789 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:39:52.70 ID:jCOOsF7X (2/14)
「陽くん、ごはんだぞー」
一階から間の抜けた声が響いてくる。
僕はベッドからゆっくり起き上がって、下へと向かった。
リビングには、縁姉さんがいて、料理をテーブルに並べているところだった。
音で気づいたのか、姉さんは一旦並べる手を止め、僕を見て微笑んだ。
長い黒髪を一本にまとめており、露出したうなじは艶めかしい。
縁姉さんは十八歳であり、凛とした顔立ちにはほのかに大人の魅力を感じる。
「今日のご飯は?」
「ハンバーグ、陽くんの大好きなものだよ」
優しげに笑い、姉さんは僕を座らせた。
席に着きながらしばらく待っていると、
ホワイトシチュー、ハンバーグ、ご飯、と料理が並べられていき、
最後に麦茶が用意されて、姉さんが椅子に座った。
「じゃあ、食べましょうか」
僕らは手を合わせ、「いただきます」と同時に言った。
790 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:41:54.17 ID:jCOOsF7X (3/14)
まずハンバーグに手をつける。
箸で肉を分けると、中から肉汁が溢れてきた。
かかっているデミグラスソースと混ぜ、口に入れる。
「あっつ!」
食い意地をはってすぐに食べたのがいけなかった。
予想していた以上に肉が熱く、舌がひりひりとする。
「大丈夫!? 陽くん」
その様を見るや否や、姉さんが慌てて自分のコップをもって僕の方に手を伸ばしてきた。
「ほら、陽くん。水のんで」
麦茶の入ったコップを半ば強引に僕の口につけ、飲ませる。
口の中が冷やされ、痛みが和らいだ。
「単に舌をやけどしただけなのに……姉さんは大袈裟だな」
僕がからかい混じりに笑うも、姉さんは心配そうに見つめてくる。
「だって陽くんまでいなくなっちゃったらって考えると、私……」
姉さんはそれきり黙り、俯いた。
バツが悪くなった僕は、唐突に話題を変えた。
791 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:44:00.65 ID:jCOOsF7X (4/14)
「そういえばさ、姉さんは彼氏とかいないの?」
今まで考えたこともなかったが、ひいき目に見ても美人であり、男がよってこない気はしなかった。
「いないわよ。だって、興味ないもの」
「告白されたことは?」
「七、八回くらいだったかな。でも全部振ったわ。そんなことより、陽くんはどうなの?」
姉さんが身を乗り出して、僕に尋ねてくる。
告白されたことをそんなことで一蹴するとは、さすが姉さんだった。
「今日、ラブレター貰った」
「……嘘」
姉さんは口をぱくぱくして呆然とした表情を浮かべた。
「そんなに意外かな?」
「う、ううん。陽くんは優しい子だから、もてるのは当然よね。でも……付き合うの?」
姉さんが不安そうに訊いてくる。
その言葉を聞いて、僕は少し頭を悩ませた。
「知らない子だから。会ってみて決めようかと」
「なら駄目よ、付き合っちゃ」
意思の強い目で僕を見据え、姉さんがきっぱりと言った。
792 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:46:01.92 ID:jCOOsF7X (5/14)
「どうして?」
「だって一目ぼれってやつでしょ。ふざけてるわ、陽くんと友達になって好きになったならともかく」
ぎりっと歯ぎしりの音が鳴った。姉さんは本気で怒っているように見えた。
「じゃあ、姉さんは僕がどういう子と付き合って欲しいの?」
「そうねえ……優しくて、料理ができて、綺麗で、文武両道で、面倒見の良い子なら、許せるかもしれないわね」
「それ、高望しすぎだよ。僕の知ってる限りだと姉さんくらいしか思いつかないんだけど」
溜息を吐く僕を見て、姉さんは何故か頬をりんごのように真っ赤に染めた。
「も、もう。陽くんったら。……本気にしちゃうぞ?」
「いや、素の気持ちだし。いつもありがと、自慢のお姉ちゃんだよ」
褒め言葉を聞くと、姉さんの顔全体が赤くなり、頭から湯気が出てきた。
「ちょ、ちょっと台所に行ってくるね」
それから姉さんはあたふたとして、この場を逃げるように去っていった。
弟に褒められるのが照れくさかったのだろう。
いつもの落ち着いた姉さんからは見られない仕草で、可愛らしかった。
数分待つと、姉さんは戻ってきた。手には何故か杏仁豆腐を乗せた皿があった。
「はい、デザート忘れてたから。これも陽くん好きでしょ」
先程までの照れはなくなっており、姉さんはすごくいい笑顔をしていた。
台所で、リフレッシュしてきたのだろう。
793+1 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:48:03.61 ID:jCOOsF7X (6/14)
「うん。ありがと、姉さん」
姉さんから皿を受け取り、杏仁豆腐を食べ始める。
まだ舌のひりひりも残っていたので、丁度よかった。
「ちょっとざらざらしてる気もするけど、すごく美味しいよ」
上に砂糖でもまぶしてあるのか、いつものとは少し食感が違った。
「ふふ、良かったわ。残さず食べてね」
姉さんは頬杖をつきながら、幸せそうに僕を見ている。
「食べないの?」と僕が訊くと、しばらくこうさせてて、と言って微笑した。
杏仁豆腐も食べ終わり、シチューに箸を進めようとすると、急に眠気が襲ってきた。
頭がくらくらとして、目を瞑れば寝てしまいそうである。
「陽くん、眠いの?」
姉さんの問いに、僕は言葉を出すのも億劫だったので頷いて肯定した。
「じゃあ、お布団しいてくるから。そこで待っててね」
透き通るような声で鼻歌を歌いながら、姉さんは嬉しそうに二階へ上がっていく。
僕は疑問を抱くも、考える気力もでず、僕は目を瞑ってしまった。
まどろみ、意識は失せていった。
794 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:50:20.89 ID:jCOOsF7X (7/14)
「陽くん、起きて」
ゆさゆさと揺らされる感覚がした。
目を開けて、横を見てみると、姉さんが添い寝をしてくれていた。
「ん、なんで?」
風呂上りなのかシルクのパジャマ姿で、髪からはシャンプーの良い香りがしている。
姉さんは僕の右腕を全体で抱えるようにしており、柔らかい胸の感触を右腕に感じる。
「ここまで運んでくるの、重かったんだからね」
「ああ、寝ちゃってたのか。ごめん、姉さん」
「いいのよ。それより陽くん、こっち向いて」
目覚めたばかりで身体は重かったが、頑張って顔を右の方に向けた。
すると、それと同時に柔らかい感触が唇に伝わってきた。
「……え?」
「ふふ、キスしちゃった」
姉さんは頬を仄かに赤らめながら、微笑んだ。
どうして、と僕が呆気にとられた表情をしていると、
それに答えるように姉さんが口を開いた。
「陽くんがいけないんだからね」
「ぼ、ぼくが?」
「だって、私のこと、とっても褒めてくれたじゃない」
795 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:52:22.91 ID:jCOOsF7X (8/14)
両頬に手をあてて、姉さんはうっとりとした様子で僕を見つめた。
確かに僕は、姉さんのことを褒めたし、好きだ。
……けれど。
「僕たちは姉弟だよ。こういうのは、駄目だと思う」
語尾を強めて言い、姉さんを諭すように軽く睨んだ。
姉さんはそれを受けて、ひどく悲しそうに笑った。
「うん、私もそう思うよ」
「だったら……」
「でもね、陽くんが他の娘に奪われるのを想像すると、すごく嫌な気分になるの。
それで陽くんが悪い女の子に誑かされてウチを出ていっちゃうなんて想像したら……」
姉さんは身体を震わせながら、僕を抱きしめてきた。
「今日までは耐えるつもりだったわ。
うん、陽くんの口から私が一番だって聞くまでは。
ふふ、こんなの言い訳ね。私は陽くんが好きで耐えられなかった……それだけよ」
そう言うと、姉さんはまた唇を押し付けてきた。
柔らかくて、溺れてしまいそうなほど心地よかった。
髪からの女性特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。
このままでは不味い、僕はそう危機感を感じた。
796 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:54:26.39 ID:jCOOsF7X (9/14)
「ごめん、姉さん」
「きゃっ!」
誘惑を堪えて僕は姉さんを押しのけ、布団から立ち上がり、扉へ向かおうとした。
が、足についた何かに邪魔されて転び、無様に床に伏す羽目となった。
足に視線を向ける。両足に手錠がかかっているのが分かった。
「陽くん、大丈夫!? 痛くない?」
突き飛ばしたにも関わらず、姉さんはこけた僕の心配をしてくれた。
色々と気まずいとは思ったが、現状を把握するために僕は尋ねてみる。
「う、うん。大丈夫だけどコレは?」
「陽くんが逃げないようにするためにつけたの……ごめんね、痛かったでしょ」
潤んだ目で僕を見つめ、しょんぼりとした感じで謝ってきた。
「いや、そんなに痛くはなかったけど」
「良かったあ。でも、逃げようとしちゃ駄目だぞっ。私、悲しかったんだからね」
伏している僕に近づいてきて、姉さんは後ろから身体を重ねてきた。
胸があたり、人肌で背中が温かくなった。
吐息は首にかかり、動悸が激しくなり、おかしくなりそうだ。
797 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:56:28.63 ID:jCOOsF7X (10/14)
「もう逃がさないんだから」
耳元で姉さんが囁いた。
「……うぅ」
姉さんは僕を布団の上に誘導すると、自分の服を脱ぎ始めた。
白い陶磁のような肌に、ほどよく膨らんだ乳房。
スラッとした体型で、見とれるほど綺麗だった。
「きれい、だ」
「ふふ、陽くんが喜んでくれて嬉しいぞ。それじゃあ陽くんも脱ぎましょうね」
そう言うと、姉さんは僕の服を取り払った後、下着を足のところまで降ろした。
「おっきくなってるね。私で興奮してくれているんだ」
「ね、姉さん。まだ間に合うよ、やめよう」
「だぁめ。それに、陽くんだってそのままじゃ苦しいでしょ」
姉さんは屹立した僕の性器を優しく握り、上下に擦りだした。
「……うぐ」
「熱くて硬いわよ、陽くん」
先程よりさらに股間の一物はそそり立ち、我慢汁が少し出た。
が、ちょうどあと少しでいきそうになったところで、姉さんの手が止まった。
798 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 16:58:31.39 ID:jCOOsF7X (11/14)
「これでもう大丈夫、かな」
「な、なにが?」
姉さんは問いには答えず、馬乗りになる一歩手前の状況で僕を見下した。
膣が僕の性器にあてられており、あと数センチで姉さんと繋がってしまうだろう。
駄目だ、そう叫ぼうとしたが遅かった。
「っ!」
姉さんが小さく呟いた。
結合部からは赤い雫が垂れている。
処女だったのだろう、得体の知れない罪悪感が僕を襲った。
「……痛かったら無理しないでね」
「こんなときでも、陽くんは優しいんだね」
儚げに姉さんは笑うも、動きを止めることはなかった。
姉さんの膣は締め付けが強く、すぐにでもいってしまいそうなほど気持ちいい。
おぼつかない動きでゆっくりと上下されるのがまた快感だった。
姉さんはとろんとした目で僕を見つめていた。
「んっ! 陽くん。好きだよ、好き」
「…………僕もだよ」
一線を越えてしまったせいもあってか、僕も覚悟を決めた。
もとより、姉さんのことが好きだったから。
799 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 17:00:33.52 ID:jCOOsF7X (12/14)
姉さんの頬に手を伸ばし、撫でる。
どこか悲しそうな表情をした姉さんを見てられなかったのだ。
「本当に?」
「うん」
「ふふ、よかった」
泣いているような笑っているような顔をして、姉さんも僕の頬を撫でた。
「姉さん、ごめん。そろそろいっちゃう」
「んっ。私もよ。一緒にいこっ」
穏やかに姉さんは言ったが、僕は困った。
「でも、ゴムもつけてないし、そろそろどいた方が」
「大丈夫、ピル飲んでるから。思いっきり陽くんのを出して」
その言葉を聞いて、僕はもう耐えるのをやめた。
姉さんを気持ちよくできるよう、僕自身も優しく腰を動かす。
「あっ。陽くん、陽くん」
「姉さん!」
最後に腰を突き上げて、僕は果てた。
姉さんの身体も、二三度痙攣していて、顔はふやけている。
膣からは白濁液がこぼれており、それがまた官能的だった。
800+1 :姉さん [sage] :2012/05/01(火) 17:02:35.47 ID:jCOOsF7X (13/14)
僕は自分の顔が真っ赤になるのを感じた。
「あ、姉さん。僕は……」
僕が言葉を紡ごうとすると、姉さんが唇を押し付け、それを黙らせた。
その後、ゆっくり唇を離して、僕を見つめながら姉さんは口を開いた。
「好きだよ、陽くん。これからもずっと一緒なんだから」
…………
……
…
次の日から、僕と姉さんは彼氏彼女の関係になった。
姉弟という禁断の関係ではあるが、後悔はしていない。
たった二人の家族なのだから、寄り添ってこれからもずっと一緒にいよう。
最終更新:2012年05月06日 13:23