姉と弟。 第2話

673 姉と弟。5 sage 2010/05/02(日) 22:00:23 ID:RJcgIXC0

「ほら、タローちゃん!早く学校行くよ!」
「ちょっ、ちょっと待てって!お姉ちゃんっ」
――太郎、中学一年の春。この時、まだ太郎は舞の事を『お姉ちゃん』と呼んでいた。
「もー!また遅刻しちゃうでしょ!」
 ワタワタと慌てて教科書を鞄に詰め込んだ太郎の腕を引っ張って家の玄関まで来た舞は、
「これからは寝る前に次の日の準備をすることっ!」
 そう言って、軽く太郎の額にデコピンをした。
 今ではほとんど同じ高さになった姉の目を恨めしく見ながら太郎は、
「昨日はお姉ちゃんがお話がしたいって言って深夜まで俺を付き合わせたんだろ……」
「それとこれとは関係ないでしょ?」
 シレっとした顔で舞。
「あ、あるだろ!」
「寝る前に次の日の準備をしておくことと、それと、何の関係があるの?」
「そっちじゃなくて遅刻の話だよ!」
「そうそう、遅刻するから急がなきゃだね!」
 舞は、靴を履いた太郎の腕に自分の腕を絡ませると玄関の扉を開け、
「いってきまぁーす!」
 急ぎ足で学校へと向かった。

――それから数ヶ月後、季節が秋になる頃には太郎は舞よりも背が高くなっていた。
 その変化の中で太郎は、今まで『姉』として好きだった舞を『異性』として意識し始める。
 だが、これはあくまで太郎の認識である。
 舞は、それよりもずっと前、太郎が小学二年の時から自分を女として好いているのだと思っていたのだ。
 原因は小学二年の太郎が舞に言ったあるセリフにあった。
「お姉ちゃん、大人になったら結婚しようね」
 舞はすぐに泣き笑いの表情になり「もちろんだよ!」と返事をした。
 しかし、そのすぐ後、太郎は知る。
「僕、大人になったらお姉ちゃんと結婚するんだ」と語った太郎に担任の教師が、
「残念だけどね、姉弟では結婚出来ないんだよ?」
 そう教えたからだ。
 更にはクラスメイト達からも、
「お姉ちゃんと結婚なんて気持ち悪ぅ」
 不味いものでも食べたような顔で馬鹿にされた。
 学校が終わり、舞との下校中、泣きながら太郎は舞に姉弟では結婚出来ない、ごめんなさいと繰り返した。
 舞はその瞬間から『結婚』というものに悪感情をいだくようになった。
 何故、本当に好きあっている私たちが結婚出来ないのだろうか?
 姉弟であるという理由だけで。
 今まで結婚に憧れを感じていた舞だからこそ、裏切られた反動も大きかった。
 弟を泣かせた糞以下な制度が『結婚』、私たち姉弟を祝福しない最低な契約が『結婚』、
お互いを真の意味で信頼しあえない豚共が涎を垂らしながら喜んでするのが『結婚』。
 舞にとっての『結婚』は、脳をウジ虫に食い荒らされた犬畜生の作り出したイカレたモノだという事になった。
 こうして舞の心に大きな変化をもたらせた太郎の結婚発言は、当然太郎自身にも作用した。
 太郎はより強い結婚への憧れ、そして『姉』を『異性』として見てはならないという戒めを持ったのだ。
 そして幼い記憶の中で持ったことすら忘れていたその戒めが、中学生になった太郎を苦しめる。
 『姉を異性として意識してはならない』『姉とは結婚出来ない』『姉と結婚したいなんて言う奴は異常者だ』。
 そんな中で太郎は舞の呼び方をお姉ちゃんから姉貴へと変えた。
 これが太郎なりのけじめの付け方だった。


674 姉と弟。6 sage 2010/05/02(日) 22:01:41 ID:RJcgIXC0
――太郎が中学二年になり、その半分が過ぎた頃、太郎と舞の身長差は20cm以上にもなっていた。
 勉強もスポーツもそこそこ出来、顔も悪くない太郎は結構な数の女子から告白をされるようにもなった。
 ……ホモなんじゃないかと噂が流れるほど、太郎はその全ての告白を断ったわけだが。
 どんなに可愛い子の告白も、姉の顔がチラついてしまい到底受ける気にはなれなかったのだ。
 太郎にとって、姉以上に魅力的な女性は存在しなかった。
『このままではマズい』
 そう思った太郎は中学三年、姉とは違う高校に行こうと考える。
 これはすぐに舞の反対に合い流れてしまったが、その事に安堵している自分を感じ太郎はそれをひどく嫌悪した。


 湯に浸かり、ボーっとしていると色々な事を思い出す。
 それも、大抵は嫌な思い出ばかりだ。
 太郎は湯船の中の湯を両手ですくうとバシャリと顔にかけ、思考を切り替えようとする。
「入るよー」
 脳天気な声と共に浴室に侵入してくる舞。
 舞はペタンと風呂用の椅子に座ると、シャワーで身体を流し始める。
 ババッっと素早く顔を背けた太郎が、
「あ、ああ、姉貴っ!風呂には入ってくるなって言っただろ!」
 大声を出すと、
「えーーー?何てー?シャワーの音で聞こえなーい」
 狼狽える太郎に白々しく返す舞。
 律儀にシャワーの音が止むまで顔を背けながら待っていた太郎は、
「も、もう一緒には入らないって約束しただろ……」
 シャワーの音が無くなったせいか、より裸の姉が近くにいることを意識してしまい小声になりながらも言った。
 そんな舞がいる方向とは逆の壁を向いて縮こまる太郎の顔に手を伸ばし直に触れると舞は、
「今までは毎日一緒に入っていたじゃない」
 太郎を自分の方に向かせながら言う。
 やけに色っぽく。
「そっ、それはそうだけど……、今はもう、高校生だし……」
 少しだけ抵抗をした後、すぐにされるがままになった太郎は姉の顔だけを見るようにしながら言葉を返す。
「それを言うなら、中学生で一緒に入っていたのもおかしかったんじゃないの?」
 舞は太郎の濡れた頭を撫で、微笑みながら言った。
「中学の時に一緒に入りたいって言ったのも姉貴だろ……」
「でもタローちゃんは嫌がらなかったでしょ?」
「何度もやめろって言った……」
「タローちゃんが、本当のホントに嫌だったらお姉ちゃんも少しは考えるけどね」
 言いながら湯船の中に入り、太郎に身体を寄せる舞。『ザー』っと湯船から湯が溢れ出す。
「あったかいねぇ」
 太郎の開いた脚の間に収まり、男らしくなった胸板に頭を預けて深く息を吐く舞。
 太郎はそんな舞の無防備さ(わざとやっているのだが)に胸の鼓動が早くなり、その音が舞に聞かれていやしないかとヒヤヒヤする。
 舞は背こそ低くて胸も控えめだが、腰はしっかりとくびれているし、お尻もポテンとして非常に可愛らしい。
 何よりも全身がマシュマロのようにフワフワモチモチしているので、ただ触れているだけでも太郎はドキドキだ。
 それに姉弟まったく同じボディソープ、シャンプーとリンスを使っているはずなのに、姉からは頭がどうにかなりそうな程の甘い女の香りがしてくる。
 更に、舞がお尻を動かす度にその柔らかな桃肉が太郎の股間に擦れ、必死で意識を逸らしていないとすぐさま勃起してしまいそうになる。
 姉を異性として見ないように努力をしているつもりの太郎にしてみれば、この時間は大変につらいものだった。
 ……あとでこっそりと姉の裸体、匂い、柔らかさを思い出しながらオナニーをしているのだからまったく無駄な足掻きではあるのだけれど。
「ねぇ、タローちゃん」
 舞は呟くとまたお尻の位置を少しずらす、それが上手いこと太郎のアレの先を刺激した。
「あっ……」
 大きくなった太郎の先端が腰に当たり、思わず声も漏らす舞。


675 姉と弟。7 sage 2010/05/02(日) 22:03:25 ID:RJcgIXC0
 何かを言おうとして黙り込んでしまった舞の頬がどんどんと紅くなっていく。
 舞は太郎の精液の付いたティッシュを嗅いだり、全裸で風呂に侵入したりは出来るが、こういう事にはまだまだウブだった。
 生まれて今まで太郎一筋、男性アイドルやイケメン俳優をも素通りして過ごしてきたのだから当然といえば当然である。
 普段の気の強さもなりを潜めてただただ俯き紅くなる。だが決して太郎の男性な部分から離れようとはしない。
 そんな舞に、太郎は、
 ふおおおおおお!かかかかか可愛いよォ!可愛すぎるだろ俺の姉貴!ふぉう!
 ああ、あああ真っ赤っかだよぉ……、俺のおちんぽで姉貴のプニプニほっぺが真っ赤っかになっちゃってるよぉ……
 あッんッ!おっお尻動かしちゃらめぇ!んふァ!らっらめぇッ!いあっ!いあっ!
 おっ俺たち姉弟なんだからねっ!あっ、おっ……おっお尻ぃいいいいいいいいいい!気持ちいい!気持ちいいです!はい!
 で……でもでもでもっ!姉弟でこんな事いけないんらからぁ……ハァンッ!波打っちゃう!そんなに腰を動かすと俺のおちんぽ波打っちゃうから!
 くそぅ……、い~い匂いらなぁ……、姉貴の匂いに溺れて俺ちゃん酔っちゃんちゃん……
 うわああああ、姉貴の柔らかフニプニボディたまらないのだ!もうこうなったら姉貴の水分を含んでペッタリとした髪の中で窒息死するしかない!
 おもいっくそスーハースーハー嗅いで嗅いで嗅いで嗅ぎつくしての窒息死は名誉の戦死です!
 ぐぬおおお、姉弟でなければ!姉弟でさえなければ今すぐ抱きしめて顔全体を舐め回して俺エキスと姉貴エキスをごっつんこでファンタジーは常にそこにある現実なのに……
 ふわっ!エエッ!?今、この娘、肩の部分で俺の乳首にダイレクトアタックかましてきましてよ!?ナニッ!?そんなやり方も出来たのっ!?
 追加注文!追加注文お願いしますとか思ってたらおちんちんにも刺激がきたああああああああああ!
「ね、ねぇ、タローちゃん……」
「ん?どうした姉貴」
 頬を紅く染め小さく声を出した舞に、同じく頬を染め小声で尋ねる太郎。
「そろそろ、あがろっか……」
 ポツリと舞。
「そ、だな」
 頷くと太郎はタオルで股間を隠しながら別のタオルで身体を拭き、パジャマに着替えると浴室をあとにした。
 その後、自分の部屋に戻った太郎が姉をオカズに全力でオナニーをしたことはあえて言うまでもない。


 次の日の朝。
 太郎が目覚めると、何故かベッドの中には舞がいた。
「あれ……?なんで……?お姉、ちゃん……?」
 寝ぼけ眼で状況を確認する太郎。と、
「へ?俺、パンツ履いてない?」
 自分のお尻を触りながらベッドに散乱する丸まったティッシュを眺めること数十秒。
「うわああああ!」
 そ、そうだ!昨日はオナニーしてそのまま寝ちゃったんだ!
 て、ていうか姉貴に絶対オナティッシュ見られたよな、うわ、恥ずい!
 慌てて精液の付着したティッシュ数枚をゴミ箱に捨てる太郎。
 そしていまだ太郎のベッドで眠り続ける舞に目を向けた。
「おーい、姉貴ー、朝だぞー」
 小さく声をかけるが起きる気配はない。
 あどけのない寝顔だ。それにとても幸せそうな……。
 無意識に太郎は、そんな少女の寝顔を見せる舞の頬に唇を触れさせる。
 『ハッ』と我に返り、舞から顔を離した時にはもう遅かった。
「ふひひ……、タローちゃんからチューされちゃったぁー」
 ベッドに横になりながら顔だけを太郎に向ける舞。物凄いにやけ面だ。
「あ、姉貴……、起きて……」
 驚きたいのか泣きたいのかわからないような情けない顔で後ずさる太郎。
「高校生になってからタローちゃん、なぁーんか冷たいから心配してたけど……」
 「良かった」嬉しそうに呟くと、太郎にキスされた頬を大切そうに手の平で覆う舞。
 幸せそうな姉を見て太郎は、
 ま……、まぁいいか。でっ、でも姉弟でキスなんて本当はダメなんだからねっ!今日はサービスなんだからっ!そもそも俺の部屋に勝手に入ってベッドにまで無断で侵入するだなんて――
 などとゴチャゴチャしたことを考えながらも、隠しきれない笑みを浮かべていた。

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最終更新:2010年05月09日 22:23
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