鬼子母神9

359 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:35:05 ID:4565a5eb6 [sage]

「ん、んむ、ちゅ」
「んん?!んぐ」

クチュクチュ―――レロ―――

「ぷはっ、ちょ?!こんなところで…」
「煩いよ、兄さん。こういうところだから燃えるんじゃない―――ここをこんなにしておいて説得力無いよ」

12月に入り、雪が舞うようになってきた季節。
底冷えするような人気のない階段の踊り場で、コン太はキオナに襲われていた。

コン太は文化祭以降、こうしてキオナから度々身体を重ねる行為を強要されていた。

ジー、ゴソゴソ―――

「?!!」
「ほら、固くなってる」
「うぅっ…」

ズボンから竿を取り出し、しごくキオナ。
外気に触れ、身震いするコン太。

「もうヌルヌルじゃない、ホント変態だね」
「や、止めてくれ…おおく「キオナって呼んでって言ったでしょ?」
「キ、キオナ…もう…」
「しょうがないわね…」

キオナをショーツを片方脱ぎ、そのまま―――

ニュプ―――

「ふふふ、今日の初をイタダキマス」
「うぐ?!」

グチュグチュグチュ―――

騎乗位で跨り、腰を上下させるキオナ。
こうしてコン太を征服することにより、キオナは快感を覚えていた。

360 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:37:03 ID:4565a5eb6 [sage]

「うあ…あぁ…もう…」
「今日は我慢してもらわなきゃ、私、危ない日だし。でも兄さんが望むなら…いいよ」
「そんな…頼む、抜いてくれ…」
「じゃあ我慢することね、でも何時までもつかな?」

ズプズプズプズプ―――

ビク!ビュー!ビュルルルー!!

「んはぁ、温かい…」
「うぅぅ……」

恍惚な表情をするキオナ。
対照的に無力感によりコン太は涙を流していた。

―――キオナは避妊などしたことがなかった。
意図的に、コン太の子供を身籠ろうとする様子が窺えた。
それに対してコン太は恐怖を感じていた。

もし子供が出来たら―――

間違いなく破滅である。
家を追い出されて、高校中退で働かざるをえなくなる…。

「……キオナ、君は一体…」
「…いずれ時が来れば全て話すわ。心配しないで、兄さん」

そう言いながら、自身のお腹を撫でるキオナ。

コン太はキオナの秘密を何一つ知らなかった。
どういうつながりで妹なのか、彼女が何を抱えているのか…。

361 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:38:17 ID:4565a5eb6 [sage]

「コン君、今度の土曜日って空いてる?」
「…ゴメン、土曜日は家の用事があって…」
「そう…、ならしょうがないね……また今度ね」

文化祭以降、ユキとの関係も冷ややかになっていた。
キオナが釘をさしたのである。

『早狩さんといい感じだったみたいだけど、これ以上は許さないよ。向こうが何を言ってきても無視してよね』

流石に無視は出来なかったが、例の動画を握られてるので、色々と都合を付けて誘いを断ることが多かった。
これにはコン太も心が痛んだ。



あれだけ気楽だった日常生活が一変して、コン太は精神的に参っていた。
何とか今の状況から脱す方法が無いか、ずっと考えていた。

例の動画さえなんとかなれば…。
しかし何処に保管してあるのか?
コピーされていたら?
それら全てを消去出来るのか?

そもそも、キオナの狙いが分からなかった。
彼女は自分と子供を作るつもりなのだろうか?
何故?兄妹なのに…。
いや、本当に兄妹なんだろうか?
証拠は?

考えている内に、心当たりが一つ浮かんだ。
行方不明の母親。
顔も知らないが、もしかしたら父さんとの間の子供、自分たちは三つ子で生まれてきた―――。
仮説だが一番説得力のあるものだった。
だが、次の謎が生まれた。
何故、自分たちは引き離されたのか?
キオナはその秘密を知っているのだろうか…。

362 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:39:48 ID:4565a5eb6 [sage]

夜になり、雪が散らつき始めた。
この辺りは豪雪地帯らしく、年末には吹雪が降り積もり、歩くのも困難になると聞かされた。
だが、コン太は雪そのものには抵抗感はなかった。
むしろ懐かしい感じさえした…。

コンコン―――

「コン、ちょっと話があるけどいい?」
「うん、いいよー」

ガチャ―――

風呂上りのアサネが入って来た。
厚手の寝巻に身を包んで濡れた髪をタオルで拭っていた。

「アサ姉、風邪引くよ?」
「大丈夫よ、一度も引いたことないし」

なんとやらは風邪を引かない…、と言うがコン太自身も一度も引いたことがなかった。
今までそれをただ身体が強いくらいにしか考えてなかった。

「で、話って?」
「―――うん、その、間違ってたらごめん。でもどうしても気になって…」
「うん?」
「―――キオナと…その、ヤッてるって…セックスしてるって…噂を聞いたんだけど…」

――――!!!

ついに恐れていた事態に直面した。
アサネに関係がバレた!!
コン太の頭の中は嵐のようにめまぐるしく吹き荒れ、混乱し、言葉を紡ぐことも難しくなっていた。

363 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:41:35 ID:4565a5eb6 [sage]

「え?!あっ…ヤッてるって…その…」

一目でわかる狼狽えよう―――

アサネは目から一筋の涙をこぼした。
嘘だと…信じたかった。
欲求不満の男子達のくだらない噂話。
自分の大事なコン太がそんなことをするわけがない。
だって私達は、二人で一つなんだから。

「ねぇ…嘘だよね?…そう言って…お願い、お願いよ…」

堤防が決壊した。
目からは次々と涙が溢れた。
目の前の…自身の半身は未だに狼狽えたまま………。

「何か、言ってよ…何で…何で何も言わないの!?」

濡れた髪が額に張り付き、顔を覆った。
それでも構わず、コン太の元に近づこうとする。

ところがそのコン太は一歩退いた―――

ありえない光景だった。
何故、自分から逃げるのか?

「なんで…逃げるの?」
「あ、いや、これは!違うんだ!アサ姉!!」
「コン…苦しいよ…寂しいよ…。逃げないで………逃げないでよ!!!」

咄嗟にコン太に飛び掛かったアサネ。
無意識に手を首に掛けていた。
汚されてしまった大切なもの。
これ以上は耐えられない…ならば…一緒に………。

騒ぎを聞きつけ叔母が部屋に現れた。
アサネの異常な雰囲気に気付き、コン太から引きはがす。

同時に、アサネは気を失ってしまった。

コン太は叔母に、ただの姉弟喧嘩と誤魔化しておいたが、なかなか納得してはもらえなかった。

364 名前: 鬼子母神9 ◆ZNCm/4s0Dc :2013/04/17(水) 21:43:34 ID:4565a5eb6 [sage]

関係が明るみになった以上、事態に決着を付けるべきと考えたコン太は現状をキオナにメールした。

しばらくして、キオナから返信があった。
内容は、朝一で囲碁将棋部室に来てくれれば全て話す、とあった。



翌日、登校する生徒もまばらな校舎。
コン太は部室前に来ていた。

頭は未だに混乱していた。
昨夜のアサネの取り乱し様―――。
キオナには、アサネに謝ってもらいたかった。

…いや、まずは自分が謝るべきだ。
全ては自分に原因がある、とコン太は考えていた。
事態をここまで悪化させてしまったのだから…。
誰かに打ち明けていれば…あるいは…。
しかし、済んだことはもうどうしようもない。

意を決してドアを開けるコン太。

―――!!!!

赤。
一面の赤。
血の赤。

教室の真ん中で血まみれになって倒れているキオナ、そして―――

その横でへたり込んでいるアサネがいた。

悪夢なら、どれだけ良かったことだろうか―――
しかし、紛れもなく現実であった…。

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最終更新:2013年10月16日 08:31
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