妹狐さんは兄に嫁入る

357 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:24:50 ID:0VDPmIKL
ゆっくりと、ゆっくりとその穴にモノを挿し込む。

「んっ・・・はあぁ」

小さな体に一瞬緊張が走るが、抵抗はなかった。
相手が自分から晒しているそこに、更に異物を挿入していく。
入口さえ通り過ぎれば、あとは力を入れて抜き差しを繰り返すだけ。
行ってきた回数の分だけ慣れが痛みを減らし、代わりに何とも言えない快感だけを与える。

「・・・ぁ」

入口の辺り、浅い場所を鎌首の部分でかりかりと引っかいてやると、ほんの少し預けられた体が震える。
この反応だけはいつも変わらない。それも最初だけだけど。

「ぁ、ぃ・・・ふあっ、ぁぁぁ・・・」

挿し込む角度を変えて中の壁を突くうちに緊張は崩され、震えを押さえ込んでいた硬直が弛緩に変化する。
引いては突き入れ、突き入れては引く。
触れ合うたびに柔らかな産毛と擦れ、押し込まれた棒の先端は湿り気を帯びていく。

「はあああ・・・ん・・・・・・んんっ!」

動きは止めないまま、ふと、お互い慣れたな、と思う。
気遣いは最初から。いつでも思い遣りは忘れない。
それでも、初めの頃は不慣れからくる緊張が多分にあったものだけど。

「ひゃっ!?」

今では、こんな思考をしながらでも相手を喜ばせることが出来る。
先人に曰く、慣れとは恐ろしいものだ。
そう思いつつ奥まで進めると、こり、と固い感触に当たった。

「お?」

感触を確かめようと、少し強く押し込んでみる。

「ひうぅっ!?」

ぴくぴくと弱弱しく跳ねた四肢から震えが伝わって来た。一旦、挿し込んだものを引き抜いてやる。

「あ・・・・・・兄様・・・?」

途端、きゅっ、と衣服の端を掴まれた。視線で呼びかけに応じると、縋るように手を引かれる。

「兄様・・・お願いします・・・・・・ちゃんと、最後まで」

僕に体を預ける少女────────妹の葉子(ようこ)は、ひどく敏感だ。
大丈夫かな? と数瞬思案して、頷いてみせる。
この状況は妹の方から求めてのものだし、その妹が願っているのなら否やはない。
妹の耳を、指先でゆっくりと撫で上げる。

「はぁぁぁぁ・・・」

それだけでもう、妹は声を上げてしまう。兄としては色々と心配だ。

「じゃあいくよ。葉子、いいね?」

「・・・・・・はい」


358 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:26:00 ID:0VDPmIKL
頬を薄っすらと染める妹に微笑んで、一息に突き入れた。

「~~~~~~っ!?」

強過ぎたかもしれないと思いながらも、手は休めない。
すぐに引いて、ほんの少し力を抜いてそのまま二回、三回と動かし続ける。
抜き差しの度に、こりこりと心地いい感触と共に先端が押し返された。
「ひっ! ふあ! ふあああっ!? 兄様、兄様ぁぁあっ!」

強弱を、角度を、緩急を変えて攻め立てる。
妹自身の指では決して届かない処女地に、固く長い異物が侵入していく。
征服者の旗のように妹の内に突き立てられるそれは、ほどなく目的の場所へと辿り着いた。

「────────」

びくりと、妹の体が震える。

「お、ここだね。葉子、分かる?」

「あぁ・・・はい・・・はいっ!」

尋ねると、恍惚とした返答があった。

「奥・・・おく、です。葉子の・・・葉子のあなの一番おくに兄様が・・・兄様がぁぁっ!」

向けられる瞳も声もひどく潤み、そのくせに熱く、甘い。
待ち侘びるような視線を向けられて、僕の声も少しだけ上擦る。
それでも、僕は兄の威厳で努めて冷静に聞いた。

「じゃあ、出すよ?」

「に、兄様、お、お願いしますっ! 葉子は、葉子はもう我慢できませんっ!
 出して! 早く出して下さいいいぃぃぃぃっっ!?」

ごり、と突き入れた穴の奥で音がした。

「ひひゃあああぁぁぁぁああああああっっ!?」

モノを抜き出すと、喉が張り裂けんばかりに葉子が叫ぶ。
不自然なほどに全身が震え、断続的な痙攣が数秒ごとに起きていた。
それを更に数度ほど繰り返して、倒れ込むように力を失う。

「・・・・・・・・・」

妹は、非常に満ち足りた顔で床に四肢を投げ出したまま動かない。
しばらく眺めてから、僕は妹から引き抜いたモノへと視線を移した。

「それにしても、随分と溜まっていたみたいだね」



そこには、先っちょに、たった今妹の耳から掻き出された結構な量の耳垢を載せた耳かきがあった。





359 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:26:35 ID:0VDPmIKL
妹は遺伝的に耳垢が湿り気を帯びるタイプなので、耳かきの先の方は少し濡れたようになっている。
僕は乾いている派だ。別にどちらがいいということでもないのだけれど。

「耳、敏感で、自分だと・・・上手く出来ませんから、つい兄様に言われるまで・・・放って置いていました・・・」

「分かっているよ。だけど、出来るだけ自分でもやるようにね? 可能ならこまめに」

「はいぃ」

さて。
無論のこと当然として必然に完全無欠に疑問の余地などなく、僕と妹が何をしていたかなど言うまでもない。
耳かき、である。
もっとも、この場合はただの耳かきではないのだけれど。

「・・・・・・」

妹を見遣る。
その頭からは、叫びまくったあとの深い呼吸に合わせて動く耳が生えている。ただし、素肌は見えない。
見事な狐色の獣毛に覆われているからだ。
耳は耳でもこの場合、掻いていたのは妹の頭に生えている狐の耳だった。
何故妹に狐の耳が生えるのか?
もし、そんな字面だけは哲学的に響く質問に応えるとするなら、話は結構な昔に遡る。

僕の父は民俗学者だ。
妖怪やら神様やらの伝承を調べて回る仕事と言えば、業界全体はともかく父に関しては当てはまる。
その父が、稲荷信仰、つまりはお狐様を崇め奉る習慣の残った某地方の奥深くにある村へ赴き、
そこから地元では有名らしい険しさの山へ祠探しに行ったのはもう何年前だったか。



端的に言えば父はそこで妖怪、つまりは信仰の対象である妖狐に取って喰われた。



主に性的な意味で。
母が存命なら父は殺されていたかもしれない。が、母はとうの昔に他界している。
僕の記憶に残らない程度には、昔に。
父子家庭。そこに欠けていた女性の姿は、けれど埋められることになった。
父とナニした妖狐ではなく、父がそいつとの間にこさえた娘、僕の異母兄妹によって。
信仰を基盤とする存在は不用意に土地を離れられないために、妹の母は簡単には人間の里へ下りられないとのこと。
僕自身からして、会った事は数度しかない。
父をレイプしたのも、
男日照りでまあ色々と性欲を持て余していたせいらしい。百年程。なるほど、思春期の健全な男子としては理解出来なくもない。

そう考えると妹の生い立ちも中々に悲惨だが、当人は気にしていない様子だった。
数年前、父に連れられて突然この家で暮らし始めた時からずっとそうだ。
父が何を思って妖怪との間、
それも合意の上での行為によって出来たわけでもない子を引き取って育てようと思ったのかは、今以って教えられていない。
ただ、扶養家族が増えた貧乏民俗学者は今まで以上に勢力的に働くことになり、
父が留守にしがちの数年間の共同生活を経て、僕と妹は現状に至る。
妖狐の成長は早いのか、妹は人間にはあり得ない速度で成長した。
最初の頃はおしめまで換えてやっていたのに、数年で少し年下の妹、と言える程に成長している。
知能も普通の人間と遜色ない。
すくすくと成長しながら、妹はいつもお兄ちゃんお兄ちゃん、ある程度成長してからは兄様兄様と言って僕の後を付いて来ていた。

ただ。精神、情緒だけは非常に不安定だが。


360 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:28:45 ID:0VDPmIKL
「ふう」

そんなことを考えながら、僕は自室で寝そべって本を読んでいた。
妹が汗を掻いたと言って風呂に入っているから程よく時間を潰そうと思ったのだが、
昔からそれなりに本は好きなため、ついつい読みふけってしまう。
本とは言ってもライトなノベルだが、僕にはこの手頃な感覚が好ましい。
何より、読破するのに時間がかからないのが最高だ。
既に三分の一程を読み終えている。今は、主人公が妹に小言を言われている場面だ。
読者の客観としては、妹が本当に怒っているわけではないことが発言から容易に読み取れる。
キャラクターの声を文字として拾い上げながら、非現実の妹は随分と可愛いものだな、とふと思った。
お互いを普通に気遣い、普通に喋って、普通に怒る。
そこには家族の確かな絆があって、だけど、同時に他人としての境界も弁えている。
それは、何と羨ましいことだろうか。
その妹が実在のものかどうか、人間かどうかなんていうことも関係ない。
もし、これが家の妹なら────────そこまで考えて、廊下の軋む音がした。

(マズいっ!?)

本を読む時間を持てるのは、随分と久しぶりのことだった。
そのせいで集中し過ぎてしまったらしい。妹が階段を上る音を聞き逃した。

(どこかに、本を────ベッドの下っ!)

寝そべっていたベッドから跳ね起きる。

「兄様、失礼します」

僕に出来たのはそこまでだった。
当たり前のようにノックもせず、先ず狐の耳を覗かせてから妹が部屋に入ってくる。
僕の部屋に鍵はない。壊されたまま、取り付ける許可が下りないから。

「よう、こ・・・」

あと一秒。たったそれだけの時間に、手が届かない。
妹の視界に、僕の姿が収められる。手に持った文庫本ごと。

「────────兄様」

体の芯から底冷えがするような声だった。
きゅううっ、と妹の目が細められ、張り詰めるようにピン、と頭上の耳が立つ。まるで本物の、狐のような、獣の瞳。
食い殺すべき獲物を見つけたかのように、妹の口が薄く三日月に開いた。

「兄様。本を、お読みになっていたんですね?」

「ああ」

妹の質問を無視することは、出来ない。嘘をつくことも、誤魔化すことも許されない。
化かし合いは狐の専売特許。妹は、僕よりも僕の本心を見抜く。

「面白かったですか?」

「・・・それは」

答えた後を想像して言い淀む。けれど、妹が僕に沈黙を許すはずがない以上、口は閉ざせない。

「・・・・・・一応、面白かったよ」

「そうですか」

僕の返答に、妹が微笑む。


361 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:29:40 ID:0VDPmIKL

炎。

中空に指を走らせた妹によって紅の花弁が咲き、数百と束ねられた紙面を膨大な熱量が瞬時に焼き尽くす。
購入から一日。
通販で買ったばかりのそれは、妹の狐火によって灰と化した。
表紙の、今時の流行らしい綺麗な女の子のイラストも燃え尽きる。僕の手には何も残らない。
人間、危機が迫ると反射が働くもので、肉体の学習に基づいた条件反射は僕の手だけは火傷から救ってくれたが。
状況の改善には、残念ながら意味がない。

「兄様」

頬を炙った熱風に次いで、凍りそうな冷たい風が吹く。

「兄様・・・・・・また、なんですね?」

吹き付ける冷気は、動けないままベッドの縁に腰掛ける僕の前に妹が来たことで更に増す。

「どうしてですか?」

肩に、風呂上りで湿った、だけど北風でも浴びたように湯冷めした妹の指がかけられた。

「どうして」

その言葉だけでは表し切れない怒気を叩きつけるように、ぐいぐいと押される。

「どうして、どうしてどうしてどうしてっ!」

半分は人でない妹の方が力は強い。逆らうこともなく、僕は押されるままにベッドへと倒れこんだ。
安物の、決して柔らかくはない感触が背中に伝わる。

「どうして兄様は、そうやって葉子だけを見てくれないんですかっ!?」

それでも、妹の指は離されない。ぐいぐいと、僕をベッドに押し込んで固定する。
決して、手元から逃がさないように。

「折角っ、兄様に葉子しか、見えないようにしたのに! どうしてあんなモノをっ!」

初めてのことではないからすぐに理解した。
文庫本の表紙に描かれていた、女の子のイラストのことだ。
妹は、たとえそれが何であれ、僕が妹以外の異性を意識────────いや、認識することさえ許さない。


362 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:30:18 ID:0VDPmIKL

狐の十八番と言えば、何だろうか?
化かし合い、他者を騙すことだ。
では、妖狐の最も得意なことは?

決まっている。他者を化かすこと、騙すこと。つまりは幻術だ。

信仰の対象となるような、力ある、そして古くから年月を重ねた大妖の妖狐を母に持つ葉子。
妹は、彼女から受け継いだ力で僕に二つの術を、呪をかけた。
一つは、『狐の嫁入り』。
妹は略式の、ひどく稚拙で歪な形のそれを、僕自身も知らないうちにかけたのだと、彼女の母が言っていた。
呪。言い換えるなら、それは執念じみた強制力だ。
妹は呪的に僕に嫁入りし、世間に対する僕と自分の間柄を『夫婦』に固定した。
たとえ初対面の相手だろうと、僕と妹以外には二人が夫婦としか認識出来ない。
妹の術を弾けるくらい力のある存在でなければ、それが父であったとしてもだ。
父は、僕と妹は兄妹であると同時に夫婦だと認識している。矛盾、いや、その以上には気付かないまま。

そしてもう一つが、幻術。存在しないものを存在すると感じさせること。
妹はそれを、逆の形で使った。
見えるものを見えないように。聞こえるものを聞こえないように。触れたものを触れてないように。
妹は、妹以外の異性の全てを、僕に知覚できなくした。
常時持続する幻術を、それもたった一人にとはいえ何年もかけ続けることは、決して容易いことではないらしい。
妹の母親は、呪の原動力とは先ず第一に相手を呪う意思であり、その威力は術者の執念によって左右される、とも言っていた。
何とも一途で愛らしいおぞましさだ、とも。

ただし。
妹の幻術にも穴はある。
幻術の対象が僕にとっての異性、つまりは人間に限定されるのだ。
たとえば、それが人間の女性である限り写真だろうがテレビだろうが、『人間』を映した物なら僕は認識できない。
逆に、たとえそれが女であっても、人間でなければ認識は出来る。
たとえば漫画やアニメ、ゲーム、そして写実的でない絵画などの、『キャラクター』としての女性だ。
一般に人間と動物は区別されるように、たとえ人間の模倣ではあるとしても、キャラクターと人間は区別される。
だから人間としての異性に働く幻術も、キャラクターのそれには効果がない。
人間の男性女性と、動物の雄雌を区別するようなものなのだろう。


363 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:31:24 ID:0VDPmIKL
だからこそより一層、妹は怒る。
現実でもテレビでも写真でも女性を認識できず、そのせいで家の外に出て普通の生活を送ることも出来ない僕が、
妹の望み通りに檻の中の獣となった僕が、せめてもの抵抗として噛み付くように異性のキャラクターを認識する時に。

狐は、好物を鳶にさらわれるようなことを、決して許しはしない。

「許さない。許さない、許さない、許さない許さない許さないっ・・・!」

左肩に、噛み付かれた。

「っぁあ!?」

半分は獣の歯が突き立てられ、肉が裂ける。

「ぐう、ううぅ、ふう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛うっっ!!」

灼熱と、肌に液体が流れる感触。
打ち込まれた杭が更に深く、濡れた感触の中を抉る。

「ふうっ、ふううぅぅぅっ!」

「ぃっ!?」

せめて何か声を出そうとして、出ない。

「愛、しているのにっ! こんなに愛して、いるのにっ!
 兄様を、兄様だけをずっと! ずっとずっとこんなに、こんなに愛し続けているのにっっ!!」

拳を、思いっきり握り込む。
妹に負けないくらい顎に力を入れて食い縛った。この痛みが、長続きはしないと知っているから。
妹の、獣毛の覆われた耳が頬を擦る。

「はあっ、はあ・・・はあ・・・・・・ふふっ」

きっと骨に近いだろう奥まで突き刺さって妹の歯が止まる。
代わりに、舌が動いた。
傷口の近く、流れ出たばかりの血を舐め上げる。

「ふふっ・・・にぃ、さま」

ぴちゃぴちゃと、獣の激しさから子犬のような稚拙さになって舌を遣う。

「はぁぁ・・・ちゅっ・・・・・・れる」

流れ出る赤色に舌を這わせながら、すぐに傷の周りは綺麗になった。

「ん゛、んーーっ!」

そして、傷口に直接唇をつけて、吸い上げる。

「く、ぁっ・・・!」

痛みがぶり返した。
跳ねそうになる僕の体を押さえつけて、妹は僕の血を啜る。
啜っては舐め、止まらない血を、細く白い喉で飲み干していく。

「ぷはっ! はあ・・・はあ・・・・・・あははっ」

そうして、赤く染まった舌と唇も綺麗にしてからようやく、妹は口を離した。


364 妹狐さんは兄に嫁入る sage New! 2007/11/13(火) 04:49:14 ID:0VDPmIKL

「あはは、ふふ・・・・・・兄様」

狐の顔は、変わりやすい。
怒りを恍惚に変えてから頬を赤く染め直し、満足そうに、慈母のように微笑む。

「痛かったですか?」

「痛かったよ」

僕はそれだけ答えた。

「そうですか。でも、兄様が悪いんですよ?
 葉子の想いを知ってるのに、あんな・・・あんなモノに、目を奪われるから」

妹の瞳に剣呑な光が浮かぶ。
一頻りゆらゆらと揺てから、溶けて消えた。

「でも、やっぱり許してあげます。葉子は、兄様のことを愛していますから」

その代わり。
そう言って、僕にしな垂れかかる。数度、吐息が服越しに胸を滑った。

「兄様・・・・・にいさまぁ」

甘ったるい声で呼ばれる。

「さっきのことは許してあげますから、思い出して下さい。
 葉子のことを、葉子がどれくらい兄様を愛しているのかを」

シャツが上げられ、ベルトを解かれたズボンが下ろされる。
妹は、服をはだけた。

「思い出させてあげますから。そして、あんなモノのことなんか忘れさせてあげますから」

妹の半分は、元が獣の存在だ。
獣は、血の臭いと、味に興奮する。

「抱いて、ください」

はぁぁ、と熱く息を吐く。
吐息に負けない、燃えるような潤んだ瞳が向けられた。さっきから、獣の耳が震えている。

「葉子だけを見て、触って、感じてください。いっぱい、いっぱい感じてください」

下腹と首筋を撫でられる。

「気持ちよく、しますからぁ」

いいですよね?
見上げて、小首を傾げるように聞いた。
頭の上、狐色の耳が揺れる。


「兄様。葉子と・・・・・・交尾、してください」


首にかけられた指を感じる。僕は、妹に笑って見せた。

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最終更新:2007年11月13日 17:16
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