擬似姉妹

719 名前:時給650円[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 13:37:52 ID:HtP9Iqwx

「可苗(かなえ)、ちょっといいかな?」
「はい?」

 秀樹は、おずおずと妹に話し掛けた。
 彼女は、制服の上にエプロンを羽織った姿で、晩飯の食器の後片付けをしている。

「何でしょう、お兄ちゃん」
 蛇口を捻ってお湯を止め、エプロンの前掛けで手を拭きながらこっちに笑顔を向ける。
 例え、仕事中であっても手を止め、人の話はキチンと聞く。
 亡き母から仕込まれた躾は、こういうちょっとした動作にも表れ、さらにその所作一つ一つに、溢れんばかりの気品が満ちている。
 さらに、その輝くばかりの美貌は、彼女の通学する高校(私立フローレンス学園)において、“フロ学の五花”と呼ばれるほどの可憐なものであった。

 しかし、秀樹は知っていた。
 この花が、決して可憐なだけの存在ではないことを。
 その笑顔の裏には、鬼子母神も裸足で逃げ出す、情の怖さがあることを。
 そして、これから自分が彼女に対して言う台詞が、まさしく、寝ている虎の尾を踏むに等しい発言であることも。

「――今晩はさ、その……」
「どうしました?」
「……俺、独りで寝ていいかな……?」

「……」
「……あの、可苗……?」
 妹の表情から、感情が消えた。
 可苗は、その目鼻立ちが美しいだけに、その顔から表情が消えると、さらに凄まじい恐怖と威圧感を相手に与える。
 無論、彼女がそんな威圧感を与えねばならない相手など、この実の兄以外にはいないのだが。

――きゅっ。
 可苗が再び蛇口を捻る。
 ステンレス製のシンクに、叩きつけるような勢いで、水が流れ出す。
 勿論、食器洗いを再開するために流す水ではない。
 これから起こる騒ぎを、少しでも紛らわすための、意図的な騒音だろう。
 この家は二世帯住宅で、階下には、何も知らない祖母が住んでいる。今の二人の関係を、何をどう間違っても、祖母に気取られる訳にはいかないのだ。もっとも、最近は耳が遠くなりつつある祖母相手に、そこまで神経を使う必要があるかどうかは疑問だが。


720 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 13:42:19 ID:HtP9Iqwx

――つまりは演出なのだ。
 この水音一つで可苗は、この空間は今、外界から遮断されたと。さらには『私は本気なのです』と、そう言いたいのだ。

 可苗はシンクから離れ、表情も変えず、足音すら立てずに秀樹に近付いてくる。
「か、可苗……っ」
「お兄ちゃん、何でそんなこと言うの?」
「ちっ、違うんだっ、――これは、その……」
「可苗のこと、嫌いになっちゃったんですか?」
「いや、だから、聞いてくれ可苗っ! ……これは、その――」

 その瞬間、秀樹の目から火花が散った。
 腰や膝から力が抜け、壁際に立ててあった食器棚に頭をぶつけ、へたり込む。
 彼はその、頬から響く、熱を伴った痛みを感じ、初めて自分が妹のビンタに張り飛ばされたことに気付いた。
 いや、もはや眼前の女は“妹”などと呼んでいい、気安い存在ではなくなっていた。

「“お姉様”でしょ? “可苗お姉様”。二人きりで、こういう話をする時は、お兄ちゃんが可苗の“妹”になるはずじゃなかったのですか?」
「……」
「忘れたのですか? “秀美”」
 可苗は、その瞳にようやく感情の灯火をギラつかせて、食器棚と背後の壁に、身をゆだねたまま、だらしなく尻餅をつく兄に囁きかけた。
 それも意図的に、“秀美”と兄を女の名で呼びながらである。
 その眼光に輝く感情とは、怒りと情欲。
 そういう生々しい閨の話題を、自分からは滅多にしようとしない兄が、ようやくその手の話の口を開いたと思ったら、寝室を別々にしようというオチだったという失望。怒り。
 さらに、その話を口実に、今晩はどれほど酷いお仕置きを、眼前の愛する男に施すことが出来るだろう。そんな情欲。
 可苗のその眼光に、秀樹が思わず目を伏せる。

「……忘れていません、“可苗お姉様”……」
「うん、それでいいんです、“秀美”――」
 そう言って、可苗は目を潤ませた兄の顎を、くいっと持ち上げると、貪るようなキスをした。

 そう。
 彼と彼女の間には、そういう契約が結ばれていた。
 実の兄妹でありながら、秀樹にとっては、可苗とそういう関係を結んでしまったという事実そのものが、彼の魂を呪縛する格好の鎖となり、以降、可苗の言い出すムチャクチャな要求を、断固たる態度で拒絶できない根拠となっていた。
 そして可苗は、性行為に及ぶ晩には、秀樹のことを兄ではなく“妹”として扱うことを、一方的に彼に宣言し、その宣言は忠実に実行された。
 実の“兄妹”では無い、かりそめの“姉妹”での痴戯として、可苗は秀樹を嬲り抜き、弄びたおしたのである。

「じゃあ、説明してもらえますか“秀美”、何故そんな可苗を怒らせるようなことばかり言うのか?」
「……」
「言いたくないんですか? それとも、口が利けなくなったんですか?」
「……」
「なら、お仕置きの続きをしましょう」

 可苗の細い左手が、秀樹の首にかかる。
 その指は、丁度測ったように秀樹の頚動脈にかかっている。
 可苗はこうやって、息が出来るギリギリの状態で秀樹に往復ビンタを喰らわすのが大好きだった。
「待って、待って! 言う! 言うから!!」
「では、聞きましょうか」
「……ですから、その――」


721 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 13:44:07 ID:HtP9Iqwx

 この期に及んでも秀樹は言いよどんでいる。
 もっとも、早暁までに及ぶ行為を連日連夜、飽くことなく繰り返す可苗の化物じみた性欲は、普通の男ならば3日と耐え切れない過酷なものではあった。
 だが、秀樹が言いたいのは、そんなことではなく、更に恥ずべきことであったからだ。

「――たいんです」
「はっ?」
「お尻がもう……痛いんです……。ですから、しばらく、その……休ませて頂きたいんです」

「ぷっ……!」
「?」
「くすくすくすくす……なぁに、それ……?」
「か……なえ?」
「お尻が痛いって……ぷっ……そんな理由で……そんな死にそうな顔しちゃって……くすくすくすくす……かっ、かわいい……」
 可苗は、余程おかしかったのか、膝を突き、腹をよじるように笑い始めた。

 そんな可苗を複雑な表情で仰ぎながら、しかし、秀樹の心中は穏やかではなかった。
 痛いのである。
 実際、可苗にペニバンで掘られた肛門が、もはや悲鳴をあげているのだ。
 現状では、未だあくまで日常生活に支障をきたす程度ではない。
 また、ペニバンを装備し、腰に手を当てて仁王立ちに構える可苗は、それだけで彼の股間がはちきれそうになるほど凛々しいのだが、明らかに、これ以上のアナルセックスはまずいと、そう思わせる痛みが秀樹の肉体を支配しつつあった。
 しかし、可苗が笑ったというのは、秀樹にとってはまだ、『少なくとも、今夜は救われたかもしれない』という、希望を抱かせはした。
 そして、そのことが、より深い絶望へと秀樹を蹴りこむこととなる。

「じゃ、“前”でしましょうか?」
「なっ?」
「“後ろ”が嫌なら“前”を差し出す。これは妹として、いえ、“兄”として当たり前の事と思うんですけど」
「かなえ……」

 冗談ではない。
 そもそも、可苗に尻を差し出したのも、彼自身、性行為にどうしてもペニスを使用したくないからなのだ。
 兄妹相姦というタブーを犯すことを、この実の妹は何故か、まるで躊躇わない。
 避妊に対しての感覚がズボラだというわけではない。
 基礎体温も計れば、ゴムも着ける。膣(なか)出しするのは基本的に安全日だけだ。
 しかし万一、可苗が妊娠するようなことにでもなれば、自分が全ての責任を負って自殺しても追いつかない。――秀樹はそれくらいは考えるだけの責任感と冷静さはあった。
 しかし、かつて可苗は、そんな兄の小心さを笑うようにこう言い放った。

『安心して下さいお兄ちゃん。可苗は、お兄ちゃんの子供なら、むしろ何人身ごもっても大丈夫です』

 この発言に、秀樹はさらに慄然とした。そして……
 ペニスを使わずして、妹の獰猛なまでの性欲を静めるための器官として、アナルを泣く泣く差し出したのが、そもそもの彼らの擬似姉妹プレイ――姉に貞操を捧げる妹というシチュエーション――を始めるきっかけだったのだ。


722 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 13:48:07 ID:HtP9Iqwx

「どうします? このまま“兄”として“前”を使って普通にします? それとも“妹”として私に“後ろ”を差し出します? 可苗はどちらでもいいんですけど」

 可苗は薄ら笑いすら浮かべている。
 秀樹が知る彼女の排卵周期では、そろそろ危険日真っ盛りのはずである。にもかかわらず、可苗はその笑みを消そうとしない。
(今日、“前”を使ったら、お前は妊娠しちまうんだぞ)
 などとは、秀樹は言わない。
 妹に対し、“妊娠”というキーワードが脅しにならないことは、この身を以って嫌と言うほど知っているからだ。
「“後ろ”を使ってください、可苗お姉様……」

「いいんですか? まだ痛いんでしょう“秀美”」
「ですから……その……優しくしてください……」
「くすくすくす……仕方が無いですねえ……他でもない、大事な“妹”の言うことですからねえ」
 可苗は、その美貌に張り付いた歪んだ笑みを消そうともせず、へたり込んだ秀樹を、頭の先から爪先まで、舐めまわすように視姦すると、
「じゃあ、いつものように始めましょうか」
 エプロンを外し、制服と下着を脱ぎ始めた。
 そして、その放り投げられた下着と制服とエプロンは、いつものように秀樹が、いや“秀美”と呼ばれる人物がまとうことになる。

「相変わらず、すごく似合ってます……やっぱり“姉妹”の血は争えないですね」
 すでに可苗は全裸になって愛用のペニバンを装備し終え、いつでも戦闘態勢に入れる準備は出来ている。
 そして、やはり可苗のエプロンと制服に着替えを済ませた“秀美”のメイクを仕上げていた。
「……ありがとうございます、“可苗お姉様”」
 秀樹は可苗から目を逸らしながら呟く。

 実際、秀樹には女装がよく似合った。
 可苗は、ともに十人並みの器量しか持たない両親から、どうしてここまで――と、他者が溜め息をつくほどの美貌と気品を持って生まれついたが、兄の秀樹とて、決してブ男ではない。
 妹の美貌がズバ抜け過ぎているから目立たないが、彼とて、美男とは呼べぬまでも、充分ハンサムで通る容姿の所有者であった。
 可苗がふざけ半分に彼に強制した女装で、二人は意外なほど女装に違和感の無い秀樹の姿に愕然となる。
 そしてその事実は、可苗の嗜虐的で倒錯的な情欲を、人一倍刺激する結果となった。
 彼女は自分のクローゼットを秀樹に開放し、非安全日以外の晩、つまり生で膣内射精が可能な晩以外の性行為は、すべて兄に女装を強制し、彼を“秀美”と呼んで、以前よりなお一層、秀樹を弄ぶようになった。

「――これでいいですよ“秀美”」
 メイクは終了した。
 そこにいるのは、可苗に良く似た一人の少女“秀美”であった。
 エプロン、制服、そして下着までも、可苗がさっきまで身に着けていたものは全て秀樹に着替えさせ、彼女は満面の笑みを浮かべていた。
 すでに可苗のペニバンの内側は、雨季の湿地帯のようにぬかるみを帯びている。

「さあ、いつものように挨拶して下さい“秀美”」
「は…い…」
“秀美”はのろのろと体を起こし、可苗の足元にひざまずくと、そっと、可苗の爪先に口付けをした。

「どうか今晩も……よろしく“秀美”を可愛がってくださいませ。“可苗お姉様”」


723 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 13:57:21 ID:HtP9Iqwx

「んふふふっ……はい、よく出来ました」

 世にも嬉しそうな笑顔で、可苗はシンクで未だ出しっ放しになっている水を止めた。
「それじゃあ“秀美”、お尻を見せてください」
「お尻を――ですか?」
「はい。たった今おっしゃったじゃありませんか。お尻が痛いと。それほど痛いなら、この可苗お姉様が治療してあげます」
「はい……」
 耳まで真っ赤にして“秀美”はうつむく。
 ウィッグでよく見えないが、羞恥の余り、恐らく首筋まで紅潮しているはずだ。

 いつもこうだ。
“秀美”はいつまでたっても、可苗の責めに慣れない。
 どれだけ分厚いメイクを施しても、派手な女物の衣服を着せても、彼が女装に興を覚えること無く、男としての羞恥心を忘れることも無かった。
 そして、自分が可苗の“兄”なのだという事実も。
(そうこなくちゃあ、ね。お兄ちゃん)
 可苗自身、この兄が、妹である自分に、自ら尻を差し出して『僕に可愛い格好をさせて下さい』とおねだりする瞬間など想像できない。あくまでも羞恥にむせび泣く兄に女装を強制するからこそ面白いのだ。
 まあ、自らおねだりする兄の姿も、なかなか乙なものではあるだろうと思うが……。

「後ろを向きなさい」
 と、言われるがままに可苗に背中を向けた“秀美”の肩が震えている。
 例え何をされるか想像はしていても、やはり怖いのだろう。
 可苗は、そんな健気な秀樹が可愛くて可愛くてたまらなかった。
 文字通り、この手で縊り殺したいほどに愛しかった。

 そんな彼が、いや“秀美”がはいているスカートを、そっとめくり上げ、ショーツを膝元までズリ下ろす。
 ショーツはじっとり湿っていた。
 無論、秀樹自身の体液ではない。
 可苗自身の愛液だ。
 秀樹がその下着に着替える前、つまり行為直前に可苗の衣服に着替えさせられる前に、すでにして可苗は、今夜の楽しみに興奮して、濡らしてしまっていたのだ。
 もっとも、二人からすればそんなことは、特に珍しいことでも何でもないことだったが。

「あ~あ~、確かにこれは痛そうですねぇ」
 彼の肛門は、日々の荒淫にすっかり化膿寸前にまで腫れあがってしまっていた。
「ん……ぐぁっ……」
 可苗の舌が、そんな“秀美”のアナルをほじくる。
 それも、執拗に。何度も何度も、なぞるように。
 快感はあった。
 しかし“秀美”は、ひりひりとした痛みが、快感以上に、染みとおるようにアナルに吸収されていく。そんな刺激に声を立てる。

「“秀美”、あんまり大きなお声を出したら、下のお婆ちゃまに聞こえちゃいますよ」
「――でっ、でもっ……ひぅっ……ぐっっ!!」
 ねちょり、にちゃり、くちゃり……。
 徐々にだが、可苗が這わす舌の音の響きが大きくなってゆく。
「ひぐうううっっっ……!! おっ、おねえさまぁっっ!!」
(――お声が大きいって言ってるのにぃ)

 ずぶり。

 可苗が、舌を“秀美”のアナルに直接挿入してきたのだ。
「~~~~~~っっっっ!!」
 もう、自力で立っていられなくなったのだろう。“秀美”が壁に手をついて、体重を預け、必死に崩れ落ちないように、身を支える。
(無駄な抵抗ですよ、お兄ちゃん)

726 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 14:05:02 ID:HtP9Iqwx

 可苗の両手が“秀美”の尻タブを割り、唇と肛門をゼロ距離にして、可能な限り、舌を直腸内に侵入させてくる。

 可苗は、この兄を“秀美”と呼んで妹扱いをし、まるで玩具のように弄ぶが、その心中では、決して彼を軽んじているわけではない。
 むしろ逆だ。
 彼が好きで好きでたまらない。
 そういう意識こそが、可苗のサディズムを刺激し、嫌がる女装を強制し、男であるはずの秀樹を敢えて男扱いせずに、その肛門を辱め、嬲り、弄び、彼の魂に徹底的な屈辱感を与え続ける。
 自分は実の妹から、女のように犯される兄なのだという、屈辱感を。
 それこそが、秀樹に対する可苗なりの愛情と独占欲であり、可苗なりに秀樹をトリコにするための努力の表れであった。
 
 可苗の舌が、こりっとした前立腺に到達する。
「~~~~~~~っっっ!!!!!」
 もはや“秀美”は声も出ない。
 というよりむしろ、自ら、声を上げられないように、自分のスカートとエプロンを必死に口にくわえ込み、歯を食いしばっている。
 膝も腰もふくらはぎも、下半身はガタガタに脱力しまくっているのに、とっさにそういう機転だけは回る。もっとも彼は基本的に頭のいい男ではあったが。
 肛門の中には、当然トイレで拭ききれなかった排泄物のカスなども残っていた。
 しかし、可苗は全く気にもせず、というよりむしろ、可苗自身の唾液でゲル状になった彼の排泄物のカスを、自ら進んで吸引し、飲み込んだ。
 汚い、などとは思わない。
 これが、愛する男の生み出した物質なのだと思うと、むしろ、神にかしづく殉教者的な感覚すら浮かんでくる。

「はぁっっっっ!!!」
“秀美”はとうとう、口中のスカートとエプロンを吐き出し、その場に崩れ落ちてしまった。
 しかし、それでもなお、可苗の舌は“秀美”の肛門から離れない。
 腰から崩れ落ちた“秀美”に合わせて、膝をついて巧みに身を低くし、なおも執拗にそのアナルを口撃する。
「あっ……あっ……あっあっあっあっ……」
“秀美”自身、ここまで来たら、もはや腫れた肛門に唾液が沁みる痛みより、直腸からじかに発生する快感に、神経を支配されている。
 床に膝をつき、のけぞるようにして、この圧倒的な快感をやり過ごそうとする秀樹。
 だが、そうは問屋が卸さない。
 そもそも、可苗はアナルを責められている“秀美”が、この程度の刺激で満足できるはずも無い事など、百も承知だった。

――くちゅり。
 ペニバンから生える擬似ペニスを片手で握り、軽く上下させる。
(っっっっっっっ!!!!!!)
 その瞬間だけで、軽く絶頂2回分クラスの高圧電流が、可苗の全身を貫く。
 が、可苗はこらえる。
(まだ……ダメ。まだ逝っちゃダメ……。可苗が、可苗が先に逝っちゃダメなの。お兄ちゃんを逝かせてからじゃないと……可苗は逝けないの……。)
 布一枚に隔てられたペニバンの奥には、少々小ぶりだが、やはりれっきとした擬似ペニスが彼女の胎内をえぐっている。
 そして膣からは、大量に分泌した白い愛液が、通気性のいい布を通して、外に突き出したディルドーにしたたり、それを握り締めた可苗の小さな手をグッショリと濡らす。

 そして、
(そろそろかな……?)
 と思った可苗は、自分より20センチも小柄な妹に壁に押し付けられ、四つん這いに悶え苦しむ兄の腰に手を回し、ぐいっと引き寄せ、そのまま、仰向けに引っくり返してしまった。
「“前”も“後”もダメなら、お口とお指しかないけど、“秀美”はどっちがいいですか?」


727 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 14:07:32 ID:HtP9Iqwx

「口と……」
“秀美”の震える声を聞いて可苗はにんまり笑った。
 見るもの全てを魅了するような、いやらしい笑顔で。
「指……?」

 引っくり返されると同時に肛門への愛撫がやんだため、“秀美”は何ともいえない潤んだ目で可苗を見上げる。
 可苗は可苗で、眼前の少女のその切なげな瞳に、締め付けられるようなトキメキを覚えたが、敢えてこらえ、
「そうです。どっちがいいか、この“お姉様”に教えて下さい。キチンと聞こえるようにハッキリと声に出して、ね」
 そのまま、ペニスをれろ~~っと、舐め上げた。
「あうううううっっ!!」
「お口ですか? ――それとも」
 可苗は、自身の本気汁で白く染まった人差し指を、
――つぷり。
 と、爪半分だけ挿入した。
「ひううううっっっ!!!」
「お指ですか? ――それとも」
「かなえ、かなえ……おねえさ……ひぃぃぃっ!!」
 可苗の舌が、再び“秀美”の亀頭をくすぐった。
「両方同時、がいいですか?」
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
 もう“秀美”は、息も絶え絶えになっている。
「ふふ……、早く教えてくれませんと、可苗、やめちゃいますよぉ?」
「――待って、やめ、やめないで、くださいっ!!」
「だったら早く、言いな……さい!」
 最後の『さい』に合わせて、可苗は“秀美”の乳首を捻った。
「っっっっ!!!」
「あらあら……本当にどこでも感じるお体なのですね。羨ましいですわ、全く……」
 さらにそう言いながら、彼のアナルに突っ込んだ指をねじり、徐々にだが、深く挿入しつつある。
「――ああ……」
 もはや“秀美”は、腫れ上がった肛門の痛みを感じていなかった。
 ただ、絶望的なまでに耐えがたい、快楽への餓えがあった。

――つつっ。
「あっ!」
“秀美”を突如襲った空白感。

「時間切れです」

 可苗が、彼のアナルにインサートしていた指を、引き抜き始めたのだ。
 それも、挿入時と同じく、じわじわとした速度で。
「どうしたのです“秀美”? そんな目でこちらを見て」
「……」
“秀美”はふるふると首を振り、世にも切なげな眼差しで可苗を見つめる。
 しかし、可苗の意地悪は終わらない。

「あなたがいけないんですよ“秀美”。お口かお指か両方か、早く言わないからですよ」
「――可苗お姉様っっ!!」


728 名前:擬似姉妹[sage] 投稿日:2007/08/01(水) 14:09:56 ID:HtP9Iqwx
 可苗の死刑宣告を遮るような形で声を上げる。
 実際、この妖艶すぎる妹に洗脳された兄には、彼女が提供する黒い快楽をはねのける精神力は、もはやなかった。

「――ください……」
「何を……?」
「“秀美”のいやらしい身体に、……かっ、可苗お姉様のお指と、お口の……お情けを下さい……」

 すでに“秀美”の顔は、羞恥で耳まで真っ赤になっていた。
 そしてそのペニスからは、先走り液がどくどくと滴り落ちている。
「――聞こえません」
「えっ?」
「もっと大きい声で、具体的に言ってください。可苗は“秀美”のどこに何をすればいいのかを」
「……」
「言えないのですか?」
 可苗は、すっと身体を離す。
「まっ、待ってっ!?」
“秀美”は、半ば恐怖に近い心境で可苗の手を取り、
「いっ、いれてください」
「どこに? 何を?」
「可苗お姉様のお指を“秀美”の“後”にいれて下さいっ!」
「それだけでいいのですか?」
「いいえっ、いいえっ! お姉様のお口で、“秀美”のクリトリスをおしゃぶりしてくださいっ!!」
「――んふふふ、よく言えました」

『ご褒美』と言わんばかりのタイミングだった。
 次の瞬間、“秀美”のアナルに可苗の人差し指が奥まで捻りこまれ、その衝撃で思わず発射された彼のスペルマは、可苗の愛情こもったディープスロートにより、1gも外気に触れる事は無かった。

 そのまま可苗は、指も抜かず、口も離さずの三連発で適度に彼の精を散らした後、ペニバンを脱ぎ捨て、ペニバン内側の小ペニスを“秀美”に突きつけた。
「“秀美”、これを咥えてください」
 突きつけられたミニディルドーは、可苗の純白の本気汁がねっっとりと付着している。
 しかし、それを汚いと思う神経は、当然いまの“秀美”にはなかった。
 また、次々と新たな快楽を与えてくれる可苗に逆らうと言う選択肢も、当然彼には持ち合わせてはいなかった。
「はい。可苗お姉様」
 まるで、聖なる神具を扱うように、うやうやしく手に取ると、なんの躊躇いも無く“秀美”はそれを口に咥えた。
 何をするかも、何をされるかも分かっている――。
「さあ、来て“秀美”……今度はあなたが可苗を満足させて下さい」

“秀美”はそのまま四つん這いになり、口から擬似ペニスを生やした奇怪な生物となって、可苗の下半身に覆い被さる。

「くふうううっっっ!!」
 可苗は“秀美”の頭部に両足を回して固定すると、
「突いてっ、突いて下さいっ!! ……可苗のおまんこの奥まで、もっと、突いて……ああああっ!!」
 今度は、可苗が自分の口に物を突っ込む番だった、というべきだろう。
(きっ、きもちいい……!!!)

 実際、彼女のいびつな愛欲は、この兄が自分のためにどこまでプライドを捨ててくれるかによって、その感度が上昇し、もはや普通のセックス――正上位や後背位といった通常の――では、満足しきれぬほどに肥大していた。
 つまり、男としての兄を騎乗位でねじふせるのも、男を捨てて女装してくれた兄を犯すのも、人を捨てディルドーを咥えた“犬”と化した兄に奉仕させるのも、同様に、彼女を異常なまでに興奮させる効果を生むのだ。
 それは結果として、可苗の兄に対する愛情というエネルギーを、ますます歪んだ方向へと導き、秀樹自身すら気付いていなかったマゾヒズムを確実に萌芽、育成させてしまった。勿論、兄自身はあくまで認めようとはしないだろうが。
 そして、この二人は、もはや引き返せないところまで来てしまっている。

 宴は、まだまだ終わらない。

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最終更新:2007年11月05日 16:39
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