニスカートとその裾から隠しきれずにはみ出た股間には女の子にはありえない微かな膨らみ、理想的なまでにくびれた胴、人前ではこれはこれでちょっと恥ずかしい程の存在感を主張する胸、その上半身を覆うこれまた薄いピンクのフリルブラウス、アニメから出てきたような可愛らしい顔の美少女着ぐるみ、髪は艶のある緑の黒髪。
衣装はいろんな意味でもうすこし大人しいほうが好みだが、これはこれで可愛いと思う、
ただし、これは自分でなく他の誰かが着るのを見るほうが楽しいだろう。
股間以外はほぼ進一の理想だった。
真っ先にその気に入らない股間が反応するが、同時にそれは心地よい刺激を生み出す。
若干の問題があるものの、表情を変えて自由に動ける可愛い理想の等身大の人形が両肩を抱いて目の前にいる。
さっきはこの格好で酷い目に遭わされた。
その後でパニックを起こし気を失ってしまったらしい。
そう、死ぬほどに恥ずかしい目にあわされた。
ふと、そのとき鏡に映った苦痛に耐えかねて歪む聖美子の顔が甦る。
股間の刺激が強まる。
鏡の中の聖美子が俯いてスカートの裾を引き下げるが気になる股間を完全に隠せない。
そのまま鏡に目をやり、我ながらなんて淫らな格好なのかしら…頭の中で思う。
こんな姿…人には絶対見られたくないのに、さっきは3体もの美少女着ぐるみに見られてしまった。
恥ずかしさがこみ上げてくると同時に、尚も膨れた股間がショーツ越しにタイツを押し広げようとする。 

もともと美少女着ぐるみに興味があった。
着ぐるみで淫らな格好や行為をしている画像も見たことがある。
中には股間が膨れた美少女着ぐるみや男根を生やした美少女着ぐるみもいた。
進一にとってそれら全てはネット上で与えられるものだった。
着ぐるみを着てみたいという淡い願望はあったが、それは漠然とながら最初は普通に着るものだと思っていた。
それが、特殊な着ぐるみで、しかも己のあられもない格好を人前で晒す羽目になったのだ。
夢にも思っていなかった。
なにより人前に出るとやはり羞恥心が起こりマスクに埋め込まれたチップが聖美子として更にオーバーに行動を演出してしまう。
その声は進一にも聞こえるし、どういう行動をしているかも分かるから、より一層進一の羞恥心を煽るようだ。
「私が望んだこと…?」
美人着ぐるみ婦警さんが言った言葉が蘇り、聖美子の口で自問自答する。
「そう。最初は冗談で言ってみたのに本当に穴があるんだもの… 驚いたけど、直ぐに着てみたくなったのよ…」
普段ならこんな独り言はしないだろう。
口調も音程も少女のものになっている。
脳内で思ったことが普段は使わない言葉と声質に変わり耳を通して戻ってくる。
理屈では分かっているのだが、その違和感が新鮮で進一の耳をくすぐる。
さっきは他人に聞かれる恥ずかしさがあったが、今は室内に誰も居ない。
聖美子が敏感になった進一の身体を弄りだす。
視覚による刺激と聴覚による刺激と全身に感じる刺激とで股間が大きく膨らみ固さを増す。
体中を弄っていた両手を股間へやる。
進一は今までに無い高揚を感じながら聖美子にワザと声を出させようとする。
「わたしったら… ココをこんなにしちゃって… なんていけないコ。 アフ!」
指先で軽く触れただけなのに圧迫されて敏感になっているソコがなんともいえない刺激を受ける。
片手を胸に移して両方を同時に弄る。
「え? すごい! 気持ちいいの。こんなの初めて!」
鏡の中の聖美子が揺れる。
初めて体験する刺激に我を忘れて股間のモノを擦る。
「だめ、とまらない! こんなことって! あ、いやっ んく、いい!」
瞬く間に進一を強烈な刺激が襲い、普段ならまだ序の口という早さで一気に上り詰めてしまった。
聖美子はさっきと違う細く甲高い悲鳴を上げると大きくのけぞり両足をつま先まで伸ばして硬直した後にベッドの上にその身体を横たえてまた動かなくなった。 

暫くして再度進一は覚醒した。
聖美子が目を開く。
完全に時間の感覚が失われていた。
どうやら着ぐるみのままイケナイことをして気を失ってしまったようだ。
こんなことでは身が持たない。
ハッとして股間に両手をやる。
確かに出してしまったはずだが、下着を捲ってスーツの上から確認してもその感触が無い。
そういえば避妊具を被せていたはずだ。
身体が収縮するほどだ。あの避妊具には分解吸収する機能でも付いているのかもしれない。
進一は都合のいいように考えることにした。
下着を元に戻すと今度は余計なことを考えないようにして部屋の中を見回す。
ベッドの傍らの机に箱が置いてある。
ノロノロと起き上がってベッドの上を這うように四つん這いで近寄り中を見てみると聖美子と同じマスクが入っていた。
今被ってるのと同じ口内が閉じている最初に手にしたマスクだ。
鏡を見ると、自分と同じ顔のマスクを右手に持った聖美子が四つん這いになっていた。
左手を箱の縁にかけて可愛いお尻を丸出しにして子犬のようなあどけない表情で見つめる。
あわてて座り直しマスクの正面を両手で持って広げる。
口を開けても声を出すことができないマスク。
何故かさっきの一人遊びの刺激が蘇る。
進一は猛烈にそのマスクを被ってみたいという衝動に駆られた。
最初に受けた仕打ちを忘れたわけではないが抑え切れなかった。
マスクを交換するにはウイッグを外さなければならない。
マスクを持って鏡の近くへ行くと手探りでウィッグを締めているベルトを探す。
程なくしてウイッグの内側にベルトを見つけ緩めて外す。
またスキンヘッドの聖美子が現れる。
マスクのファスナーはスーツと同じ構造だったが念のため手元のマスクを見て頭頂部の金具の位置を確認する。
マスクの後頭部にある開口部は左右が垂直に分割されているが、その断面は垂直でなく斜めに切った刺身のように右端の上に左端を重ね合わせるようになっている。
重ね合わさった根元部分を捲るとその奥の窪みにはまっている金具が指に触れた。
マスクの左端がファスナーや金具の上に被さって隠してしまい、閉じるとファスナーや金具が見えなくなる仕組みだ。
マスクの開口部の端は極限まで薄く仕上げられており透明感があるため右側に重ねると張り付いてその境界は見た目にはほとんど判らなくなる。 

ウィッグを被るとまったくといっていいほど境目が分からない。
また、金具を上げて閉じるのでウイッグを被ったままではマスクを脱ぐことができないというわけだ。
慣れない手つきでファスナーを外しマスクを脱ぐとスーツを被った進一の頭が現れた。
「ふー」長いため息が出る。
鏡を見るとモジモジ君のようなノッペラボウの姿がこっちを見ている。
これはこれでそそるものがあるが聖美子を見慣れた目にはあまり見たくない格好だった。
持ってきたマスクの後頭部を左右に開いて口内部分と舌の部分を引っ張る。
進一は口を開けて口内部分を飲み込みながらゆっくり顔を突っ込む。
舌が大きく作ってあって思ったよりスムーズに入る。
軽く口から息を吸うとマスクの口内部分が喉に向かって滑っていき、舌の部分も先端まで被さった。
普段、進一は口で息をすることは無い。
欠伸など特別なとき以外はほとんど鼻で呼吸するほうだ。
当然、最初のマスクを被ってからも普段どおりに鼻で呼吸していた。
後頭部に手を回してファスナーを探る。
左右のファスナーを合わせるため、進一は少し多めに息を吸って鼻呼吸を止めて指先に意識を手中する。
程なくしてファスナーの金具が合わさるとそのまま締め上げた。
金具が上がるにつれて純粋にマスクが密着していく感覚が気持ちよい。
すぐに最初に被ったマスクと同じく頭部が圧迫され口内も膨れて密着しだした。
もしやと思っていたが、同時に余裕のあったマスクの舌が収縮して密着する。
そのままウイッグを取ってスキンヘッドの聖美子が被る。
ベルトの部分を持って被ったので手探りでも直ぐに締めることができた。
ベルトが締まるとウイッグがマスクに密着して外れなくなる。
鏡の中で聖美子が微笑んだ。
実は進一はここまで息を止めたまま一挙動でこなしていたのだ。
その結果、一連の作業に集中した脳が次の活動を行うために大量の酸素を要求する。
つまり進一は深呼吸をしたくなった。
しかしそんな欲求に応えるべく口を開いて大きく息を吸おうとしても呼吸ができない!
生命維持に支障をきたすような事態に陥り進一の脳がパニックを起こす。
深呼吸をしようとしているため無意識に鼻の気道を閉じてしまっているのだが、パニックを起こした進一の脳はそんなことにも気づかない。
息ができない! 可愛い格好の聖美子が髪を振り乱してのたうちまわる。 

喉をかきむしって口をパクパクさせるが一向にそこから空気を取り込むことができない。
鏡の聖美子の顔に恐怖が浮かぶ。このままでは死んでしてしまう。
鏡の聖美子に向かって右腕を伸ばすが、同じようにもがいて手を伸ばすだけで助けてはくれない。
しかしその鏡の中の脱いだマスクに気づいてハッと気づく。
俺はナニ間抜けなことをしてるんだ。
鼻の気道を開けてゆっくりおおきく鼻で深呼吸する。
身体が前後に大きく揺れる。
危うく死ぬところだった。
我ながら間抜けな失敗だったが、安堵感とともに全身から力が抜けて聖美子が何度も肩で息をする。
落ち着きを取り戻すとその場に横たわった。
暫くすると聖美子がもそもそ動き出し横たわったまま鏡に向き直るとその異変に気付き慌てて両手を股間へやる。
「え!?まさか? 無くなっちゃった!?」
ちょっとした焦りを感じて股間を弄る。
鏡に映る股間は、窒息の苦痛で萎えていたのかショーツとタイツの圧迫で殆ど少女のように平らだった。
これこそ完璧な状態だった。できればこの状態を維持していたいのに…
しかし、それも長くは続かない。
理想の状態を見ているだけで徐々に膨らみが戻ってしまう。
結局、我慢できずに股間を弄り始める。
心地よい刺激に鼓動が高鳴り呼吸が荒くなる。今度は間違いなく鼻で深呼吸する。
口では息ができないけど開けたり閉じたりしてみると喘いでいるように見えた。
唇に右手の人差し指を当てる。
甘えたような聖美子が鏡の中で見つめる。
そのまま口の中に指を入れて口内に指先を走らせる。
乾いた口内に今まで感じたことのない刺激が走る。
舌で指を舐めまわす。
いや、この場合は濡れないので撫で回すといったほうが妥当かもしれない。
親指も入れて舌を摘んで引っ張ってみる。
軽く聖美子が仰け反る。ベッドのバネが軋んで音をたてる。
口を大きく開けたことでまた無意識に鼻を閉じてしまったようだ。
口で深呼吸をしようとして軽いパニックを起こし全身が小さく反応するが、今度は落ち着いて鼻で呼吸をする。 

口で呼吸できないことが分かっていても、ふとしたことで鼻の気道を閉じて口で呼吸してしまうようだ。
直ぐに落ち着きを取り戻すと、一旦引っ込めた舌を出して軽く握った右手で自分の頭を小突いてみせた。
ちょっとドジっ娘なお嬢さんといった風情だ。
出した舌で手のひらを撫でまわす。
普通なら涎でベトベトになるような行為をしているのに手も指も口の周りも乾いたままだ。
まるで、身体が生き物でないただの物、人形かマネキンにでもなってしまったようだった。
左腕が胸へ伸び、舌で撫で飽きた右手が股間へ伸びる。
ついさっき淫らな行為は自粛しようと思ったのに、舌の根も乾かぬ内というが元々舌が濡れていない今の聖美子には無縁だ。
最初は両手とも遠慮がちに触っていたが次第に大胆に弄りだした。

「ねえねえ、今度のデータ、これまた凄い値なんだから~」
「こっちの数値もさっき以上に乱高下してるぜ」
「なかなか興味深い結果が得られたようね」
「そろそろ、アレ試した方がいいんじゃねーか?」
「そうね」
「じゃ、スイッチ押すんだから~」
「まって、まだよ。私が押します。そのスイッチをよこしなさい」
「えーずるいんだから~」
「つべこべ言わないの」
「はーい」
美少女着ぐるみ婦警さんが抱えていた怪しいスイッチを美人着ぐるみ婦警さんが取り上げる。
「こういうのはタイミングが大事よ。世の中そんなに甘くはないってことも経験しないといけないわね」
「鞭の次は飴。そのまた次は… おー怖い怖い、クワバラクワバラ」
「…今ね!」
暫くモニタ画面を見ながらタイミングを見計らっていた美人着ぐるみ婦警さんがセーフティを跳ね上げ、ぽちっ!とスイッチを押す。
見守っていた二体が息を呑む。
「さ、さすがはおねーさま…なんだから~」
「こりゃ、すげーわな…」
「さあ、迎えに行きましょうか。私たちの新商品を…」
そういうと傍らのリモコンを持って立ち上がった。 

進一は自分の身に何が起こったのか理解できなかった。
鏡の中、横たわった聖美子が股間と胸に手をやったまま動かない。
いや、進一が動けなくなったのだ。
今まで通り鼻で息はできるし視線も動かすことができるのに、首を回すことはおろか指一本でさえも動かせない。
しかも、あとちょっとで絶頂に上り詰めそうだというとんでもないタイミングで全身が動かなくなってしまった。
欲望のなすがまま淫らな行為に走ってしまったのだが、その最高の…いや最悪の格好で固まってしまったのだ。
鏡の中の聖美子はなんともいえないほど淫らな格好だった。
切なげに目を細め小さな口を目いっぱい開け舌が下唇に軽く触れている。
腰のタイツとショーツは太ももまで下ろされ、股間の右手はその人差し指をお尻の穴に突っ込んでいた。
手首の横で進一のモノが交差するようにそそり勃っている。
左手はブラウスの胸のボタンを外しその中の右の膨らみを掴んでいる。
指が肛門に入っているため微妙な刺激があるがそれでは足りない。
胸を掴んだ手もやはり動かせず。進一を自ら焦らすだけだった。
鏡に映る聖美子の淫らな格好を見ても、もやもやとした切ない気持ちになるだけでそれ以上どうすることもできなかった。
進一の股間のモノは正直に膨れ上がったまま、その奔流を解き放つことができない。
つまり絶頂に上り詰める直前で逝くことはおろか萎えることすらもできなくなったのだ。
切なさと情けなさのあまり涙が出てきた。
聖美子が鼻ですすり泣く。
すると鏡にノイズが走り間髪をおかずに映像が映る。
スーツを興味なさそうに眺める進一が映った。
『ゴクリ…着ぐるみにも穴はあるんだよな』
進一の頭の中にハンマーで打たれたような撃が走った!
間違いなく自分の声だ。
映像が早送りになる。
スーツやマスクをあちこち見回す自分が映る。
三体の着ぐるみの婦警さんもいる。
その場では見逃したが、一体の着ぐるみ婦警さんが面を脱ぐとおっさんが顔を出す。
あの美人着ぐるみ婦警さんの容姿振る舞い言動からはとても想像できないふてぶてしい顔だ。
聖美子がすすり泣きしながら軽く噴出す。
進一がまたマスクを見てると三人が手拍子を打ち始めた。 

その後、意を決した進一が服を脱いでスーツを着始める。
早送りで時間が短縮されているのであっという間に両足を穿き終わる。
圧縮されていく様子が映像からもはっきりとわかる。
見る見るうちに足が小さくなっていく。
次に股間のモノに避妊具を被せてスーツの中に通す。
スーツの凹部を肛門に挿入する映像になると手間取ってるのが分かる。
どこで隠し撮りをしていたのか分からないがカメラが切り替わると進一の苦痛に満ちた表情まで捉えている。
こんなところまで撮られているなんて…
止めてくれと叫ぼうと持ってもこのマスクでは喋ることすらできない。
しかもどういうわけかまったく動けないからこの状況を受け入れるしかなかった。
映像のなかで進一は何度か深呼吸をし、落ち着きを取り戻すと腰を通してたくし上げ両手も通して頭まで着てしまう。
多少上半身が大きかったが、見る間にバランスの取れた女の子の身体になる。
胸も腰も肩も丸みを帯びていた。
しかし、股間のモノは多少小さくなったものの異性であることを誇示するかのようにいきり勃っている。
三体の着ぐるみが寄ってきてアップになる。
やはり進一が一番小さい。
体格と身長の変化に半ば呆然として動かなくなった進一に寄って集って身体検査を始める。
いつの間にか股間のモノが萎え垂れ下がっていた。
進一はこの光景になんとなく見覚えがあった。
鏡に映った光景とほとんど同じだ。
マジックミラーの裏側からずっと撮影されていたのだろう。
カメラは何台も設置されているようで、ときどき映像が切り替わる。
進一のモノが大きくなると股間を押さえてしゃがみこんだ。
やはり全部撮られているようだ。
小柄になった進一が更にうずくまるように座っている。
すぐに画面を覗き込むようにアップになる。
点鼻薬を貰うと立ち上がって鼻に点す。
『あの、その前に… えっ!!なんで!?』
突然、通常の再生になって聖美子の声が再生される。
三体が進一を取り囲んで騒いでいる。 

スーツを着た進一が初めて喋ったら女の子の声になっていたのだ。
『あ、あの…』
『なあに?』
『何か穿くものが欲しいんですけど…』
客観的に聞いても可愛い声だ。とても自分の声が元になっているとは思えない。
しかもこのときはまだ性格をコントロールされていない。
かつての自分の感情がそのまま飾られずに聖美子の声で発せられているのを聞いて、今までと違った刺激が進一の脳をくすぐり鼓動を早める。
しかし進一が下着を要求したのを他所に三体が話し合うと一体が部屋を出て行く。
「あ、あの…」進一が弱々しく口を開く。
「あらまあ、ごめんなさいね。あなたのキャラクターはね、そ・う・い・う 設定なのよ。」
「え゛!!」まだ頭部はスーツを被った進一のままで聖美子の小さな悲鳴がする。
「でも安心しろや。そこに囚人服があるだろ。」
束の間フリルの洋服が映る。
そう、もはや隠せるのなら何でもよかった。
進一が衣装を掴もうとするが、その腕を着ぐるみ婦警さんが捕らえて自由を奪う。
胸も股間も丸映しになった。
映像を見つめる進一は恥ずかしさで一杯になったが、依然どうすることも出来ない。
出て行った美少女着ぐるみ婦警さんが箱を抱えて帰ってくる。
箱から取り出したのは最初に被ったマスクだ。
進一は裸の女の子の格好のまま椅子に座らされて手錠をかけられてしまう。
胸も股間のモノも隠せずに真正面から映ってしまっている。
周囲に居るのは着ぐるみの婦警さんだ。
AVでしか見れないような光景に進一の心境は複雑になる。
その中の主役であろう、この直後に着ぐるみにされてしまうのが自分なのだ。
マスクを持った婦警さんが進一に近づく。
それまでは口や目鼻と股間のモノが進一の記号としてまだ残っていた。
その股間のモノは形こそ進一のものであるがスーツで完全に覆われてしまっている。
客観的に映像を見ていると張子を股間に咥えたただのマネキンのように見えてくる。
そしてあのマスクが被せられると自分を示す記号は何一つなくなってしまうのだ。
しかし、普通のマネキンには手錠などかけられていないだろう。 

その手錠が生々しく映る。
無抵抗のままマスクが被せられる。
この世から自分が居なくなる…
過去の映像ではあるが、見せ付けられている進一にはこれまでと違う別の感情、切なさが押し寄せる。
そんな進一を知ってか知らずか、とうとうスキンヘッドの聖美子が映しだされた。
ファスナーが閉じらると目を瞬きさせて大きく見開く。口内が膨張してちょっと驚いたのだ。
丸坊主とはいえフタナリ全裸での荒い呼吸がなんともそそる。
すぐに黒のウイッグが被せられ、正真正銘のお嬢様が完成した。
促されて立ち上がると小さなフリルつきのショーツが穿かせられた。
股間のものを突かれたりと暫く弄ばれる。
そう、アレは自分のモノだ。
スーツ越しとはいえ他人に自分のモノを弄ばれたのは初めてだった。
映像の中で進一はささやかな抵抗の意思を示してみせるが手錠をかけられているので抗えずにいい玩具にされている。
今度は悲壮感で一杯になる。
ようやく衣装を着る場面になる。
後ろ手に手錠を掛けられたまま聖美子は着せ替え人形のようにキャミソールが着せられタイツを穿かせられていく。
映像を見ている進一は慣れてきたタイツの圧迫感がまた気になりだした。
問題のミニスカートが穿かせられるが、下からのカメラには股間がはっきり映されていた。
聖美子がカメラ目線になると進一は映像に釘付けになった。
鏡に映った股間に気付いた聖美子が驚いた表情をすると蚊の鳴くような声で訴える。
「こんなの恥ずかしすぎます…」
うつむいたままの聖美子から手錠が外された。
やっと自由になると顔を覆って座り込んでしまう。
恥らう聖美子の姿は進一の心に得も言われぬ劣情を興し、いつしか魅入ってしまっていた。

最終更新:2019年03月21日 17:13