その後、この映像がドッキリの番外編として放送された。
すると、視聴者から反響があり亜美が特別に麻美も出演している情報番組に出ることに。
ドッキリを仕掛けられた奈々のコーナーの枠で出演。
VTRを短くまとめ、その時の河童のような生物の着ぐるみで登場。
もちろん、背中の部分は開いたまま。
開いたところからは競泳水着で作られた青い全身タイツが見えている。
口には笛を付けていない。
登場してスタジオのセンターで一礼すると、モニター横の席に座る。
そして、着ぐるみの頭を外し青いマネキンのような頭が現れる。
奈々が後ろに回り、全身タイツのファスナーを開けて、ようやく亜美の顔が現れた。
亜美は水掻きの付いた着ぐるみの手で、乱れた髪をかきあげるようにしたところでキャスターから紹介される。
自己紹介をした亜美はドッキリの時のことを振り返る。
私は身長が141cmと小さいので、大きな着ぐるみよりも小さい着ぐるみの方が子どもたちが怖がらないので着ぐるみを着る仕事がよくありました。
今回の仕事も同じようなものだと思い、軽い気持ちで受けました。
しかし、当日渡された手渡されたものはいつもの全身タイツとは違い、肌の露出の全くない全身タイツ。
呼吸ができるのかと疑問を抱きつつ着替えてみると、思っていたよりも呼吸はできました。
とはいっても、少し苦しかったですが。
タイツ自体はスベスベして気持ちよかったです。
そして今私が着ている、この着ぐるみですが私の身体を採寸して作られているので、ピッタリし過ぎて分厚い皮膚で覆われ守られている気分になり気に入っています。
着ぐるみには全く抵抗はなかったのですが、口に付けられた笛が嫌でした。
全身タイツの上から取付けられて、恥ずかしいくらいヨダレが出て止まりませんでした。
おまけに全く自分の声を出すことができなくなりました。
話そうとすると、甲高い動物のような声が出るだけ。
なんとかしてもらえないか、お願いしようと思ったときには着ぐるみの
頭を被せられファスナーを閉められてしまいました。
頭の後ろや背中の方でなにかしていることは漂ってくるゴムの焦げた匂いでなんとなくわかっていました。
そのあと、私に取付けるはずだった甲羅が壊れてるとスタッフが騒ぎ始めました。
時間がかかると聞こえたので、着ぐるみを着て暑くなっていたのと、ゴムの焦げた匂いで少し気分も悪かったので、外に出て川原へ行きました。
きれいな川だったので、ぼんやり眺めていました。
突然、なにかが絡まってきました。
なにが起こったのかわからないまま引っ張られそうになり、必死に抵抗しました。
しかし、そんなに力の強くない私は倒されました。
絡まったものが網だと気づいたときには、男の人に乗られて手足を動かせないようにきつく縛られました。
着ぐるみのおかげで倒されたときも手足を縛られたあとも傷やアザにはなりませんでしたが、ただただ怖い思いをしました。
縛られたあとも必死に抵抗しましたが、抜け出せませんでした。
網に入れられたまま、どこへ連れていかれるのか不安でたまりませんでした。
見知らぬ男の家に連れていかれ網から出された時に逃げようとしました。
しかし、すぐに捕まり見たこともない大きなラップで身体をギチギチに巻かれて、ほとんど動くことができなくなりました。
顔のところまでラップを巻かれてしまい視界も明るいか暗いしか分からなくなりました。
呼吸はできるようにしてくれていたようで窒息することはありませんでした。
それから程なくしてなにか袋のようなものに押し込められました。
薄暗く妙な臭いがしていました。
動物のような声しかでないので通じないことはわかっていましたが、それでも必死に自分は人間であることを訴えました。
しかし、私の訴えは男の人には河童のような生物の鳴き声にしか聞こえていませんでした。
私は着ぐるみを着てラップで動くこともでかないほど拘束され袋に入れられていたので、暑くてたまらなくなってきました。
そんなとき急に体が袋ごと浮き上がったと思うとどこかへ連れていかれるのがわかりました。
複数の人の声がするところまで来ると袋が地面に降ろされるのがわかりました。
私を捕まえたこの男以外ならわかってもらえるかと思い、声を出して動きましたが、声も出すことができず拘束されているので満足に動くことができませんでした。
体が横になる感じがしたかと思うと、視界が急に明るくなりました。
袋から出されたのですが、ラップで人が多くいることしかわかりませんでした。
ラップを外されて初めて自分たちがドッキリを仕掛けるレポート組とわかりました。
体を動かし声を出して必死に伝えようとしましたが、全員引いてしまいました。
どうしたらいいか考えている時に突然、胸を揉まれました。
不意のことで変な声を出して体をひねりました。
みなさんには動物の鳴き声にしか聞こえなかったと思いますが。
次は何をされるのかわからず、体を丸めてじっとしていると、カメラマンさんが近づいてきたので、気づいて欲しくて訴えようとしましたが、引かれてしまいました。
動いたり鳴き声を出すと引かれてしまうので黙って奈々さんを見ていたのですが、視線を外され、あの質問に。
男の回答を聞いて焦りました。
そんな研究機関に送られたら何をされるか分からない。
それに一生着ぐるみを着て過ごさなければならないかと思うと暴れずにはいられませんでした。
暴れているとき、私を人影に隠れて覗き見ている一緒に来たスタッフが目に入りました。
私は最後の力を振り絞って立ち上がり、縛られて自由のきかない両足でジャンプして彼らのところへ向かおうとしましたが、すぐに男性スタッフに捕まり地面に押し付けられしまいました。
地面に押し付けられた痛さと絶望から、体に力が入らず涙が出てきました。
そのとき、この着ぐるみを作った女性スタッフ優香さんが事情を全て説明してくれて、ようやく着ぐるみから解放されると思っていました。
その場で作業にかかってくれたのですが、なにか様子がおかしいことに周りの雰囲気でなんとなく悟りました。
さすがにファスナーが溶けて着ぐるみが脱げなくなったと聞いたときは頭が真っ白になりました。
優香さんはバスに戻って作業するから大丈夫と慰めてくれました。
バスに戻ってさっそく作業にかかってくれた優香さん。
着ぐるみのファスナー付近を切り開くのに引っ張るから我慢してねと言われていたが、かなり強く引っ張られたので呼吸もままならない状態でした。
着ぐるみの背中部分は出られるほどの大きさに切り開かれ、着ぐるみの頭だけ外してもらい、よだれでびちょびちょの笛も外してもらいました。
全身タイツのファスナーを開けてもらったとき、長い締め付け感と息苦しさからようやく解放された時、安堵と少し前まで怖かったことが入り混じり涙が溢れてきました。
優香さんはなにかを察してバスを降りていきました。
1人になったバスの中で私は着替えることなく全身タイツを被ったまま、しばらく声を出して泣いていました。
そして落ち着いてから私服に着替え、バスの外へ。
川原では川に網を投げているあの男の人とスタッフさんがいるのが、遠くに見えていました。
end
最終更新:2014年11月25日 21:36