小ネタ『とある夏の日』

129 小ネタ『とある夏の日』 sage 2007/08/20(月) 17:13:24 ID:X6vFQBbX
みーんみんみんみー……

暑い、今年は前に比べて異常なくらい暑い!
普段は何とも感じない蝉の声ですら、鬱陶しく感じるくらい暑い!!

と言う訳で、今日1日はクーラーを付けて過ごす事にした。
地球温暖化云々とか言っているが、この暑苦しさの前ではエコロジーなんぞ糞食らえだ。

「暑いな……」
「暑いわね……」

取り敢えずクーラーが完全に効くまで扇風機の前に居座る。
……で、何故か隣に姉ちゃんがいるのは何故だろうか?ここは俺の部屋の筈だ。

「姉ちゃん、一つ聞きたいんだが」
「何?あたしから性の手解きでも受けたいの?」
「誰が聞くか、そんな事」
「じゃあ何?」
「………何で姉ちゃんが俺の部屋で涼んでいるかを聞きたいんだ」
「その理由は単純よ、クーラーが涼しいから」

……をひ

「………姉ちゃんの部屋にもクーラーはあるだろ?」
「壊れたのよ」

俺の怪訝な問い掛けにもっともらしい理由を返す姉ちゃん。
ってちょい待て、

「………昨日、姉ちゃんの部屋の前を通りかかったら
開いた部屋のドアからガンガンにクーラーを効かせた冷気が漏れていたのは気の所為か?」
「だから、今日壊れたのよ」

…………さいですか。
多分嘘だろうと思うが、問い詰めた所でのらりくらりと返される可能性が高いので
この件についてはこれ以上聞かない事にする。


130 小ネタ『とある夏の日』 sage 2007/08/20(月) 17:14:00 ID:X6vFQBbX
「じゃあ、もう一つ聞くが」
「何?あたしの胸でも揉みたくなったの?」

そう言って胸をこれ見よがしに持ち上げ、俺に見せつける姉ちゃん。
それに対して俺は何も突っ込まず(突っ込んだら負けだと思ったから)

「何で格好が上は露出の多いタンクトップで下はパンツしか履いて無いんだ?」
「暑いからよ?」
「そうか、なら何でノーブラなんだ?」
「そりゃあ勿論、熱いからよ、身体が」

さり気に「あつい」の言い方が違うのは気の所為では無い筈だ。

「そうか、なら何故、姉ちゃんは俺の方に徐々に近づいて来ている?暑苦しいだろ?」
「うん、それも簡単な理由、身体が火照って熱いから♪」
「…………」
「あれ?いきなりあたしの後ろ首掴んで持ち上げて如何したの?何するつもり?力があるのを見せたいの?
ああ、分かったわ。遂に弟君もあたしに欲情して………」
「出てけっ!!」
「ひゃぁ!?」

そのまま部屋の外に姉ちゃんを蹴りだし、ドアを閉め、鍵をかける。

「暑い~、暑いから入れてぇ~」

直ぐにドアの外の方からカリカリと爪でドアを引っ掻いている音と姉の懇願の声が聞こえる。
冗談じゃない、只でさえ糞暑いのに欲情した姉なんぞ入れたら暑いじゃ済まされない事態になる。

俺は姉の声を無視してイヤホンをつけると、涼しくなった部屋でお気に入りの音楽を流し、まったり過ごすのだった。


―――尚、3時間くらい経った後でトイレの為に部屋から出ると、
其処にはすっかりグロッキーとなった姉ちゃんの姿があった。

どうやら姉ちゃんの部屋のクーラーが壊れていたと言うのは本当だった様だ………スマン。

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最終更新:2007年10月21日 00:10
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