淫獣の群れ(その18)

374 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:18:58 ID:xakJ8Bcg

「さあ、にいさま、あ~~んして下さいですの」

 そう言いながら喜十郎の鼻をつまむ深雪。
「――んんんっ……んんんっっ!!」
「むふふふ……聞き分けのいいにいさまは、姫も大好きですわ」
 そう言いながら、彼の下腹部に築かれた純白の城から、無造作にホワイトクリームをすくい取り、口一杯に頬張る深雪。
 その彼女の、桜色の唇から、トロトロになった白い液体が一筋、糸のように垂らされた。
――だらしなく開放された“兄”の口中に。

 その途端、喜十郎の口元と深雪の唇を結ぶ白いライン上に、不意に飛び込んで来た影が一つ。
「兄君さまっ、ワタクシもっ!!」
 春菜が、腰まで届くポニーテールをなびかせて、無理やり開かれた彼の口を、自分の唇で塞いだのだ。
(っっっ!!?? ちょっと春菜ちゃん、ずるいですのっ!!)
 そのまま深雪も、姉の舌がうごめく“兄”の口中に、自らの舌を突っ込ませる。
「――んんんんんっ!!?」

 その結果、彼の口中に、二枚の舌が侵入し、侵略し、進撃を開始されることとなる。
「んんんんんんんんんんんんんっっっっ!!」
 深雪が、つまんだ指を解放しない限り、鼻の気道は封鎖されたままだ。
 しかも口の気道は、二人の“妹”たちの舌にフタをされ、クリームを含んだ白く甘い唾液が、大量に流し込まれてくる。

――喜十郎は、もがいた。
 それこそ、全身の力を振り絞ってもがき、何とか一呼吸の自由を得ようとした。
 もし喜十郎に僅かな理性が残っていれば、口内を占領した舌たちに歯を立て、反撃する事で、彼女らを口から追い払おうとしたであろう。
 しかし、今の喜十郎にそんな冷静さはなかった。歯を立てるという事は、彼にとっては、口を閉じるという事に他ならないからだ。少しでも酸素を欲してもがこうとする本能が彼に、口を閉じるという行動を選択させなかった。



375 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:20:37 ID:xakJ8Bcg

「――あ、にいさま、ごめんなさい」
“兄”のもがきっぷりと、紫色の顔色にようやく気づいた深雪が、彼の鼻をつまんでいた指を離す。
「ごほっ!! ごほっ、ごほっ ごほっ!!」
 途端に、猛烈な勢いで咳き込む“兄”。
 一呼吸。
 二呼吸。
 三呼吸――。
 肺が、焼けるように痛いが、何とか窒息の危機は免れたようだ。
――が、
「では兄君さま、続きと参りましょう」
 今度は春菜が、そう言って“兄”の鼻をつまむ。

 鼻をつまんだ春菜も、つまんでいない深雪も、等しくクリームを掬い、口一杯に頬張る。
 そして、顔の下半分をよだれとクリームでべとべとにした二人の“妹”が、またもや彼の口内で、パーティを再開させる。
 ダンサーは三枚の舌。
 ドレスは白く甘い唾液。
 オーケストラは、間断なく続く“兄”のくぐもった悲鳴。

「おいしいぃっ! 深雪ちゃんってやっぱり天才だよぉ!!」
 甘いものに目がない詩穂は、目を輝かせながら、喜十郎の乳首を盛り付けた、カスタードとホワイトクリームの二十螺旋を舐めとっている。また、その逆の乳首に施された同じ装飾に、麻緒がしがみ付き、やはり嬉々として舌を使っている。

 喜十郎の下腹部に建てられたクリームとカステラの塔。
 その向こう側で“兄”の身体に取り付いているのは桜と比奈。
「うわぁぁぁ……おにいたまのあし、ヒナには、ちょっとしょっぱいよぉ」
 比奈は“兄”の右足の指の隙間のデコレーションに、その小さな舌を這わせ、桜にいたっては、すでに彼の左足の装飾を舐め取り終えていた。当然彼女は、それで満足する気はないらしい。

「さあ、お兄様、この薄汚いオケケを、キレイキレイにしましょうね?」
 クリームを舐め取ってなお、脂でテカテカに光る彼の左脚。
 そこで彼女が取り出したのは、なんとT字の安全剃刀。
「ありりり? 桜ちゃん、それ何? おにいたまに何をするの?」
 あどけない顔で振り向く末妹に、長姉は笑顔を向ける。
「ああ、コレ? これでね、お兄様のおみ足をオンナノコみたいにしてあげるの」
 そう言うが早いか、眼下に生えそよぐ彼の体毛を、しょりしょりと剃り始めた。



376 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:22:08 ID:xakJ8Bcg

 凛子は、いまだこの狂宴に参加する機を見出せないままだった。

 すでに実妹の美緒は、詩穂とともに満面の笑みを浮かべつつ、この晩餐会を堪能している。
(分からない。――何で、何でこんなに躊躇っちゃうのっ?)
 すでに覚悟は決めたはずだった。
 風呂場で、真理の嘲笑を含んだ、あの目に見つめられた瞬間に。
 いや、その前、麻緒が喜十郎に対して、実姉の自分にさえ見せた事のない欲情を吐露した瞬間に。

「まだ、怖いのですか、凛子ちゃん?」

 だしぬけに声を掛けたのは真理だった。
「まっ、真理?」
――あんた今までコレに参加もせずに、アタシの顔をじっと見てたの?
 そんな事を訊く余裕すらない。
「まったく、困った方ですね」
「なっ、なによっアンタっ!?」
 真理の物言いに、思わずカッとなった凛子を迎え撃ったのは、花弁のような真理の唇……。
「~~~~~~~~っっ!!?」

 予想だにしなかった、真理からの熱いベーゼ。
 反射的に唇をもぎ放そうとする凛子を、彼女はしかと抱きしめ、容易に放さない。
 また、真理の舌は、そのまま凛子の歯茎を舐めまわし、口中へと侵入し、頬の内側や舌の裏側、さらにその舌同士をからませ、猛烈な勢いで唾液を吸い上げる。
――ちゅぱっ。
 薄い糸を引いて、二人の少女の唇が分かたれた時、凛子はまるで腰が抜けたように、へなへなと崩れ落ちてしまった。

「あ、あああ……!」
――これは強姦だ。
 例え、キスだけであったとしても、……いや、凛子にとっては、文字通りファーストキスであったからこそ、それをイキナリ奪い、余りに激しい凌辱を自らの唇に与えた真理に対し、罵倒の一言もあって然るべきなのだが……。
「――あああ、ぁぁぁぁ……!!」
 凛子の口からは、いまだキスの余韻によって、腰骨を砕かれたうめき声しか聞こえない。



377 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:26:10 ID:xakJ8Bcg

 くすっ。
「ファーストキス……だったのですか?」

 そう指摘された瞬間、憤怒、悲哀、屈辱、それら全てを混合した激しい感情を剥きだして真理を見上げる凛子。だが、その唇に、再び真理の細い指が一本、あてがわれる。
「泣くには及びませんよ」
「なっ……!? ないてないわよっ!!」
「桜ちゃんが言ったでしょう? 姉妹の絆をより固くするって。だから今のは『キス』にはカウントされない、単に家族の愛情を示すだけのキス。外人とかが映画でやってるような、ね?」
「……」
「本当のキスっていうのは、ああいうのを言うのです」

 真理が視線で指し示した先は、彼女たち二人のすぐそば。
 X字型にテーブルに戒められた男が、頭部をこちらに向け、下腹部にケーキの本体を据えられて、相変わらず六人の少女に全身を貪られている。
 もっとも彼自身は、眼前で自分を見下ろす、この“妹”二人に気付いてはいない。
 何故なら喜十郎は、深雪と春菜の熱烈なキスによって、半ば意識を飛ばされていたからだ。
 その鼻孔は、再び二人の“妹”の繊手によって封じられ、黒紫色の顔色と、時折起こる痙攣が、誰にでも分かるように、その行為の本質を示している。――すなわち、そのキスは愛撫などではなく、ある種の目的を持った“拷問”であると。

「真理……あれ」
「うん?」
「アニキ、あれ、――やばいんじゃないの?」
「まあ、このままだと、多分ね」
「分かってるんなら、何で止めさせないのっ!? あのままだとアニキ呼吸困難で死んじゃうよっ!!」
「大丈夫よ凛子ちゃん。私たちが兄上様を死なせるなんて、絶対にあり得ませんわ」
「じゃあ――」
「あれは“奴隷”のキスなのです」
「どれいのキス!?」
「そう、兄上様の余計な気力を、一滴残らず吸い上げて、無力な“奴隷”の立場を思い知らせるための、キス」



378 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:29:09 ID:xakJ8Bcg

 真理が、喜十郎の口元に群がる二人の耳元に、何事かをそっと囁くと、春菜と深雪は、――多少、不満そうな顔はしたが、ようやく“兄”の口腔と鼻孔を解放する。

「……ごふっ」
 もう彼は咳き込むことすら出来ない。
 開きっぱなしの瞳孔は、鈍い、うつろな光を放ち、まるで途上国の餓死者のようだ。
 二人のキス責めは、結果として、夥しい体力を“兄”から奪ったことになる。
 いや、『結果として』ではない。これは明らかにそれを意図して行われた責めである事は、もはや歴然だ。
 おそらくは、これこそが彼女の言う“奴隷のキス”の本領なのだろう。
「――では兄上様、最後に残った気力も、これで吐き出して頂きましょうか」
 そう呟くと真理は、いまだ意識が完全に回復せぬ“兄”の頬をピタピタとたたいた。

「……ん……んんん……」
 うめき声とともに、天地晦冥だった“兄”の意識が回復してきたのか、徐々に双眸に正気の光が灯りだす。
「――はぅっ!?」
 突如、喜十郎は肩を震わした。
 胸に取り付いた詩穂と麻緒か。あるいは脚部に取り付いた桜と比奈か。いずれにせよ、彼の性感帯には、いまだ複数の“妹”が、その情欲をぶつけている。理性が戻れば、必然的にそれらが与える快感にも注意は向く。
 そして、それらのエクスタシーを意識するという事は、それだけ喜十郎の感覚が正常に戻ってきたという事である。それはつまり……。


「……ア、アニキ……」
 自分を取り囲む十四個の淫らな眼光。
 その中でただ一人、この“宴”にも“妹”たちにも、いや“兄”その人にすら、ドン引きに怯えた眼差しを向ける、一人の少女。


「――うっ、うわっ、ぁぁぁぁぁあああああっ!!」
 意識が現世に帰還した瞬間、喜十郎もまた、再び現世の常識を取り戻している。
 この家における自分の境遇を知らぬはずの女の子が、義理とはいえ、“兄妹”相睦み合う禁断の性宴を、思い切り目の当たりにしているという、この現状。
 それも、ただの兄妹相姦ではない。“兄”が“妹”に輪姦されるという、世間的に見てあり得ないほど異常な、異質な、変態的な、そんな自分を思い切り見られている。
「見るなっ!! 見るんじゃねえっ!! やめろっ!! こっちを見るなぁぁっ!!」
 彼は暴れた。
 もはや残っていないはずの最後の体力。
 その一滴の体力を振り絞り、暴れ、叫び、もがいた。
 しかし、悲しいかな。ほとんど力の入らない体が、いかほど暴れても、彼の四肢を繋ぐ手錠と足枷は、こゆるぎもしない。



379 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:30:47 ID:xakJ8Bcg

「おっ、お兄様っ!?」
「あにぃっ!?」
「お兄ちゃまっ!?」
「おにいたまっ!?」
“妹”たちが、事態を飲み込めず、突然の抵抗を開始した“兄”を驚愕の目で見る。
 しかし、凛子を除く枕もとの三人は、――少なくとも真理は、実験中の科学者のような冷静さで喜十郎を見下ろし、成り行きを見守っている。

 いつから見ていた? という疑問さえ湧かない。
 なぜなら、この状況下に於いて、喜十郎にとってそれはもう、どうでもいい事だからだ。
 彼の心中を焼き尽くしていたのは、ただ強烈なまでの羞恥心であった。
 オレはヘンタイじゃねえ!
 オレはヘンタイじゃねえ!
 オレはヘンタイじゃねえ!
 オレはヘンタイじゃねえ!

――いいえ、お兄ちゃんはヘンタイです。ヘンタイなんです。

 その瞬間、彼の脳髄を稲妻のように貫く、一人の少女の声。

――お兄ちゃんは興奮してるんです。痛くされて、苦しくされて、恥かしくされて、それで感じて興奮しちゃうような、……お兄ちゃんはヘンタイさんなんですっ!!

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ!!!!」
 喜十郎の叫びは、もはや意味をなさない呼気の放出と化している。
 喉が涸れたわけではない。絶叫を言語化するだけの理性が、羞恥のあまりオーバーヒートしてしまったのだ。
 先程までとは異なる色に潤んだと思いきや、彼の目から数条の涙がしたたり落ちた。
「……頼む……見ないで……そんな目で、見ないでくれ……」

――もはや、蝋燭は燃え尽きた。
 例えいま、彼を縛る戒めを解いたところで、彼は何一つ満足な抵抗が出来ないだろう。



380 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:35:33 ID:xakJ8Bcg

「アニキ……」

 堅く目を閉ざし、唇をかむ喜十郎。そしてそれを呆然と見下ろす凛子。
 そんな彼女に、まず深雪が言葉を投げかける。
「ほら凛子ちゃん、にいさまが泣いておられますわ。あなたも何かと酷い人ですね?」
「ムゴいって……アニキを泣かせたのはアタシだっていうのっ!?」
 そう言って気色ばむ凛子に、今度は真理が呆れたように言う。
「官能の炎に身を焦がす兄上様に、そんな氷水のような視線を投げつけたのはあなたですよ? もし御自分が兄上様の立場だったら、あなただったら耐えられますか?」
「……それは……」
 そして春菜も言葉を重ねる。
「いいですか凛子ちゃん? 私たちがどれほど兄君さまを昂ぶらせても、たった一人の冷えた眼差しで、人の恍惚というものは、たちまち消し飛んでしまうのです。そんな兄君さまが哀れとお思いになられるなら、……為すべき事は分かりますね?」
 その春菜の言葉に、彼女を咎める響きは無かった。

 凛子の目に、いま新たなる輝きが灯ろうとしていた。
 姉妹たちに、そう言われたからではない。
 姉妹たちに、そう言われたことで、ようやく彼女は大義を得たのだ。
 常識では許されざる、自分自身の淫らな行為を正当化する口実を。
――アニキのために。
――アニキを羞恥の苦痛から解放するために。
 そう思った瞬間、みるみる肩の力が抜けてゆくのが分かった。
 そして、一度脱力して見れば、そこにいるのは、“妹”たちに捕捉され、自由を奪われ、一人怯える“兄”という名の無力な少年。
 みんなが自分を見ているのが分かる。
 真理も、深雪も、春菜も、麻緒も、詩穂も、比奈も、そして桜も。
 だが、いまの凛子にとって、もはやその視線は、心地良い刺激以上のものではあり得なかった。
(馬鹿みたい……。アタシ、今まで、何を躊躇ってたんだろう?)
「アニキ……今までごめんね。これからはアタシもやるから」
 その言葉を聞いた瞬間、堅く閉じられていた“兄”の瞼が、ピクリと反応した。
「だからアニキも、もっともっと気持ちよくなってね? アタシが居てくれてよかったって思うくらい、ね?」

……もはや、凛子の心中にあった“兄”の偶像は、完璧な変質を遂げた、と言い切ってよかった。
 喜十郎の“兄”としての個性を、父性の代用品として求めた彼女はもういない。
 凛子は認めたのだ。
 この眼前の“兄”は、尊敬の対象であると同時に、愛撫と調教の対象でもあり、それが全く矛盾しない、稀有なキャラクターの所有者なのだと。
 ならば喜十郎に、あまたの“妹”が群がり、貪り尽くし、それでいて彼女たちから軽視もされずに輾然(てんぜん)としているのは、全くの道理であろう。
 理解した以上、もはや“兄”への淫行を躊躇う理由は一つもない。
 それは、この少年をムチャクチャに嬲り尽くす行為が、イコール“兄”を軽んじる行為に直結しないということであり、それは、何をやっても彼に嫌われないという保障に他ならないからだ。

「アニキ……アタシも、アニキにキスしていい?」
 そう言いながら凛子は、そっと、彼の鼻をつまんだ。
――喜十郎の目が、再び恐怖に見開かれる。



381 淫獣の群れ(その18) sage New! 2007/11/13(火) 15:37:04 ID:xakJ8Bcg

(これで、凛子も私たちの仲間になったわね)

 桜は、独特の薄い笑みを浮かべながら、彼の下腹部に聳えるケーキを見る。
――いや、正確にはケーキではない。
 ケーキの表面を突き破るように芽吹いた、肉色の筒竿。
 すなわち“兄”のペニス。

 あのとき、姉妹全員が喜十郎の表情に釘付けとなる中、桜だけが見ていた。
“兄”の絶叫が言葉の態を為さなくなった瞬間、ずぼっという勢いで、カステラ層と表層のクリーム層を突き破り、イキナリ生えてきた亀頭。
 まるで、アスファルトを突き破り、地面に顔をのぞかせたツクシのようだった。

――お兄様は、……見られても感じるのね……!!

 凛子の怯えた視線に晒されながらも、見るな見るなと散々騒ぎながらも、それでも彼の肉体は、興奮を覚えずにはいられないのだ。
 なんというポテンシャルを秘めた肉体なのだろう。
 桜はウットリとなる。

 もっともっと絶望の淵に蹴り込んであげよう。
 おそらく“兄”の肉体は、さらなる絶望を覚えるほどに、ますます旨みを増すはずだ。
 そして、その身体はやがて、より以上の絶望を彼女たちに求めるようになるだろう。
 そうなればもう、喜十郎は自分たち無しでは、もはや生きていけないはずだ。
“兄”の魂を、そこまで躾る事が出来たなら、もはや可苗など恐るるに足らない。
 桜はそこまで考えて、独り静かにほくそえんだ。


 しかし、桜は知らない。
 喜十郎が示した激しい勃起――それは、凛子の視線に晒された露出の刺激だけではなく、あの瞬間、可苗の放った一つの言葉が、彼の脳裡を駆け巡った結果に拠るものでもあることを。
 可苗の発した“ヘンタイさん”という響きが、
『ヘンタイさんは見捨てられる』という言葉が、
――徐々にではあるが、深く、静かに、だが確実に“兄”の精神を蝕みつつあるということを。

 彼女たちはまだ、誰も知らない。

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最終更新:2007年11月13日 17:18
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