150 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20:04:55 ID:0UoVsVWa
普通の兄妹のあり方
おかしい
最近の妹の様子がおかしい
面白いじゃなくて、変なほうのおかしい。
兎に角おかしいんだ。
何がおかしいかといえば…何ちゅーの?
距離感?みたいな?
例えばさ、やたらとくっついてきやがる。
高校生(今度短大生)にもなってさ。
普通、兄貴なんてキモくて離れるだろ?
何かさここんとこやたらと俺の部屋に居るんだよな、コイツ。
漫画、参考書、CD…自分で調達すれば良い物を、わざわざ借りに来る。
しかも気づけば俺のベッドで横になって漫画読んでたり、CD聴いてやがる。
自分の部屋でやれば良いのによ。
前はそんな事無かったし、彼氏も居るし何なんだ?
大体俺の部屋に来ても面白いことなんか何にも無いのに。
こないだなんかマスかいてるとこ見られたしよ、ついてないぜ。
部屋に鍵付けてーよ。
…で、付けたら早速アイツに見つかり親にチクられた。
何なんだよいいじゃんか、鍵ぐらいさ。
んで外された。
アイツに強引なところがあるのをその時はじめて知った。
他にも俺の部屋にはテレビがあるが、俺が見てたらいつの間にか妹も隣に座って見てるし。
放っておいたら俺の体半分にぴったり寄り添ってるし。
これも放っておいたら今度は俺の体を触り始めた。
俺の考えすぎなのかもしれないが、俺に触れてくるコイツの手付が何かヤラシイんだ。
大体、太腿に触れてくる意味が判らねぇ…。
やべぇ、起っちまうじゃねーかよ。
できれば止めてもらいたい。
「おい、止めろ。」
「離れろ。」
「出てけ。」
どれだけ言おうが出て行く気配、止める気配が無くて。
で、俺の太腿の付け根付近に手が伸びてきた時、俺は危機感と怒りを感じて妹に手を挙げてしまったんだ。
「おまっ、おい、離れろ!」
ガッ
やってしまった。
だが、どれだけ言っても離れないコイツが悪いんだ。
それに、コイツには彼氏が居る。
そいつを触ればいいんだ。
俺がそう思っていると妹は俯いたまま立ち上がり、そのまま俺の部屋を出て行った。
151 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20:05:33 ID:0UoVsVWa
「あれ?俺の飯は?」
その日の夕食時、いつものように食卓へ行くと、俺の茶碗及びおかずが用意されていなかった。
これは何かの罠か?
俺は自分が置かれた立場が理解できなかった。
親父、お袋並びに妹は定席で箸を進めている。
呆然としているとお袋がまま口を開いた。
「ああ、あんたにご飯無いから。
妹と喧嘩して叩いたんだって?」
お袋はそれだけ言うと俺を睨み、食べ終えたのか自分の茶碗を片付けるために席を立った。
俺はその様子を呆然と眺めた。
俺と親は仲が悪い。
妹と親の仲は非常に良好で、よく一緒に買い物へ行ったりしている。
信頼度も妹の方が高い。
というより、親は俺の言うことなんぞ聞かないし、信じない。
俺が高校出て就職して一年ちょっとで辞めてから酷くなった。
「妹と仲良くしたらどうなんだ。」
後ろから親父の声がした。
なんだよ、何なんだよこの仕打ち。
確かにアイツを打っちまったよ?
俺が悪い。
だからって、夕飯抜きかよ…俺のこと何だと思ってんだ。
俺は仕事を辞めたフリーターだが、それでもバイトして月に数万はこの家に入れてる。
…一体親にどうチクッてんだ。
アイツの目的が何なのか全くわかんねぇ。
俺は涼しい顔してご飯を口に運ぶアイツを忌々しげに見た。
「…」
(考えても無駄だ)
俺は夕食を諦め、踵を返し、自室へ戻ることにした。
唯、言えるのはアイツのお陰で、もともと悪かった親との仲がさらに悪化した気がする。
特にお袋の俺を見る目は憎悪のそれだった。
何か、この家で俺の居場所は無いような気さえする。
そいで不貞寝を決め込んで自分のベッドにダイブしたが、空腹感はどうにも抑えられなかった。
「ハラ、減った…。」
寝返りを打ちながら眠ろうとするのだが、眠ろうと思えば思うほど眠れない。
クッソ、むしゃくしゃするぜ。
こんな時は自分を慰める。
我ながら馬鹿な方法だと思っている。
俺はベッド横にある棚からオカズ用の雑誌を乱暴に取り出した。
雑誌を捲りながらふと、俺は先日起こった事を思い出した。
先日、アイツにマス見られてせめてもと思ってオナホ買ったんだ。通販で。
ぱっと見、ソレ用には見えない例の人気商品。
デザインが良いから、見つからないだろうと高を括ってた。
それがある日無くなってたんだ。
まだ二回しか使ってねーのに…。
でまたある日たまたまアイツの部屋へ用があって入った時見つけてしまったんだ。
かつて俺が使っていたオナホらしき破片の一部を。
色と材質で判断した。
自室の引き出しにしまって置いたソレが、妹の部屋のゴミ箱で見つかるなんて。
それも細切れ状態で。
アイツに聞いたら白を切りやがった。
俺も終いには私物を勝手に持ってくな、としか言えなかった。
152 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20:06:01 ID:0UoVsVWa
ある日の晩、風呂から上がってリビングに行くと、妹がソファで転寝していた。
(自分の部屋で寝ればいいものを…)
そう思いつつ俺は妹に近づいて、その寝顔を覗いてみた。
白い肌に、整った顔のパーツ。少し開いた唇がやけに艶っぽく思わずごくりと息を飲んでしまった。
寝ている妹があまりにも無防備で綺麗で――
おっと、いかんいかん、いくら美人系でも妹だ。
俺は邪念を払い、妹を起こすことにした。
「おーい、起きろよ、風邪引くぞー。
明日学校だろー?」
妹は生返事のような感じで呻るばかりで一向に起きる気配が無い。
「…しょうがねーな。」
俺は、妹の膝裏と肩と背中の間に腕を通して抱え上げ、そのまま妹の部屋へ向かった。
抱え上げたとき俺の首に妹が両腕を回すあたり起きてんじゃねーかと思ったが、あえて無視した。
両腕が塞がっていたから部屋のドアを開けるのに苦労したが、何とか妹をベットに寝かせ、布団を掛けた。
「ったく。
…ま、俺がしてやれることはこれ位しか無ーしな。」
目を閉じている妹の顔を見て、同じ親から生まれた兄妹なのにどうしてこうも、顔のつくりが違うんだろうと思った。
妹の額に手で触れようとして、はたと思いとどまった。
(もてるんだろうな、きっと)
今はまだ高校生だがいつかは結婚して、子どもを産んで…幸せになるんだろうな。
そう思った途端、一抹の寂しさが胸を過ったが、俺は気づかないことにした。
「…オヤスミ。」
俺も寝よ、そう思いながら妹の傍から離れるために立ち上がった。
がその瞬間、来ていた服の裾を捉まれ思わず前方へつんのめった。
(ったく、マジかよ…。コイツ起きてんじゃねーか…。)
「おい、離せよ。
起きてんだろ?なあ。」
俺は妹の行動に若干呆れつつ思わず妹へと顔を向けた時、俺はぎょっとした。
瞬きもせずじっと俺を見つめている妹がそこにいたからだ。
「…。」
妹は俺から視線を逸らそうとしない。
(一体、妹は何がしたいんだ?)
俺は若干気まずい思いを抱えながらこの状況からの脱出方法を考えつつも、ふと連日の仕打ちを思い出しそのことを口にした。
「俺に何か恨みでもあるのかよ。」
それから俺は一つため息をついて掴まれた手を離そうとした。
離そうと伸ばした手は逆に妹に捕まれ、ますます逃げ場を失ってしまった。
「…ここに、居て?」
目を潤ませた妹は何かを訴えかけるようにしていた。
「はぁ?何でだよ。」
俺の手を掴む力が一段と強くなった。
「眠れないから。」
艶めく唇に心臓の音が高鳴った。
「お前、さっきまでがーがー鼾かいて寝てたじゃねーかよ。」
暗闇に怪しげに光る瞳が俺を捉えて離さない。
そんな、目で俺を見つめるな。
「ねぇ…。」
妹だぞ?ちくしょ、治まれ動悸、疼くな下半身!
「は、早く寝ろよ!」
とは言っても手を離す気配は全くなくて…
「居て?」
キュっとまた手に力が篭った。
「~~―…」
結局妹が眠るまで居たわけだが、気づけば俺も寝てしまっていてその隣に妹が寄り添うように寝ていたのにはびっくりしたがな。
(何のためにベッドがあるんだかわかんねーな)
自分の寝巻きがやけに乱れてたのが気にかかった。
(俺、そんな寝相悪くないんだけどなぁ)
まあ、気のせいだろう。
改めて妹をベッドに移し布団を整えてやってから俺は自室へと戻った。
153 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20:06:24 ID:0UoVsVWa
その数日後、いつものように俺はバイトを終えて、家に帰ってきたら、キッチンで妹がなにやら作業をしていた。
甘ったるい匂い…そう、これはチョコだ。
そんな妹を横目に俺は冷蔵庫からお茶を出しコップに注いでいると、妹に声を掛けられた。
「お帰り。
ねぇ、兄ちゃん。」
「あ?」
俺は顔だけを妹に向けた。
「ねぇ、兄ちゃん、今日バレンタインでしょ?
で、作ってみたんだけどちょっと味見してくれない?」
妹の手元の皿の上には一口サイズのチョコがあった。
そして妹の顔を見れば笑顔が。
バレンタイン…もう、そんな日が来ていたのか…。
はっ、どうせ俺はモテネーよ。
身内のよしみダローが、妹からしかもらったことねーよ。
「うまく出来ているか知りたいの。」
俺は毒見係か…。
「あー…良いよ。」
何が悲しくて…
俺は一つため息をして俺は妹の傍まで行った。
「あ、そうだ、食べさせてあげる。…目、閉じて、ね?」
味も何もただのチョコだろ?
つーか何か今年は注文が多いな。大体目を閉じる意味あんのか。
ま、いいか。
俺は何の疑いもなく目を閉じ、それからチョコが入るくらいに口を開けた。
だが、俺はここで気づくべきだった。
最近の妹の言動から簡単にチョコを食べさせてくれるはずもない事を。
「ん?」
唇に柔らかくて暖かい感触の違和感を感じた時には既に遅かった。
思わず目を開けると目を閉じた妹の顔のアップがそこにあってビビった。
???!!!
騙された、妹にキスされた。
続いて開けていた口の中が急にチョコの甘い風味が広がり、さらに俺は混乱した。
「ん?!(え?!)」
俺は慌てて妹を引き離そうとしたが、できなかった。
離そうにも妹は俺の首をガシっと絶対に外れないようにして抱きついていたからだ。
俺の口にチョコが入っても妹が離れる気配はなかった。
逆にチョコと一緒に入ってきた妹の舌が俺の舌を蹂躙した。
ちゅ…ぴちゅ…ちゅぽ
どこか卑猥な音が鼓膜に響いた。
首に回された腕と手
キスをする上気した頬
時折うっすらと開かれる瞼
頬に押し付けらている鼻柱
胸板に感じる肉感的で柔らかな胸と強く速打ちする鼓動…
クッソ、理性が…
だが、そもそも何でこんな目に遭っているのだろうか…。
首に回されていたはずの妹の両手が俺の頬を挟むように捕らえた時、コイツは何を考えているのだろうかと思った。
同じころ固体だったチョコが段々と溶けてきて、それが俺と妹の唾液でかさを増していた。
このままだと口から溢れると思っていると、ゴクンと音がした。
妹がかさの増えたチョコを飲み込んだようだった。
飲み込んでも飲み込んでもかさを増すチョコに耐え切れなくなり俺も溶けたチョコを飲み込んでいた。
何度も
何度も
154 普通の兄妹のあり方 sage 2011/01/17(月) 20:06:58 ID:0UoVsVWa
妹はチョコと俺の舌を転がしながら自分の唾液も送り込んでいるようで…。
ねっとりいや違うな…何つーかネッチョリ?という言葉がぴったりのキスだった。
結局、口の中のチョコが溶けきってチョコの風味が全く無くなるまでキスは続いた。
俺も途中から妹を引き離すことを諦めてた。つーか理性がヤバかった…マジで。
その一方で一連の行為を客観的に見ていた自分もいたわけで…
ある意味、その客観性がなかったら本当にヤバかった。
「っ」
最後に妹は上下の歯で俺の舌を軽くかんで離れた。はずが、糸引いてた…。
「…おいしかった?」
妹の目は見れませんでした。
「ねぇ…もう、ひとつ、どう?」
ドクン
やけに艶っぽい声色で尋ねてくる妹が怖かった
ドクン、ドクン
顔が熱い。
動悸が凄まじい。
クッソ、どう答えりゃ良い?
「…~~~」
結局俺は何も言えず、お茶を注いだコップをそのままにして逃げるようにキッチンを出た。
はぁぁぁぁぁぁー…
自室に戻り落ち着きを取り戻しかけた所で盛大にため息を吐いた。
つーか、俺のファーストキスは妹かい、マジ死にてー。
さっきのことは夢だと思い込もうとしたが、口の中に残るチョコの香りが現実であることを実感させた。
はぁぁぁぁぁー。
もう、ため息しか出なかった。
マジでアイツ、最近どうしちまったんだろう。
一応俺も兄貴だから少し気がかりだった。
一緒に居てとか、そのキスとか。
…そういや思い返せば、マス見られてからだよな、酷くなったのは。
「酷くなった」って言い方悪いけど。
それまでは特にあんなにべったりしてくることは無かった。
アイツ確かに綺麗だし可愛いよ。
身内の贔屓目かも知れねーけど。
そりゃ昔は本当に俺の妹なのかと疑問に思った時もあったけどさ?
でも「妹」だぜ?
…
考えても仕方が無い、アイツの問題だし。
ま、高校卒業すればいずれ離れてくだろう。
今は長い目で見とくか。
俺はそう願いながらベットにダイブした。
最終更新:2011年01月24日 22:47